なら学びの会

学び・なら総合研究所
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1.16 定期訪問②

2019-03-10 15:04:05 | 日記
晴耕雨読 
よく降りますね。今月末から、いよいよ米作りの準備が始まります。もみから苗づくりの後、5月1日 改元の日に田植えの予定です。「改元米」ですね。
さて、あっという間に学校は総括の月、そして子どもたちは進級・進学を迎えます。それぞれに期待に胸膨らませて巣立ってくれることを祈りつつ・・

6時間目 提案授業 中学2年生
道徳 生命の尊重「氷河上の決断」

 

座席 男女ペア 3列から6名の生活班へ
目標 自分が隊長なら、どのような決断を下すのかについての意見交換を通し、命を大切にするとはどういうことなのかを考え、深める。
授業者の思い 
一方的に「命は大切だ」といった価値観だけを指導するのではなく、互いの考えを交流し合い、命に関する様々な考えに触れ、「命を大切にするとはどういうことなのか」について、自分なりの考えを練り上げていくという過程を大切にさせたい。

   

 まず、「命を大切にする」ということを問いかけます。「生きること」「自分の体に負担をかけないこと」「危険から身を守ること」などが出たので、資料「氷河上の決断」を配布し本時の課題について説明します。範読をして、要点を確認させます。(ここまで 7分)
 次に、ブルーの付箋を配って、「自分が隊長ならどうするのか」を記入させたのち、生活班での意見交流が始まります。(ここまで 19分)この後、ワールドカフェ式(スライドで説明)で班長は自分のグループの意見を説明します。班員は意見聴取に移ります。持ちものとしては、ピンクの付箋を持たせて、自分と違う意見を2つ持ち帰らせてまとめの交流に使います。移動は2回、交流時間は3分間。(ここまで 30分)


  

自班に戻った後、再度まとめをします。全体交流するために、座席を一斉に戻しワークシートに自分が選択した行動について、根拠も含めて記入させます。指名をして、全体交流に入ります。「助けない」理由は、「一人を除いて、安全な場所にいるなら、一人のために、危険な場所にいる必要はないのではないか。」先生から「命は大事であると発言していたが、白水隊員の命は見捨てるということ」という問いかけに「命を大切にする=捜索を続けるということにはならない」「命を大切にすることを考える行為こそが命を大切にすることではないか」。その他「できるところまでやってみる」「この場合、他の隊員の命も大事だから」「登山隊の隊長なら助けないが、救助隊の隊長なら助ける」「助ける。隊長として置いていくのは責任逃れだから」先生から救助を続けることで他にも犠牲者が出たときはどうすると問われて、「その時はやめる。また、(助ける)手段がなくなったたらやめる」との発言が続き、どちらにしてもしっかりとより深く考えてもらいたかったと結びました。最後に、続きとして、何度も救出を試みたが隊長はついに中止の判断をし、14年後白骨化した遺体が他の登山隊により発見されたということを聴かせました。そして、引き続いて白水さんを置いていった隊員の気持ちや、白水さんの「…もういいよ、私ここで死ぬから」言葉などをそれぞれの立場に立って考えてみて欲しいと課題を出します。そして、ワークシートに授業の振り返りを書かせて終了しました。次年度から始まる「道徳教科化」へ向けてよいモデルになったと思います。


    

今日のテーマを受けて、全員かなり真剣に取り組めていました。




研究協議会から
① 座席は、担当学年とグループ担当の先生方を中心に、他の先生方が取り囲むようにセットされていました。
② 授業者の感想からグループ担当者(記録)の発言、全体交流へと進みました。
③ 小畑先生のお話しのあと私から4年間の取り組みの感想や課題をお話しさせていただき、参観授業の個々のカンファレンスをさせていただいて終了いたしました。
次回は、同じく1月29日寝屋川市内中学校訪問記です。

お知らせ
① 奈良の会 3月23日(土)9:30~ 上牧小学校にて
  次年度開催日程 4月27日、5月25日、6月22日、7月27日、8月24日、11月23日、12月14日、2月22日、3月28日 土曜日開催、会場は未定ですので上記ブログをご覧ください。
② 「四月からどうする」4月6日(土)11:30~ 宝塚教育総合センター
③ 「小学校体育 12ヶ月の学びデザイン」大修館書店 1,600円



3月1日から発売されています。理論から具体例まで数多く収められています。体育だけでなく、多くの場面で使うことが可能な編集となっています。ぜひ、参考になさってください。