人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

春本雄二郎監督「由宇子の天秤」を観る 〜 急に加害者家族になったドキュメンタリーディレクターの決断:ユーロスペース

2021年09月30日 06時37分19秒 | 日記

30日(木)。早いもので9月も今日で終わりです 台風が接近しているようですが、非常に困ります 明日の夜オペラを観に行くんですけど

ということで、わが家に来てから今日で2455日目を迎え、菅首相の後継を決める自民党総裁選は投票の結果、岸田文雄氏が次期総裁に決まったというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     自民党は改革よりも安定を選んだわけだ 問題は内閣の顔ぶれと衆議院議員選挙だ!

 

         

 

昨日、夕食に「舌平目のムニエル」「生野菜としらすのサラダ」「冷奴」「ジャガイモの味噌汁」を作り、「刺身の切り落とし」と一緒にいただきました 舌平目は焦がしてしましましたが、娘に言わせるとこの焦げが美味しいのだと言います なるほど納得しました

 

     

     

         

 

昨日、ユーロスペースで春本雄二郎監督による2020年製作映画「由宇子の天秤」(152分)を観ました

3年前に起きた女子高生いじめ事件の真相を追う木下由宇子(瀧内公美)は、ドキュメンタリー・ディレクターとして、世に問うべき問題に光を当てることに信念を持ち、製作サイドと衝突することもいとわずに活動している その一方で、父が経営する学習塾を手伝い、父親の政志(三石研)と二人三脚で生きてきた しかし、政志の思いもかけない行動ににより、由宇子は信念を揺るがす究極の選択を迫られる

 

     

 

[以下、ネタばれ注意]

実は父親の政志は塾の女子生徒の授業料を免除する代わりに関係を持っていたのです それを知った由宇子が父親を糾弾すると、父親は生徒の父親に正直に打ち明けて示談に応じてもらうと言います。由宇子が「裁判に訴えられたらどうするの!」と問い詰めると、「自分が罪に問われるだけで済む」と答えます しかし、女子高生いじめ事件の取材を通じて、加害者だけでなくその家族も世間は許してくれないことを知っている由宇子は「考えが甘い! 生徒と父親は辛い思いをするし、塾の生徒たちにも、私や仕事の関係者にも大きな迷惑をかけることになるんだよ」と怒ります。この時 由宇子は事実を明るみに出すことのメリットとデメリットを天秤にかけ、父親の不祥事を隠蔽することによるメリットを選択したことになります この決断は由宇子の信念や職業倫理に反するものです。真実の報道を担う立場の人間が自分の身内の不祥事には目をつぶるということですから

由宇子が追っていた3年前の女子高生いじめ事件の取材は、放送直前に加害者の家族が嘘の証言をしていたと告白したことから放送は流動的になります 家族は加害者が不利になる動画を隠していたのです 由宇子はその事実を知ったことから、これまでの取材内容を放送することは嘘を放送することになる、として中止やむなしと判断します 彼女はやろうと思えばその動画を利用してドキュメンタリーを作り直すことが出来たはずです。しかし彼女は、それをやることによって得られるメリットと、加害者家族が一層追い詰められるというデメリットを天秤にかけ、良心に従うことにしたのです

その後、由宇子は女子生徒の父親に「娘さんを妊娠させたのは自分の父親です。今まで隠していました」と真実を打ち明けます やっぱり嘘はいけないー彼女の良心が許さなかったのです その結果、彼女は逆上した父親に首を絞められて倒れ込みます ピクリともしない由宇子の姿を見て、彼女が死んでしまったのではないかと不安感がつのりますが、彼女は咳き込んで息を吹き返します ここで由宇子は神に 生きるか死ぬかの天秤にかけられたのではないか? 意識を取り戻した彼女のケータイに事件の取材は正式に放送中止となったという電話が入り、スクリーンが暗転しエンドロールが流れます

この映画で言わんとすることは非常に重いものがあります 一つは自分や家族が関係する事件が起こった時、報道機関に働く者はどういうスタンスで事件に対峙すべきか?という問題です 由宇子の取った行動を批判することが出来るのか? もう一つは、事件が明るみに出た時、加害者だけでなくその家族にも、マスコミをはじめとする世間の目が向けられ、電話やネットによる誹謗中傷が浴びせられる その結果、加害者家族は何度も引っ越しを余儀なくされ、買い物に出るにも変装して出なければならない。呼び鈴の音にビクビクして暮らさなければならないーこういう実態に目をつぶっていて良いのか? 報道機関は真実さえ明らかにすれば、事件の関係者がどんな目に遭ってもいいのか、という問題です

その意味では、この映画は報道機関の取材と発表のあり方や 一般市民の良心を問うた問題作と言えると思います

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小林武彦著「生物はなぜ死ぬのか」を読む 〜 進化が生物を作ったから

2021年09月29日 07時07分47秒 | 日記

29日(水)。わが家に来てから今日で2454日目を迎え、韓国軍合同参謀本部は28日、北朝鮮が午前6時40分ごろに内陸部から日本海に向けて飛翔体1発を発射したと発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     米国も韓国も日本も 北朝鮮の飛翔体発射を無視して報道しなければいいんじゃね?

     

 

         

 

昨日、夕食に「牛肉と大根の煮物」「生野菜サラダ」「冷奴」「舞茸の味噌汁」を作りました 煮物は出来上がり後、20分置いたので味が染み込んで美味しかったです

 

     

 

         

 

小林武彦著「生物はなぜ死ぬのか」(講談社現代新書)を読み終わりました 小林武彦氏は1963年生まれ、神奈川県出身。九州大学大学院修了。理学博士。現在 東京大学定量生命科学研究所教授

 

     

 

コロナ禍で死を身近に感じる人が増えたせいか、本書は50〜70代男性を中心に良く売れているそうです

本書は次の5章から成ります

第1章:そもそも生物はなぜ誕生したのか

第2章:そもそも生物はなぜ絶滅するのか

第3章:そもそも生物はどのように死ぬのか

第4章:そもそもヒトはどのように死ぬのか

第5章:そもそも生物はなぜ死ぬのか

著者は「はじめに」で生物が死ぬ定めにあるのは「進化が生物を作ったから」であり、生物の死があってこそ、生物多様性が実現した」と結論を明かしています 本書のかなりの部分は高校の生物の教科書のおさらいのような内容になっています

第4章で著者は「ヒトの体内で、わざわざ細胞を死なせるプログラムが遺伝子レベルで組み込まれている」と解説します そし第5章で「生き物にとって死とは、進化、つまり「変化」と「選択」を実現するためにある。「死ぬ」ことで生物は誕生し、生き残ってくることができた」と結論付けています

人は必ず死ぬ。人が死んで次の世代に受け継がれていくことでこの世界は回っている、という当たり前のことかもしれません 今からン十年前、親戚の葬儀で、年配者が「順番だよ」と語っていたことを思い出しました

よく「人間は死ぬために産まれてきた」という言葉を見聞しますが、死は目的ではないでしょう 目的を持って生きることが大切なのだと思います🐯

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ローレンス・レネス ✖️ 松田華音 ✖️ 都響でプロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番」、「交響曲第5番」、ワーグナー:歌劇「さまよえるオランダ人」序曲を聴く

2021年09月28日 06時48分51秒 | 日記

28日(火)。わが家に来てから今日で2453日目(満7年目)を迎え、蓋を開けると自然に泡が立ち上がる仕掛けが人気のスーパー ドライ 生ジョッキ缶が高値で転売されている例があるとして、販売元のアサヒビールがメルカリと連携して対策に乗り出した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ビールが売れないと言うが 工夫次第で売れる ブームが泡と消えない内に次の一手を

 

         

 

昨日、夕食に「松茸ご飯」「ちぎり厚揚げと豚バラの和風炒め」「冷奴」「玉ねぎの味噌汁」を作りました 松茸ご飯は市販のパックを使つたので、ただ電気釜で炊いただけですが、香りが楽しめました

     

     

         

 

昨夕、東京文化会館大ホールで、東京都交響楽団の第935回定期演奏会Aシリーズを聴きました プログラムは①ワーグナー:歌劇「さまよえるオランダ人」序曲、②プロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 作品26」、③同「交響曲第5番 変ロ長調 作品100」です 演奏は②のピアノ独奏=松田華音、指揮=ローレンス・レネスです

 

     

 

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの都響の並び。コンマスは矢部達哉、隣りは四方恭子というダブル・コンマス態勢をとります ヴィオラのトップは今年7月に新日本フィルからトラバーユしてきた篠原友美がスタンバイします

1曲目はワーグナー:歌劇「さまよえるオランダ人」序曲です この曲はリヒャルト・ワーグナー(1813〜1883)が1840年から翌41年にかけて作曲、1843年1月2日にドレスデンでワーグナーの指揮で初演されました

マルタ系オランダ人指揮者ローレンス・レネスの指揮で演奏に入ります 都響の充実した弦楽器群による音のうねりが凄い オーボエ首席の広田智之の演奏が素晴らしい オランダ人指揮者に導かれたオケは、さまようことなく荒れ狂う序曲を完奏しました

2曲目はプロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 作品26」です この曲はセルゲイ・プロコフィエフ(1891〜1953)が1921年夏に完成、同年12月16日にシカゴでプロコフィエフのピアノ独奏により初演されました。第1楽章「アンダンテ〜アレグロ」、第2楽章「アンダンティーノ」、第3楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」の3楽章から成ります

ピアノ独奏の松田華音はロシアの名門音楽学校、グネーシン記念中等(高等)音楽専門学校を首席で卒業、モスクワ音楽院を今年6月に修了しています

マリン・ブルーの衣装に身を包まれた松田華音がピアノに向かい第1楽章に入ります クラリネットにより始まる序奏に続き独奏ピアノがアレグロで入ってくる疾走感はたまりません この楽章に限らず、松田の演奏は明快で、パワフルですが繊細です これはロシアのピアノの伝統だろうか

満場の拍手に松田はラフマニノフ「楽興の時 作品16」から第6番ハ長調を鮮やかに演奏、再び大きな拍手に包まれました

 

     

 

プログラム後半はプロコフィエフ「交響曲第5番 変ロ長調 作品100」です この曲は1944年に作曲、1945年1月13日にモスクワでプロコフィエフの指揮で初演されました 第1楽章「アンダンテ」、第2楽章「アレグロ・マルカート」、第3楽章「アダージョ」、第4楽章「アレグロ・ジョコーソ」の4楽章から成ります

全曲を通して聴いた印象は、弦楽器群を中心とする緻密なアンサンブルが素晴らしい とくにチェロ、コントラバスの重低音が充実していました またフルート、クラリネット、オーボエを中心とする木管楽器群が素晴らしい演奏を展開していました

今回は指揮者もソリストも素晴らしく、プロコフィエフの作品の中で最も好きなピアノ協奏曲第3番と交響曲第5番が聴けて満足です

東京文化会館で聴くのは、コロナ禍があったため、約3年振りでしたが、あらためて音響が良いホールだと思いました🐯

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鈴木雅明 ✕ 中江早希 ✕ 鈴木准 ✕ 加来徹 ✕ バッハ・コレギウム・ジャパンでベートーヴェン「交響曲第2番」「静かな海と楽しい航海」「オリーヴ山のキリスト」を聴く

2021年09月27日 06時43分43秒 | 日記

27日(月)。わが家に来てから今日で2452日目を迎え、天安門事件の追悼集会を開いてきた香港の民主派団体が、当局の圧力で解散を決めた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     中国のタブーが香港のタブーになってしまった 習近平政権の思い通りになっている

 

         

 

昨日、東京オペラシティコンサートホールでバッハ・コレギウム・ジャパンの第144回定期演奏会を聴きました    プログラムは①ベートーヴェン「静かな海と楽しい航海 作品112」、②同「交響曲第2番ニ長調作品36」、③同:オラトリオ「オリーヴ山のキリスト 作品85」です 演奏は③のソプラノ独唱=中江早希(キャロリン・サンプソンの代演)、テノール独唱=鈴木准、バス独唱=加来徹、管弦楽・合唱=バッハ・コレギウム・ジャパン、指揮=鈴木雅明です

バッハのカンタータの時とは違い、オケは他のオケと同じように弦楽器の後方に管楽器が、その後方にコーラス陣が配置されます。コンマスは寺神戸亮です

1曲目はベートーヴェン「静かな海と楽しい航海 作品112」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770‐1827)が1814年から翌15年にかけて作曲したカンタータで、ゲーテに献呈されました

鈴木雅明の指揮で演奏に入りますが、前半の「静」と後半の「動」との対比が鮮やかで、透明感のある合唱が際立っていました

2曲目はベートーヴェン「交響曲第2番ニ長調作品36」です この曲は1801年から翌02年にかけて作曲され1803年にアン・デア・ウィーン劇場で初演されました 第1楽章「アダージョ・モルト ~ アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ」、第4楽章「アレグロ・モルト」の4楽章から成ります

鈴木雅明の指揮で第1楽章に入ります。三宮正満のオーボエが冴え渡りました 硬いマレットで打ち込まれるバロックティンパニが心地よいリズムを刻みます 弦楽器はノンビブラートによる古楽器奏法によりメリハリのある演奏を展開します 第2楽章では今春N響を辞めてフリーとなった福川伸陽のナチュラルホルンが素晴らしい演奏を展開しました 私はこの楽章はとても好きです。速いテンポの第3楽章を経て、第4楽章が軽快に演奏され 華やかなフィナーレを迎えました

 

     

 

プログラム後半はベートーヴェン:オラトリオ「オリーヴ山のキリスト 作品85」です この曲は1803年に作曲(翌04年改訂)され、1803年にアン・デア・ウィーン劇場で初演されました

ここ数年、1500円也のコンサート・プログラムを買わないので、この作品の内容がほとんど不明なのですが、全曲を通して聴いた限りでは、ところどころでベートーヴェンらしい激しい音楽が聴かれ、テノールやソプラノの独唱はオペラのアリアのように聴こえました それは鈴木准も中江早希もオペラ公演を中心に活躍しているせいかもしれません。バスの加来徹はすっかりBCJファミリーの一員になった感じで、安定感抜群です

初めて聴くベートーヴェンのオラトリオでしたが、メリハリの効いた音楽作りにより最後まで聴くことが出来ました

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ユベール・スダーン ✕ 加納悦子 ✕ 東京交響楽団 でベルリオーズ「幻想交響曲」、ショーソン「愛と海の詩」他を聴く / ネットフリックスで「マスカレードホテル」を観る

2021年09月26日 06時49分01秒 | 日記

26日(日)。わが家に来てから今日で2451日目を迎え、都教育委員会は24日、都立高校入試の男女別定員制度を廃止し、段階的に男女合同定員にしていくと決めたというニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     いまだにこんな酷い男女差別が行われていたとは 何が民主主義かと言いたくなる

 

         

 

昨夕、サントリーホールで東京交響楽団の第693回定期演奏会を聴きました プログラムは①フランク:交響詩「プシュケ」より第4曲「プシュケとエロス」、②ショーソン「愛と海の詩 作品19」、③ベルリオーズ「幻想交響曲 作品14」です 演奏は②のメゾソプラノ独唱=加納悦子(アリス・クートの代演)、指揮=ユベール・スダーンです

 

     

 

会場はコロナ禍に伴う制限いっぱいの50%の客入りです

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの東響の並び。コンマスはグレブ・ニキティンです

1曲目はフランク:交響詩「プシュケ」より第4曲「プシュケとエロス」です この曲はセザール・フランク(1822‐1890)が1886年から88年にかけて作曲、1888年にパリで初演されました 井上さつきさんのプログラムノートによると、この曲は「愛の神エロスは美しいプシュケに恋して、西風に命じて彼女を連れて来させ、自分の妻とする。プシュケはエロスの顔を見ることを禁じられるがその戒めを破っためエロスは姿を消す。プシュケは悲嘆にくれるが、エロスは彼女を許し、彼女を抱いて天から昇っていく」という物語です

スダーンの指揮で演奏に入りますが、美しいメロディーが淀みなく続き、プシュケとエロスの愛の情景を表していました

2曲目はショーソン「愛と海の詩 作品19」です この曲はエルネスト・ショーソン(1855‐1899)が1882年から1890年にかけて作曲(93年に改訂)したソプラノとピアノ又は管弦楽による作品で、モーリス・ブショールの詩集「94の愛と海の詩」から6曲を選び歌詞としています。 第1部「水の花」、第2部「愛の死」の2部構成で、最後の曲「リラの花の咲く頃」は独立した歌曲として知られています

メゾソプラノ独唱の加納悦子は新国立オペラでは常連のベテラン歌手です

第1部では荒木奏美のオーボエ、相澤政宏のフルートが素晴らしい演奏を展開し、加納悦子を盛り立てました。第2部では伊藤文嗣のチェロが素晴らしい演奏を繰り広げました

 

     

 

プログラム後半はベルリオーズ「幻想交響曲 作品14」です この曲はエクトル・ベルリオーズ(1803‐1869)が1830年に作曲(翌31年改訂)しました イギリスのシェイクスピア劇団の女優ハリエット・スミッソンへの熱烈な思慕を標題音楽として表現した作品です 第1楽章「夢想と情熱」、第2楽章「舞踏会」、第3楽章「野の情景」、第4楽章「断頭台への行進」、第5楽章「サバト(魔女大集合の集会)の夜の夢」の5楽章から成ります

スダーンの指揮で第1楽章に入ります かなりゆったりとしたテンポで演奏が進みますが、次第にテンポアップしていきます スダーンには独特の呼吸があって、オケに歌わせるところはテンポを落として十分に歌わせます

第2楽章の舞踏会は絶妙なテンポ設定で、これこそ舞踏会のワルツだよね、と一人悦に入っていました 第3楽章冒頭の最上峰行のコーラングレと舞台裏のオーボエとの会話は、ゆったりとしたテンポで演奏され、長閑な野の情景が浮かぶようでした 第4楽章の断頭台への行進では、チェロとコントラバスの重低音が会場を震わせました   また、福士マリ子のファゴットのキザミが生き生きしていました  第5楽章は 下手をすると単なるばか騒ぎになりがちですが、スダーンが指揮をとると品格を感じます これは演奏全体に感じるスダーンの特徴かもしれません

この日は久しぶりにスダーン節を聴くことが出来て懐かしく思いました

聴き終わって改めて思ったのは、ベルリオーズの進取性です。ベートーヴェンが亡くなったわずか3年後にこの幻想交響曲が発表されたという事実に改めて驚きを感じます

 

         

 

ネットフリックスで「マスカレードホテル」を観ました

ホテルに連続殺人犯が潜入して殺人事件が起こるという情報から、警察官がホテルに潜入して捜査をする、というストーリーです 「ホテルにとっては、お客様の言うことが第一」というホテルのフロント担当者(長澤まさみ)と、「殺人犯から人の命を守るのが警察の役割だ」と言う刑事(木村拓哉)とが、お互いにプロ意識剥き出しで反発し合いながら、真犯人を特定し追い詰めていきます。犯人らしき人物が登場したかと思うと全く違う、という繰り返しの末、最後には刑事の感が当たっていたことが判明します

「お客様は日常生活を離れ、仮面(マスカレード)を被ってホテルにいらっしゃいます。どんなお客様なのかは分かりません。我々ホテルマンは決してお客様の仮面を剥いではなりません」という台詞からこの映画のタイトルが出てきています

結構面白くて時間が経つのを忘れてあっという間に見終わりました

さて、つぎは何を観ようかな、と楽しみです🐯

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大植英次 ✕ 吉井瑞穂 ✕ 新日本フィル でチマローザ & マルチェッロ「オーボエ協奏曲」、メンデルスゾーン「イタリア」他を聴く

2021年09月25日 06時52分36秒 | 日記

25日(土)。わが家に来てから今日で2450日目を迎え、北朝鮮の朝鮮中央通信は24日、韓国の文在寅大統領が国連総会の演説で提案した朝鮮戦争の終戦宣言を拒否するリ・テソン外務次官の談話を伝えた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     せっかく文ちゃんが声かけてんだから  金ちゃんたまには相手にしてやればいいのに

 

         

 

昨日、夕食に2週間に1度のローテ入りした「鷄の唐揚げ」を作りました もうすっかり作り慣れたので、ソフトで美味しくできました

 

     

 

         

 

昨日、すみだトリフォニーホールで新日本フィル「すみだクラシックへの扉」シリーズ第1回公演を聴きました プログラムは①モーツアルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲、②チマローザ「オーボエ協奏曲 ハ短調」、③マルチェッロ「オーボエ協奏曲 ニ短調」、④メンデルスゾーン「交響曲第4番 イ長調 作品90 ”イタリア”」です 演奏は②③のオーボエ独奏=吉井瑞穂、指揮=大植英次です この公演は当初、ハインツ・ホリガーがオーボエの演奏と指揮をする予定でしたが、コロナ禍に伴う入国制限により来日できなくなったため、ソリストと指揮者が変更となり、それに伴ってプログラムの一部が変更になりました

公演に先立って、ホール隣のホテルのチャペルで開かれた小室敬幸氏による60分ワンコイン講座を聴講しました テーマは「オーケストラにおけるオーボエ〜どう管弦楽を彩り、支えているか?」です オーボエの仕組み、歴史から名演奏者に至るまで、映像を交えながら分かりやすく解説してくれたので、とても参考になりました なぜオーボエはクラリネットとほぼ同じ長さなのに、クラリネットの方が音域が広いのか等については、恥ずかしながら初めて知りました この講座は毎回聴講していますが、500円以上の価値があります

 

     

 

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの新日本フィルの並び。コンマスは西江王子です よく見るとその隣りは元クァルテット・エクセルシオの第2ヴァイオリン奏者の山田百子さんがスタンバイしています。因みに彼女のパートナーは首席客員オーボエ奏者・古部賢一さんです。ヴィオラのトップはカルテット・アマービレのメンバーでもある中恵菜が控えています

1曲目はモーツアルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756‐1791)が1785年から翌86年にかけて作曲、1786年にウィーンのブルク劇場で初演されたオペラの序曲です

大植英次が登場し指揮台に上がります。久しぶりに見る大植は随分印象が変わりました 以前はギンギンギラギラでやる気満々でしたが、かなり落ち着いて渋い表情になりました 変わらないのは胸の真っ赤なチーフです

演奏は軽快な まさにモーツァルトのテンポで進みます。まずは挨拶がわりと言ったところでしょうか

2曲目はチマローザ作曲ベンジャミン編曲「オーボエ協奏曲 ハ短調」です この曲はドメ二コ・チマローザ(1749‐1801)が作曲したピアノ曲をベンジャミンがオーボエと弦楽オーケストラのために編曲した作品です 第1楽章「イントロダジオーネ:ラルゲット」、第2楽章「シチリアーナ」、第3楽章「アレグロ・ギュスト」の3楽章から成ります

オーボエ独奏の吉井瑞穂はシュトゥットガルト州立歌劇場管やマーラー室内管の首席奏者を歴任した実力者です

吉井のオーボエは音色が美しくオーケストラに溶け込んで、良く歌います 特に緩徐楽章の余情的な演奏が沁みました

3曲目はマルチェッロ「オーボエ協奏曲 ニ短調」です この曲はベネデット・マルチェッロ(1686‐1739 ?)が作曲したオーボエとチェンバロと弦楽オーケストラのための作品です。第1楽章「アンダンテ・エ・スピカート」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「プレスト」の3楽章から成ります

第1楽章はオーボエが良く歌います 第2楽章は哀愁漂う美しい旋律が強く印象にのこります 第3楽章は気品を伴う愉悦感に満ちた演奏が展開しました

満場の拍手に吉井は、コンマス西江王子、チェロ桑田、ヴィオラ中を呼び寄せ、モーツァルト「オーボエ四重奏曲」の第2楽章を思い入れたっぷりに演奏、再び満場の拍手を浴びました

 

     

     定期会員継続特典CD💿です バッハ「ブランデンブルク協奏曲第3番」第1楽章他

 

プログラム後半はメンデルスゾーン「交響曲第4番 イ長調 作品90 ”イタリア”」です この曲はフェリックス・メンデルスゾーン(1809ー1847)が1年半にわたるイタリア旅行の印象をもとに1831年から翌32年にかけて作曲、1833年にロンドンで初演されました 第1楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ~ピゥ・アニマート」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート」、第3楽章「コン・モート・モデラート」、第4楽章「サルタレッロ:プレスト」の4楽章から成ります

大植の指揮で演奏に入ります この曲は18日に鈴木雅明指揮読売日響で聴いたばかりです。当日の演奏を思い出しながら比べてみると、鈴木✖️読響がピリオド奏法による速めのテンポによるメリハリの効いた演奏だったのに対して、大植✖️新日本フィルの演奏は極めて現代的な重心の低い落ち着いた演奏です 前者が同じイタリアでも南の方、後者は北の方の音楽といった印象です

満場の拍手に大植✖️新日本フィルはメンデルスゾーン「夏の夜の夢」の序曲を軽快に演奏しコンサートを締めくくりました

 

     

 

いつものように、パトロネージュ部の登原さんとお話ししましたが、「パソコンが壊れたのでスマホでブログを書いているけど、凄く書きにくいでしゅ」と嘆くと「商売道具じゃないですか!大変ですね。読者の皆さんが待っているし」と同情されました。パソコンを使って商売している訳ではないので、商売道具ではありませんが、私にとってブログを書くことが仕事みたいなものなので、言い得て妙だと思いました 新しいパソコンが届くまで7〜10日かかるので、それまでこ辛抱です。頑張らなくっちや🐯

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ワン・ルイ監督「大地と白い雲」を観る 〜 岩波ホール

2021年09月24日 07時00分16秒 | 日記

24日(金)。わが家に来てから今日で2449日目を迎え、秋篠宮家の長女眞子さまと婚約が内定している小室圭さんが27日にも米国から帰国することが、関係者への取材でわかった というニュースを全国紙で見て感想を述べるモコタロです

 

     

     こんなのは新聞が載せるほどのニュース価値はない  もっと大事な事を載せるべし

     

         

 

昨日、夕食に「生姜焼き」「生野菜とアボカドのサラダ」「冷奴」「モヤシの味噌汁」を作りました今回の生姜焼きはオーソドックスなものにしましたが、美味しくできました

 

     

 

         

 

昨日、岩波ホールでワン・ルイ監督による2019年製作中国映画「大地と白い雲」(111分)を観ました

内モンゴルの草原に暮らすチョクトとサロールの夫妻。夫のチョクトは都会での生活を望んでいるが、妻のサロールは今の暮らしに満足している ここではないどこかへ思いを巡らせ、時折ふらりといなくなるチョクトに腹を立てながらも、サロールは彼を愛している やがて草原にも変化が訪れ、2人の気持もすれ違うようになっていく そしてある冬の夜、2人は大きな喪失を経験し、それを機にチョクトもサロールとともに草原で生きる覚悟を決める しかし、都会暮らしの魅力に抗えないチョクトは一人 草原を後にする

 

     

 

本作は、中国の俊英ワン・ルイ監督が、内モンゴルの草原に暮らす一組の夫婦の不器用で真っ直ぐな姿を、現地出身の俳優やスタッフとともに描いたヒューマンドラマです

チョクトが手に入れた2台の携帯電話で初めてサロールと会話するシーンが印象的です チョクトは「これからもずっと愛するサロールと一緒にここで暮らすよ。こんな事、面と向かって言えないけど、ケータイを通すと言える。不思議なものだな」と言います。これは、しらふでは言えないことが、お酒を通じてなら素直に言えると言うことと同じことではないか、と思いました

最後に「本作を亡き妻に捧げる。妻がいなければこの映画は完成できなかった」というテロップが出ます。観客はここでチョクトこそワン・ルイ監督その人だったことに気づかされます 彼はどうしてもやりたい事があった。それを実現するには都会に出る必要があった、それが映画作りだったということでしょう

この映画の魅力は、モンゴルの広大な大地と 🐏 や  🐎 たちと白い雲にあります👍そこに通奏低音のように流れているのは、大自然の音たちです🐯

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パソコン壊れる! 当分スマホから入力へ / ネットフリックスで「男はつらいよ」を観る

2021年09月23日 06時47分26秒 | 日記

23日(木)。パソコンがぶっ壊れました 21日の夜の時点で息絶え絶えだったので、あわてて新日本フィルの記事を22日0時過ぎにアップしました。その後、パソコンはウンともスンとも言わなくなりました。20日の6時間半にわたるセキュリティチェックの結果、全て異常なしは何だったのでしようか

そんな訳で昨日、池袋のBカメラパソコン館に行って、新しいパソコンを発注してきました。今まで使用してきたのは外資系のD社のデスクトップでしたが、前回が3年しか持たず、今回が5年しか持たなかったので、国産N社のデスクトップにしました。注文生産になるので納品まで7〜10日かかると言われました

そういう訳で、このブログはスマホから入力していますが、パソコンと違い文字が小さいし、文字が思うように打てません しばらくの間、読みにくい文章になるかもしれませんがご容赦ください

わが家に来てから今日で2448日目を迎えたモコタロです

 

     

 

昨日、夕食に「ブリの照り焼き」「生野菜と生シラスのサラダ」「冷奴」「キャベツの味噌汁」を作り、「刺身の切り落とし」と一緒にいただきました ブリは脂がのって美味しかったです

 

     

 

         

 

初めてネットブリックスを観ました。「男はつらいよ」第1作です。最初はこれを観ると決めていました。可笑しくて涙が出るほど笑い、泣きました🤣

渥美清の寅さんの叩き売りの口上がいい👌 森川信のおいちゃんの名台詞「馬鹿だねえ」「おら知らねーよ」は、何回聞いても笑ってしまう 倍賞千恵子のさくらが何と若くて美しいことか

次は何を観ようかな。楽しみです

今日は初めてスマホから入力したので、これだけ打つのに多くの時間がかかってしまいました だんだん慣れると思いますので、引き続きお付き合いください🐯 

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新日本フィル室内楽シリーズでモーツアルト「ケーゲルシュタット・トリオ」、シューマン「ピアノ五重奏曲」、シューベルト「弦楽三重奏曲第1番」を聴く ~ 濱本実加プロデュース編

2021年09月22日 00時18分20秒 | 日記

22日(水)。わが家に来てから今日で2447日目を迎え、世界的に人気の韓国発7人組男性グループ「BTS(防弾少年団)」が20日、米ニューヨークの国連本部で、SDGsの関連五編とに登壇した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     北朝鮮のICBM(大陸間弾道弾)に対抗できるのはBTS(防弾少年団)しかいない

 

         

 

昨日、夕食に「牛肉のワイン煮」を作りました 材料は牛ブロック肉、舞茸、玉ねぎ、ジャガイモ、ミニトマトです 思ったよりも時間がかかりましたが、何とか美味しく出来ました

 

     

 

         

 

昨夕、すみだトリフォニーホール(小ホール)で新日本フィル室内楽シリーズ「第143回 幸福に寄せて 濱本実加プロデュース編」を聴きました プログラムは①シューベルト「弦楽三重奏曲第1番 変ロ長調 D471」、②モーツアルト「ピアノ、クラリネットとヴィオラのための三重奏曲 変ホ長調 ”ケーゲルシュタット・トリオ” K.498」、③シューマン「ピアノ五重奏曲 変ホ長調 作品44」です 演奏はヴァイオリン田村安紗美、松崎千鶴、ヴィオラ=濱本実加、チェロ=飯島哲蔵、クラリネット=仲舘壮志、ピアノ=松本望です メンバーの顔ぶれを見ると若手中心であることが分かります

プレトークで、仕掛け人の濱本実加さんが「新日本フィルに入団して6年目に入ります(同志社女子大学学芸学部音楽楽科ヴァイオリン専攻を卒業した後上京し)、シューマンの『ピアノ五重奏曲』でヴィオラを弾いていた須田祥子さん(東京フィル首席)の演奏を聴いて感動し、頼み込んで彼女に師事することになりました そういう意味で、この曲は特別な作品です」と語っていました。彼女のトークはゆっくりと話すので分かり易く、好感が持てました ただし、カンペを見ながらの5分はちょっと短すぎると思います。あと5分だけ話を”盛って”欲しいと思います

会場は新型コロナに関わる50%入場制限がかかっているので、残念ながらこれ以上は入れられません

 

     

 

1曲目はシューベルト「弦楽三重奏曲第1番 変ロ長調 D471」です この曲はフランツ・シューベルト(1797‐1828)が1816年に作曲した未完の作品です 第1楽章および第2楽章の断片が残されています

ヴァイオリンの田村安紗美、ヴィオラの濱本実加、チェロの飯島哲蔵がスタインバイし早速演奏に入ります 全体を通して聴いた印象は、ハイドン風の明るい曲ですが、シューベルトらしい歌心に満ちています 3人は19歳のシューベルトの青春の音楽を瑞々しい感性で描きました

2曲目はモーツアルト「ピアノ、クラリネットとヴィオラのための三重奏曲 変ホ長調 ”ケーゲルシュタット・トリオ” K.498」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756‐1791)がクラリネットの名手アントン・シュタードラーの演奏を想定して1786年(30歳)に作曲した作品です 「ケーゲルシュタット」とはボウリングに似たゲームのことで、「モーツアルトはケーゲルシュタットで遊びながらこの曲を作曲した」というエピソードからこの愛称で呼ばれています 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アンダンテ・ソステヌート・クアジ・ラルゲット」、第3楽章「アレグレット・ノン・トロッポ」の3楽章から成ります

クラリネットの仲舘壮志は東京藝大卒、第87回日本音楽コンクール第1位など受賞歴が多数あります また、ピアノの松本望は東京藝大大学院修士課程修了。パリ国立高等音楽院ピアノ伴奏科首席卒業。2009年マリア・カナルス国際音楽コンクール・ピアノトリオ部門で第1位受賞など多くの受賞歴があります

仲舘のクラリネットがリードして演奏が進みますが、全体を通して流れがスムーズでとても心地良い演奏です 仲舘はかなり身体を動かして演奏しますが、譜面が読めるんだろうか、と心配になります ピアノの松本望は相当巧いとお見受けしました この曲はモーツアルトの弟子フランツィスカ・ジャカンの家で私的に楽しむために書かれ、ピアノはフランツィスカ、クラリネットはシュタードラー、ヴィオラはモーツアルトが担当したそうです モーツアルトの立場で弾く濱本さんは、先輩に遠慮しないでもっと前面に出ても良かったかもしれません

 

     

 

プログラム後半はシューマン「ピアノ五重奏曲 変ホ長調 作品44」です この曲はロベルト・シューマン(1810‐1856)が1842年に作曲、翌43年にライプツィヒで初演されました 第1楽章「アレグロ・ブリランテ」、第2楽章「イン・モード・ドゥナ・マルチャ、ウン・ポコ・ラーガメンテ」、第3楽章「スケルツォ:モルト・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」の4楽章から成ります

ヴァイオリンの田村安紗美、松崎千鶴、ヴィオラの濱本実加、チェロの飯島哲蔵、ピアノの松本望による演奏です 松崎千鶴さんは新日本フィルに入団した時に、この室内楽シリーズに同期の古日山倫世さん、脇屋冴子さんとともに初登場しました 彼女の演奏を聴くのはその時以来です。あれから何年経つのだろうか

第1楽章は弦楽器同士のアンサンブル、そして弦楽器とピアノとのやり取りが面白く聴けました 第2楽章では中間部で演奏される第2ヴァイオリン松崎とヴィオラ濱本のキザミが迫力ありました 第3楽章では、スピード感溢れるピアノと弦楽器との丁々発止のやり取りが緊迫感を呼びました 第4楽章ではシューマンの情熱が伝わってくる熱い演奏が展開しました

カーテンコールが繰り返され、クラリネットの仲舘が加わり、出演者全員でシューベルト「音楽に寄せて」を演奏しました。濱本実加のヴィオラ独奏が冴え渡っていました

ここで「そういうことか」と気が付きました この日のプロデューサー濱本実加の本公演のタイトル「幸福に寄せて」は、シューベルトの歌曲「音楽に寄せて」の歌詞から着想を得ています。つまり、本公演はアンコールを含めて、シューベルトで始まりシューベルトで終わる一連のコンサートという位置づけにあったわけです

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新国立オペラ「オルフェオとエウリディーチェ」ゲネプロ見学 当選! / 大島渚監督「御法度」&「戦場のメリークリスマス」を観る 〜 新文芸坐

2021年09月21日 07時14分44秒 | 日記

21日(火)。寝室で使用する小型据え置型CDプレーヤー、TEAC  PD301B が届きました 1年間に5回も故障した DENON のプレーヤーと同じ値段ですが、FMチューナーも付いているし、USB端子も付いています もっともFM放送は写真下の QUAD のチューナーを使用しているので必要ありませんが TEAC は DENON と比べ ディスクの出し入れが速く スムーズです これなら故障はないでしょう。さっそくディスクを入れて聴いてみましたが、何の不足もありません    しかし、機械には「当たり 外れ 大外れ」があるので油断できません    しばらく様子を見たいと思います

 

     

 

ということで、わが家に来てから今日で2446日目を迎え、韓国の文在寅政権を支える進歩系の与党「共に民主党」が国会に提出した「言論仲裁法」改正案が、メディアに懲罰的な賠償責任を負わせる内容で「言論統制だ」と反発を受ける中で、与党は来年3月の大統領選を見据えて突き進む構えを崩していない  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     覇権主義的な中国の傀儡政権・香港政府と全然変わらない姿勢だ! 長くは続かない

 

         

 

昨日、夕食に「豚肉のシソ巻き焼き」「生野菜サラダ」「冷奴」「大根の味噌汁」を作りました 「豚肉~」はシソがマッチしてとても美味しいです

 

     

 

         

 

新国立劇場の会員制度「クラブ・ジ・アトレ」から「2021-2022シーズン   ポイントアップサービス」の抽選アイテムの当選通知が届きました 抽選アイテムは①オペラ、②バレエ、③ダンス、④演劇の4種類あり、そのうち①オペラは同シーズン中の10作品(6公演:各4名と4ゲネプロ:各20名)が対象となっています 私は当選確率の高い「オルフェオとエウリディーチェ」のゲネプロを選びました こういうのは、あまりポピュラーでない演目で、当選者数が多いアイテムを選ぶのがコツです。これまでも何度か当選してゲネプロを見学してきました

 

     

 

         

 

昨日、新文芸坐で大島渚監督「御法度」と「戦場のメリークリスマス」の2本立てを観ました

「御法度」は大島渚監督による1999年製作映画(100分)です

物語の舞台は幕末の京都。時代の流れに逆行し、幕府の非常警察として抗争に明け暮れる新選組に、加納惣三郎(松田龍平)という新人が入隊する 彼は同期入隊の田代(浅野忠信)に衆道(男色)の世界へ引き込まれ、最初は拒んでいたが、やがてその道にのめり込んでいく 妖しい魅力を放つ美少年・惣三郎に、田代の他にも血気盛んな剣士たちが心惑わされていき、隊内は嫉妬を交えた不穏な空気に包まれる 事態を重く見た隊長の近藤は、惣三郎に田代を斬るように命令する

 

     

 

本作は司馬遼太郎の小説を原作として大島渚監督が映画化した作品です 架空の物語ですが、近藤勇の書簡(1864年)に隊内で男色が流行したと記されているそうです

素晴らしいと思ったのは土方歳三を演じたビートたけしです これまでにないニヒルで強い土方歳三を演じています 本作がデビュー作となった松田龍平はまさに妖艶な美少年で、大島監督は彼の美しさを映像に残したいがためにこの映画を撮ったのではないか、と思えるほどの存在感があります この作品における演技が評価され、この年の新人賞を総なめし、それ以後、映画やテレビドラマでの露出が多くなったのは周知のとおりです

 

         

 

「戦場のメリークリスマス」は大島渚監督による1983年製作映画(123分・4K修復版)です

舞台は1942年戦時中のジャワ島山中の日本俘虜収容所。収容所で起こった事件をきっかけに単純で粗暴な軍曹ハラ(ビートたけし)と温厚で日本語が流暢な英国人俘虜ロレンス(トム・コンティ)が事件処理に奔走する 一方、ハラの上司で規律を厳格に守る収容所長で陸軍大尉のヨノイ大尉(坂本龍一)はある日、収容所に連行されてきた反抗的で美しい英国軍少佐セリアズ(デヴィッド・ボウイ)に心を奪われてしまう クリスマスの日にハラは酒に酔って「ファーゼル・クリスマス」と叫びヨノイ大尉に無断でロレンスとセリアズを釈放してしまう それに激怒したヨノイは病人を含めた俘虜全員を集合させるよう命じるが、周囲からの孤立を深める結果となり、葛藤に苦しむことになる やがて終戦を迎え、ヨノイは処刑され、ハラも収容所で処刑を待つ身になっていた

 

     

 

本作は、坂本龍一、デヴィッド・ボウイ、ビートたけし、内田裕也といった本業が俳優でない人たちを起用して戦中・戦後の俘虜収容所における日本軍人と外国人俘虜の交流を描いた異色の映画です この映画の大きな特徴は戦争を扱った映画なのに戦闘シーンが全くないことです

この映画を観て驚いたのはデヴィッド・ボウイの自然な演技力です 「一芸に通ずるものは何とか」と言われますが、まさにその格言どおりの演技力です 同じように素晴らしいのはハラ軍曹を演じたビートたけしです 単純で怒りっぽい男だけれど、なかなか機転の利く男を見事に演じています

映画のラスト、収容所で処刑を待つ身になっているハラをロレンスが訪ねるシーンで、ハラが「ほかの連中だって俺と同じことをやってきたのに、俺だけが処刑される」と愚痴を言うと、ロレンスは「あなたは、そういう人たちの代わりに犠牲になったのです。あなたは運が悪かったのです。戦争に良いも悪いもありません」と言って慰めます これが本作で大島監督の言わんとするテーマだと思います

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