観てから少し時間がたってしまったので記憶が薄れてきていますが、フランスと日本の合作ドキュメンタリー映画です。2部構成で一部は「だし」、二部は「醤油」。一部もよかったのですが二部の醤油の「麹菌」の話が興味深く面白かったです。漫画「もやしもん」で知った「もやし屋」は今は全国に10軒ほどしかなく、そこで日本すべての麹菌を賄っているということ。 一番興味ひかれたのは、麹菌を研究している先生の話で、麹菌=アスペルギルス・オリゼーが日本にしかない理由は、それが人工的に作り出された菌だからという説。もともとオリゼーと非常によく似たDNAをもつアスペルギルス・フラバスという菌が自然界には存在していたが、デンプンを糖に変える機能と同時に毒素も生成するもので、そのなかの突然変異種がオリゼーなのではないかということ(うろ覚えなので間違ってるかも)。醸造に一番良い発酵をする菌だけを千年に渡って選ぶことを繰り返してきて今に至るという話。もやしやの種麹は一子相伝で店主しか保管場所を知らないほど厳重に保存されていること。日本の酒、しょうゆ、味醂、みそはその努力の積み重ねの上に存在していることを知ると何かそれらの食品がとても貴重でありがたいものに思えてきます。
パンフレットがなく、代わりに映画にも出てきた京都の醤油屋さんの醤油を買って帰ってきました。まさに千年の一滴。