「アンソロジー カレーライス!!」読了
本書は平成25年にパルコ出版より刊行されたものです。前回の「アンソロジー そば」と同じシリーズであります。執筆陣は「そば」とかぶっている人が結構多く、山口瞳、尾辻克彦、町田康、色川武大等々。
自分の敬愛する伊丹十三の文がよかった。多分に自分の料理自慢が入ってるんですが、これがちっともいやみじゃない。このスマートさがいいですね。
「カレーライス」と聞いて昔なつかしのじゃが芋、人参がごろごろ入った、どろりとした黄色いカレーがよかったと書く人が少なからずいるんじゃないかと思って読んでおりましたら、けっこうな人たちがそんなことを書いてるんでちょっとびっくりしました。誰もが思いつくようなものは書いてほしくないですね。ちょっと芸がないです。
全体に伊丹十三以外は特に目をみはるものもなく、少し残念でした。「メロディアス・ライブラリー」で紹介されていたときは「うわ、面白そう、絶対読も!」と思ったんですが。
今、読みかけているクッツェーの小説が、読み進むのにかなり難渋しておりまして、つらい読書になっております。そんな折、こんなに簡単に読めるものが手元に来たので(しかも2冊)、飛びついてしまいました。反省しきりです。
今度こそクッツェーに戻ります。