一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

映画『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』 ……尾野真千子の魅力全開……

2013年05月15日 | 映画
映画『探偵はBARにいる』は、2011年の9月に見た。
大泉洋演じる二枚目半の主人公・探偵と、
松田龍平扮する相棒・高田の名(迷?)コンビが愉快であったし、
ヒロインである謎の美女・小雪の美しさにも魅了され、
とても面白く見ることができた。
そのレビューを、私は、次のような言葉で締めくくっている。

軽快でテンポが良く、ユーモアも随所にちりばめられていて、とても面白く見ることができた。
ハードボイルドには「非情な愛」がつきものだが、
この作品には「純愛」がカクテルされている。
それが見る者の胸を締めつけ、せつなくさせる。
観客動員次第では、続編もありえるし、シリーズ化される可能性もある。
そういう意味でも、映画化第1作となる本作は、見ておくべき作品と言えるのではないだろうか。

(レビューの全文はコチラをお読み下さい)

そう、あの映画が帰ってきたのである。
待望の第2作目は、
『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』。
ヒロインに尾野真千子を迎え、
さらにスケールアップして、帰ってきたのだ。


仲良しのオカマ・マサコちゃん(ゴリ)が殺された。


一向に進まない警察の捜査に世間の関心も薄れる中、
探偵(大泉洋)は高田(松田龍平)を呼び出し調査へと繰り出すが、


仲間たちの対応はなぜかぎこちない。
それもそのはず、
事件の背後にはカリスマ政治家・橡脇孝一郎(渡部篤郎)と、
政界&裏社会の思惑が渦巻いていたのだ。


そんな中、探偵のもとに人気ヴァイオリニスト・河島弓子(尾野真千子)が現れる。


大切なファンだったマサコちゃんのために犯人を自力で捕まえると息巻く弓子に対し、
自分の“依頼人”となり大人しくするよう説得する探偵だったが、
弓子のトンデモない性格に振り回され、三つの集団から追われるハメに……


数々の危険をくぐり抜け、しだいに事件の核心へと迫る探偵&高田。


だがその先には、やるせない真実と切ない愛、
そして弓子を巻き込む新たな事件が待ち受けていた……
果たして事件に隠された真相とは?
探偵は、今度こそ依頼人を守り通せるのか?
(ストーリーはパンフレットより引用し構成)


探偵を演じた大泉洋。
北海道(江別市)出身で、北海道に愛着があり、
全国的な人気を得た現在も北海道を拠点としている彼にとって、
北海道を舞台にした作品は、特別の思いがあると思う。
昨年公開された映画『しあわせのパン』も北海道を舞台にしていたが、
こちらでは寡黙な男を好演。
演技の幅も広がり、これから益々の活躍が期待できる。
私としても、もっと彼の作品が見たいと思っている。
今年(2013年)11月9日公開予定の映画『清須会議』(三谷幸喜監督)では、
羽柴秀吉の役で出演するとか。
三谷幸喜の作品は、正直、苦手な私だが(笑)、
この作品は見に行くかもしれない。


相棒・高田を演じた松田龍平。
映画『舟を編む』での素晴らしい演技が記憶に新しいが、
『舟を編む』とはまったく違う(というか真逆の)キャラクターを、
実にクールに演じている。
昨年(2012年)の11月に公開された映画『北のカナリアたち』での演技も良かったし、
今年(2013年)秋に公開予定の映画『麦子さんと』もすごく楽しみ。


謎の美人バイオリニストを演じた尾野真千子。
第1作のヒロイン・小雪があまりに素晴らしかったので、
正直、心配していたのだが、杞憂であった。
今年(2013年)1月~3月期のTVドラマ『最高の離婚』での彼女も良かったが、
『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』での彼女も同じくらいに、
いや、それ以上に素晴らしかった。


彼女を初めて見たのは、
1997年の映画『萌の朱雀』(河瀬直美監督)。
同じ河瀬直美監督作品の映画『殯の森』(2007年・カンヌ国際映画祭でグランプリ)で再び脚光を浴び、
なんだかとても真面目な人という印象があった。
翌年(2008年)の映画『クライマーズ・ハイ』での演技(記者役)も強く記憶に残っているが、
真面目でクールな女優という印象は変わらなかった。
ところが、2011年10月3日から2012年3月にかけて放送された、
NHKの連続テレビ小説『カーネーション』で見た彼女は、
ハツラツとして、イキイキとして、まるで別人であった。
そして、最高に面白かったTVドラマ『最高の離婚』を経ての、
映画『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』。
尾野真千子の魅力全開といった演技で、
笑わせたり、ホロッとさせたり、
とにかく彼女の演技にくぎ付けであった。


今年(2013年)公開予定の映画が、この後、
『謝罪の王様』(9月28日公開予定)、
『そして父になる』(10月5日公開予定)と続く。
特に、『そして父になる』の方は、
私の好きなリリー・フランキーや真木よう子も出演しているので、
すっごく楽しみ。


毎回、魅力的なヒロインを迎え、
この後も3作、4作と続編が制作されれば、
長く愛される国民的映画になるだろう。
あまりマルくなってほしくはないが、
ハードボイルド&ドタバタコメディで、
これからも我々を楽しませてくれることを願う。
小雪、尾野真千子に続く「謎の美女」のヒロインにも期待したい。


札幌・ススキノを主舞台とし、
前作では小樽、今作では室蘭でロケされている。


北海道をオンボロ車で走り回るが、
北海道は広いので、ロケ地には困らないだろうし、
どこでロケされるかも、映画を見る者の大きな楽しみ。


第3作が待ち遠しいぞ、私は……

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