黎明の廃人日記

最近はやや更新が途切れがち、斜めに流し読み。
貴方にも私にも人生の役には立ちません。

ごくごく珍しいうちの本職的な話

2018年10月17日 22時49分34秒 | Weblog
10月17日分。

 毎度。あんまり動画編集への気力が上がらないので、たまにはこっちも更新せんとなとぽちぽちし始める。幽霊です。一応一昨日に一本投稿誌終えた後で、少し気が抜けているのもあるのでしょう。なお、そっちの新しい一本は普段より少し再生の伸び率がよく、サムネとか投稿のタイミングって影響が思いの外大きいなぁと感じるのでした。


 えー、そこはさておき。珍しくうちの「本職」に関連するお話です。そしてついでに、割と気の長い、結構先のことのお話です。
 今現在、「消費税増税」と「軽減税率」の話でマスコミさんは賑わっておりますが、そこから更にもっと後、5年後に更に影響の大きな話が待っておりまして。そっちの話は、ほぼ経理担当者、かつ消費税に触っている人以外あまり把握されていないと思われます。
 何が待っているのかというと、「インボイス制度」というヤツが予定されておるのです。ナンジャソラという感じでしょうが、これ、企業側にとっては軽減税率どうこう以上に割と厄介なお話でして。特に、規模の小さい企業・会社・事業者さんほど「インボイス制度」は影響を及ぼす可能性があります。

 ……まず、消費税を「実際に納税」する際の仕組みというのは、あんまり知られていないかもしれません。消費者側としてはお買い物をする際に取られているわけですが、あれは「納税している」のではなく、企業に消費税分を支払って「預けている」状態となります。実際に「納税をする」のは、その消費税を受け取って・預かった企業の側なんですね。
 企業から見ると、お客さんから受け取って預かった消費税というのは、「売上」の方にかかるもの。これとは逆向きに、他の企業から「商品などを仕入れる」という動きもあって、この際企業は、その仕入れた商品の対価としてお金を支払い、当然ながらこの仕入れにも消費税が乗っかります。つまり、企業にとってはですが、消費税というのは「売上にくっついて預かっている消費税」と、「仕入れにくっついて支払った分の消費税」が両方あるわけです。
 消費税の納税額の計算は、下のような式で考えることになります。

 「売上で預かった消費税」-「仕入れで支払った消費税」=「最終的に納める消費税」

 つまり、売上にくっついて預かった消費税の全額を納税するわけではなく、仕入れで支払った分の消費税を差し引いているわけです。これを、「仕入税額控除」と言うのですが……。上で影響が出てくるよと言っている「インボイス制度」というやつは、この「仕入税額控除」に際して結構な影響を及ぼしてくるのです。

 実は、消費税に関しては、その納税を免除されている場合があります。非常に雑に言うと、「年間の売上高が消費税を除いた分で1,000万円以下」の事業者の場合、納税の義務を免除されます。厳密な意味合いは違うのですが、面倒臭いので割愛。
 ……で。中小の事業者さんだとこのラインに行かないため、免税の事業者さんになっているケースがそれなりにあるのではないかと思われるのですが。ただ、ここで引っ掛かってくるのが「インボイス制度」の話になってきます。ざっくり言うと、「インボイス制度」適用になった場合、免税事業者が大手企業との取引を切られる、もしくは「納税事業者になるように要請される」可能性があります。

 どういうことかと言うと、「インボイス制度」が適用になると、上で書いている「仕入税額控除」を行うための要件として、「適格請求書」の保存が必要になるのです。んで、この適格請求書というやつを発行するには、「課税事業者」でなければならないという決まりになっていたりするのです。
 つまり、納税義務を免除されている側の企業・事業者では適格請求書を発行できない。従って、「免税事業者から仕入れたものに関しては仕入税額控除が出来ない」のです。このため、仕入税額控除をする側の事業者からすれば、「免税事業者からの仕入を避ける」か、「免税事業者へ働きかけて課税事業者になってもらう」、という動きになる可能性があります。
 仕組み上、免税事業者を相手に仕入をすると税額控除が出来なくなるので、損なんですよね。そして、「適格請求書」を発行するには、「税務署へ届け出をして課税事業者になる」必要があり、また「適格請求書」を発行できないにもかかわらず虚偽の請求書を作成した場合、罰則があります。「努力義務」的な規定ではなく、実刑が適用される、純然たる罰則です。
 まだこの先規定が変わる可能性はあるでしょうが、既に税務署側は企業に対して、この「インボイス制度」の話をし始めています。私自身、税務署主催の軽減税率絡みの説明会へ先月くらいに参加して、このときに随分時間を割いてインボイス制度の話を聞かされました。消費税アップと軽減税率の適用は目先の話ですが、インボイス制度は「納税の実務を担う事業者への影響が非常に大きい」ため、税務署側はむしろ「インボイス制度の方を重視している」ようです。


 一般の消費者の立場ではあんまり「インボイス制度」は影響がないのですが、事業者同士での取引においてはかなり大きな影響を及ぼす話なんですよね、コレ。経理部署、調達部署では結構あとあとで影響が出てくる話なので、頭の片隅にでも置いておくと良いかも知れませんね。

 ではでは。今回の更新はこのくらいにて。

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