人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

朝日新聞「バーンスタイン特集」を読む / ジョン・ファードン著「オックスフォード&ケンブリッジ大学 世界一『考えさせられる』入試問題」「同さらに~」を読む~あなたは自分を利口だと思いますか?

2018年07月31日 07時47分13秒 | 日記

31日(火)。月日の経つのは速いもので7月も今日で終わりです。って 毎月のように書いている気がする 今年も残すところあと153日になりました。って初めて書くような気が・・・

ということで、わが家に来てから今日で1398日目を迎え、火星が今日地球に大接近する というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

        火星はどのくらいのスピードで接近するかって?  一気火星に決まってるじゃん!

     

         

 

昨日、夕食に「ハッシュドビーフ」と「生野菜とワカメのサラダ」を作りました   「ハッシュドビーフ」は久しぶりです

 

     

 

         

 

昨日の朝日朝刊「文化の扉」欄は今年生誕100年を迎えたレナード・バーンスタインの特集を組んでいました レナード・バーンスタイン(1918‐90)はヘルベルト・フォン・カラヤンと並び20世紀を代表する指揮者であり、「ウエスト・サイド物語」などの音楽を生み出し、多くの後進を育てた(日本だけでも小澤征爾、佐渡裕、井上道義、大植英次、五嶋みどり等)ことで知られています

記事は、バーンスタインが1990年6月26日に開かれた「パシフィック・ミュージック・フェスティバル」(PMF)の開幕式で「残ったエネルギーと時間を教育に捧げ、私が知るすべてを若い世代と分かち合いたい」と宣言し、体調不良をおして 弟子の佐渡裕やヴァイオリニストの五嶋みどりらを指導したが、その3カ月後に帰らぬ人となったことを紹介しています

また、彼の政治的な活動にも触れ、「ベルリンの壁」崩壊時には、現地でベートーヴェンの「第九」を振ったことも紹介しています その翌年、その時の演奏がドイツ・グラモフォンからCD(下の写真)として発売されました。1989年12月25日、ベルリンでのライブ録音です 当時3000円で購入しましたが、グラモフォン社の商魂たくましさには驚きました 限定発売でジャケット左下に通し番号がふられています。また右上の物体はベルリンの壁の破片です ジャケット裏の演奏者一覧を見ると、オーケストラはスターツ・カペレ・ドレスデン、ニューヨーク・フィル、パリ管弦楽団などの寄せ集め楽団ですが、なぜかベルリン・フィルの名前がありません いずれにしても「第九」を演奏するために バーンスタインのひと声で世界中から集まったのです バーンスタインはそういう力を持った人でした

 

     

     

 

         

 

ジョン・ファードン著「オックスフォード&ケンブリッジ大学  世界一『考えさせられる』入試問題」と「同・さらに 世界一『考えさせられる』入試問題」(河出文庫)を読み終わりました ジョン・ファードンはケンブリッジ大学のジーザス・カレッジ卒。現代中国やインドのドキュメントから医療問題や地球の仕組みを解いた科学書、児童書までジャンルを問わない博識で300冊以上の本を出しているノンフィクション作家とのことです

 

     

 

著者は「オックスフォード&ケンブリッジ大学  世界一『考えさせられる』入試問題」の「前書き」に当たる「あなたは自分を利口だと思いますか?私が思うに・・・」の冒頭で次のように書いています

「この本は解答付き問題集である。もちろん、すべて、オックスブリッジ(オックスフォード大学とケンブリッジ大学)の入試の面接官が出した悪名高き難問奇問から選りすぐった 質問の主旨は、大学側が本当に賢い学生を、つまり、当意即妙の応対ができる学生を見つけることにある 両大学の問題がほかと違って特別なのは、すばらしく思考力を刺激する点である 別にオックスブリッジの入学希望者でなくとも『あなたにとって悪い本とは何ですか?』や『ガールスカウトには政治目的があるでしょうか?』や『蟻を落とすとどうなりますか?』のような質問をされたら、たちまち頭が回転しはじめる

「本書に載せた質問は、びっくりするような質問もあれば、好奇心がそそられる質問も、奇問も愚問も、ときには苛々させられるだけの質問もあるが、すべてに共通して言えるのは、考えなくてはいけないということだ

「オックスブリッジの問題はすばらしい。というのは、さまざまな思考回路を開いてくれるからだ 確かに、どれ一つとっても『正解』なないし、中には一見解答不可能に思われる問題もある。しかし、ここかしこに知識を少し、論理をちょっぴり、そして遊び心を大量に投入することで、まずまずの解答にたどり着ける、あるいは、いいじゃないか!と思える面白い理屈をひねり出せる

「本書のタイトルはオックスブリッジの面接問題の一つから『あなたは自分を利口だと思いますか?』としたが、まさに打ってつけだと思う ここに載せた質問に答えるには利口でなければならない。それも、驚くほどに、面白いほどに、刺激的なほどに、苛つくほどに、ずる賢いほどに、有害なほどに、底知れないほどに、すばらしく利口でなければならない 知識ではない。教養でもない。自分の思考をあらゆる方向に面白くひねり回せるかどうかである。そしてこれは誰にでもできることだ

この本で紹介されている問題(全60問)は難問奇問とは言え、オックスブリッジの各専門分野(学部)を反映したものがほとんどです 大雑把にジャンル分けすれば、法学、医学、物理学、生化学工学、数学、歴史学、文学、社会学、政治学、哲学などです。「法学」を例にとってみると次のような問題が出題されています

「あなたは自分を利口だと思いますか?」

「過去に戻れるとしたらいつにしますか、またそれはなぜですか?」

「誠実は法律のどこにおさまるでしょうか?」

「スミスはジョウンズが絶壁に向かって歩いているのを見ている。スミスはジョウンズが盲目であることを知っているが、彼のことが好きではないので崖から落ちるに任せている。これは殺人でしょうか?」

「もし友人が私をある部屋に閉じ込めて、5ポンド払いさえすればいつでも好きなときに自由に外に出ていいと言ったとします。これは自由の剥奪でしょうか?」

「コンピューターは良心をもつことができるでしょうか?」

このうち最初の「あなたは自分を利口だと思いますか?」の質問に対して、筆者は次のように書き出します

「実に意地悪な問題である!謙虚に『いいえ』と答えたら、その言葉通りに取られて、オックスブリッジへの入学は断られるかもしれない 何と言っても、ここは利口な人間だけが入学を許可される大学なのだから。だからといって『はい』と答えたら、自分は正真正銘の馬鹿であると言っているようなものである まず、面接官はそのポジションからして、受験者より利口であるにちがいないーだから自分も面接官と同じレベルだとほのめかすような発言をしてしまったら、転落への道をまっしぐらだ それともう一つ、自分が利口であると確信しきっている人はふつう賢明ではない、あるいは、学ぶ姿勢が欠如している傾向にある

そして、次のような「解答例」を示しています

「かの才人、オスカー・ワイルドさえ、自分の利口ぶりを話すには自嘲気味のウィットにくるまなければならなかったー『私はあまりにも利口だから、時として自分が何を言っているのかの ひと言も理解できなくなる』。もしかしたら、これが質問の答えとしては完璧かも知れない

このように、各質問に対して筆者の解答例を示していますが、物理学や医学などの高度な専門知識が必要な分野では、やはりその分野の最低限の基礎知識がないととても解答できません

 

     

 

以上のことは”2匹目のどじょう”を狙った「オックスフォード&ケンブリッジ大学 さらに 世界一『考えさせられる』入試問題」でも同様です その中で、私が流石はノンフィクション作家ファードンだ!と思ったのは、オックスフォード大学の経済学・経営学分野の試験問題に出された「あなたならどうやってロックバンドを売り出しますか?」という問題の解答です。マーケティングにも詳しい彼のアイディアは具体的で、これから「有名になりたい」人にとっては役に立つかもしれません

この2冊は「ああ言われたら  こう切り返す」という当意即妙な話術を身に着けるヒントを得るツールとして利用できると思います

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高関健✕シュテファン・ヴラダー✕東京シティ・フィルでベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番”皇帝”」、ブラームス「交響曲第4番」、ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲を聴く~フェスタサマーミューザ

2018年07月30日 07時19分14秒 | 日記

30日(月)。わが家に来てから今日で1397日目を迎え、東から西へ列島を横切る観測史上初の強い台風12号が関東地方を抜けて、真夏の猛暑が戻ってきたことから ひと言アドヴァイスをするモコタロです

 

     

     水飲まなきゃやってらんないよ!  猛暑再来 熱中症にならないように水分補給を! 

 

         

 

昨日、ミューザ川崎で東京シティ・フィルの「正統派ドイツ音楽Ⅱ」公演を聴きました これは「フェスタサマーミューザ2018」の一環として開かれたものです。プログラムは①ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲、②ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番変ホ長調作品73”皇帝”」、③ブラームス「交響曲第4番ホ短調作品98」です ②のピアノ独奏はシュテファン・ヴラダー、指揮は高関健です

午後3時からの開演に先立って午前11時から同じ会場で公開リハーサルが開かれました 私服で登場した楽員を見ると、かなりメンバーが入れ替わっているように思いました 私は東京シティ・フィルの定期会員ではないので、メンバーの顔ぶれはあまりよく分からないのですが、新しい顔がちらほらと見えるように思いました

さて、リハーサルの前半は「皇帝」と「魔弾の射手」を、後半はブラームスの「第4番」をさらいました 「皇帝」では楽章が終わるごとにヴラダーが高関氏に歩み寄ってスコアを見ながら注文を出し、その指摘箇所をおさらいする形をとりました。ヴラダーはピアニストであると同時に、最近は指揮者としても活躍しているので、オケ全体のバランスなどが気になるのでしょう 高関氏は指摘を受け日本語で楽員に指示を出し やり直しをします。ヴラダーが引き上げた後は「魔弾の射手」です この曲は演奏しては途中で止め、やり直しという繰り返しをすることで仕上げていきました

20分休憩をとった後、ブラームス「交響曲第4番」のリハーサルに入ります  「魔弾~」同様、途中で演奏を止めてやり直しをしながら全楽章をさらいましたが、第4楽章冒頭のところで、金管がトンデモナイ音を出しました  高関氏はスコアブックを持ち上げて、上下さかさまにして「どこにそういう音符が書いてあるの」と言いたげに金管を見て、「3番かと思った」とジョークを飛ばしました   それを聞いた楽員一同は大笑いです ここで、高関氏が「3番かと思った」と言ったのは、ブラームスの「交響曲第3番ヘ長調」の第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」の冒頭がちょうどそんな感じだったからです こういうことがあるからリハーサルの見学は止められないのです

リハーサルを見て感じたのは、高関氏のコミュニケーション能力の高さです 修正点を指摘して再演の結果が上手くいくと、必ず右手の指でOKマークを作って奏者を讃えます 誰でも認められればうれしくなり、もっと上手に演奏しようと思うものです 高関氏は楽員の心理を十分に把握して指揮をしているように見受けられます

 

     

 

さて本番です。会場は8割方埋まっているでしょうか オケは高関シフト=左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置を採ります。コンマスは戸澤哲夫です

1曲目はウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲です カール・マリア・フォン・ウェーバー(1786‐1826)が1821年に初演したオペラ「魔弾の射手」は、オペラにおけるドイツ・ロマン主義を確立したと言われる記念碑的な作品です 

この曲ではクラリネット、フルート、ホルンが素晴らしい演奏を繰り広げていました

2曲目はべートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番変ホ長調作品73”皇帝”」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770‐1827)が1811年に初演した作品です

第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ・ウン・ポコ・モッソ」、第3楽章「ロンド・アレグロ」の3楽章から成ります この曲は「皇帝」という愛称で呼ばれていますが、ベートーヴェンが名付けたものではありません しかし、全体的な印象としてはまさに数あるピアノ協奏曲の中の皇帝と呼べるほど威厳に満ちた堂々たる作品です

ピアノ・ソロを務めるシュテファン・ヴラダーはウィーン出身のピアニストで、ウィーン国立音楽大学でハンス・ペーターマンデルに師事し、1985年ベートーヴェン国際ピアノコンクールで優勝しています

高関のタクトで第1楽章がオケの総奏で開始されると すぐにヴラダーの力強い独奏ピアノが入ってきます ヴラダーのスケールの大きい演奏を高関✕東京シティ・フィルがしっかりとサポートします   第2楽章は一転、静謐さを感じさせる繊細な音楽です。ヴラダーは粒立ちの美しいピアノで一音一音を慈しむように演奏します   バックを務めるオケはフルート首席・竹山愛をはじめとする木管楽器群と、弦楽器群が美しい演奏を展開します  続けて演奏される第3楽章では冒頭からピアノが炸裂します。ヴラダーのピアノはパワフルで、これぞベートーヴェンという意気込みを感じさせます

会場いっぱいの拍手とブラボーに、ヴラダーはリストの「コンソレーション第3番」をしみじみと演奏し、聴衆のクールダウンを図りました

 

     


プログラム後半はブラームス「交響曲第4番ホ短調作品98」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833‐97)が1885年に作曲した最後の交響曲です

第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アンダンテ・モデラート」、第3楽章「アレグロ・ジョコーソ」、第4楽章「アレグロ・エネルジーコ・エ・パッショネート」の4楽章から成ります

高関は譜面台にスコアブックを載せますが、ページをめくることはなく暗譜で指揮します それならスコアブックは不要ではないか、と思われそうですが、おそらく、指揮者や演奏者が上下黒の正装で演奏するのが「作曲家とその作品に対する敬意」からであるのと同様に、「作曲者とその作品に対する敬意」を表しているのだと思います

高関のタクトで第1楽章が 上から下へ、下から上へ と繰り返される ため息のようなメロディーで開始されます   もの悲しいような、ほのかに情熱を秘めたような不思議な曲想です 第2楽章では 弦の美しさに感嘆します 第3楽章ではオケの力強さや推進力を感じます そして、第4楽章ではエネルギーに満ちた情熱の発露を感じます ここでも竹山愛のフルートが冴えわたります 全楽章を通じて、高関健の指揮は大胆にして繊細、そして明快でした

満場の拍手とブラボーに、高関✕東京シティ・フィルは公開リハーサルでは練習しなかった(さては隠れてやったか?)ブラームスの「ハンガリー舞曲第1番」をノリノリで演奏、会場の温度を2度上昇させました

 

     

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S・S・ラージャマウリ監督「バーフバリ 伝説誕生」&「バーフバリ 王の凱旋(インターナショナル版)」を観る ~ 突然 歌と踊りが飛び出す楽しいインド映画

2018年07月29日 07時25分35秒 | 日記

29日(日)。わが家に来てから今日で1396日目を迎え、2016年の米大統領選にロシアが介入したとされる「ロシア疑惑」をめぐり、選挙中にトランプ陣営の幹部とロシア人弁護士との面会を、トランプ大統領が事前に承認していたと米メディアが報じた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                 トランプは次の選挙しか頭にないようだが 前の選挙での裏工作が足を引っ張るな

 

         

 

昨日、池袋の新文芸坐でインド映画「バーフバリ  伝説誕生」と「バーフバリ  王の凱旋(インターナショナル版)」の2本立てを観ました

今までとは全くコースが異なる予測困難な台風12号が接近中のため、どんな暴風雨に見舞われるか分からないので、映画を観に行くかどうか相当迷ったのですが、朝は小雨だったこともあり 思い切って出かけることにしました 大雨が降っても良いように古いウォーキングシューズを履き、風で傘の骨が折れても良いように古いビニール傘をさしてバスに乗り池袋に向かいました 台風が上陸しようとしているのに わざわざ映画を観に来る人は少ないだろうと 甘く見ていたのが大きな間違いでした   開演10分前に着いたら、ビルの3階にある新文芸坐の入口から1階までの階段には当日券を買う人たちの長蛇の列が出来ていました 奇蹟的に後方の通路から2つ目の席を確保できましたが、後から来た人は最前列の左右とか観にくい席しか空いていませんでした。正真正銘の満員御礼です。新文芸坐では珍しい現象です いつもは中高年の男性客が多いのですが、インド映画は人気があるのか、女性や若い人たちの姿を多く見かけました

「バーフバリ  伝説誕生」はS・S・ラージャマウリ監督による2015年インド映画(カラー・138分)です

巨大な滝の下で育った青年シヴドゥは、滝の上の世界に興味を抱き、ある日滝登りをして上にたどり着く そこで美しい女戦士アヴァンティカと出会い、恋に落ちる 彼女の一族が暴君バラ―ラデーヴァの統治する王国との戦いを続けていることを知ったシヴドゥは、戦士となって王国へ乗り込んでいく。そこでシヴドゥは、25年もの間幽閉されている実の母の存在と、自分がこの国の王子バーフバリであることを知る


     


CGとは分かっていても、そのスケールの大きさは半端ないものがあります とくに映画の前半は巨大な滝のシーンが続くので暑い夏に観るのには持ってこいの清涼感があります インド映画の”お約束”、突然 登場人物が歌って踊り出すシーンも満載で、ミュージカルのようにも楽しめます


         


「バーフバリ  王の凱旋(インターナショナル版)」はS・S・ラージャマウリ監督による2017年インド映画(カラー・141分)です

これは前作「バーフバリ  伝説の誕生」の完結篇となる第2作です

蛮族カーラケーヤとの戦争に勝利してマヒシュマティ王国の王に指名されたアマレンドラ・バーフバリは、クンタラ王国の王女デーヴァセーナと恋に落ちる しかし、王位継承争いに敗れた従兄弟バラ―ラデーヴァは邪悪な策略で王座を奪い、バーフバリだけでなく生まれたばかりの息子の命まで奪おうとする その25年後、自らが伝説の王バーフバリの息子であることを知った若者シンドゥは、マへンドラ・バーフバリとして暴君バラ―ラデーヴァに戦いを挑む


     


プラバースという役者がシヴドゥとマへンドラ・バーフバリの二役をやっているので、ストーリー的に若干混乱する面も無きにしも非ずですが、注意深く観ていると理解できます

伝説の戦士の物語なので殺し合いのシーンが数多く映し出されるのは仕方のないことですが、若干やり過ぎの感もあります。それを救ってくれるのはインド映画特有の歌と踊りです

それにしても、女戦士アバンティカを演じたタマンナーにしても、デーヴァセーナ王女を演じたアヌシュカ・シェッティにしても、インド女性特有の典型的な美人です

たまには理屈抜きで楽しめる娯楽映画も良いものです インド映画はそれに もってこいの映画と言えるかも知れません

映画が終わり 出口に向かうと、次の回の上映を待つ人たちの長蛇の列が出来ていました 外に出るとまだ台風は上陸していないようで、ぱらぱらと小雨が降っているだけでした 西日本方面に向かった台風によって全国各地で大きな災害が発生しないことを祈ります

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秋山和慶✕洗足学園音楽大学✕谷桃子、牧阿佐美、東京シティ各バレエ団による「華麗なるバレエ~音の魔術師ラヴェル」公演を観る~マ・メール・ロワ、ボレロ、ラ・ヴァルス、ダフニスとクロエ 第2組曲

2018年07月28日 07時20分29秒 | 日記

28日(土)。わが家に来てから今日で1395日目を迎え、北朝鮮は 朝鮮戦争休戦協定の締結65周年にあたる27日午前、戦争当時に行方不明になった米兵の遺骨を米国に返還した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       米国も日本みたいに偽物を掴まされて 骨折り損のくたびれ儲けにならないといいが

 

         

 

昨日、夕食に「肉じゃが」と「生野菜と生ハムのサラダ」を作りました 肉じゃがは これまでの失敗を踏まえて、ジャガイモを雌鶏、もとい、面取りしたので煮崩れしませんでした

 

     

 

         

 

昨夕、ミューザ川崎で洗足学園音楽大学の「華麗なるバレエ~音の魔術師ラヴェル」公演を観ました これは「フェスタサマーミューザ2018」の一環として開かれたものです。オール・ラヴェル・プログラムで①マ・メール・ロワ、②ボレロ、③ラ・ヴァルス、④「ダフニスとクロエ」第2組曲です 出演は、管弦楽=洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団、谷桃子バレエ団、牧阿佐美バレエ団、東京シティ・バレエ団、洗足学園大学バレエコース学生、指揮は秋山和慶です

 

     

 

自席は2階2CA6列53番、センター右ブロック右から2つ目です。会場は8割方埋まっているでしょうか

ステージ奥にオケがスタンバイします。オケは左にヴァイオリン・セクションを集めています 相変わらず女子の天下で、ヴァイオリンは全員が女子学生です。指揮者・秋山和慶が登場、演奏に入ります

1曲目は「マ・メール・ロワ」です フランス語の「マ・メール・ロワ」とは「マザー・グース」のことで、ペローなどの童話を題材にしています 1910年にピアノ連弾曲として作曲され、その後バレエ用の管弦楽曲に編曲されて 1912年にパリで初演されました  

少女が手にした本の中からおとぎ話の登場人物や妖精たちが飛び出して踊る、というファンタジックなバレエです 第1場「紡ぎ車の踊りと情景」、第2場「眠りの森の美女のパヴァーヌ」、第3場「美女と野獣の対話」、第4場「おやゆび小僧」、第5場「パゴダの女王レドロネット」、終曲「妖精の園」の6場から成ります

谷桃子バレエ団、同団クラスのバレエによるこのプログラムは昨年のフェスタの再演で、振付は日原永美子です 最初に登場した「美徳の精」を踊る佐々木和葉さんを見て、1年前に出演したダンサーだと思い出しました 物語自体がファンタジーなので、それに相応しいカラフルな衣装を身に着けたダンサーが次々に登場して踊るので飽きません 観衆としてのわれわれは、本を読む少女(加藤未希)になってストーリーを体験しているかのように思わせる振付が冴えています 終曲「妖精の国」のフィナーレを迎えて感動を覚えたのは、素晴らしいバレエの向こう側に見えたラヴェルの音楽でした

2曲目は「ボレロ」です この曲は当時の有名なダンサー、イダ・ルビンシテインからの依頼で作曲され、1928年にパリ・オペラ座で、天才ダンサー、ワツラフ・ニジンスキーの妹のブロニスラワ・ニジンスカが振り付け、ルビンシテインのバレエ団により初演されました 

牧阿佐美バレエ団、同クラスによるバレエで、振付は牧阿佐美です はっきり言ってこれはハードルが高いです なぜなら、モーリス・ベジャール振付、ジョルジュ・ドンによる不朽の「ボレロ」があるからです これをどのように克服しようとするのか、それが見所です

意外だったのは、最初に登場したのが女性ダンサーだったことです 「ボレロ」というと私は男性を思い浮かべるのですが。それは良いとして、最初に踊った女性はすぐに引き上げて別の女性ダンサーが出てきました そして、次には男女ペアのダンサーが現われて踊ります。ここで私は気が付きました ジョルジュ・ドンのように最初から最後まで一人で「ボレロ」を踊り切るダンサーはいないのだな、と それと同時に、ダンサーは圧倒的に女性が多いという現状に鑑み、これは「フェスタ=お祭り」なのだから 出来るだけ多くのダンサーを出演させたいと思うのが自然ではないか、と

さらに、「ボレロ」は同じメロディーが延々と最後まで繰り返される単純な音楽なので、どのようにでも振り付けることが出来るけれど、逆に言えば、単純な振付をしていたらすぐに飽きられるという難しさを孕んでいるのではないかと思います ダンサーの衣装が黒で統一されていることから、なおさらそのような危惧を感じます その点、牧阿佐美の振付は、メインを踊るダンサーを変えながら、蓄積したエネルギーをフィナーレで爆発させる見事なものでした


     


プログラム後半の1曲目は「ラ・ヴァルス」です 「ラ・ヴァルス」とはワルツのフランス語です。この曲は、1920年にバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)の主宰者セルゲイ・ディアギレフの委嘱により作曲されました  その後、ブロニスラワ・ニジンスカの振付で1929年と31年の2度バレエ化されました

バレエは東京シティ・バレエ団、グローバルクラスで、振付は安達悦子です

この曲は、19世紀のウィーンの宮廷を舞台にしたワルツへの幻想を描いたものですが、基本的に黒または白の衣装で踊られるバレエは、色彩感が乏しい衣装を乗り越えて、貴族社会の舞踏会の雰囲気を醸し出していました

最後は「ダフニスとクロエ」第2組曲です この曲は「ラ・ヴァルス」と同様、ディアギレフからの委嘱によりバレエ・リュスのために作曲され、1912年にパリのシャトレ座で初演されました    バレエは、古代ギリシャの田園詩をもとに作られた、山羊飼いの少年ダフニスと美少女クロエの恋物語で、「クロエは海賊にさらわれるが、パンの神の力により救出され、ダフニスと結ばれる。二人が祝福され、全員の踊りでクライマックスを迎える」という内容です 第3場に当たる第2組曲は第1曲「夜明け」、第2曲「パントマイム」、第3曲「全員の踊り」の3曲から成ります

バレエは東京シティ・バレエ団、グローバルクラスで、振付は小林洋壱ですが、ストーリーに沿った演出が冴えていました

最後にこの日出演した3つのバレエ団が再登場し、指揮の秋山和慶とともに会場いっぱいの拍手とブラボーを受けていました

バレエは楽しい また来年も観たいと思います


     

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東京藝大モーニング・コンサートで前川泉「CHARLIE~哀れな羊のドタバタ喜劇」、パガニーニ「ヴァイオリン協奏曲第1番」(Sax:千野哲太)を聴く / 世界若手オペラ歌手ガラコンサートのチケットを取る

2018年07月27日 07時20分22秒 | 日記

27日(金)。わが家に来てから今日で1394日目を迎え、ポンぺオ米国務長官は25日の上院外交委員会で「北朝鮮は核物質の生産を続けている」と証言した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

               北朝鮮は米国を甘く見てるとポンぺオ火山が爆発してポンペイ遺跡のようになるぞ

 

         

 

昨日、夕食に「サバの塩焼き」「マグロの山掛け」「生野菜とアボカドのサラダ」「男前豆腐の食べるラー油乗せ」「アサリの味噌汁」を作りました サバは勝浦氏在住で大学時代の友人S君が送ってくれた逸品ですが、脂がのって美味しかったです


     

 

         

 

新国立劇場「オペラパレス」で開かれる「世界若手オペラ歌手ガラコンサート」のチケットを取りました 9月16日(日)、17日(月・祝)のうち16日午後5時からの部です これは新国立劇場オペラ研修所20周年を記念して開かれる特別公演で、管弦楽=藝大フィルハーモニア管弦楽団、合唱=新国立劇場合唱団、指揮=飯守泰次郎による演奏です 

出演はオペラ研修所研修生第19期~21期生のほか、安藤赴美子(第3期修了)、清水華澄(第4期修了)、城宏憲(第10期修了)、桝貴志(第5期修了)が賛助出演し、ロンドン、ミラノ、ミュンヘンの各歌劇場のオペラアカデミーからも6名が出演します

なお、プログラムの詳細はまだ発表されていません 個人的には安藤赴美子さんのプッチーニを期待します

 

     

 

         

 

昨日、東京藝大奏楽堂で第10回藝大モーニング・コンサートを聴きました プログラムは①前川泉(藝大4年)「CHARLIE~哀れな羊のドタバタ喜劇」、②パガニーニ「ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品47」です ②はサクソホーンによる演奏で、独奏は千野哲太、管弦楽=藝大フィルハーモニア管弦楽団、指揮=山下一史です

 

     

 

全席自由です。1階10列24番、センターブロック右通路側を押さえました。会場は7割くらいの入りでしょうか

オケはいつもの通り、ヴァイオリン・セクションを左サイドに集めています。コンマスは戸原直です

1曲目は藝大4年生・前川泉作曲による「CHARLIE~哀れな羊のドタバタ喜劇」です 演奏直前の本人の説明とプログラム記載の解説によると、CHARLIEというのは喜劇王チャーリー・チャップリン(1889‐1977)のことで、彼女はチャップリンの「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇である」「悲劇と喜劇は紙一重である」という言葉を引用し、この作品では悲劇と喜劇の二面性に注目して作曲したとのことです さらに、チャップリンの自伝書に書かれた次のエピソードを紹介します

「彼は子供の頃、屠畜場が近くにある家に住んでいたのだが、ある日、一頭の羊が群れの列から離れて逃げ出してしまった パニックに陥り跳ね回る羊と、羊を捕まえようと慌てる人々の追っかけ合いは、とても滑稽で周囲に笑いが起こった チャップリンも最初は笑っていたのだが、ついに羊が捕らえられてしまうと、その出来事の本当の悲劇に気づき涙を流したという 『この出来事こそ、悲劇と滑稽さが組み合わさった映画の土台を築くきっかけになったのかもしれない』と、チャップリンは語っている

作品は、このエピソードを基に作られており、逃げた一頭の羊こそチャーリー・チャップリンその人で、チャーリーの行動を中心に物語が進行していくとのことでした

指揮の山下一史が登場、演奏に入ります 冒頭ティンパニの強打で物語が始まります。曲中、ドタバタ喜劇のような賑やかな表現も聴かれ笑いが聴こえます 中盤ではオッフェンバックのオペレッタ「地獄のオルフェ」(邦題:天国と地獄)の有名なカンカン(地獄のギャロップ=カステラ一番、電話は二番~で有名)の馬鹿騒ぎのメロディーが引用され、ドタバタ喜劇がシニカルに強調されます 全体的に現代音楽にありがちな「小難しさ」は無く、ストーリー性のある聴きやすい音楽でした


     

 

プログラム後半はパガニーニ「ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品47」です この曲はニコロ・パガニーニ(1782‐1840)が1817~18年頃に作曲しました 第1楽章「アレグロ・マエストーソ~テンポ・ギウスト」、第2楽章「アダージョ・エスプレッッシーヴォ」、第3楽章「ロンド・アレグロ・スピリトーソ~ウン・ポコ・ピゥ・プレスト」の3楽章から成ります

ただし、今回は藝大4年生・千野哲太君のソプラノ・サクソホーンによって演奏されます ヴァイオリン協奏曲第1番は1819年に初演されていますが、その当時はまだサクソフォーンは存在していませんでした。本人によるプログラム・ノートによると、「もしパガニーニがサクソフォーンを使用していたら・・・」と思い、カデンツァはパガニーニによるヴァイオリン用を使用せず 千野君が独自に作曲したそうです

山下一史指揮藝大フィルハーモニアにより第1楽章の長い前奏が続きます そして、千野君のソプラノサックスによって最高音が輝かしく演奏されます この楽章を通して、彼の指使いとタンギング(舌使い)を見ているだけでも、この曲がいかに超絶技巧を要するかが分かります ヴァイオリンで超絶技巧曲なのに、自分の息を吹き込んで、高速で指を動かすサックスで演奏するわけですから それ以上に超絶技巧だと思われます よほど口が達者じゃないとあれほど上手くは吹けません(ちょっと、意味が違うか)。カデンツァは自らの作曲によるものだけに高音から低音までサックスの魅力が良く生かされた演奏でした

第2楽章では、速いパッセージが無く、むしろ低音部を中心にゆったりと聴かせる楽章ですが、千野君のサックスは良く歌っていました 第3楽章に入ると再び超絶技巧を駆使する場面が多くなりますが、千野君は演奏を楽しんでいるかのように軽快に演奏、フィナーレになだれ込みました

クラシック音楽にサクソフォーンのための作品があまりにも少ないため、千野君はパガニーニの難曲を選んだのだと思いますが、まずそのチャレンジ精神に敬意を表します そして、超絶技巧を駆使した演奏は、その精神が活かされた見事なものでした

千野哲太は須川展也、上野耕平に続いてクラシック・サックス界のスターになれるか これからが楽しみです

 

     

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三船敏郎✕志村喬主演「銀嶺の果て」、中野良子主演「お吟さま」を観る~音楽は共に「ゴジラ」の伊福部昭~新文芸坐

2018年07月26日 07時20分00秒 | 日記

26日(木)。わが家に来てから今日で1393日目を迎え、日本マクドナルドが昨年夏に販売したローストビーフ関連商品が、商品の半分以上で切り身を加熱処理して形を整えた肉を使っていたのに、ローストされた赤身肉の塊をスライスする映像をCMで放送するなど、ブロック肉が使われているかのように表示していたことに対して 消費者庁は景品表示法違反で再発防止を求める措置命令を出した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       商品のへ信頼を失うという意味では ローストビーフというより ロストビリーブだ

 

         

 

昨日、夕食に「豚バラ麻婆茄子」「生野菜と生ハムのサラダ」「トマト、ニンジン、エリンギ、卵のスープ」を作りました 暑い夏はニンニクを使った料理が良いようです

 

     

 

         

 

昨日、新文芸坐で「銀嶺の果て」と「お吟さま」の2本立てを観ました

「銀嶺の果て」は谷口千吉監督、黒澤明脚本による1947年東宝映画(白黒・88分)です

銀行破りの3人組が北アルプスに逃げ込む。そのうちの一人 高杉(小杉義男)は雪崩に巻き込まれてしまう 残った野尻(志村喬)と江島(三船敏郎)は山奥の山小屋にたどり着く。小屋では老人と孫娘(若山セツ子)と本田(河野秋武)という登山家が暮らしていた 野尻は三人の温かい態度に心を動かされたが、気性が激しい江島はなおさら反発するようになっていった 翌日の夜半、拳銃で脅され山越えの案内を強要された本田を先頭に、3人は雪渓を登っていく。途中で江島が足を踏み外したためロープで繋がれた二人も滑落しそうになるが、本田が全力で踏みとどまり三人とも助かる やっと頂上に着いたが、野尻と江島は言い争いを始め格闘の末 江島は命を落としてしまう   野尻は怪我を負った本田を背負って下山する

 

     

 

この作品は、当初は出演を断った三船が谷口に説得されて出演したデビュー作です 共同で脚本を書いた黒澤明はこの作品で三船の才能を確信し、その後多くの作品に主役として抜擢するようになりました

鋭い目つき、猛々しいまでの態度、どれを取っても「役者  三船敏郎」が出来上がっています 同じ強盗でありながら、柔和な顔付きの野尻(志村喬)とは対照的です

この映画の音楽は「ゴジラ」で有名な伊福部昭が担当しています 冒頭のタイトルロールや雪崩のシーンでのオスティナートによる音楽は、ほとんどゴジラの音楽に近いものがあります

また、野尻の心を開いていく音楽としてスティーブン・コリンズ・フォスターの「懐かしきケンタッキーの我が家」が使われています 郷愁を誘う音楽としては良い選択だと思います

 

         

 

「お吟さま」は熊井啓監督による1978年東宝映画(カラー・153分)です この作品は今東光の同名小説を映画化したもので、絶対権力者・豊臣秀吉に抵抗する千利休とその娘・吟の悲劇を描いています

 豊臣秀吉の茶頭・千利休(志村喬)の娘・吟(中野良子)は、幼馴染の高山右近(二代目・中村吉右衛門)を一途に思い続けてきた しかし、妻ある右近はキリシタンの教えに背いてまで吟の思いを受け入れることはしなかった 吟は万代屋宗安に嫁ぐが右近のことが忘れられない 一方、茶会で吟を見初めた秀吉(三船敏郎)は大阪城に迎え入れる。秀吉の横恋慕に利休は命に代えても吟を守ろうとする そして、身を潜めていた右近に加賀への同行を頼む。その夜、利休一家は別離の宴を催したが、千家は秀吉の軍勢に包囲され、右近に再会することは叶わなくなる 逃れることが出来なくなった吟は自害する その後、秀吉の命により利休は切腹する。右近はルソンに追放され、マニラで生涯を閉じる

 

     

 

この映画は何と言ってもヒロインの吟を演じた中野良子の存在感が圧倒的です 三船演じる太閤秀吉は足軽上がりのサルには上品すぎる感じです それに反して、自分の信念を曲げない千利休を演じた志村喬は役柄がピッタリです

この映画も音楽は伊福部昭が担当しています 高山右近が琵琶のような楽器(古楽器)を弾きながら歌を歌うシーンがありますが、おそらく伊福部が作曲した曲だと思われます

それにしても、幕府がキリスト教の普及を禁止していなかったら、今ごろ日本はどうなっていただろうか、と考えてしまいました

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ロレンツォ・ヴィオッティ✕小山実稚恵✕東京フィルでラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調」「道化師の朝の歌」、ドビュッシー:交響詩「海」「牧神の午後への前奏曲」を聴く~フェスタサマーミューザ

2018年07月25日 07時23分48秒 | 日記

25日(水)。日経朝刊最終面のコラム「私の履歴書」は、現在 歌舞伎俳優の中村吉右衛門さんが連載中ですが、昨日の第23回目は音楽について書かれています 1996年にイタリア巡業に行った際、スカラ座でのマウリツィオ・ポリーニのピアノ・リサイタルでベートーヴェンを聴いて感銘を受け、それ以来ポリーニが来日するたびにコンサートに通っているそうです 自分と年齢が近いこともあって、共鳴するものがあるとのことです。忘れられない音楽はマーラーの「交響曲第5番」で、自分の葬式ではこの曲を流してほしいと思っているくらいだとのこと きっかけは あるコンサートでこの曲を聴いているうちに感涙がほほを伝ったことがあったからだそうです  「こんな感動があるんだ」と自分で客席で体験して改めて、そういうお客様が一人でもいる限り、音楽でも芝居でも、やる意味があるんだ と考えたとのことです

ソリストにしても、オーケストラの一員にしても、仕事だからとか、生活のためとか、ルーティーンとして演奏するのでなく、中村吉右衛門さんのように「やる意味がある」という意識を持って音楽に取り組んでほしいと思います

ということで、わが家に来てから今日で1392日目を迎え、野田聖子総務相の事務所による金融庁への説明要求について、野田総務相は伝え聞いた内容を第三者に漏らしていたことを認め、「慎重さに欠けたと反省している」と述べて謝罪した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                安倍首相に限らず 権力を握る者は忖度を求めて圧力をかけることがよく分かった

 

         

 

昨日、夕食に「棒棒鶏」「生野菜と生ハムのサラダ」「マグロの山掛け」を作りました バンバンジーは久しぶりです。ピリ辛の夏メニューです

 

     

 

         

 

昨夕、ミューザ川崎で東京フィルのコンサート「絶品フレンチ1~ラヴェル&ドビュッシー」を聴きました これは「フェスタサマーミューザ2018」の一環として開かれた公演です

午後7時の開演に先立って6時20分から2階ホワイエで「ロビーコンサート」がありました フルート首席=斉藤和志、ヴィオラ首席=須田祥子、ハープ=梶彩乃の3人により、ドビュッシー「フルート、ヴィオラ、ハープのためのソナタ」から第1楽章、第3楽章、ラヴェル「ハバネラ形式の小品」(Fl、Hp)が演奏されました。茶髪・黒髪混合の須田さんは東京フィルの顔としてお馴染みですが、斎藤さんの演奏を身近で聴いたのは初めてです。さすがは首席の演奏だと思いました

さて本番です。プログラムは①ラヴェル「道化師の朝の歌」、②同「ピアノ協奏曲ト長調」、③ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」、④同:交響詩「海」です ②のピアノ独奏は小山実稚恵、指揮はロレンツォ・ヴィオッティです

指揮者のヴィオッティはスイス・ローザンヌ生まれの俊英ですが、7月1日の新国立オペラ「トスカ」で東京フィルを相手に見事なタクト捌きをみせてくれたのが記憶に新しいところです

 

     

 

会場は8割方埋まっているでしょうか オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、その後ろにコントラバスという並び。コンマスは依田真宣です コントラバス・セクションを見てアッと驚きました 何と8人のうち7人が女性奏者なのです こういう編成は初めて見ました。弦楽器は低音楽器に行くほど男性奏者が多いというのが在京オーケストラの傾向だと思っていましたが、東京フィルは例外かも知れません と思って、他の弦楽セクションを見たら、やはり女性が圧倒的に多く男性は数えるほどしかいません もっとも、東京フィルは在京オケの中で最も楽員が多い(132名)ので、降り番の中に男性奏者がいるのだと思いますが、それにしてもこれほど極端に偏っているのにはます。

さて、1曲目はラヴェル「道化師の朝の歌」です この曲はモーリス・ラヴェル(1875‐1937)が1905年にピアノ曲(組曲「鏡」の第4曲)として作曲し、1918年にオーケストラ用に編曲したものです

指揮者のヴィオッティが颯爽と登場します オペラの時はオーケストラ・ピットに入っていたので気が付かなかったのですが、相当背が高いです ヴィオッティの指揮で演奏に入りますが、スペイン調の音楽が南国の熱気を運んでくるようです

2曲目はラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調」です この曲はジャズのイディオムを取り入れて1931年に完成した作品です 第1楽章「アレグラメンテ」、第2楽章「アダージョ・アッサイ」、第3楽章「プレスト」の3楽章から成ります 

ステージが整えられ、ピアニストの小山実稚恵がヴィオッティとともに登場しピアノに向かいます ヴィオッティの合図で第1楽章の陽気な音楽が速めのテンポで開始されます 小山はヴィオッティのタクトに乗せて躍動感に満ちた演奏を繰り広げます この曲の聴きどころは第2楽章です。ピアノの長いソロから入りますが、ロマンティックで夢想的な音楽で、このまま止まないでくれと祈りたくなるような美しい音楽です コーラングレが優しくそっと寄り添います 間を置くことなく入る第3楽章は一転、ジャジーな音楽でピアノとオケとの丁々発止のやり取りが楽しめます。胸のすくような演奏でした

会場いっぱいの拍手とブラボーに、なぜかピアノ椅子が一つ追加されます 世の中には3つの坂があります。一つ目は登り坂、二つ目は下り坂、そして三つ目は まさか です そのまさかが始まろうとしています。アンコールは小山実稚恵&ヴィオッティの連弾でラヴェル「マ・メール・ロワ」から第5曲「妖精の国」が演奏されました ピアノも弾ける指揮者は少なくありませんが、まさかアンコールでチャイコフスキー国際、ショパン国際 両コンクール入賞者との連弾に挑むとは、その発想が大胆素敵です アンコールの時は名前をヴィオッティからデュエッティに代えても良いかも知れません。会場はやんややんやの喝采です 一番喜んだのは小山さんでしょうね イケメンと連弾できたし


     


プログラム後半の1曲目はドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」です この曲はクロード・ドビュッシー(1862‐1918)がフランスの詩人マラルメの「半獣身(牧神)の午後」に刺激されて1892年に作曲し、1894年に初演した作品で、ドビュッシーはこの曲によって不動の名声を獲得しました

出だしはフルート奏者に任せているようで、ヴィオッティは指揮台でじっと下を向いたままです ロビーコンサートで演奏した首席フルート奏者の斉藤氏が タイミングを見計らってアンニュイな雰囲気のメロディーを奏でます これが絶妙でした 夢うつつにまどろんでいる牧神の様子がありありと浮かんできます また隣のオーボエ奏者も素晴らしい演奏をします。東京フィルの木管群は結構いけるかも

後の曲はドビュッシー:交響詩「海」です この曲はドビュッシーが1905年に完成した作品で「3つの交響的スケッチ」という副題が付けられています 第1楽章「海の夜明けから真昼まで」、第2楽章「波の戯れ」、第3楽章「風と海との対話」の3楽章から成ります

ヴィオッティのタクトで演奏が開始されます 彼の指揮を見ていて感じたのは、非常に冷静でバランス感覚の優れた指揮者なのではないかということです それは「トスカ」の指揮で感じたことでもあります。波の動きや、太陽の光を受けて輝く波や、風に吹かれて波打つ海の様子などを、躍動感あふれる演奏で再現していました 私は演奏を聴きながら、ドビュッシーが1905年に出版した交響詩「海」のスコアの表紙に描かれた葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景」の「神奈川沖浪裏」を思い浮かべていました 

ピアニストとしてはともかく、指揮者としてのヴィオッティは、オペラを振らせても、管弦楽を振らせても素晴らしいパフォーマンスを見せてくれます   私は彼に期待したいと思います

 

     

コメント (2)
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村上春樹「村上さんのところ」を読む~さながら人生相談473件 / 「METライブビューイング アンコール2018」を観よう!~8月4日(土)から10月5日(金)まで東銀座「東劇」で上映

2018年07月24日 07時54分56秒 | 日記

24日(火)。わが家に来てから今日で1391日目を迎え、アルゼンチン・ブエノスアイレスで開かれていた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は22日午後、保護主義への対抗姿勢を確認する内容の共同声明を採択して閉幕したと いうニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                いくら共同声明を出したって 全く無視する某国の大統領がいる限り 意味なくね?

 

         

 

昨日、夕食に「カレーライス」と「生野菜とアボカドのサラダ」を作りました 最近、カレーは「野菜のドライカレー」が続いたので、久しぶりに「ビーフカレー」にしました わが家はビーフと言ってもブロックではなく 切り落としを使います   暑い日にはカレーですね

 

     

 

         

 

「ETライブビューイング  アンコール2018」が8月4日から上映されます これは、これまで上映されてきたMETライブビューイングの「2006ー07シーズン」から「2017-18シーズン」までの作品の中から人気作27演目を一挙に上映するものです 上映は8月4日(土)から10月5日(金)までで上映館は東銀座「東劇」です

チケット代は当日一般@3,100円、学生@2,100円(トリスタンとイゾルデのみ@4,600円、@3,200円)ですが、4枚セット券(10,400円)もあります。セット券なら1枚当たり2,600円と超お得です。現在発売中です

 

     

 

全27作品の上映スケジュールは下のチラシ記載の一覧表の通りです。いずれも素晴らしいパフォーマンスですが、個人的にお薦めしたいのは次の5本です

ロッシーニ「セヴィリアの理髪師」(2006-07シーズン) 演出=バートレット・シャー    指揮=マウリツィオ・ベニーニ 出演=ジョイス・ディドナート、フアン・ディエゴ・フローレス他

プッチーニ「トゥーランドット」(2009-10シーズン)  演出=フランコ・ゼフィレッリ   指揮=アンドリス・ネルソンス 出演=マリア・グレギーナ、マルチェッロ・ジョルダ―二他

レハール「メリー・ウィドウ」(2014‐15シーズン)     演出=スーザン・ストローマン   指揮=アンドリュー・ディヴィス 出演=ルネ・フレミング、ケリー・オハラ他

④ヴェルディ「イル・トロヴァトーレ」(2015-16シーズン)演出=ディヴィッド・マクヴィカー 指揮=マルコ・アルミリアート 出演=アンナ・ネトレプコ、ディミトリ・ホヴォルストフスキー他

⑤プッチーニ「ラ・ボエーム」(2017-18シーズン)    演出=フランコ・ゼフィレッリ   指揮=マルコ・アルミリアート 出演ーソニア・ヨンチェヴァ、マイケル・ファビアーノ他

上記のうち①と②はそれぞれ3回は観ていますが、まったく飽きません ①はとにかく楽しい。演出も素晴らしい。フアン・ディエゴ・フローレスのハイCは聴きものです ②は絢爛豪華な舞台と演出が最高。グレギーナのトゥーランドット姫はマイ・ベストです ③はミュージカル出身のケリー・オハラの歌い方が独特です ④は歌手陣が揃って素晴らしい ⑤はゼフィレッリの舞台・演出が最高です

 

     

 

         

 

村上春樹「村上さんのところ」(新潮文庫)を読み終わりました この本は、2015年1月15日から5月13日までの119日間の期間限定サイト「村上さんのところ」に寄せられた、村上春樹氏への質問・相談メール 合計37,465通(うち外国語は14か国2,530通)に対し 村上氏が回答を寄せた3,716通の中から473通を厳選して紹介しています  その内容は、恋愛、人間関係、仕事から小説の書き方、音楽や映画、猫、村上氏がファンであるヤクルトスワローズの話題まで広範囲にわたっています

473通の質問と回答はどのくらいの分量かというと、文庫本で630ページを超えます 当初の予想通り、本はドッグイヤーだらけになりました 質問者の属性で気が付いたのは、現役の教師(とくに国語)が多いということです 文学者を目指して小説を書いてはみたものの、望みが叶わず、中学もしくは高校の国語の教師になったというような人が村上主義者には多いのかな、と勝手に想像しました

 

     

 

話題があまりにも多岐にわたっているので、私の興味のある「音楽」とその周辺にテーマを絞ってご紹介しようと思います 回答の次の ⇒以下はtoraの個人的なコメントです

【カラヤンの音楽について】

指揮者としてのカラヤンについてどのように思われますか? また、愛聴されているカラヤン関連作品がありましたら教えてください。

【村上さんの回答】

私は「カラヤン嫌い」ではありません。ちょくちょく聴いています 今一つ承服できない演奏もあり、また「これは素晴らしい」と思う演奏もあります 一番好きなのは「マーラー9番」かな。あれはとても良いと思いますオペラも素晴らしいですよね。でも、カラヤンの件に限らず、日本のクラシック音楽のファンって、けっこう非寛容な人が多いですよね。「××を認めるようなやつとは口もききたくない」とか。そこまで決めつけなくてもいいだろうと思うんですが

⇒リヒャルト・シュトラウスの歌劇「ばらの騎士」は素晴らしいと思います

 

     

 

【シベリウスの音楽について】

シベリウスの生家も訪問された村上さんは、シベリウスのどのあたりに魅力を感じていらっしゃいますか?

【村上さんの回答】

一口では言えません。何となくシベリウスのシンフォニーを聴いていると気持ちが良いんです どの曲が好きだとか、そういうのもあまり関係ないみたいですね。1番とか5番とかは比較的よく聴きます 聴いていると、固有の風景みたいなものが目の前にさあっと浮かんできて、それを雄大な一幅の絵みたいに ただぼおっと眺めているみたいな。シベリウスの全集をいくつか持っていますが、僕はコリン・デイヴィス指揮ボストン交響楽団の演奏が昔からけっこう好きです。節度があって、押しつけがましくなくて、好感が持てます

⇒私もいくつか持っている全集(ザンデルリンク、コリンズ、バルビローリほか)の中で、このCDセットが一番の愛聴盤です

 

     

 

【LPレコードとCDについて】

村上さんはシチュエーションに応じて聴く音楽の媒体を変えているのでしょうか? 移動中や走る時はデジタル音源、家ではアナログレコードとか。

【村上さんの回答】

アナログとCDは使い分けています。仕事をする時は、どちらかといえばアナログを聴くことが多いですね CDよりもLPの方が、なんとなく気持ちが穏やかになるので、前の夜に「明日はこれを聴こう」と5、6枚のレコードを用意しておいて、朝起きたらそれを順番に聴いていきます。朝はだいたいクラシック音楽を聴いています

⇒LPは滅多に聴きません。レコードとレコード針をアルコールで消毒して、針をレコードの溝にゆっくり落として、それからボリュームを上げて・・・と いろいろ「儀式」があります

【音楽と文章について】

村上さんの小説と同じくらい、村上さんの音楽に関する文章が好きで、愛読しています 村上さんは音楽と言葉の関りについてどのように考えておられますか?

【村上さんの回答】

僕は素晴らしい音楽を聴いたら、その素晴らしさをなんとか文章のかたちに置き換えてみたいといつも思います それはとても自然な欲求なのです。そしてその文章を誰かが読んで、「ああ、この音楽を聴いてみたいな」と思ってくれたら、それに勝る喜びはありません。でも音楽を文章で表すのって、ずいぶんむずかしいです 僕はそれを自分にとっての大事な文章修行だとみなしています。音楽を聴くことと、音楽についての文章を読むことは、お互いを助け合う行為だろうと僕は考えていますが、直感と思索は、互いを支え合うべきなのです

⇒まったく同感です。とくに音楽を文章で表すのはずいぶん難しいと思います

【読書感想文克服法について】

本を読むのも、文章を書くのも嫌いじゃないのに、感想文を書かなきゃと思って本を読むと、なぜだか内容がぜんぜん頭に入ってきません 読書感想文をさらりと書くコツがあれば、ぜひ教えてください

【村上さんの回答】

よくぞ訊いてくれました 僕は昔から読書感想文を書くのが得意でした。読書感想文を書くコツは、途中でほとんど関係ない話(でも どこかでちょっと本の内容と繋がっている話)を入れることです   それについてあれこれ好きなことを書く。そして最初と最後で、本についてちょろちょろっと具体的に触れる。そうするとなかなか面白い感想文がすらすら書けます。やってみてください

⇒私の場合は、他の生徒が書きそうなことは書かず、あえて正反対に近いことを書いていました。中高生の頃から確信犯的天邪鬼でした

【大西順子さんの「ラプソディ・イン・ブルー」について】

先日、部屋で掃除をしていた時、唐突に涙があふれ出しました。ふと顔を上げると、テレビでサイトウ・キネン・フェスティバルの公演が放映されていて、大西順子さんが「ラプソディ・イン・ブルー」を弾いていたのです もう二度と生では聴けないのかなぁと喪失感でいっぱいになります。現役のジャズピアニストをお薦めいただければ幸いです

【村上さんの回答】

これはあくまで僕の個人的な意見であって、異論もあろうかと思いますが、大西順子さんは別格です もちろん上手なピアニスト、才能のあるピアニストは何人もいますが、「ジャズへの志」「ジャズの魂」という部分をとってみれば、彼女に匹敵する人はまずいません ほかの人とはレベルが違うと思います。代わりの人は思い付かないですね。彼女の本格的な復帰を待ち望むのみです

⇒3日前の9月21日(土)にミューザ川崎で演奏されたノット✕東響✕大西順子トリオによる「ラプソディ・イン・ブルー」は忘れられない名演でしたが、完全に復帰していましたね

以上のほかに、「なぜ人を殺してはいけないのか」「好きなことは仕事になり得るのか」「批判に対する心構えとは」「村上さんの生き方の原点は?」「子どものやる気を引き出すには」「小中学生に道徳を教えるには」「『時』は何を解決してくれますか?」「生きることが辛い時には」といった極めて真面目なテーマから、「アイドルオタクの夫」「マネキンと上手に別れたい」「セクシーランジェリーの正しい活用法」「妻が乳首をさわってくる」「笑えないダジャレにはワケがある」「体重を減らす3つの方法」などの軟派なテーマまで、村上氏が真正面から、時にユーモアを交えながら答えています   さながら「村上春樹 人生相談 473件」です

この本には生きるヒントがびっしり詰まっています 630ページありますので、熱中症にならないように水分補給をしながら じっくり読むことをお薦めします

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円光寺雅彦✕横山幸雄✕新日本フィルでモーツアルト「ピアノ協奏曲第20番」、ベートーヴェン「交響曲第6番”田園”」、ヘンデル(ハーティ編)「王宮の花火の音楽」序曲を聴く~フェスタサマーミューザ

2018年07月23日 07時23分47秒 | 日記

23日(月)。わが家に来てから今日で1390日目を迎え、3横綱全員に新大関まで休場という異例の大相撲名古屋場所で、関脇 御嶽海が優勝した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       出身地の長野県上松町は大喜びだ その半面 3横綱の名前は忘れ去られるんじゃね?

 

         

 

昨日、ミューザ川崎で新日本フィルのコンサート「正統派ドイツ音楽1」を聴きました これは「フェスタサマーミューザ2018」の一環として開かれたもので、プログラムは①ヘンデル(ハーティ編)「王宮の花火の音楽」から序曲、②モーツアルト「ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466」、③ベートーヴェン「交響曲第6番ヘ長調作品68”田園”」です ②のピアノ独奏は横山幸雄、指揮は円光寺雅彦です

午後3時からの本番に先立って、午前11時半から公開リハーサルが本番と同じ会場で開かれました ところが、昼食の蕎麦を食べている間に始まってしまい、3分遅刻してしまいました 2階のロビーで待たされ、ベートーヴェンの交響曲第6番の第3楽章に入るところで中に入れてもらいました 言うまでなく、指揮者も楽員もカジュアルな服装でリハーサルに臨んでいます。第2ヴァイオリンに篠原英和さんと松崎千鶴さんを確認 リハーサルは前半に田園を、後半にモーツアルトとヘンデルを一通りさらいました そして「これは内緒ね」という約束でアンコール曲のリハーサルもやりました。内緒なのでここでは書けません。悪しからず

 

     

 

さて本番です。会場は8割以上埋っているでしょうか

オケはいつもの新日本フィルの編成で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並びです 第2ヴァイオリンのトップはN響の人か? 2曲目のピアノ協奏曲に備えて、センターにはあらかじめグランドピアノが設置されています。この辺は合理的です。コンマスは西江王子です

1曲目はヘンデル(ハーティ編)「王宮の花火の音楽」から序曲です ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685‐1759)は、同じ年に生まれたJ.S.バッハと違い、生涯を国内に留まることなく、1710年代にイギリスに渡り、1727年に帰化しました この曲は、1748年にオーストリア継承戦争が集結したことを祝って1749年4月にロンドンで開かれた花火大会のために作曲されました 元々はオーボエ24、ホルン9、トランペット9、ファゴット12、ティンパニ3対といったトンデモナイ編成の曲でした オーボエ24って、それほどオーボエの吹ける演奏者がいたのかよ とツッコミを入れたくなります 今回はアイルランド生まれのハミルトン・ハーティがオーケストラ用に編曲した版で演奏されます

円光寺のタクトで長い序奏が演奏され、中盤で4本のトランペットが華やかな音楽を奏でます いよいよ花火大会の始まりです。花火だけに「いよっ、音輪屋」と声をかけたくなります。なんか変デル? 「水上の音楽」といい、「王宮の花火の音楽」といい、貴族は優雅な生活を送っていたのですね

2曲目はモーツアルト「ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756‐91)が1785年に作曲した作品です。モーツアルトのピアノ協奏曲では初めての短調の曲で、第1楽章「アレグロ」、第2楽章「ロマンツェ」、第3楽章「アレグロ・アッサイ」の3楽章から成ります

ベスト姿の横山幸雄が登場、ピアノに向かいます。個人的にはベスト・ドレッサー賞をあげてもいいかも 円光寺の指揮で第1楽章に入りデモーニッシュな演奏が展開しますが、彼は指揮棒を使用しません 彼の指揮を見ていると、両手で楽員から音を紡ぎ出しているように見えます。私の経験から言えば、ここ数年の傾向として、モーツアルトの作品に限って指揮棒を持たずに指揮をするシーンが多いように思います これは最近のブームなのでしょうか

横山幸雄のピアノはひと言でいえば明快です 一音一音の粒立ちがハッキリしていて不明瞭なところがありません 第1楽章と第3楽章にはカデンツァがありますが、この曲を高く評価していたベートーヴェンの作曲によるものかどうかは分かりません 横山は何の苦もなく鮮やかに弾き切りました 何よりも円光寺✕新日本フィルとのテンポ設定が適切で、心地よい演奏を堪能でき、モーツアルトが生で聴ける幸せを感じました

横山はアンコールにモーツアルトの「ピアノ・ソナタ第8番イ短調K.310」から第1楽章「アレグロ・マエストーソ」を鮮やかに弾き切りました 短調の後には単調な曲でなく短調の曲を持ってくるところは流石だと思います

 

     

 

プログラム後半はベートーヴェン「交響曲第6番ヘ長調作品68”田園”」です ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770‐1827)は、1808年にまったく正反対の曲想の第5番ハ短調「運命」と第6番ヘ長調「田園」を作曲し同じコンサートで初演しました この曲の大きな特徴は、①自ら「田園交響曲」と名付けたこと、②それまでの交響曲が4楽章形式だったのに対し、この第6番は全5楽章から成ること、③第3~第5楽章が続けて演奏されることです

第1楽章「田舎に到着したときの朗らかな感情の目覚め:アレグロ・マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「小川のほとりの情景:アンダンテ・モルト・モッソ」、第3楽章「農民の楽しい集い:アレグロ」、第4楽章「雷雨、嵐:アレグロ」、第5楽章「牧人の歌、嵐のあとの喜ばしい感謝の気持ち:アレグレット」の5楽章から成ります

円光寺のタクトで第1楽章が開始されます 冒頭の穏やかな音楽を聴くたびに「ああ、いい音楽だなぁ」と思います この曲の中で私が最も好きなのは第2楽章「アンダンテ・モルト・モッソ」です。「平和」を音楽で表したらこういう音楽になるのではないか、と思うほど平和な音楽です オーボエの金子亜美、フルート(誰?)、クラリネットのマルコス・ぺレス・ミランダ、ファゴット(東響首席の福士マリ子にソックリ。まさか本人?)が冴えた演奏を繰り広げます 弦楽器セクションもバッチリです

演奏を聴き終わって、とても幸せな気持ちになりました。なんだかんだ言っても、ベートーヴェンは素晴らしい

円光寺✕新日本フィル弦楽セクションは、アンコールにモーツアルト「アイネ・クライネ・ナハトムジークK.525」から第3楽章「メヌエット:アレグロ:トリオ」を溌剌と演奏し、フェスタサマーミューザ第2日目を締めくくりました

なお、当日配布のプログラムに「『田園』交響曲は、独創的な作品か?」という見出しで、ドイツの作曲家クネヒト(1752‐1817)が1784年に書いた交響曲「自然の音楽的描写」が紹介されています それによると「同曲は5楽章構成で、第1楽章が『美しい田舎~』に始まり、雷や嵐の描写があり、終楽章で創造主への感謝が表されるなど、田園との共通点も多く、ベートーヴェンがこれにヒントを得た(刺激を受けた)ことはほぼ確実とみられている」と書かれています

私は、そのクネヒトの交響曲「自然の音楽的描写」を2016年5月3日の「ラ・フォル・ジュルネ音楽祭」で、リオ・クオクマン指揮シンフォニア・ヴァルソヴィアによる演奏で聴きました(翌日のtoraブログ参照)。その時、記念に買ったのが下のCDです この曲はベートーヴェンの「田園交響曲」の23年前に書かれた作品ですが、ベートーヴェンの田園交響曲が人間の心理描写であるのに対し、クネヒトの作品はあくまでも音楽よる自然の描写に留まっています この辺が、後世に残る作品か否かに分かれるポイントだと思います

 

     

     

 

 

toraブログのトータル訪問者数が99万 I P を突破しました( 990,540 I P )。これもひとえに普段からご覧いただいている読者の皆さまのお陰と感謝申し上げます これからは100万 I P を目指して酷暑にめげず毎日書き続けて参りますので、モコタロともどもよろしくお願いいたします

 

     

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フェスタサマーミューザ「オープニングコンサート」を聴く~ノット✕東響✕大西順子トリオによるガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」、バーンスタイン「ウエスト・サイド・ストーリー」他

2018年07月22日 07時26分48秒 | 日記

22日(日)。わが家に来てから今日で1389日目を迎え、トランプ米大統領は「中国や欧州連合が金利を低くして為替を操作している」などとツイートした一方、利上げを進める米連邦準備制度理事会に対しても「金融引き締めをすれば全成果を損なう」とあからさまに批判した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

         選挙で勝つためなら手段を選ばない大統領だから いくら嫌われても何でもやる

 

         

 

今年もミューザ川崎で開かれる「ミューザの暑い夏=フェスタサマーミューザ」の季節がやってきました 猛暑の今夏、私は8月12日までの間に14公演聴きます

昨日は 午後3時の「オープニングコンサート」の開演に先立って 1時55分からコンサートホール前の「歓喜の広場」で、ジョナサン・ノット指揮東京交響楽団金管・打楽器アンサンブルによって三澤慶作曲「音楽のまちファンファーレ」が華やかな中にも力強く演奏されました

 

     

     

 

午後3時からの「オープニングコンサート」のプログラムは①ガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」、②リーバーマン「ジャズ・バンドと管弦楽のための協奏曲」、③ナンカロウ「スタディ第1番、第7番」、④バーンスタイン「ウエスト・サイド・ストーリー」の「シンフォニック・ダンス」です 出演は、ジャズ・トリオ=大西順子(ピアノ)、井上陽介(ベース)、高橋信之介(ドラムス)、ジャズ・バンド=中川英二郎(トロンボーン)、本田雅人(サックス)ほか、管弦楽=東京交響楽団、指揮=ジョナサン・ノットです

 

     

 

例年のことですが、オープニングコンサートということでか、会場は9割以上埋まっている感じです。よく入りました

オケはいつものノット・シフト(左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置)を採ります それに加え、センターのグランドピアノには大西順子が、コンマス近くにはドラムスの髙橋信之介とダブルベースの井上陽介がスタンバイします。コンマスは水谷晃です

1曲目はガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」です この曲はジョージ・ガーシュイン(1898ー1937)が1924年に作曲した曲で、シンフォニック・ジャズの始まりを告げる作品と言われています

ノットの合図で、エマニュエル・ヌヴ―のクラリネットが独特のグリッサンドで音階を駆け上がり 曲の開始を告げます 次いでピアノ・ソロが入りドラムスとベースとによるトリオの演奏に移ります。大西順子トリオの演奏はどこまでが楽譜通りで どこからがインプロヴィゼーション(即興)なのかが分かりませんが、ほとんど即興的に弾いているかのような印象を受けます こんなラプソディ・イン・ブルーは聴いたことがありません。しかも半端なく長い演奏です。クラシック流に言えば、初っ端からカデンツァが延々と続くといった感じです 途中、ノット指揮東響の演奏に移りますが、再びトリオによる演奏に移ります とくに大西の自由自在のピアノが凄い この機に及んで ノットと大西とどちらがヘゲモニーを握るのかといった 手に汗握る駆け引きが展開しますが、どちらかと言えば、ノットがゲストの大西トリオを立てている印象です ここで ピアノが、ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」から採られ、ジョン・コルトレーンなどがカバーしているジャズのスタンダードナンバー「マイ・フェイバリット・シングス」の一節を演奏したので 思わずニヤリとしました   おぬし、なかなかやるね 全体的にはオケとトリオの棲み分けが明確なのが良かったのではないかと思います ノットも大西トリオもお互いにリスペクトしながら演奏を楽しんでいる様子が窺えました この曲は通常16分程度の演奏時間ですが、この演奏は2倍かかりました しかし、その内容は2倍に薄まるのではなく2倍以上楽しむことができました 私がこれまで聴いてきた「ラプソディ・イン・ブルー」の中で一番楽しめた演奏でした

2強目はリーバーマンの「ジャズ・バンドと管弦楽のための協奏曲」です この曲はチューリッヒ出身のロルフ・リーバーマン(1910‐99)が1954年に作曲した作品で、ジャズバンドとオーケストラが共演する曲です 第1楽章「イントロダクション」、第2楽章「ジャンプ」、第3楽章「スケルツォⅠ」、第4楽章「ブルース」、第5楽章「スケルツォⅡ」、第6楽章「ブギウギ」、第7楽章「間奏曲」、第8楽章「マンボ」の8楽章から成ります

この曲では、鈴木正則、山下真一、二井田ひとみ、吉澤達彦(以上トランペット)、中川英二郎、半田信英、笹栗良太(以上トロンボーン)、野々下興一(バス・トロンボーン)、本田雅人、真野崚麿(アルト・サックス)、庵原良司、三木俊雄(以上テナー・サックス)、鈴木圭(バリトン・サックス)から構成されるジャズ・バンドが加わります

この曲では、大西トリオが中心となる第2楽章「ジャンプ」、サックスの演奏が光る第4楽章「ブルース」、またまた大西トリオが活躍する第6楽章「ブギウギ」、そしてジャズ・バンドが大活躍する第8楽章「マンボ」が強く印象に残りました 大西トリオにしてもジャズ・バンドのメンバーにしても、さすがはジャズのプロだと思わせる大迫力でした


     


休憩時間に、いつも「フェスタサマーミューザ」と「都民芸術フェスティバル」でお会いするS氏に再会、彼は3階席、私は2階席だということを確かめ合いました お互いにオーケストラ・セット券を買っているので最低でも11回は同じ席で聴くことになります

プログラム後半の最初はナンカロウの「スタディ第1番、第7番」です コンロン・ナンカロウ(1912‐97)はアメリカ生まれの作曲家で、当初ジャズ・バンドでトランペットを吹いていました。彼は人間では演奏できない複雑なリズムを自動ピアノにより拡大しようと試み、そのために「スタディ(習作)」と呼ばれる作品を50曲以上も書きました。この日演奏されるのはその中の2曲です

オケは前半と変わり総勢40人程度の小編成になります ノットのタクトで演奏が開始されますが、両曲とも、2つないし3つのメロディーが同時進行でズレながら進むような感じの曲想で、演奏する方は複雑極まりなかったと思います 聴いていて面白いと言えば面白い曲でした。しかし、全体の印象はナンカロウと言うよりもナンカナァという感じでした

オーケストラが拡大してフル・オーケストラ態勢になります 最後の曲は 今年生誕100年を迎えるバーンスタインの「ウエスト・サイド・ストーリー」から主要な曲を集め 1960年に編纂した「シンフォニック・ダンス」です レナード・バーンスタイン(1918‐90)は優れた指揮者(ニューヨーク・フィル音楽監督)であるとともに、優れた教育者(テレビ「ヤング・ピープルズ・コンサート」を主宰)で、さらに優れた作曲家でした その最たる作品が「ウエスト・サイド・ストーリー」です

「シンフォニック・ダンス」は①プロローグ ②サムウェア ③スケルツォ ④マンボ ⑤チャチャ ⑥出会いの場面~クール~フーガ ⑦ランブル ⑧フィナーレから成りますが、全曲は切れ目なく演奏されます

ノットのタクトで演奏に入ります。プロローグの冒頭からインパクトのある演奏が展開します しばらくすると、オケのメンバー全員で指を鳴らす箇所がありますが、バッチリ合いました 弦楽器奏者は右手に弓を持っているので、左手の指だけを鳴らすことになりますが、フル・オーケストラともなるとそれなりに大きな音が出るものだと感心します 曲の中盤「マンボ」では、チェロ全員が立ち上がって楽器を一回転させるシモン・ボリバル・ユース・オーケストラ並みの派手なパフォーマンスを期待したのですが、ノットはそこまでは踏み切りませんでした。Not to do so . その代わり、全員で「マンボ」と叫びました

ノット✕東響はロマン派までの”純クラシック”とは違い、真面目に取り組みながらも 楽しんで演奏しているように見えました それが大迫力のサウンドを生み出していたように思います

かくして、初めてジャズとの融合を目指した「フェスタサマーミューザ」のオープニングコンサートは、会場いっぱいの拍手とブラボーの中、キャッチフレーズのごとく「奏クール!」に幕を閉じました

 

     

     

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