地底人の独り言

いつまでもみずみずしい感性を持ち続けて生きたいと願いつつ、日々の思いや暮らしを綴っていきます

角田光代訳

2017年09月18日 | 読書

寂聴が「国宝的傑作」と称す「源氏物語」、今度は角田光代が訳した

 瀬戸内寂聴は書いている。「源氏物語は、日本文学の代表的古典であり、国宝的傑作である」と。

 そして続けて、「紫式部が全編一人で書き上げた。主題は『恋』である。『恋』は日本文学の命である。(中略)「円地(文子)さんは、その訳業のため、両眼の視力をほとんど失い、仕上げるまでに、何度も死にかける大病をされた。真近にそれを見ていた私は、源氏物語の魔力の恐ろしさに震えながら、こんなことは決してすまいと思ったであろうか。事実はその反対であった。命がけでもせずにはおられない『源氏物語』のすざまじい魅力に、私も命がけで惚れ込んでみたいと、そそられたのであった」(「日本文学全集64月報」より)

 その瀬戸内寂聴は,その月報の中で、円地文子が川端康成が源氏物語の現代語訳にとりかかっていると聞いて、「もし、それが完成したら、私は銀座通りを裸で逆立ちして歩いてやる」と語ったエピソードも紹介している。

 そんな「源氏物語」を、今回角田光代が現代語に訳した。この「源氏物語」はこれまで、与謝野晶子、谷崎潤一郎(新訳、新々訳もあり)、円地文子、瀬戸内寂聴、橋本治が現代語に訳している。また、大和和紀が「あさきゆめみし」(全10巻)の漫画にしている。橋本治以外は、大和和紀の漫画も含めて全て我が書棚にある。

 さて、角田源氏の特徴は、本人も書いているが「よみやすさ」だ(もう一つの特徴は「作者の声に耳を傾ける」こと)。ともあれ、とてもすらすらと読める。

 今回の配本では、「桐壺」から「少女」までが訳されていて、後二冊配本される予定。さすがに700ページ近い大冊は、「読書ルーム」に持ち運ぶのにはいささか重い。

 この角田源氏を読み終えたら、やはり円地文子と瀬戸内寂聴の源氏物語を読んでみようとも思っている。それまで、命があればだが…。

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