AKB48 チームBのファンより

鈴木紫帆里さんを中心にAKB48 チームB について語るサイトです。

日向坂46『こんなに好きになっちゃっていいの』とカップリング曲を聴く。(ときめき研究家)

2020-07-05 12:46:48 | ときめき研究家
昨年10月に発売されていたのを聴き逃していた。今回配信で購入して聴いたが、カップリング曲を含め個性的な曲ぞろいだった。

『こんなに好きになっちゃっていいの』。
タイトルからは『キュン』『ソンナコトナイヨ』のような軽快なラブソングを予想したが、案に反してシックな曲だった。乃木坂46『気づいたら片想い』に曲調が似ている。歌詞の内容も、とりとめのない片思いの堂々巡りの歌だ。一日中彼のことが頭から離れず、他のことには何も手が付かない。でもその状況を受け止め、むしろ楽しんでいるふうでもある。タイトルは疑問形の「いいの?」ではなく、「いいの!」と自分に言い聞かせているようだ。

『一番好きだとみんなに言っていた小説のタイトルが思い出せない』。(上村ひなのソロ曲)
今回一番印象に残った曲だ。ソロで歌っているのは誰かと調べたら、上村ひなのというメンバーだった。可愛らしい顔に似合わずパンチのある歌い方で、曲にもマッチしている。
長いタイトルで、歌い出しもその通りなのだが、それで全てを説明し尽している訳ではなく、そこから物語が展開して行くので興味深く聴き進められる。『鈴懸なんちゃら』とは少し違う。
「一番好きだとみんなに言っていた小説」とは、自分で作りだした理想の存在、他人とは違う自分自身のアイデンティティーの象徴と解釈した。それが思い出せなくなったというのは、アイディンティティーのゆらぎである。最後に、そんな小説は最初からなかったと自分で認めたところに彼の成長がある。
ところで私が一番好きな小説は何だろうと考えさせられた。これだと即答はできなかった。生涯でそんなに好きな小説があっただろうかと、私もゆらいでしまった。

『ママのドレス』。
この曲はとにかく楽しい。ウキウキする。
初めてのデートにママのドレスを借りて、ママの若い時のように可愛くなりたい、といった定番のテーマをオーソドックスに纏めている。仲のいい母娘の歌だ。父娘の歌は反発される歌ばかりなので羨ましい。
「デュワデュワ」というコーラス部分がとんでもなく可愛い。Aメロ・Bメロの後、サビの前に短い間奏が挿入されているのは珍しく、お洒落な感じだ。
彼がデートの迎えに車で来てクラクションを鳴らすのは、『姉妹どんぶり』と同じ状況。それを意識してかどうか、母娘のことを「まるで姉妹」という歌詞もある。

『まさか、偶然・・・』。(はなちゃんずデュエット曲)
1年前に別れた彼女と偶然再会できないかと密かに期待している歌。彼女が着ていた「深緑と茶色のタータンチェックのコート」を探しているというのは、有名な『ルビーの指輪』でベージュのコートを探していることの本歌取りだ。これほど有名な曲の本歌取りは結構勇気が要ると思うが、こういうのは楽しい。
曲調は珍しいワルツだ。ピーナッツさんによると、日本人はワルツが苦手なようだが、この曲はしっとりとした曲調と詞がマッチしていて良いと思う。

『川は流れる』。
秋元康にとって「川」は特別なモチーフだ。『川の流れのように』では「川の流れのようにおだやかにこの身をまかせていたい」という大歌手の晩年の境地を描き、『RIVER』では「川を渡れ」とAKBメンバーを鼓舞した。
今回の『川は流れる』では、時間の流れや人生を川に投影していて、坂道グループの一連の楽曲『命は美しい』『シンクロニシティー』『夜明けまで強がらなくていい』などと通じるものがある。壮大なテーマに対して歌唱が弱々しい気もしないでもないが、それが芸風、非力でも人生に立ち向かう姿勢を表現しているのかもしれない。

『ホントの時間』。
ショッピングモールで偶然会った友達とアニメの話をしていたら時間があっという間に過ぎたという歌。この友達が同性なのか異性なのかははっきりしない。どちらでもいいのだろう。楽しい時間は早く過ぎ、「現国」の授業では長く感じるという時間の感覚の不思議を歌っている。軽快なテンポの曲だが、案外深遠なテーマなのだ。
アニメの話で夢中になるのは、乃木坂46『今、話したい誰かがいる』で2人きりの部屋で漫画を読んでいる状況を思い出す。

偶然かもしれないが、今回の6曲はどれも「時間の経過」を意識させるような歌詞だ。
『ホントの時間』は時間の経過そのものがテーマ。
『こんなに好きになっちゃっていいの』は一日中時間を忘れて彼のことを思う片思い。
『一番好きだとみんなに言っていた小説のタイトルが思い出せない』はその小説を読んだ過去の日を思い出せない歌。
『ママのドレス』は母親の高校時代に想いを馳せる歌。
『まさか、偶然・・・』は1年前の恋を引き摺っている歌。
『川は流れる』は春夏秋冬流れ続ける川、すなわち時間を歌っている。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« AKB48『離れていても』にOG8... | トップ | =LOVE『虹の素』『ズルいよズ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ときめき研究家」カテゴリの最新記事