人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

イラン・ヴォルコフ+河村尚子+読売日響でバーンスタイン:交響曲第2番「不安の時代」、ショスタコーヴィチ「交響曲第5番ニ短調」他を聴く ~爆演を展開 / フォーレ四重奏団のチケットを取る

2018年05月31日 07時53分15秒 | 日記

31日(木)。時の経つのは速いもので、今日で5月も終わりです 今年も残すところあと214日となりました

ということで、わが家に来てから今日で1337日目を迎え、30日に開かれたサッカーのロシア・ワールドカップへの国内最終戦で、西野朗 新監督率いる日本代表がガーナに0-2で完敗した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      大学のアメフト問題といい サッカーの惨敗といい 日本の球技界はどうなってんの 

 

         

 

昨日、夕食に「塩だれ豚丼」「生野菜と紋甲イカのサラダ」「トマトと椎茸のスープ」を作りました 「豚丼」はレシピにある長ネギに ニラを加えました

 

     

 

         

 

フォーレ四重奏団の2枚セット券を取りました 10月1日(月)と同5日(金)の両日で 会場はトッパンホールです   プログラムは 1日が①モーツアルト「ピアノ四重奏曲第1番K.478」、②メンデルスゾーン「ピアノ四重奏曲第2番」、③シューマン「ピアノ四重奏曲」で、5日が ①ラフマニノフ「絵画的練習曲集『音の絵』作品39~第2番、第6番、同・作品33~第7番」、②フォーレ「ピアノ四重奏曲第1番」、③ブラームス「ピアノ四重奏曲第1番」です

すでに会員先行発売で通路側をはじめ良い席は押さえられており、かろうじて1階前方の右サイドを押さえました 私は昨年までトッパンホールの会員だったのですが、会費がかかるので止めました フォーレ四重奏団の公演があるのがあらかじめ判っていたら継続していたのに、と残念に思います

 

     

 

         

 

昨夕、サントリーホールで読売日響第578回定期演奏会を聴きました プログラムは①プロコフィエフ「アメリカ序曲」、②バーンスタイン:交響曲第2番「不安の時代」、③ショスタコーヴィチ「交響曲5番ニ短調」です ②のピアノ独奏はミュンヘン国際コンクール第2位、クララ・ハスキル国際コンクール優勝の河村尚子、指揮はイスラエル出身で現在BBCスコティッシュ響の首席客員指揮者、イラン・ヴォルコフです

 

     

 

1曲目はプロコフィエフ(1891‐1953)の「アメリカ序曲」です この作品は、1926年にアメリカの自動演奏ピアノ製造会社のエオリアン社が、新社屋内のリサイタルホールのためにプロコフィエフに作曲を依頼したものです

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成です コンマスは長原幸太氏。第2ヴァイオリンのトップ瀧村依里さんの隣はひょっとしてN響の人ではないか? ハープ、チェレスタ、ピアノまでが動員されているフル・オーケストラ態勢です

ヴァイオリンの奇才ギドン・クレーメルか、フォークソングの小室等か、といった風貌のヴォルコフが登場、さっそく演奏に入ります 金管の華々しいファンファーレで始まる祝祭感溢れる曲想ですが、作曲者の名前を伏せてこの曲を聴いたら、私にはプロコフィエフと当てることは出来ないと思います それほどプロコフィエフらしくない、というか、アメリカの作曲家が作った曲のように感じました

2曲目はバーンスタイン:交響曲第2番「不安の時代」です レナード・バーンスタイン(1918‐90)は今年生誕100年を迎える20世紀アメリカの偉大な音楽家です 優れた指揮者(ニューヨーク・フィル音楽監督)であり、ピアニストであり、作曲家(「ウエスト・サイド・ストーリー」)であり、教育者(「ヤング・ピープルズ・コンサート」)でした この作品は、バーンスタインが30歳を目前にした1947年夏に、英国出身の作家H.W.オーデンの新作詩集「不安の時代」に出会い、作曲を始めました 物語は、第二次世界大戦中のニューヨークを舞台に、偶然知り合った男女4人の若者が互いに人生について語り合い、夜明けとともにそれぞれの現実の生活に戻っていくというものです。全体は大きく2部構成になっています

シルバーの輝く衣装を身にまとったピアノ独奏の河村尚子さんがヴォルコフとともに登場、ピアノに向かいます ヴォルコフのタクトで第1部の「プロローグ」が開始されます クラリネットの藤井洋子さん、金子平氏がどこか寂し気な二重奏を奏でます。その後は、時に河村尚子さんのピアノ・ソロが絡みながら進行しますが、この曲のハイライトは第2部のバーンスタインらしいジャズを取り入れた「仮面劇」です 河村尚子さんは、あくまでもクラシックからのアプローチによる演奏ながら、打楽器との掛け合いにより、物語の若者たちの不安を忘れさせるような軽快でノリノリのジャズを演奏しました この人、ジャズでも食っていけるんじゃないだろうか 第2ヴァイオリンの瀧村依里さん、ヴィオラの鈴木康浩氏をはじめ、楽員の何人かは頭や足で拍子を取っていました こういうのってすごく良い光景だと思います 終演後は、聴衆だけでなくオケのメンバーからも大きな拍手を受けていました

面白いな、と思ったのは「プログラム・ノート」の曲目解説の「楽器構成」の最後に「作曲家の指定により、正確な調律を施していない状態で演奏されます」と書かれているのです これに気づいたのは演奏が終わった後だったので、果たして今聴いた演奏が音程が外れているところがあっただろうか、と振り返ってみたのですが、アフター・フェスティバル=後の祭りでした

 

     

 

プログラム後半はショスタコーヴィチ(1906‐75)の「交響曲5番ニ短調」です この作品はスターリン独裁体制が確立し、文化・芸術を共産党が支配下に置いた時代、すなわち、共産党政権が「芸術は革命に奉仕しなければならない」という社会主義リアリズムの立場を取った時代に書かれました 1936年1月、共産党中央機関紙「プラウダ」紙が、ショスタコーヴィチの歌劇「ムツェンスク郡のマクベス夫人」(1930‐32)を「西欧に毒された難解な音楽」として激しく非難し、彼の友人や親せきたちも逮捕されました 窮地に陥った彼を救うきっかけになったのは、1937年11月にエフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルにより初演された「交響曲第5番」でした 「苦悩を乗り越えて歓喜に至る」というベートーヴェン的な精神による音楽は「分かり易く」、一般大衆に熱狂的に受け入れられ、それ以降ショスタコーヴィチは体制側からも評価され、名誉を回復するに至りました   しかし、ショスタコーヴィチがそのことを心の底から喜んでいたのかどうかは別問題で、永遠の謎です

この曲は第1楽章「モデラート~アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アレグレット」、第3楽章「ラルゴ」、第4楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」の4楽章からなります

ヴォルコフのタクトで演奏が開始されますが、全体的に 速めのテンポでサクサクと引き締まった筋肉質の演奏を展開していました フルート首席のフリスト・ドブリノヴ、オーボエ首席の辻功、クラリネット首席の藤井洋子といった木管楽器群が終始素晴らしい演奏を展開したのをはじめ、ホルン、トランペット、トロンボーン、チューバといった金管楽器群、さらにティンパニをはじめとする打楽器群も持てる力を最大限発揮しました ひと言でいえば「ヴォルコフ指揮による読響の爆演」ということになるでしょうか

この日演奏された3曲は、最後は大管弦楽により大団円で終わることで共通していましたが、ヴォルコフという指揮者はこういう作品を得意としているのかも知れません

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ホドロフスキー監督「エル・トポ」「ホーリー・マウンテン」を観る~カルト映画の代表作:早稲田松竹

2018年05月30日 07時56分06秒 | 日記

30日(水)。わが家に来てから今日で1336日目を迎え、財務省が森本学園との取引をめぐる決裁文書を改ざんしたことについて、麻生太郎財務相が29日午前の衆院財務金融委員会で「悪質ではない」と述べた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      それじゃあ「良質な改ざん」とは何かって聞いてみたいもんだ って君だれよ?

 

         

 

昨日、夕食に「ブリの照り焼き」「生野菜と紋甲イカのサラダ」「マグロの山掛け」を作りました 「ブリ~」は、ブリに包丁で切れ目を入れておいたので味が浸み込みました

 

     

 

 

         

 

昨日、早稲田松竹でチリ出身のアレハンドロ・ホドロフスキー監督映画「エル・トポ」と「ホーリー・マウンテン」の2本立てを観ました

「エル・トポ」はホドロフスキー監督・脚本による1970年アメリカ・メキシコ合作映画(123分)です

流浪のガンマン、エル・トポは、幼い息子を馬に乗せて砂漠を行く 山賊の襲撃により大虐殺があった村にたどり着き、修道院に陣取る大佐たちを倒すが、大佐の女に心を奪われ、最強のガンマンになるため、息子を置き去りにして砂漠へと旅立つ エル・トポは女から焚きつけられ 砂漠に暮らす4人の銃のマスターたちを卑劣な手段で倒していくが、最強であることの無意味さを思い知る

 

     

 

ホドロフスキー監督は30年以上にわたって「キング・オブ・カルト」の異名をとってきたとのことですが、映像を観るとその奇抜さが際立っています それにしても・・・と思うのは、幼い子に対して「お前はもう立派な大人だ。一人で生きていけ」と言って、女を馬に乗せて去っていくのはどうなんだろう、ということです せめてマックでエル・ポテトでも買ってあげてもいいんじゃないかと思ったりしました

 

         

 

「ホーリー・マウンテン」はホドロフスキー監督・脚本による1973年のアメリカ・メキシコ合作映画(113分)です

どこかの砂漠で 磔にされているキリストに似た盗賊(ホラシオ・サリナス)が、裸の子供たちに石を投げつけられた後、自らの力で十字架から降り立ち、居合わせた腕のない小人とともに町に向かう 喧騒の中にある町で盗賊は捕らえられ、石膏で造られたキリスト像を売る男たちによって鏡の間に閉じ込められる 何とかそこから脱出した彼は、高い塔のてっぺんにたどり着き、そこで錬金術師(アレハンドロ・ホドロフスキー)と出会う。男の持つ錬金術の力を目の当たりにした盗賊は、その技を手に入れるために「聖なる山」を目指す そこでは9人の不死の賢者たちが住み、現世を支配しているという 彼らから不死の術を奪うため、9人の男女は「聖なる山」に向けて旅立つ 彼らは自我の束縛から解放されるために経験しなければならない苛酷な儀式の後、ついに「聖なる山」の山頂にたどり着く しかし、そこで待っていたのは意外な人物たちだった

 

     

 

これは「エル・トポ」を上回る奇抜な映画です ストーリーはあるものの、目先がくるくる変わるので、いったいどうなっているんだろうと時々考えてしまいます それに、死んだはずの人間が生き返っていたりして、ますます訳が分からなくなりますが、これが「カルト」なのでしょう 純粋に映像を楽しめば良いのかも知れませんが、正直言って、映画を観ながら時々眠気がさしてこっくりしていました

それにしても・・・と思うのは、ラスト・シーンです 映画の世界から一気に現実の世界に引き戻される仕掛けですが、このエンディング・パターンは一度しか使えないテクニックだし、この作品以降、誰が作る映画でも同じようなテクニックを使うと すぐに「ああ、あの『ホーリー・マウンテン』のラストのパターンね」とすぐにバレて、オリジナリティーを疑われることになるでしょう

この2作品を観ただけでは ホドロフスキー監督の作品の本当の良さは分かりませんでしたが、一度好きになるとクセになりそうな映画だと思います

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加藤昌則クラシック入門講座「開門!クラシックのとびらVol.2~オーケストラ」を受講する~知らないこともありました / 人口千人あたり喫茶店数が一番多いのは高知県

2018年05月29日 08時01分21秒 | 日記

29日(火)。私は毎日のように喫茶店に行って新聞や本を読んでいます 報道によるとコーヒーは1日3~4杯飲むのが健康に良いとされているようなので、自宅での朝食時を含めて1日3回飲むように心がけています 喫茶店では1杯200~300円のコーヒーを注文することが多いですが、身体を冷やさないように 出来るだけホットコーヒー(ストレート)を飲むようにしています そういうわけで、私にとって喫茶店は毎日の生活になくてはならない存在です

そんなことを考えていたら、昨日の日経朝刊に「データで見る地域~人口千人当たりの喫茶店数」という囲み記事が載っていました。超訳すると

「総務省の経済センサス(2014年)等によると、人口千人あたりの喫茶店数が都道府県で最も多いのは高知県で1.56店。全国平均(0.55店)の3倍である 高知県に喫茶店が多い背景として、話し好きの県民性や共働き世帯の比率の高さなどがあると指摘される 高知県喫茶飲食衛生同業組合によると『企業が少なく経済基盤の弱かった高知では、戦後や高度経済成長期に、家計収入を支えようと比較的手軽な喫茶店を始める女性が多かったと見られる』。高知県では、個人経営の割合が91.9%と全国で2番目に高いこともそんな状況を反映している。全国の喫茶店の数は約7万店。組織別にみると、チェーン店など法人が1万7千店で24%に対し、家族などの個人経営が5万3千店で76%と比率が高い。ただ、09年から5年間で法人は若干増えたものの、個人経営は7千店(11.8%)減っている 人口千人あたりの喫茶店数で2位の岐阜県、3位の愛知県は充実したモーニングサービスで知られる」

記事には第5位までしか紹介されていない(第4位=和歌山、第5位=大阪)ので 全体状況が把握できませんが、どうやら日本列島の中央から南の地域の方に喫茶店が多いようです

一度読んでそのままになっている泉麻人著「東京ふつうの喫茶店」と交通新聞社編「東京CLASSIC地図」にもう一度 目を通して、いつもと違う喫茶店に行ってみるのもいいかもしれないな、と思い始めました

 

     

 

     

 

ということで、わが家に来てから今日で1335日目を迎え、トランプ米大統領が27日、米朝首脳会談の開催に向けて米朝の代表団が準備協議に臨んでいることを明らかにした というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     いくら事務レベルで準備しても 気まぐれトランプのひと言で ひっくり返るしなぁ

 

         

 

昨日、夕食に「カレーライス」と「生野菜とアボカドのサラダ」を作りました ジャガイモとニンジンはいつも通り皮付きのままです

 

     

 

         

 

昨夕、文京シビックセンター・小ホールで「作曲家・加藤昌則クラシック入門講座 開門!クラシックのとびらVol.2  オーケストラ」を受講しました 昨年5月にVol.1の「室内楽」を聴いて参考になったので、今回も受講してみようと思ったのです

この講座はコンサートイマジン社が主催し、6月に来日公演を行うスロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団のチケット購入者を無料で招待するという企画で、チケットを購入していない一般の者は1,500円の受講料を支払うというものです 私は後者なので事前に申し込みだけして当日会場で受講料を払いました

 

     

 

配布された簡単なレジュメには

〇まずはオーケストラの歴史から~時代によって違うオーケストラサウンドのヒミツ

〇奏者になってわかる魅力の数々、苦悩の数々

〇音は一つも出さないのだけれど、大河の船頭!?指揮者のチカラ

〇知っているようで知らない、知っているならもっと楽しい?!オタクなオーケストラ

と書かれています 全体の流れとしては前回と同様にDVDで実際の演奏や楽譜を映像として紹介しながら解説していく形を取るようです

〇オーケストラの歴史

モンテヴェルディの歌劇「オルフェオ」の冒頭の演奏シーンを紹介。1600年代当時 金管楽器はバルブがなかったので口先だけで音を変えなければならなかった この頃(バロック)からオーケストラが始まった。それまでは宗教が音楽の対象だったが、オペラに移っていった イタリアではコレルリがコンチェルト・グロッソ(独奏者+合奏)を作曲したが、DVDを観て分かるように よりスピーディーな曲想になっている フランスではラモーが活躍した。彼のオペラ「ナイス」序曲の映像ではトランペットがノンバルブの楽器で演奏している。その後、ドイツでJ.S.バッハが登場、「ブランデンブルク協奏曲第2番」のDVDを見ると音楽が洗練されているのが分かる その後はモーツアルトが登場するが、ザルツブルク時代の作品のうち「交響曲第17番」では、オーボエとホルンと弦楽器による編成で、とちらかと言えばバロック的な曲想だが、パリで作曲した交響曲第31番になると、初めてクラリネットを取り入れるなど楽器の種類と数が多くなっている さらに晩年のオペラ「魔笛」になると初めてトロンボーンが登場する。ベートーヴェンの場合、トロンボーンが初めて登場したのは第5番”運命”だった

その後、ベルリオーズが登場するが、「レクイエム」ではティンパニだけで10数台を登場させている 彼はオーケストラの理想の人数は430数人だと言っている。このように時代を経るにしたがって楽器の種類と数が増加傾向にあり、オーケストラの巨大化、爆音化がはかられていったが、その頂点を極めたのはシェーンベルクの「グレの歌」だった

〇奏者になってわかる魅力の数々、苦悩の数々

ストラヴィンスキーの「春の祭典」は演奏者泣かせの曲で、ティンパニを例にとると、小節ごとに変化する 変拍子に次ぐ変拍子で演奏する側は大変である ちょっとミスしたくらいなら許してあげたくなるくらいだ ちなみに「春の祭典」はバレエ音楽だが、もともとバレエはルイ14世が推奨してフランスで「ロマンティック・バレエ」(白い衣装でトゥ・シューズ)として発展してきたが、行き詰まった時に出現したのがバレエ・リュス(ロシア・バレエ)の「春の祭典」だった それは衝撃だった

ドヴォルザーク「交響曲第9番”新世界から”」のシンバルの楽譜は、第1、2、3楽章が「休み」となっている そして第4楽章の中盤で1度だけシンバルを鳴らす箇所がある あるオケのシンバル奏者が、煩い蠅を追い払っているうちに鳴らすのを失念したという話がある 1度しかない出番を失念したら何のために来たのか

〇音は一つも出さないのだけれど、大河の船頭!?指揮者のチカラ

ベートーヴェンの交響曲第5番”運命”の第1楽章の冒頭を聴き比べてみよう ①ティーレマン、②バーンスタイン、③バレンボイムの指揮でウィーン・フィルを振ったものだ(DVD)。指揮者によって印象が違うことが判ると思う このように、指揮者は自分では音を出さないが、非常に重要な役割を担っていることが分かる。楽員からリスペクトされる指揮者は常に勉強を怠らない

〇知っているようで知らない、知っているならもっと楽しい?!オタクなオーケストラ

チャイコフスキーの「交響曲第6番”悲愴”」は彼の最後の作品である。この曲の第4楽章冒頭のメロディーは、実は誰も弾いていない というのは第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが交互に音を出すことによってあのメロディーが出来ている。オーケストラの第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが左右に分かれる対向配置の時には左右の掛け合いによる「ステレオ効果」として聴こえるので分かり易い

なお、この曲の第3楽章は行進曲の勇ましい音楽なので、思わずブラボーをかけたくなる。もしここで拍手やブラボーがかかったら、指揮者は治まるのを待って、仕切り直ししてから第4楽章に入った方が良いと思う

ここで、加藤氏は「チャイコフスキーは同性愛者だったが、彼はその醜聞の隠匿のため自殺を強要されたという説があった しかし 現在では、コレラを発症し悲愴交響曲の初演の3日後に急死したというのが定説である」旨の説明をされましたが、実際には「10月28日にチャイコフスキー自身の指揮によりペテルブルクで初演したが、11月2日にコレラを発症し、11月6日に急死した」というのが事実なので、「初演の9日後に急死した」というのが正しいと思います

 

     

 

最後に加藤氏がピアノでチャイコフスキー「四季」から「6月:バルカローレ」を演奏しクラシックのとびらを閉めました この日の講座は非常に参考になりました DVDで紹介された音楽では、最初に紹介されたモンテヴェルディ「オルフェオ」冒頭の古楽器による演奏(多分、指揮者はガーディナーだと思う)が強く印象に残りました 生演奏で是非聴きたいと思います。また、知らなかったことでは、チャイコフスキー「悲愴交響曲」第4楽章冒頭のメロディーが第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが交互に演奏することで成り立っていることです 次回の講座があれば また是非聴講したいと思います

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飯森範親 ✕ 角田祐子 ✕ クリスティアン・ミードル ✕ 東響で ツィンマーマンの歌劇「白いバラ」、ヘンツェ「交響的侵略」を聴く ~ 東響5月定期演奏会 / ワグネリアン 日本ダービーを制す!

2018年05月28日 07時24分15秒 | 日記

28日(月)。この1週間で一番可笑しかった記事をご紹介します 昨日の朝日朝刊 第1面のコラム「折々のことば」(執筆者=哲学者・鷲田清一氏)で紹介されたことばです

「おめでとう。めっちゃきれいやったでー。」「ありがとう。そんなん言うてもらえてうれしいわぁ。先週 整形しといてよかったわぁ。」(結婚式にて)

花嫁のこの受けには「整形 間に合ってよかったなぁ」と返す。「元からきれいだよ」ではなく。国語学者・澤村美幸が衝撃を受けたある結婚式での会話だ。友人のほめ言葉をボケで受ける花嫁に、「おもろい」言葉をさらに被せて話を転がしてゆく大阪人の”もてなし”の作法である。同じ国語学者・小林隆との共著『ものの言いかた西東』から。

ということで、わが家に来てから今日で1334日目を迎え、学校法人「加計学園」が26日、愛媛県今治市の獣医学部新設を巡り、安倍晋三首相が2015年2月に学園の加計孝太郎理事長と面会し 計画の説明を受けたとの記載がある県の新文書について「当時の担当者が実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、県と市に誤った情報を与えてしまった」とするコメントを発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     結論として 加計学園は愛媛県と今治市を騙して認可を得たということでいいのね?

 

         

 

昨日午後、東京競馬場で開催された第85回日本ダービーで、8枠のワグネリアンが優勝し、3歳馬 6955頭の頂点に立ちました 父はディープインパクト、母はミスアンコール、母の父はキングカメハメハという血統で、騎手は福永祐一が務めました 私は競馬・競輪・パチンコの類は一切やらない(やる暇もない)のでテレビ中継も見ませんでしたが、「ワグネリアン」という名前に興味を持ちました 馬の所有者は金子真人ホールディングスという会社ですが、ここの代表者・金子真人氏がワグネリアン(=リヒャルト・ワーグナーの音楽に心酔している人、ワーグナーの熱狂的なファン)なのではないかと密かに疑っています ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」4部作の「ワルキューレ」のタイトルロールは天馬に乗って戦場を駆け巡り 戦死した勇士を選び取って天上の宮殿ヴァルハラへ迎え入れる役割を担っています  そこで馬が結びつくのか? そんなにウマくつながるわけはないか これはホースアウトだな

 

         

 

26日(土)サントリーホールで東京交響楽団第660回定期演奏会を聴きました プログラムは①ヘンツェ「交響的侵略~マラトンの墓の上で~」、②ウド・ツィンマーマン:歌劇「白いバラ~2名の独唱者と15の器楽アンサンブルのための」(演奏会形式・日本初演)です ②のソプラノ独唱は角田裕子、バリトンはクリスティアン・ミードル、指揮は飯森範親です

 

     

 

この日のサントリーホールはいつもの東響定期公演に比べて空席が目立ちます 取り上げられた2曲が ほとんどの人にとって初めて聴く”現代の”プログラムだからだと思われます おそらく定期会員以外の聴衆を呼び込むことができなかったのでしょう

オケのメンバーが配置に着きます。弦は左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置をとります 4管編成の管楽器群の後方にはティンパニをはじめとする打楽器奏者7人が控え、右サイドにはピアノ、チェレスタ、ハープがスタンバイします。これこそフル・オーケストラ態勢です

コンマスは水谷晃氏。チェロに樋口泰世さんの姿を発見しました。1年ぶりくらいではないかと思いますが、今までどこでどうしていたんでしょうか

1曲目はヘンツェ「交響的侵略~マラトンの墓の上で~」です   この曲はハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(1926‐2012)が、ルキノ・ヴィスコンティ演出による演劇「ダンスのマラソン」(1957年)のための音楽を作り替え、2001年に作曲したものです その劇は昼夜を問わず踊り続けなければならない過酷なダンス大会の様子を描いたものとのことです

飯森氏の指揮で演奏が開始されます。「ダンス」という概念を頭に入れて聴いていたのですが、「ワルツ」や「ポルカ」などのメロディーを聴くことは出来ず、暴力的とまで言えそうな音楽が打楽器群によるリズム中心の強烈な演奏により展開します タイトル通り「侵略」が相応しい音楽です。この暴力的な行進はどういう風に決着するのか、と思っていると、「なんちゃって。どこか変ツェ」みたいに呆気なく幕を閉じ、肩透かしを食います まるで、踊り疲れたダンサーたちが息絶えたかのようです それで「マラトンの墓の上で」なのか~


     


プログラム後半はウド・ツィンマーマン:歌劇「白いバラ~2名の独唱者と15の器楽アンサンブルのための」(演奏会形式・日本初演)です オペラ「白いバラ」は、もともと1967年にウド・ツィンマーマン(1943~)の兄が台本を書き、ドレスデン音楽院の学生が上演するために書かれた簡素な作品だったのを、1985年に、ヴォルフガング・ヴィラシェックの台本の元に全面的に書き直したものです

「白いバラ」とは第二次世界大戦中に、ドイツのミュンヘン大学の学生だったハンス・ショルとその妹ゾフィーを中心に結成された ナチスへの抵抗運動のグループ名です  彼らは非暴力的な反ナチ活動を展開しましたが、ショル兄弟ら中心人物7人は反逆罪で1943年に逮捕され処刑されました

このオペラは次の16のパートから成りますが、純粋な意味での「オペラ」には遠く、ハンスとゾフィーの心の揺れ、死への恐怖、人々への呼びかけなどが断片的に語られるような内容になっています

第1曲 私の目に光を!さもないと死の眠りについてしまう

第2曲 私の心は目覚めている

第3曲 撃つな!

第4曲 こんなことがあるなんて

第5曲 子供たちは死に旅立つというのにまだ歌っている

第6曲 僕たちは壁を築き上げた

第7曲 扉が閉まる

第8曲 奴らが妹の髪を刈った(※この公演では歌は割愛された)

第9曲 もう一度だけ一緒に私たちの森を歩きたい

第10曲 男が凍え死んで、身動きせず横たわっている

第11曲 間奏曲

第12曲 神よ、私は口ごもっているばかり

第13曲 目を背けるんじゃない、そこに幸せはないのだから

第14曲 最後の幻想

第15曲 私の敵はこう言うべきだろう「自分が勝利した」と

第16曲 もう黙っていてはだめだ

ソプラノ独唱は角田祐子、バリトン独唱はクリスティアン・ミードルです 角田祐子(かくた ゆうこ)はハノーファー州立歌劇場に5年間、シュトゥットガルト州立歌劇場に12年間、ソリスト専属契約を結び現在に至っており、2016年にはドイツから宮廷歌手の称号を得ています 一方、クリスティアン・ミードルはドイツ・バイエルン出身で、2003年にフランシスコ・ヴィーニャス国際歌唱コンクールでオラトリオ・歌曲部門の最優秀賞を受賞しています

飯森氏の合図で第1曲「私の目に光を!さもないと死の眠りについてしまう」が開始されます 冒頭ハンス(ミードル)のモノローグに続いてピッコロの高音とバス・トロンボーンの低音、打楽器による金属的なリズムが鳴り響き、不穏な世界が醸し出されます そのあとゾフィー(角田)が「私の目に~」を完璧なコントロールにより透明な高音で歌い上げます この曲は第15曲「私の敵はこう言うだろう『自分が勝利した』と」でも歌われます とくに印象が残ったのは第9曲「もう一度だけ一緒に私たちの森を歩きたい」です ゾフィーが、自然や生命が次々と失われていくことを嘆き、せめて兄のハンスともう一度森を歩きたい、と叶わぬ望みを歌うのですが、そこにあるのは限られた命を意識する”諦念”です

第11曲は「間奏曲」ですが、第1曲の冒頭で現れた金属的な不穏な響きが支配し、二人の運命の時が近づいていることを警告します 最後の第16曲「もう黙っていてはだめだ」は、死を目の前にしたハンスとゾフィーのドイツの市民への最後の訴えです。二人が交互に「黙っているのはもうやめよう」「おかしいことはおかしいと言おう」「勇気を出して本当のことを語ろう」などと訴えます

アメリカンフットボールの悪質タックル問題で加害者となった日本大学の学生が日本記者クラブでの記者会見で「監督、コーチ陣からのプレッシャーがあったにしろ、そのプレーに及ぶ前に、自分で正常な判断をするべきだった   少し考えれば自分がやったことは間違っていると前もって判断できたと思うので、自分の意思を強く持つことが今後重要だと思いました」と語っていましたが、「少し考えれば」ヒトラー政権のやっていることは異常で残虐極まりない行為だということは分かるはず、そして黙認することで結果として政権に加担していることも分かるはずです。「白いバラ」のメンバーたちは、いったん立ち止まって少し考えること、そして声を上げることを訴えたのですが、当時のドイツ国民には受け入れられませんでした。どれほど無念だったことでしょう(蛇足ですが、日大の学生が行った行為は悪質でしたが、実質的に強いられた行為でした。勇気を出して顔出しのうえ 反省を交えて語った会見は 内容が真実と信じられるに足る好感の持てるものでした)。

第16曲は 狂気の行進曲(飯森氏の解説によると、ヘンデルの歌劇「リナルド」のアリア「泣かせてください」のモチーフ)が奏でられる中、最後にゾフィーが「絞首刑で死ぬの?それともギロチン?」と問いかけ、会場が暗転し幕を閉じます。オペラが終わったのは分かっていても、誰も拍手をしません。出来ないのです そして再度 照明が点くと大きな拍手が起こりました

ハンスとゾフィーは1943年2月22日、ギロチンにかけられてこの世に別れを告げました。ハンスは享年25歳、ゾフィーは享年21歳でした 現在ドイツの学校の多くは、白バラのメンバーの名前を校名に頂いているそうです。子供たちの一人ひとりが白バラの理念の継承者であってほしいというい願いが込められているとのことです

角田祐子は、前述の通り透明感のあるソプラノでゾフィーの心情を訴え、心に響くものがありました クリスティアン・ミードルはこの役は何度も歌っているだけあって、軽くも深みのあるバリトンでハンスの不安な心理を歌い上げていました

今回の「白いバラ」日本初演は二人の歌手、飯森範親✕東京交響楽団の熱演によって大成功裏に終わったと言うべきでしょう

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バッティスト―二 ✕ 辻彩奈 ✕ 東京フィルでチャイコフスキー 「ヴァイオリン協奏曲」、「交響曲第6番”悲愴”」、「アンダンテ・カンタービレ」 を聴く ~ 文京シビック響きの森クラシック・シリーズ

2018年05月27日 07時48分44秒 | 日記

27日(日)。わが家に来てから今日で1333日目を迎え、26日早朝 札幌中央卸売市場の初競りで 夕張メロン1箱(2玉)が過去最高の320万円で落札された というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      量産してけば市の財政再建も早いんじゃね? えっ そういう問題じゃないって?

 

         

 

昨日、午後3時から文京シビックホールで「響きの森クラシック・シリーズ」公演を、午後6時からサントリーホールで東京交響楽団第660回定期演奏会を聴きました ここでは「響きの森クラシック・シリーズ」第64回公演について書きます

オール・チャイコフスキー・プログラムで、①弦楽四重奏曲第1番ニ長調より第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」(弦楽合奏版)、②ヴァイオリン協奏曲ニ長調、③交響曲第6番ロ短調”悲愴”です ②のヴァイオリン独奏は2016年モントリオール国際音楽コンクール優勝者・辻彩奈、管弦楽は東京フィル、指揮は東京フィル首席指揮者 アンドレア・バッティストー二です

 

     

 

いつものように会場はほぼ満席です。このシリーズは人気があります

弦楽器メンバーが配置に着きます。左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並びです。コンマスは三浦章宏氏です

1曲目はチャイコフスキー「弦楽四重奏曲第1番ニ長調」から第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」(弦楽合奏版)です この作品はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840‐1893)が1871年に作曲しました 弦楽四重奏曲全体として素晴らしい曲ですが、とくに第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」は単独で演奏される機会が多い名曲です

このシリーズ初登場のバッティスト―二が指揮台に上がり、さっそく演奏に入ります この曲に関してはタクトを持たず両手で指揮をします。この曲を聴いた文豪トルストイが涙を流して感激したという逸話が分かるような気がする優しく感傷的なメロディーです バッティスト―二は両手で オーケストラから どこか懐かしい音楽を紡ぎ出します

管楽器が加わり、2曲目の「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」の演奏に備えます この曲は1878年の春、ラロの「スペイン交響曲」(実質的なヴァイオリン協奏曲)に刺激を受けて作曲に取り掛かり、わずか1か月で完成させた作品です 当時のロシアの巨匠レオポルド・アウアーに初演を依頼したのですが、”演奏不能”として拒否されてしまい、3年後の1881年12月に アドルフ・ブロズキーの尽力によってウィーンで初演されました 第1楽章「アレグロ・モデラート~モデラート・アッサイ」、第2楽章「カンツォネッタ:アンダンテ」、第3楽章「フィナーレ:アレグロ・ヴィヴァチッシモ」の3楽章から成ります

赤の衣装に身を包まれた辻彩名が指揮者とともに登場します 赤は情熱を表します。彼女にとってこの衣装は 四大ヴァイオリン協奏曲の中で最も技巧を要する難曲と言われるチャイコフスキーに挑む勝負服なのでしょう バッティスト―二のタクトで第1楽章が開始されます。序奏に続いて独奏ヴァイオリンが入ってきますが、辻彩名は最初から ただ者ならぬ雰囲気を漂わせ、集中力に満ちた演奏を展開します それが極限に達したのがチャイコフスキー自身が残したカデンツァでした 確かな技術を背景に説得力のある演奏を展開、思わず聴き惚れてしまいました 第2楽章ではホルンやクラリネットのしっかりしたバックのもと、独奏ヴァイオリンが良く歌います 切れ目なく移行する第3楽章では、躍動感あふれる演奏を展開、独奏ヴァイオリンとオーケストラとの激しい掛け合いが見事で、熱狂のうちにフィナーレを迎えました

以前、彼女の演奏を聴いたときも感じたことですが、辻彩名という演奏家は若くして”自分自身の音”を持っているような気がします 他の人にない「私はこういう風に弾きたいんだ」という明確な意志のもとに演奏に臨んでいるように思います 若手のヴァイオリニストの中では最も期待できる演奏家の一人です 彼女はアンコールにバッハ「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番」から「アンダンテ」を、これが1挺のヴァイオリンから出ている音か と驚くほどの超絶技巧で演奏し、聴衆のクールダウンを図りました

 

     

 

プログラム後半は「交響曲第6番ロ短調”悲愴”」です この曲は、1893年から本格的に作曲が開始され、8月末に完成しました。10月28日にチャイコフスキーの指揮によりペテルブルクで初演されましたが、彼は11月2日にコレラを発症し、11月6日に死去しました。悲壮です

この曲は第1楽章「アダージョ~アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アレグロ・コン・グラツィア」、第3楽章「アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「フィナーレ:アダージョ・ラメントーソ」の4楽章から成ります

バッティスト―二のタクトで第1楽章が、低弦とファゴットの序奏で開始されます 甘美な第2主題はこの楽章の山です。展開部における強烈な爆発の時、バッティスト―二は指揮台の上で飛び上がり、隣のおじさんは身体をピクっと震わせていました。あなた、寝てましたね 第2楽章は優美なワルツです。メロディー・メーカーのチャイコフスキーはこういう曲は得意ですね 第3楽章は行進曲です。怒涛の快進撃が続く中、私は密かにこの楽章が終わった瞬間を心配していました その心配は不幸にも当たり、2階席を中心に拍手が起きたのです フル・オーケストラによるダイナミックな音楽が高揚感の中で終結したので、これでこの曲も目出度く終わったか、と拍手をしたくなる気持ちは分かりますが、まだ演奏は終わっていません。第4楽章が残っています この曲を初めて聴くのであれば、少なくともプログラム・ノートの曲目解説を読んで、この交響曲は4つの楽章から構成されていることを把握しておくべきです なぜ、楽章間で拍手をしてはいけないかと言えば、演奏する側の集中力を削ぐことになるからです。さらに言えば、他の聴衆がシラケるからです

さて第4楽章が、何事もなかったかのように開始されます この楽章は「アダージョ・ラメントーソ」の指示がありますが、「ラメントーソ」とは「悲しく、悲し気に」という意味です 勉強不足かも知れませんが、私は他の作曲家の作品でこの「ラメントーソ」を見たことがありません バッティスト―二指揮による東京フィルの演奏は、まさに悲壮感あふれるもので、初演の9日後に息を引き取ることとなったチャイコフスキーの無念が伝わってくるようでした

終演は5時6分でした。私は6時からサントリーホールでのコンサートがあるため、拍手もそこそこに会場を後にしました したがってアンコールがあったのかどうかは分かりません

 

     

          

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アンジェラ・ヒューイット「バッハ・オデッセイ6~『ゴルトベルク変奏曲』」 を聴く~紀尾井ホール / 加藤昌則 「開門!クラシックのとびら~オーケストラ」入門講座(5/28)を申し込む

2018年05月26日 07時45分05秒 | 日記

26日(土)。わが家に来てから今日で1332日目を迎え、トランプ米大統領が24日、ホワイトハウスで記者団に対し、6月12日に予定されていた米朝首脳会談を中止すると表明し、「北朝鮮、世界にとって途方もない後退だ」との認識を示した というニュースを見て米朝相互の立場を代弁するモコタロです

 

     

       金正恩:核実験場を爆破したのにぃ  トランプ:準備会合に誰も来なかったじゃん

 

         

 

昨日の夕食は「すき焼き」にしました  たまにはね

 

     

 

         

 

28日(月)午後7時から文京シビックセンター・小ホールで開かれる「作曲家・加藤昌則クラシック入門講座 開門!クラシックのとびらVol.2~オーケストラ」の受講申し込みをしました 昨年5月にこの講座のVol.1「室内楽」を聴いて面白かったので、今回も聞いてみようと思ったのです

この講座は、スロヴァキア・フィルハーモニーのチケットを持っている人は無料で、私のように持っていない者は1,500円となっています

 

     

     

 

         

 

24日(木)午後7時から紀尾井ホールで「アンジェラ・ヒューイット バッハ・オデッセイ6」を聴きました プログラムはJ.S.バッハ「ゴルトベルク変奏曲ト長調BWV988」です この曲は、アリアと30の変奏曲から成りますが、最後に冒頭のアリアが再登場します

良く知られているように「ゴルトベルク変奏曲」という呼称はバッハが付けたのもではなく、後世の人が次のような逸話から名付けたものです

「ドレスデン駐在の前ロシア大使カイザーリンク伯爵は不眠症に悩まされていたが、眠れない夜の気分を紛らわすため、少年音楽家ヨハン・ゴットリープ・ゴルトベルクにチェンバロを弾かせていた 伯爵はゴルトベルクに演奏させるのに相応しい作品の作曲をバッハに依頼した

その結果生まれたのが演奏時間にして約80分を要するこの変奏曲でした

カナダ出身のピアニスト、アンジェラ・ヒューイットは2016年秋に「バッハ・オデッセイ:バッハ遍歴の旅」プロジェクトを発表し、向こう4年間にわたりバッハの鍵盤音楽のすべてを、ロンドン、ニューヨーク、オタワ、東京、フィレンツェの各都市で、各12回公演で完奏することに着手し、日本では2017年5月にバッハ・オデッセイⅠとⅡを開催し 話題を呼びました。私も「フランス組曲」全曲を聴きました

 

     

 

自席は1階15列5番、左ブロック右通路側です 紀尾井ホールの収容人数は800人ですが、9割近く入っているのではないかと思われます 

ステージ中央にはヒューイットの弾く FAZIOLI が黒光りして威容を誇っています   FAZIOLI (ファツィオリ)は1981年に創業したイタリアのピアノメーカーで、創業者兼現社長のパオロ・ファツィオリは家具職人の家に生まれ、ロッシーニ音楽院でピアノを、ローマ音楽院で作曲を専攻した後、ファツィオリ社を1981年に創業したとのことです

照明が消え、アンジェラ・ヒューイットが黒地に金の網目模様の煌びやかな衣装で登場、ピアノに向かいます アンジェラは意識を集中して「アリア」を弾き出します アナウンスでは途中休憩がないと言っていたので、彼女は約80分間 アリアと30の変奏曲を暗譜で一気に弾くことになります

アンジェラは、FAZIOLIの美しい音色を活かしながら 舞曲、カノン、フーガなどの手法を用いた変奏曲をテンポよく弾いていきますが、彼女の演奏の最大の特徴は どんなに速いパッセージでも一音一音の粒立ちが美しいということです

 

     

 

前半の第15変奏が終わり、第16変奏は後半の第1曲目という位置づけにあり、フランス風序曲が採用されています。堂々たる音楽です 後半の変奏曲が始まってしばらく経った第22変奏前後の時(8時頃)のことです。2階席からケータイの着メロが聞こえてきました バッハの世界にそぐわない 軽快でなく軽薄なメロディーです   残念ながらその音は演奏者の耳にも届いたようで、彼女は音が鳴り止むのを待つか、無視して次の変奏曲に入るか、しばし迷っているように見えましたが、なかなか鳴り止まないので、次の変奏に入ったようです 事前にケータイの電源を切るのはコンサートでは常識です 明らかに集中力に満ちた演奏を展開している演奏者に対する妨害行為です はっきり言って、日本人の恥です。猛省を求めます と言うか、もう来なくていいです

さらに、冒頭のアリアが再生されて最後の音が消え、演奏者の両手がまだ下ろされないうちに、また2階席から 今後は拍手のフライングがありました    先ほどのケータイの着メロと同じ方角から聞こえました。演奏者にとって2階席は鬼門か 最後の音が消えても、演奏者の手が降りない限り音楽は終わっていないし、その一瞬の”しじま”こそがクラシック音楽を聴く醍醐味だということが理解できていないのです こういう輩が一人いるために他の全員の感動が台無しになるのです。猛省を求めます と言うか、もう来なくていいです

ピアノ1台で80分に及ぶバッハの宇宙を 完璧な演奏技術によって”楽し気に”演奏し切ったアンジェラ・ヒューイットの姿を見て、何とすごい人なんだろうと感嘆しました

 

     

 

次回のアンジェラ・ヒューイット「バッハ・オデッセイ7」は下のチラシの通り9月28日(金)午後7時から紀尾井ホールで開かれます プログラムはバッハ「平均律クラヴィーア曲集第2巻」です 私も聴きに行きたいのですが、読響定期と重なっていて残念ながら行けません バッハが好きな人には超お薦めコンサートです

 

     

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東京藝大モーニングコンサートでV・ウィリアムズ「旅の歌」(濱野杜輝)、プーランク「オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲」(山司恵莉子)を聴く / 新国立「オペラ・オン・スクリーン」申し込み

2018年05月25日 07時19分27秒 | 日記

25日(金)。わが家に来てから今日で1331日目を迎え、米ニューヨークのマンハッタン連邦地裁は23日、トランプ米大統領が自身の公式ツィッターから批判的な意見を書き込んだ人物を遮断するのは言論の自由を保障する憲法修正第1条に違反するとの判断を下した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      トランプ氏は自身の発言はすべてパブリックだということが判ってないんじゃね?

 

         

 

昨日、夕食に「鶏のトマト煮」「生野菜とサーモンとツナのサラダ」「ホウレン草のお浸し」「ウィンナ、エリンギ、トマト、タケノコのスープ」を作りました 「鶏の~」は娘の大好物です

 

      

 

         

 

昨日、新国立劇場の「テアトロ・レアル(王立劇場)オペラ・オン・スクリーン」の申し込みをしました これは、2018年が日本とスペインが外交関係を樹立してから150周年を迎えることから、それを記念して マドリードのテアトロ・レアルと新国立劇場とがお互いの舞台公演を提供し合い 上映会を開催することになったものです

上映は 下のチラシの通り 7月2日(月)19:00「蝶々夫人」、3日(火)18:30「カルメン」、4日(水)15:00「椿姫」の3回で、会場は新国立劇場小劇場です

先着順、全席自由で入場無料です!今すぐ申し込みを!! おれはジャパネットの社長の代理人か?

 

     

 

昨日午前10時から新国立劇場のWebサイトの「What's New」の「テアトル・レアル オペラ・オン・スクリーン開催のご案内(5月24日受付開始)」により手続きをする手はずになっていましたが、午前10時から断続的にアクセスして「ご案内」をクリックしたのですが、肝心の「ご案内」内容が出てきません アクセスが集中したのでしょうか この日は11時から上野でコンサートを聴くので、いったん諦めて、コンサートから帰ってからあらためてアクセスすることにしました 午後1時ごろ再度アクセスすると今度は繋がり、申し込みフォームに必要事項を打ち込んで送信すると、メールで返信がきました 希望通り3回とも鑑賞することが出来るようになって安心しました

 

     

 

         

 

昨日、午前11時から「東京藝大モーニングコンサート」を、午後7時から「アンジェラ・ヒューイット ピアノ・リサイタル」を聴きました ここでは東京藝大奏楽堂で開かれた「第4回藝大モーニングコンサート」の模様を書きます。プログラムは①ヴォーン・ウィリアムズ「旅の歌」(Bar:濱野杜輝)、②プーランク「オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲」(Org:山司恵莉子)で、管弦楽は藝大フィルハーモニー管弦楽団、指揮は現田茂夫です

 

     

 

上記の通り、新国立の関係で時間をとられてしまい、会場に着いたのが開演15分前になり、せっかくの入場整理番号35番が生かせず、1階23列27番と かなり後方の右ブロック左から3つ目の席を押さえました

オケのメンバーがいつもの配置に着きます。コンマスは戸原直氏です

1曲目はイギリスの作曲家レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(1872‐1958)の「旅の歌」です この曲は「宝島」や「ジキル博士とハイド氏」などで有名なイギリスの小説家ロバート・ルイス・スティーブンソン(1850‐1894)の44から成る詩集「Songs of travel and Other Verses」(旅の詩とその他の詩)からV.ウィリアムズが9つの詩を選び、曲を付けたものです オリジナルはピアノ伴奏版で、この日のようにオーケストラ版での演奏は珍しいとのことです

大柄のバリトン独唱の藝大大学院2年生・濱野杜輝君が登場し、現田氏の指揮で演奏に入ります 濱野君は深みのあるバリトンで、若い旅人の愛、別れ、苦悩を歌い上げました


     


管楽器が退場し、2曲目のプーランク「オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲」の演奏に備えます この曲はフランシス・プーランク(1899‐1963)が1934年に作曲に着手し、1938年にデュリュフレのオルガン独奏、ナディア・ブーランジェの指揮によりポリニャック公爵夫人(この曲の委嘱者)のサロンで私的初演され、翌39年にデュリュフレのオルガン独奏、デゾルミエール指揮パリ管弦楽団により公開初演されました 第1楽章「アンダンテ~アレグロ・ジョコーソ」、第2楽章「アンダンテ・モデラート」、第3楽章「アレグロ・モルト・アジタート~レント~アレグロ~ラルゴ」の3楽章から成ります

2階正面のパイプオルガン席に藝大大学院1年生・山司恵莉子さんがスタンバイし、現田氏の合図で第1楽章が開始されます 冒頭、重厚なオルガンソロが会場を揺るがします。最初からガツンときました その後は、弦楽器+打楽器とオルガンとの躍動感あふれる対話が続きます 第2楽章の平穏な音楽に続き、第3楽章に入ると、再び独奏パイプオルガンの重厚な響きが会場を支配し、弦+打との掛け合いを見せ、終盤ではヴィオラやチェロのソロが静かな音楽を奏でますが、再びオルガンと弦楽器+打楽器による力強い音楽で終結を迎えます

全体を通して聴いた印象は、山司さんの演奏は「強」と「弱」、「速」と「遅」との対比が鮮やかなうえ、色彩感覚が豊かで、パイプオルガンの持つ魅力を存分に生かした演奏でした 今後の活躍が楽しみです


     

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ドゥダメル✕ロサンゼルス・フィルのマーラー第1番、第9番のチケットを取る(3/20、22日)、岩波ホールで映画「マルクス・エンゲルス」を観る~若き日の二人の出会いと活動を描く:生誕200年記念

2018年05月24日 07時50分32秒 | 日記

24日(木)。わが家に来てから今日で1330日目を迎え、第一生命保険が行った「第31回サラリーマン川柳コンクール」の人気投票で、60代男性の作品「スポーツジム 車で行ってチャリをこぐ」が第1位に輝いた というニュースを見て 一句読むモコタロです

 

     

                コンサート会場で疲れたおじさんを見て詠む 「コンサート  大金払って  舟をこぐ」

 

         

 

昨日、夕食に「豚バラとピーマンの甘辛炒め」と「生野菜とアボカドのサラダ」を作りました アボカドは食べごろのを選ぶのが難しいですね 固すぎると食べられないし、柔らかすぎると黒ずんでいるし

 

     

 

         

 

グスターボ・ドゥダメル指揮ロサンゼルス・フィルのチケットをサントリーホール会員先行発売で2枚取りました 1枚目は来年3月20日(水)の公演で①J.アダムズ「Must the Devil Have All the Good Tunes?」、②マーラー「交響曲第1番ニ長調」で、①のピアノ独奏はユジャ・ワンです 2枚目は同22日(金)の公演でマーラー「交響曲第9番ニ長調」です いずれも午後7時開演で 会場はサントリーホールです

フランツ・ウェルザー=メスト ✕ ウィーン・フィルにも、マリス・ヤンソンス ✕ バイエルン放送交響楽団にも、サイモン・ラトル ✕ ロンドン交響楽団にも食指が動かなかった私ですが、このドゥダメル ✕ ロサンゼルス・フィルだけは絶対に生で聴きたいと思いました プログラムがマーラーなので なおさらです

 

     

 

         

 

昨日、岩波ホールでラウル・ぺック監督・脚本による2017年フランス・ドイツ・ベルギー合作映画「マルクス・エンゲルス」(118分)を観ました   これは、カール・マルクス生誕200年記念作品で、科学的社会主義を構築したマルクスとフリードリヒ・エンゲルスの若き日の出会いと活躍を描いた作品です

舞台は1840年代のヨーロッパ。産業革命がもたらした社会構造のひずみが経済格差を生んでいた 貧困の嵐が吹き荒れ、不当な労働条件がはびこる社会にいらだちを覚えていたカール・マルクス(1818-1883)は独自の経済論を展開するが、その過激な言動により妻子とともにドイツ政府から追放される フランスへたどり着いたマルクスは、パリでフリードリヒ・エンゲルス(1820‐1895)と出会う それはまったく新しい労働運動を牽引していく二人の運命的ともいえる出会いだった。試行錯誤のうえ二人は後の世界に大きな影響を与える「共産党宣言」を発表する

 

     

 

私が大学に在籍していた1970年代は、学生運動が下火となり 活動家の生き残りたちが”内ゲバ”を繰り返していた時代でした 授業中に外でボカボカと何かを殴る音が聞こえたので窓の外を見ると学生が一人倒れている、そんなこともありました 彼らは「マルクス主義」「マルクス・レーニン主義」を標ぼうし、それぞれの団体が 言論により、角棒により、自己の正当性を主張していました。当時まったくのノンポリだった私は、彼らの”闘争”の影響で学校がロックアウトされ、授業が受けられなくなることに強い憤りを感じていました   そういうこともあって、マルクスの「資本論」も読んだこともなければ「共産党宣言」を見たことがありませんでした このように当時、マルクスにはあまり良い印象を持っていなかったことは確かです

今回、この映画を観て、人間マルクス、人間エンゲルスを垣間見たような気がします 初めて、マルクスが貴族家系の娘を妻にしていたこと、エンゲルスが大工場の社長の息子としてブルジョア階級にいたことを知りました この映画を観る限り、それぞれの配偶者も立派な人たちだと思いました ブルジョアであるエンゲルスの資金にある程度頼らざるを得なかったマルクスの葛藤、ブルジョアの一員として使用人を働かせながら プロレタリアのために闘う立場にあったエンゲルスの葛藤がよく描かれていました

この日の岩波ホールは平日昼の時間帯にも関わらず8割以上は埋まっていたと思います 70年代当時 学生だった人も少なからず観ていたと思います。当時の活動家がこの映画を観たらどう思っただろうか、そんなことを考えながら ホールをあとにしました

 

     

 

 

本日、toraブログのトータル訪問者数が 95万 I P を超えました(950,613 I P)。これもひとえに 普段からご覧いただいている読者の皆さまのお陰と感謝申し上げます これからも ひたすら毎日書き続けて参りますので、モコタロともども よろしくお願いいたします

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METライブビューイングでヴェルディ「ルイザ・ミラー」を観る ~ ピョートル・ベチャワ、ソニア・ヨンチェバ、プラシド・ドミンゴにブラボー! / ウィーン・ニコライ弦楽四重奏団のチケットを取る

2018年05月23日 07時22分04秒 | 日記

23日(水)。わが家に来てから今日で1329日目を迎え、米軍普天間飛行場の輸送機オスプレイが昨年8月に豪州で墜落した事故で、米軍は自機が吹き下ろした風で気流が乱れたことが原因とする報告書をまとめた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

       自分で自分の首を絞めるような飛行機を飛ばされたんじゃ 安心して眠れないよね

 

         

 

昨日、夕食に「 鮭のバター焼き」「生野菜サラダ」「ニラ玉」「マグロの山掛け」「冷奴 山形のだし乗せ」を作りました 鮭は上手く焼けないです。コツがあるんだろうか

 

     

 

         

 

10月10日(水)午後6時半から大手町の日経ホールで開かれる「第477回  日経ミューズサロン~ウィーン・ニコライ弦楽四重奏団  日本デビュー・リサイタル」のチケットを取りました 「ウィーン・ニコライ弦楽四重奏団」はヴァイオリンのウィルフリート・和樹・ヘーデンボルクをはじめとして 全員がウィーン・フィルのメンバーから成るカルテットです 

プログラムは①ハイドン「弦楽四重奏曲第77番”皇帝”」、②モーツアルト「弦楽四重奏曲第14番”春”K.387」、③ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第7番”ラズモフスキー第1番”」です

 

     

 

         

 

昨日、新宿ピカデリーでMETライブビューイング、ヴェルディ「ルイザ・ミラー」を観ました これは今年4月14日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です キャストは、ルイザ=ソニア・ヨンチェヴァ、ミラー=プラシド・ドミンゴ、ロドルフォ=ピョートル・ベチャワ、ヴルム=ディミトリ・ベロセルスキー、ヴァルター伯爵=アレクサンダー・ヴィノグラドフ、管弦楽=メトロポリタン歌劇場管弦楽団、指揮=ベルトラン・ド・ビリー(パワハラ問題で降板したジェームズ・レヴァインの代演)、演出=エライジャ・モシンスキーです

 

     

 

舞台は17世紀前半のチロル。退役軍人ミラーの娘ルイザは、相手の本当の名前と家柄を知らぬまま、領主ヴァルター伯爵の息子ロドルフォと恋に落ちていた 息子の地位を万全にしたい伯爵は、ロドルフォを裕福な未亡人フェデリーカと結婚させようとするが、ロドルフォから恋人がいると打ち明けられる 身分違いの恋人と聞いて怒った伯爵はルイザを侮辱し、伯爵に立てついたルイザの父ミラーは投獄されてしまう ルイザに横恋慕する伯爵の腹心ヴルムは、ルイザに父ミラーを助けたいなら「自分を愛している」という手紙をロドルフォ宛に書けと迫る。父を救いたいがために泣く泣く従ったルイザだが、手紙を見て彼女の心を誤解したロドルフォは裏切られたと思い込みフェデリーカとの結婚を承諾する 絶望したロドルフォはルイザとの無理心中を図ろうと毒入りの水を仰ぎ ルイザにも飲ませるが、ルイザは真実を告白した後、駆けつけた父の前で息絶える。ロドルフォはやってきたヴルムを刺し復讐を果たして絶命する

 

     

 

私は このオペラを観るのも聴くのも今回が初めてです これまで「ルイザ・ミラー」とは一人の人物の名前だと思っていました

「ルイザ・ミラー」はジュゼッペ・ヴェルディ(1813‐1901)がフリードリヒ・シラーの戯曲「たくらみと恋」の原作、サルヴァトーレ・カンマラーノの台本を基に1849年にオペラ化した作品です これ以前に作曲された有名な作品に「ナブッコ」(1842年)がありますが、「ルイザ・ミラー」の2年後の1851年には「リゴレット」、53年には「イル・トロヴァトーレ」と「椿姫」という傑作オペラ群が作曲されています そういう意味では、「ルイザ・ミラー」は初期の作品から中期の傑作オペラへの橋渡しをする重要な作品と言えるでしょう

今回の公演を聴いて一番圧倒されたのはロドルフォを歌ったポーランド出身のテノール、ピョートル・ベチャワです 役に成り切った演技とともに強靭な歌唱力で会場を圧倒します 「泣く子も黙るテノール」とでも言っておきましょう 幕間のインタビューで、全3幕(正味2時間40分)の中で どこに力を入れて どこで抜くか といったペース配分をするのかどうか聞かれたベチャワは「いっさいしない。その時その時を全力で歌います」と答えていましたが、これは嘘ではありません。彼は常に全力投球です

ルイザを歌ったブルガリア出身のソニア・ヨンチェヴァは、今期のライブビューイングだけでも今回が3回目の出演です   いかにMETが彼女の実力を認め、期待を寄せているかが分かります   1回目は「トスカ」のタイトルロール、2回目は「ラ・ボエーム」のミミ、そして今回のルイザです。彼女は トスカでは城壁から飛び降りて死に、ラ・ボエームでは肺炎で息を引き取り、ルイザ・ミラーでは毒を飲んで死にます 何回死んでも生き返る不死鳥のようなソプラノです 幕間のインタビューで「これまでのプッチーニ(トスカ、ラ・ボエーム)から今回ヴェルディ(ルイザ・ミラー)を歌うことになったが、どんな違いがあるか?」と聞かれ、ヨンチェヴァは「プッチーニは映画的、ヴェルディは演劇的です」と答えていましたが、なかなか本質を突いているなと思いました 私は大雑把に言って プッチ―二は情緒的、ヴェルディは劇的(ドラマティック)だと思います

さて、驚くべきは来年がMETデビュー50周年というプラシド・ドミンゴです 長い間 世界の3大テノールの一人として歌ってきましたが、年齢を重ねるにつれてバリトンも歌うようになっています   全盛期の”張り”はないものの、説得力のある歌唱力で、まだまだ人気絶頂です   ドミンゴと言えば、2001年5~6月のMET来日公演の際、NHKホールで聴いたサン・サーンス「サムソンとデリラ」のサムソンを歌った時のことを思い出します    当時すでに61歳でしたが、現役のバリバリでした そういえば、当時の首相・小泉純一郎氏も観にきていました

エライジャ・モシンスキーの演出は約40年前にドミンゴがこのオペラのロドルフォを歌った時と同じとのことで、極めて古典的でオーソドックスなもので好感が持てました

 

         

 

METライブビューイング2017-2018も残すところあと1作、マスネ「サンドリヨン」(シンデレラ)のみとなりました ジョイス・ディドナートが主演するこの作品の日本での上映は6月2日から8日までです

次期 2018-19シーズンのラインナップが発表されていますが、次期からは新たにヤニック・ネゼ=セガン(現在 フィラデルフィア管弦楽団 音楽監督)がMET音楽監督に就任します  全10作の中で、個人的に期待しているのはアンナ・ネトレプコが出演する第1作:ヴェルディ「アイーダ」と第6作:チレア「アドリア―ナ・ルクヴクール」(新演出)、エリーナ・ガランチャが出演する第2作:サン・サーンス「サムソンとデリラ」(同)、ディアナ・ダムラウとファン・ディエゴ・フローレスが出演する第5作:ヴェルディ「椿姫」(同)といったプログラムですが、どれもが とても楽しみです

 

     

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ハンブルクトリオによるメンデルスゾーン「ピアノ三重奏曲全曲演奏会」のチケットを取る / 映画「ファーゴ」「スリー・ビルボード」を観る~光る フランシス・マクドーマンドの演技

2018年05月22日 07時55分28秒 | 日記

22日(火)。わが家に来てから今日で1328日目を迎え、魚介類の缶詰市場でサバの缶詰(サバ缶)が マグロ缶を抜いて初めて首位になった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                サバ読んだわけじゃなくて 安く売りサバいたから首位になった 缶違いじゃないよ   

 

         

 

昨日、夕食に「ハッシュドビーフ」と「生野菜サラダ」を作りました ハッシュドビーフは8人前作りましたが、あっという間に半分なくなってしまいました

 

     

 

         

 

9月20日(木)午後7時から東京オペラシティ リサイタルホールで開かれるハンブルクトリオによる「メンデルスゾーン『ピアノ三重奏曲全曲演奏会』」のチケットを取りました プログラムは①フェリックス・メンデルスゾーン「ピアノ三重奏曲第1番ニ短調」、②同「同第2番ハ短調」、③ファニー・メンデルスゾーン「ピアノ三重奏曲ニ短調」です 演奏はヴァイオリン=塩貝みつる(元ハングルク国立フィルハーモニー管弦楽団)、チェロ=ヴィタウタス・ゾンデキス(NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団)、ピアノ=エバーハルト・ハーゼンフラッツ(ベルリン芸術大学)の3人から構成されるハンブルクトリオです

 

     

 

         

 

昨日、早稲田松竹で映画「ファーゴ」と「スリー・ビルボード」の2本立てを観ました

「ファーゴ」はジョエル・コーエン監督による1996年アメリカ映画(98分)です この映画は実話に基づく作品だそうです

ミネソタ州ファーゴの自動車販売会社で営業部長をしているジェリー・ランディガードは、表向きは妻と息子と幸せに暮らす良き夫、良き父親である しかし、自らの失敗により多額の借金を負い早急に大金を必要としている 彼は解決策として自分の妻を誘拐して自動車業界の大物である妻の父親から身代金をだまし取ろうと計画を立てる 彼は自動車工場で働く元囚人から、前科者の二人の男、カールとグリムスラッドを紹介してもらい実行に移す。しかし、彼らは免許証の提示を求めた警官を射殺、さらに目撃者も射殺するなど殺人事件を起こしてしまう 事件の解決に当たることになったのは妊娠中の女性警察署長マージ・ガンダ―ソン(フランシス・マクドーマンド)だった。彼女は二人組の残した証拠を追求し、その陰にジェリーの存在があることを突き止め、彼に迫っていく

 

     

 

この映画は、登場人物の一人一人に魅力を感じます 中でも誘拐犯の片割れで「ひどい顔の男」と呼ばれる男を演じたスティーブ・プシェミ、妊娠中の女性警察署長を演じたフランシス・マクド―マンドの二人は存在感抜群です。顔に演技力があると言えばよいでしょうか

この映画は、アメリカの片田舎で起きた小さな事件が、嘘に嘘を重ねることで悲劇がどんどん広がっていき何人もの罪のない人が死んでいく様を描いています 死者こそ出ていないものの、嘘に嘘を重ねていき、周囲の者が不本意に巻き込まれていくということでは、どこかの国の政治情勢に似ていなくもありません

 

         

 

「スリー・ビルボード」は、マーティン・マクドナー監督・製作・脚本による2017年イギリス/アメリカ映画(116分)です

アメリカのミズーリ州の田舎町を貫く道路に3枚の大きな広告看板が並んでいる。そこには地元警察への批判メッセージが書かれていた 広告主は、7か月前に何者かによって娘を殺されたミルドレッド(フランシス・マクド―マンド)で、何ら進展のない捜査状況に腹を立て、警察署長に喧嘩を売ったのだった ガンに侵されながらも任務を遂行する署長を敬愛する部下たちや町の人たちから抗議を受けるが、ミルドレッドは一歩も引かない そんな中、署長が拳銃自殺を図り、ミルドレッドの立場はますます不利になる

 

     

 

ミルドレッドを演じたフランシス・マクド―マンドは「ファーゴ」から21年後の映画なので、さすがに歳をとったなと感じますが、演技の鋭さは失っていません

広告看板の前払い使用料が払えなくなった時、匿名の人物からミルドレッドに大金が寄贈されますが、その人物こそミルドレッドの行動に悩まされていた張本人でした 不治の病を患った人は、残された人に対して寛容になるのでしょうか 

署長が自殺したのはミルドレッドの掲示した広告看板が大きな原因だったと決めつけた人種差別主義の警察官ディクソン(サム・ロックウェル)が、警察署の目の前のビルの2階に事務所を構える広告看板会社の若き社長を暴行の上、2階から外に突き落とすシーンには 映画とは言え驚きました また、警察に反感を持つミルドレッドが広告会社の部屋から向かいの警察署に向けて火炎瓶を投げつけて大火事を起こしたのにもビックリしました 手段が古く、思わず全学連の学生運動を思い浮かべました

なお、この映画では、アイルランド民謡「The Last Rose of Summer」(夏の名残のバラ。日本題:庭の千草)がまるでテーマ音楽のように流れていました。どこか懐かしいいい曲です

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