『心のプラカード』とカップリング曲のうち、3曲については既に記事を書いた。
『心のプラカード』
『チューインガムの味がなくなるまで』
『性格が悪い女の子』
残りの5曲も、相当クオリティが高く、多彩な楽曲ぞろいだ。
『教えてMommy』。
「大人AKB」こと塚本まり子がセンターを務める、彼女のための曲だ。渡辺、島崎、川栄、小嶋(真)、大和田という豪華メンバーが脇を固める。
38歳で2児の母でありながら、娘の立場から「教えてMommy」と歌う所に倒錯した魅力を感じる。Aメロの最初の歌い出しは塚本のソロだが、38歳とは思えない可愛らしさが溢れている。正に天性のアイドルだ。次にソロで続く渡辺に全く引けを取っていない。塚本のソロは、終盤のスローダウンする所でも堪能できる。
2番のAメロの伴奏は1番と異なっていて、ドラムが非常に小刻みにリズムを刻んでいる。ドキドキする彼女の心情を映しているようで印象的な編曲だ。
塚本にとって1曲きりのオリジナル曲だが、彼女に相応しい、秋元康の「当て書き」の傑作だ。彼女にとっても、彼女のお嬢さんたちにとっても、AKBグループにとっても大切な作品になったと思う。
『47の素敵な街へ』。(チーム8)
47都道府県から1人ずつ選抜したチーム8は、ドラマ『あまちゃん』のGMT47と全く同じ構想だ。それぞれが出身県を叫ぶのも劇中歌『地元へ帰ろう』の曲中の趣向と同じだ。これはパクリではなく、ドラマの中では完成できなかったGMT47を現実世界で実現させたと解釈したい。そもそも『あまちゃん』自体が、AKBグループを意識した設定であり、お互いに影響を与え合ったのだと考える。
チーム8はトヨタ自動車とのタイアップのようで、曲も「自動車に乗って全国を旅しよう」という内容だ。実際、聴くとドライブに出掛けたくなるような曲だ。長崎の岩崎萌花さんの「ながさきー」という語尾が上がるイントネーションは、同郷だから分かるが、間違いなく長崎県人だ。
チーム8は秋葉原の劇場で『PARTYがはじまるよ』公演を上演しており、オールドファンにはAKB48の原点を見る思いがすると好評のようだ。ぜひ一度見に行ってみたい。
『ひと夏の反抗期』。(ネクストガールズ)
バイクが登場する反抗ソング。バイクが登場する歌は、これまでに『横須賀カーブ』『クロス』『家出の夜』などがあるが、それらとは違って、どこか微温的な匂いがする。切羽詰まったヒリヒリ感がないと言うか、まさに「ひと夏の反抗期」という感じだ。「ハートのタンデム」とか「大人になりたくない」といった甘ったるい歌詞や、長調の爽やかな曲調のせいもあるだろう。途中で短調に転じる部分もあるが。
それが悪いと言っている訳ではない。微温的な反抗も若さにありがちなこと。バイクに2人乗りして「このまま死んでもいいかな」などと思う、ムードに流されやすい若さの特質をよく表わしている。
「無軌道」という言葉が印象的。列車ではなくバイクなのだから軌道がないのは当たり前か。
『セーラーゾンビ』。
同名テレビ番組の主題歌。番組は見ていないが、歌詞を聴くと何となく内容が想像できる。
本来怖いはずのゾンビに恋してしまい、一緒になれるなら自分もゾンビになってもいいと歌う。間奏の掛け声で叫ぶ「イチ子」というのが、主人公の名前なのだろうか。
ストーリーがあって楽しい曲だ。
『誰かが投げたボール』。(アンダーガールズ)
今回の8曲の中で、一番平凡な曲。栄えあるアンダーガールズにしては華のない曲と思う。
世界の子どもたちとの連帯、平和を願うメッセージソングだ。これまでにも『僕にできること』『街角のパーティー』『誰かのために』などでも歌われて来たテーマと共通している。
こういう曲は難しい。この歌詞に共感できないと心が曲がっているのではないかと自分で心配になるが、仕方がない。
曲調はメロディアスで心地よい。「誰かが 誰かが 誰かが」と3回繰り返す部分は高揚感がある。しかし、何回も聞き返したくなるような魅力を、私は感じられなかった。
『心のプラカード』
『チューインガムの味がなくなるまで』
『性格が悪い女の子』
残りの5曲も、相当クオリティが高く、多彩な楽曲ぞろいだ。
『教えてMommy』。
「大人AKB」こと塚本まり子がセンターを務める、彼女のための曲だ。渡辺、島崎、川栄、小嶋(真)、大和田という豪華メンバーが脇を固める。
38歳で2児の母でありながら、娘の立場から「教えてMommy」と歌う所に倒錯した魅力を感じる。Aメロの最初の歌い出しは塚本のソロだが、38歳とは思えない可愛らしさが溢れている。正に天性のアイドルだ。次にソロで続く渡辺に全く引けを取っていない。塚本のソロは、終盤のスローダウンする所でも堪能できる。
2番のAメロの伴奏は1番と異なっていて、ドラムが非常に小刻みにリズムを刻んでいる。ドキドキする彼女の心情を映しているようで印象的な編曲だ。
塚本にとって1曲きりのオリジナル曲だが、彼女に相応しい、秋元康の「当て書き」の傑作だ。彼女にとっても、彼女のお嬢さんたちにとっても、AKBグループにとっても大切な作品になったと思う。
『47の素敵な街へ』。(チーム8)
47都道府県から1人ずつ選抜したチーム8は、ドラマ『あまちゃん』のGMT47と全く同じ構想だ。それぞれが出身県を叫ぶのも劇中歌『地元へ帰ろう』の曲中の趣向と同じだ。これはパクリではなく、ドラマの中では完成できなかったGMT47を現実世界で実現させたと解釈したい。そもそも『あまちゃん』自体が、AKBグループを意識した設定であり、お互いに影響を与え合ったのだと考える。
チーム8はトヨタ自動車とのタイアップのようで、曲も「自動車に乗って全国を旅しよう」という内容だ。実際、聴くとドライブに出掛けたくなるような曲だ。長崎の岩崎萌花さんの「ながさきー」という語尾が上がるイントネーションは、同郷だから分かるが、間違いなく長崎県人だ。
チーム8は秋葉原の劇場で『PARTYがはじまるよ』公演を上演しており、オールドファンにはAKB48の原点を見る思いがすると好評のようだ。ぜひ一度見に行ってみたい。
『ひと夏の反抗期』。(ネクストガールズ)
バイクが登場する反抗ソング。バイクが登場する歌は、これまでに『横須賀カーブ』『クロス』『家出の夜』などがあるが、それらとは違って、どこか微温的な匂いがする。切羽詰まったヒリヒリ感がないと言うか、まさに「ひと夏の反抗期」という感じだ。「ハートのタンデム」とか「大人になりたくない」といった甘ったるい歌詞や、長調の爽やかな曲調のせいもあるだろう。途中で短調に転じる部分もあるが。
それが悪いと言っている訳ではない。微温的な反抗も若さにありがちなこと。バイクに2人乗りして「このまま死んでもいいかな」などと思う、ムードに流されやすい若さの特質をよく表わしている。
「無軌道」という言葉が印象的。列車ではなくバイクなのだから軌道がないのは当たり前か。
『セーラーゾンビ』。
同名テレビ番組の主題歌。番組は見ていないが、歌詞を聴くと何となく内容が想像できる。
本来怖いはずのゾンビに恋してしまい、一緒になれるなら自分もゾンビになってもいいと歌う。間奏の掛け声で叫ぶ「イチ子」というのが、主人公の名前なのだろうか。
ストーリーがあって楽しい曲だ。
『誰かが投げたボール』。(アンダーガールズ)
今回の8曲の中で、一番平凡な曲。栄えあるアンダーガールズにしては華のない曲と思う。
世界の子どもたちとの連帯、平和を願うメッセージソングだ。これまでにも『僕にできること』『街角のパーティー』『誰かのために』などでも歌われて来たテーマと共通している。
こういう曲は難しい。この歌詞に共感できないと心が曲がっているのではないかと自分で心配になるが、仕方がない。
曲調はメロディアスで心地よい。「誰かが 誰かが 誰かが」と3回繰り返す部分は高揚感がある。しかし、何回も聞き返したくなるような魅力を、私は感じられなかった。