人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ジョナサン・ノット ✕ ペーター・ヤブロンスキー ✕ ジェームズ・アトキンソン ✕ 東京交響楽団でショスタコーヴィチ「ピアノ協奏曲第1番」、ウォルトン「ベルシャザールの饗宴」他を聴く

2022年05月23日 07時13分43秒 | 日記

23日(月)。わが家に来てから今日で2689日目を迎え、AFP通信によると、バイデン米大統領は22日、北朝鮮の金正恩総書記に送るメッセージは「ハロー、以上だ」と記者団に語った  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     僕が通訳すると「北朝鮮の度重なるミサイル発射実験は波浪注意報もの。異常だ」

 

         

 

昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールで東京交響楽団の川崎定期演奏会第86回公演を聴きました     私はサントリーホールでの定期会員ですが、都合により21日(土)の東京公演を、同一プログラムの22日(日)の川崎公演に振り替えました    プログラムは①リヒャルト・シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」、②ショスタコーヴィチ「ピアノ協奏曲 第1番 ハ短調 作品35」、③ウォルトン:オラトリオ「ベルシャザールの饗宴」です   演奏は②のピアノ独奏=ペーター・ヤブロンスキー、トランペット独奏=澤田真人、③のバリトン独唱=ジェームズ・アトキンソン、合唱=東響コーラス、指揮=東響音楽監督ジョナサン・ノットです

東響の機関誌「Symphony」5月号にジョナサン・ノットのプロフィールが掲載されていましたが、「2014年度シーズンから東響第3代音楽監督を務める」と書かれているのを見て、「就任から もう8年も経ったのか」と感慨深いものがありました   あらためて月日の流れの速さを感じます

 

     

 

オケは左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対抗配置。コンマスは水谷晃です 弦楽奏者のほとんどはマスクを着用しています

1曲目はR・シュトラウス:交響詩「ドン・ファン 作品20」です この曲はリヒャルト・シュトラウス(1864ー1949)が1887年から翌88年にかけて作曲、1889年にワイマールで作曲者自身の指揮により初演されました 成田麗奈さんのプログラム・ノートによると「ドン・ファンといえば好色男の女性遍歴と没落の物語として知られるが、ニコラス・レーナウの作品ではむしろストイックなまでに理想主義的なドン・ファン像が描かれている」という内容です

ジョナサン・ノットの指揮で演奏に入ります 冒頭からアクセル全開で、オーケストラの各セクションが良く鳴っています とくにオーボエ首席の荒木奏美、クラリネット首席の吉野亜希菜の演奏が冴えています 若き日のリヒャルト・シュトラウスの勢いを感じさせるアグレッシブな演奏が展開しました

2曲目はショスタコーヴィチ「ピアノ協奏曲 第1番 ハ短調 作品35」です この曲はドミトリー・ショスタコーヴィチ(1906ー1975)が1933年に作曲、同年10月15日にレニングラードで初演された「ピアノとトランペットと弦楽オーケストラのための協奏曲」です 第1楽章「アレグレット」、第2楽章「レント」、第3楽章「モデラート」、第4楽章「アレグロ・コン・ブリオ」の4楽章から成りますが、全楽章がアタッカで続けて演奏されます

ピアノ独奏のペーター・ヤブロンスキーはスウェーデン出身、アバドとアシュケナージに見出されて以降、国際的に活躍しています トランペット独奏の澤田真人は千葉県出身で、東京音大卒。第16回日本管打楽器コンクール入賞。現在、東響首席トランペットを務めています

管・打楽器奏者が退場し、トランペットの澤田が第一ヴァイオリン後方にスタンバイ、ヤブロンスキーがノットとともに登場し、さっそく第1楽章に入ります

ショスタコーヴィチ特有の諧謔的な音楽がピアノとトランペットを中心に展開します ハ短調といえばベートーヴェン「運命交響曲」の調性ですが、「それがどうした?」と言わんばかりの、人をおちょくった音楽です 第2楽章と第3楽章ではピアノによる美しい旋律が聴かれますが、第4楽章に入ると再び諧謔的な音楽が展開し、「まあ、そう固いこと言わないで」と言わんばかりにあっけらかんとフィナーレに突入します スピード感に溢れた賑やかで鮮やかなフィナーレでした

満場の拍手にヤブロンスキーは、ショパン「マズルカ 第47番 作品68-2 ”遺作”」をアンコールに演奏、大きな拍手を浴びました

 

     

 

プログラム後半はウォルトン:オラトリオ「ベルシャザールの饗宴」です この曲はウィリアム・ウォルトン(1902ー1983)が1929年から1931年にかけて作曲、1931年10月8日にイングランドのリーズ音楽祭で初演されました 2020年4月に中止となった「第679回 定期演奏会」のためにオヤマダアツシ氏(故人)が執筆したプログラム・ノートによると、この曲は「当時29歳だったウォルトンの名前と評価を一気に高めた    ユダヤ人を強制的にバビロニアへ連行したバビロン捕囚、旧約聖書の『ダニエル書』で伝えられるバビロニア王ベルシャザールが謳歌した享楽的な繁栄、さらには神の裁きによって崩壊するバビロンの街と解放されたユダヤ人の歓喜を描いた」ものです

2階P席に100人を超える東響コーラスの男女メンバーが入場し、1人おきにスタンバイします その後方のパイプオルガン下には、管楽器のバンダ(別働隊)が左右に各7人ずつスタンバイします イギリス出身のバリトン、ジェームズ・アトキンソンがノットの左サイドに控えます

ノットの指揮で演奏が開始されます 私はこの曲を聴くのは初めてですが、スケールの大きな作品で、バンダを含めた管弦楽と男女混声コーラスによる力強い演奏はスペクタルです ノットのエネルギッシュな指揮のもと、オケが唸りコーラスが絶唱します それに加え、アトキンソンの説得力のある歌唱が素晴らしい

東響コーラスはコロナ禍によりしばらく活動を休止していましたが、定期演奏会としては 今回ほぼ2年ぶりに出演しました 歌えないことがどれほど辛かったか、私には知る由もありませんが、メンバーそれぞれが質の高いコーラスを維持するため普段から努力をされて本公演を迎えたのだと思います 全員が暗譜で最後まで歌い切ることは並大抵のことではありません それを見事にやり遂げました 東響コーラスの皆さんに敬意を表し、あらためて大きな拍手を送ります

 

     

コメント
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