大江健三郎「二百年の子供」読了
読売新聞に連載した大江唯一のファンタジー・ノベルということです。
長男の真木、長女のあかり、二男の朔の三兄弟が過去と未来を自在に行き来して、自分たちのこれからの生き方を考えるという物語です。
兄弟たちの親の故郷の「四国の森」(!)。その森の「千年スダジイ」と呼ばれる千年杉の木の「ウロ」に入って、行きたい時代を三人が同じ強い思いをもって眠ると、その時代へ行けるという、まぁタイムマシーンですね。120年前の明治時代に三人はタイムスリップし、そこで例のメイスケさんに会ったりします。また、80年後の2064年の世界へ行ったりもします。
それを長女のあかりの視点で物語は進んでいくわけですが、面白いことは面白いんですが、文章がなんともかったるい。ファンタジーということで、意識的に難解な言葉や、言い回しを避け、なるたけ平易な文章にしているんですが、今まで大江作品をずっと読んできた者には、いささか食い足りません。
ファンタジーノベルなんだからと言ってしまえばそれまでなんですが、それにしてもねぇ…。まぁ、こんなもの読みました、ということで。
さて、これで大江作品の未読の分はひととおり読み終えました。これからは大江健三郎フェアを開催する契機を与えてくれた三部作にとりかかります。「取り替え子(チェンジリング)」「憂い顔の童子」「さようなら、私の本よ!」です。残りの読むべき本はあとわずかですが、自分としてはやっと本題に入ったという思いです。
読売新聞に連載した大江唯一のファンタジー・ノベルということです。
長男の真木、長女のあかり、二男の朔の三兄弟が過去と未来を自在に行き来して、自分たちのこれからの生き方を考えるという物語です。
兄弟たちの親の故郷の「四国の森」(!)。その森の「千年スダジイ」と呼ばれる千年杉の木の「ウロ」に入って、行きたい時代を三人が同じ強い思いをもって眠ると、その時代へ行けるという、まぁタイムマシーンですね。120年前の明治時代に三人はタイムスリップし、そこで例のメイスケさんに会ったりします。また、80年後の2064年の世界へ行ったりもします。
それを長女のあかりの視点で物語は進んでいくわけですが、面白いことは面白いんですが、文章がなんともかったるい。ファンタジーということで、意識的に難解な言葉や、言い回しを避け、なるたけ平易な文章にしているんですが、今まで大江作品をずっと読んできた者には、いささか食い足りません。
ファンタジーノベルなんだからと言ってしまえばそれまでなんですが、それにしてもねぇ…。まぁ、こんなもの読みました、ということで。
さて、これで大江作品の未読の分はひととおり読み終えました。これからは大江健三郎フェアを開催する契機を与えてくれた三部作にとりかかります。「取り替え子(チェンジリング)」「憂い顔の童子」「さようなら、私の本よ!」です。残りの読むべき本はあとわずかですが、自分としてはやっと本題に入ったという思いです。