NMB48のベストアルバム『世界の中心は大阪や~なんば自治区~』に収録されている新曲9曲を聴いた。
前作のベストアルバム『てっぺんとったんで』収録の『太宰治を読んだか』『アーモンドクロワッサン計画』に匹敵するくらいインパクトがあったのは、『ハートの独占権』だ。
柏木由紀と渡辺美優紀のデユエット曲で、1人の男を奪い合う歌だ。
同じような状況を歌った曲で最も有名なのは、山口百恵の『絶体絶命』だろう。
「その人と私のどちらを選ぶの?」とドスの効いた声で詰め寄られて、思わず「2人とも愛してる」と答えてしまう男の優柔不断さ、不甲斐なさには密かに共感する。結局、片方の女性には「バイバイ、バイバイ、やってられないわ」と愛想尽かされて去られてしまう。
図らずも1人に絞られた訳で、決断できず流され続ける男の勝利?とも言える。
『ハートの独占権』は、『絶体絶命』とは全く味わいが異なる曲だ。
男を奪い合う2人の女性を、柏木と渡辺が演じて歌う。それぞれが、自分の方が彼のことをよく知っている、自分の方がふさわしいと、主張し合う歌で、『絶体絶命』のような修羅場感がない。むしろ、広告代理店のプレゼンとか、学生のディベートのような風情で、どちらかと言えばコミカルな味わいだ。
彼とは中学の同級生で長い付き合いの柏木、最近合コンか何かで知り合ったばかりの渡辺という設定は、2人のキャラクターに似合っていてニヤニヤする。
柏木の、幼馴染の純愛を歌った『ショートケーキ』を連想するが、今回の歌での柏木パート「(彼は)ブリーフよりトランクス愛用」という歌詞は、もちろん一線を超えた親密な関係を暗示している。
一方、渡辺の小悪魔的な誘惑は年上の男性をメロメロにするが、彼の父親とまで「よく飲みに行く」関係になってしまっているのには恐れ入る。
この歌の彼が、結局どういう結論を出すのかはわからない。実際問題、柏木と渡辺、両方から迫られたら、とてもどちらかに決め切れず、心ならずも二股かけてしまう気持ちも充分理解できる。
それこそ「2人とも愛してる」と答えてしまいそうだ。
それに対して、この2人は、愛想尽かしたりはせず、この「明るい三角関係」をしつこく続けて行くような気がする。そして気が付くと、仲のいい女友達になっていたりするのではないか。
柏木と渡辺は、声が全く異なるため聴き分けが容易で、楽しい掛け合いのデュエット曲になっている。AKBグループのデュエット曲は数多いが、『姉妹どんぶり』『アボガドじゃねーし』『思い出のほとんど』『君と僕の関係』『わがままな流れ星』などと並ぶ、新たな名曲誕生と言える。
前作のベストアルバム『てっぺんとったんで』収録の『太宰治を読んだか』『アーモンドクロワッサン計画』に匹敵するくらいインパクトがあったのは、『ハートの独占権』だ。
柏木由紀と渡辺美優紀のデユエット曲で、1人の男を奪い合う歌だ。
同じような状況を歌った曲で最も有名なのは、山口百恵の『絶体絶命』だろう。
「その人と私のどちらを選ぶの?」とドスの効いた声で詰め寄られて、思わず「2人とも愛してる」と答えてしまう男の優柔不断さ、不甲斐なさには密かに共感する。結局、片方の女性には「バイバイ、バイバイ、やってられないわ」と愛想尽かされて去られてしまう。
図らずも1人に絞られた訳で、決断できず流され続ける男の勝利?とも言える。
『ハートの独占権』は、『絶体絶命』とは全く味わいが異なる曲だ。
男を奪い合う2人の女性を、柏木と渡辺が演じて歌う。それぞれが、自分の方が彼のことをよく知っている、自分の方がふさわしいと、主張し合う歌で、『絶体絶命』のような修羅場感がない。むしろ、広告代理店のプレゼンとか、学生のディベートのような風情で、どちらかと言えばコミカルな味わいだ。
彼とは中学の同級生で長い付き合いの柏木、最近合コンか何かで知り合ったばかりの渡辺という設定は、2人のキャラクターに似合っていてニヤニヤする。
柏木の、幼馴染の純愛を歌った『ショートケーキ』を連想するが、今回の歌での柏木パート「(彼は)ブリーフよりトランクス愛用」という歌詞は、もちろん一線を超えた親密な関係を暗示している。
一方、渡辺の小悪魔的な誘惑は年上の男性をメロメロにするが、彼の父親とまで「よく飲みに行く」関係になってしまっているのには恐れ入る。
この歌の彼が、結局どういう結論を出すのかはわからない。実際問題、柏木と渡辺、両方から迫られたら、とてもどちらかに決め切れず、心ならずも二股かけてしまう気持ちも充分理解できる。
それこそ「2人とも愛してる」と答えてしまいそうだ。
それに対して、この2人は、愛想尽かしたりはせず、この「明るい三角関係」をしつこく続けて行くような気がする。そして気が付くと、仲のいい女友達になっていたりするのではないか。
柏木と渡辺は、声が全く異なるため聴き分けが容易で、楽しい掛け合いのデュエット曲になっている。AKBグループのデュエット曲は数多いが、『姉妹どんぶり』『アボガドじゃねーし』『思い出のほとんど』『君と僕の関係』『わがままな流れ星』などと並ぶ、新たな名曲誕生と言える。