疾風の如く!

美人画と弓道に生きる日々。

山下清展に行ってきた。

2023年09月10日 | Weblog
実は、昨日、土曜に行った時は、すでに午後3時半。
しかも、閉館が午後6時なのに、2時間待ちの大行列だったので、引き返した。

そして、今日、開館20分前に行ったら、それでも1時間10分待ち!!
でも最終日だし、頑張って観るしかない。




感想は、山下清さんは、とんでもなく凄い貼り絵作家でした。

貼り絵だから小さめのものなんだろうと思っていたら、
けっこう大きめの作品があって、そこに超緻密な貼り絵が描かれていた。
それは、もはや衝撃的な緻密さで、どれだけの時間と労力をかけたのか想像できないくらい・・!!

これは凡人には到底できない仕業だ。そう思った。
おそらく人並外れた物凄い集中力で、延々と千切っては貼り続けたのだろう。

一枚一枚が数ミリ単位の貼り紙だったり、こよりも作って張り付けたりで、
ここまでやって、大きな号の作品にするのは尋常ではない。

しかも、旅先ではスケッチせず、自分の驚異的な記憶だけを頼りにああいう作品を作り上げたのは、
もう天才と言っても過言ではないと思う。

3歳の時に三ヵ月寝込んだせいで知的障害が出てしまったそうだが、
もしかしたら、それが芸術家としては、良い方に働いたのかもしれない・・。
風景画が多いが、そこに描かれる人物も、
まるで小学生が描くような顔立ちになっていて、
あのちびまる子ちゃん風の絵柄なのだ。

あるいは、谷内六郎さんのような童話調の少年少女のようでもあった。
「童心を失わない絵描き」の描く人物は、ああいうパターンになるのだろうか。


あと、人柄に関しては、物凄くピュアな人物だと思う。
好きなものは好き、嫌いなものは嫌い。そう言ってはばからないような・・。
頭で考えて嘘をつけるような人ではなかったように思う。
「〇〇なんだな」という語り口調に、偽りのない本心が込められているのだろう。


今回の展示作を見た中で、最も感銘を受けた作品は「長岡の花火」だ。
あれは、一度通り過ぎて、また戻って鑑賞し直した。
あの貼り絵の傑作を、自分の眼に焼き付けておきたいと思ったから・・。

思うに、山下清さんの貼り絵作品は、直に見なければその凄さがわからない。
ネット画像などで見ただけではダメなような気がする。


今日は、本当に素晴らしいものを見た。

最後に、思わず吹いて(苦笑して)しまった作品がある。
鉛筆画だが「水に溺れた時の事」という作品。
きっと、放浪の旅の途中で、こういう目に遭ったのだろう。
裸で口から水があふれている・・これも偽りのない傑作だった(笑)


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