保守的なイギリスでワンマンショーシリーズを持てるというのはソロシンガーにとって着実な地位を確立できたも同じこと。誰もがScott Walkerはエンゲルト・フンパーディングやトム・ジョーンズと同じバラード歌手としてこのままやっていくのだろうと思っていたでしょう。
アメリカのショービジネス界で身に付けた卓越したステージマナーは洒落ていて、当時のイギリスでも洗練されたエンターティナーと歓迎されていたのではなかったでしょうか。ジョニー・フランツ、ピーター・ナイトが上品なステージと楽曲を演出。ゲストも大人っぽい人が多かったようです。O.C スミス、サリナ・ジョーンズ、ダドリー・ムーア、ジャッキー・トレント、ノエル・ハリソン(超イギリスっぽくて笑える)等々。キキ・ディーは可愛くて上手い若手実力派シンガー。のちにエルトン・ジョンとのデュオでブレイクします。
そんな中でこの人はScott自身が選んだか?
ジーン・ピットニー。カントリー・ウエスタン好きのScottは自らバックコーラスまで参加するほど。
楽しい思いもした仕事だったでしょう。
でもバラードやシャンソン、スタンダードナンバーばかり歌っている訳でもなく、自作の曲も披露する。
「次の曲はウォーカーブラザース時代に・・・」と聞いただけで若い女の子たちから歓声があがる。しかし歌うのは
「ローズマリー」だったり、「イッツ レイニング トゥデイ」であったりしてちょっと肩すかしだったりしたのでは?そしてその反応を彼はどのように受け止めていただろうか?
珍しいTVスタジオでリハーサルか本番か、出演者達と記念撮影しているScottのphotoがアップされ、興味本位で勝手にショウのプロモみたいなのを作ってみましたが、最後の1枚にはたと悩みました。
笑顔と無表情なScottのどちらにしようかと。結局明るい曲風に合わせて笑顔のポートレイトにしましたが、この笑みの裏にどんな想いをしのばせていたのだろうと思うと、痛々しくさえ見えます。
少なくとも彼はこれらのチャンス(TV出演など)を自分のアルバムを作る環境に近づけるためのステップ。仕事と割り切っていたのではないでしょうか。
この頃、彼は様々なジレンマから心身ともに疲労が極地にいたり、そのために日本公演をドタキャン事件まで引き起こし、プロとしてやってけるかどうかの瀬戸際でした。その信頼回復のためにもこのシリーズはやらなければならない大切な仕事だったのでしょう。
アーティストとして身を立てたい。しかしそのためにはこれまでのバラード歌手として売ろうとするスタッフとの思惑の違いをどのように理解を求めていったらいいか。現実社会と理想の狭間で苦しむ彼の人生は始まったばかりでした。
去年の11月にswallowさんからcatさんのブログへのコメントで、
1968年、8月16日から、と云う記述がありますが、これですか。
私のipodでは、時計マークの所を押しても動画が出ないのです。グスン。
たしかに1968年の8月からのようです。私の持っているTVShowのCD4枚組に入っていた解説書によると
”Aug1968.Dec1968.Mach1969.April1969"
となっています。
だから8月と12月、翌年の3月、そして4月で終わったようですね。
Scott、服のセンスも素敵。この冬、全身コーディネイトを真似ちゃおうかしらんなど、我が身を忘れ、一瞬思ったりしてしまいましたです。
ところで、先日、友人がCurtis Mayfieldの゛people get ready゛を、次のようなウンチク付きで教えてくれました。
http://www.youtube.com/watch?v=UTL9myUqLMs&feature=related
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このとき、アメリカは公民権運動のなかでしたので、大集会、大行進を見て自身も行動を!と立ち上がり、そのデモ行進を列車に例えてつくった歌です。
リーダーでボーカルしているカーティス メイフィールドの不朽の作品です。
当時の社会を映しています。メッセージを投げて来ますよね。
彼は、子供の頃からシカゴで聖歌隊、そして敬虔なクリスチャンです。
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以上、ウンチク。なるほど!と思ったもので、皆さんご存知かと思いましたが、ご紹介させて頂きました。
この曲、Scottも歌ってますよね。
People Get Ready についてご紹介有難うございました。
この曲、catさんもお気に入りで「かっこいい・・」と言っていらっしゃいましたね。(何時のコメントだったか探していたら遅くなっちゃいました。見つからない~)
ウォーカーズ時代にレコーディングしてますよ。
http://www.youtube.com/watch?v=lPzsJJEIAgI
ScottもJohnも黒人のアーティストにはとても敬意を持っているのでこの曲も気に入っていたと思います。
昔、二人がソロで活躍していた頃、オーストラリアでJohnがコンサートに招へいされたが、黒人と白人の座席を別にしているということに立腹して即キャンセル。ではScottは?こちらもNO!結局他のUKのグループに決定したという話がありましたっけ。
それでは、とバーズにどうだい?と持って行ったところグラハムなんとか?と言う子が「人種差別する国でなんか絶対やだね!」と拒否。しかたなくこの人だけ置いてほかのメンバーだけで出向いて行ったそうな。
正義感強い人は潔いわね~
何度見ても泣けてしまう。長い沈黙の後、人前に出ることもなかった彼がサングラスもはずして。若いミュージシャンの盛大なスタンディングオーベイションに緊張のためか、感激のためか声も震えがちでした。
テーブルに戻ってそっと涙をぬぐっているような横顔におもわずもらい泣きしてしまいます。
パパを見つめるようなジャービスの誇らしげな表情もいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=l2RWa3zNaF4&feature=related
Q awards
http://www.mo-no-tone.com/94_546.html
UKではなく、日本の販売店なので、手続き的に買いやすいかもと思いまして、お節介ながら再びご紹介です。しつこくですみません。
なにせ、画質が悪く、catwalkerさんの所でブーイングものだったDVDですが、私にとっては宝物のひとつでございます(笑)
4パターン存在するという「ノーリグレイツ」の中で、現在、唯一YouTubeでは観ることが出来ない、幻とも言える4タイプ目のバージョンもここにあります。
でも、これも、すでにご存知のように、とんでもなく画像が特に悪い。swallowさんが、目をこすりシパシパさせながらご覧になった…でしたかね、そういったいわくつきのバージョンですね。
でも、笑いのツボにはまってしまったScottの表情は、一見の価値ありかと。