一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

海抜0メートルから登る雲仙普賢岳 ……上大野木場・仁田峠登山遊歩道を通って……

2014年07月12日 | 海抜0mから登る雲仙普賢岳・単独行
シリーズ「麓から登ろう!」を開始してから3年以上経つが、
いつかはやりたいと思っていた「海抜0メートルから登る雲仙普賢岳」。

島原側(島原湾)から登るか……
小浜側(橘湾)から登るか……
どちらかに決めたとして、どの場所をスタート地点にするか?
車はどこに駐めておくか?
ゴールはどこにするか?
など、
この企画は他人に協力を仰がないで「単独」で行うのが私なりのルールなので、
クリアしなければならない問題が多く、なかなか実行に移せなかった。

小浜側から登るとなると、舗装道路歩きが多くなるが、
島原側からは、上大野木場・仁田峠登山遊歩道がある。
この上大野木場・仁田峠登山遊歩道を利用して、
島原側から登るのが最善のような気がした。


スタート地点は、「車を長時間駐めておいても大丈夫な場所」の近くを考えた。
そこで、候補に挙がったのが、「道の駅みずなし本陣ふかえ」。
ここは海にも近いので、最適のように思えた。
で、「道の駅みずなし本陣ふかえ」に決定。

次は、ゴール地点。
最初は、島原半島横断「ゼロ to ゼロ」も考えたが、
小浜側へ下る舗装道路歩きが長時間になるため、今回は却下。
下りの舗装道路歩きは、夏山トレーニングとしてはあまり意味がないし、
膝などを痛めたら本末転倒だ。
ゴールは、雲仙の市街地とし、
そこからバスで、島原まで戻ることにした。


実施日は7月12日(土)に決めた。
何時間かかるか判らないので、
日の出とともに歩き出すつもり。

11日(金)は、遅くまで仕事をし、深夜帰宅。
風呂と食事を済ませ、仮眠を2時間ほどとった。
午前1時30分起床。
午前2時に車で家を出る。
午前4時「道の駅みずなし本陣ふかえ」に到着。


車の中で朝食を済ませ、
準備をし、軽くストレッチ。
海へ向かって歩き出す。

「道の駅みずなし本陣ふかえ」から歩いて10分ほどで、海に着いた。


階段がある。


ここなら登山靴を海水に浸せそうだ。


5:10
儀式完了。
出発。




遥か彼方に平成新山が見える。


ゆっくり歩いて行く。


当然のことながら、山はなかなか近づいてこない。(笑)


道を知らないので、道路標識に従って歩いて行く。


6:12
旧大野木場小学校校舎、


大野木場監視所前を通過。


しかし、この先が通行禁止(ゲートがあった)になっていたので、
戻ってきて、通りかかったおじいさんに訊くと、
ここから左折した先に、遊歩道の道標があるとのこと。


この道標にしたがって進む。




目標の山が先に見えているときはイイが、


こんな道を登っていると、「大丈夫かいな?」と思ってしまう。


7:10
「上大野木場・仁田峠登山遊歩道」の登山口に到着。
やっと着いた。


道路標識にしたがって歩いてきたので、
こんな軌跡になってしまった。
無駄な動きが多い。(笑)
次回はもっと効率的に歩こう。
って、次回はあるのか?(爆)


さあ、いよいよ「上大野木場・仁田峠登山遊歩道」だ。


遊歩道を登り始めてすぐの所に、展望の良い場所がある。
(これ以降、展望の良い場所はほとんどない)
圧倒的な存在感。


登ったと思ったら、激下り。


かなり歩いたような気がしたが、
まだ400mしか進んでいない。
以後、この道標の距離の数字に悩まされることになる。(笑)


急登が始まった。


注意書きがあるほどの急登。


この急坂はきつかった。
海抜0メートルから登っているからかもしれないが、
この急登には正直参った。




急登終了。
「ごくろうさん」とでもいうように、ベンチがあった。
この急登は、後から調べてみたら、
時間的には15分ほどだった。
強く印象に残る15分だった。


樹林帯は下草が生えないので、道ははっきりしているが、
樹林帯と樹林帯の間がヤブ化しているし、荒れている。
歩く人が少ない所為だろう。


先程の道標から0.1km(0.4km→0.5km)しか進んでいない。(笑)
のに、仁田峠までの距離は0.5km(3.8km→3.3km)も減っている。(爆)
進んだ距離が増えないので、気分的に盛り上がらず。


岩床山火山監視施設を通過。


ネジバナが咲いていた。


仁田峠までは、まだまだ。


草茫々。
樹林帯を抜けると、こんな感じ。
みなさん、遊歩道をもっと利用しましょう!


ヤマブキショウマがたくさん咲いている。


コンクリート舗装された林道を横切る。
(右から登ってきて、左へ入っていく)




虫が頭の周囲を飛び回って煩い。


悟空さんから戴いた虫除けバンダナを首に巻いた。
すると効果覿面。
虫が寄ってこなくなった。
悟空さんに感謝。


ついに、登山口からの距離より、仁田峠までの距離の方が短くなった。
嬉しい。


雰囲気の良い場所もあるが、


こんな道もあり、変化が激しい。


仁田峠が近くなってきた。


と同時に、ヤマアジサイの群生地があちこちに見られるようになってきた。


ヤマトウバナも咲いている。


が、この辺りもかなり荒れている。


時々、木々の間から仁田峠のロープウェーの施設が見えるが、
なかなか近づいてこない。


9:30
仁田峠到着。


見慣れた風景に、ホッ。
ベンチで行動食を食べ、しばし休憩。


9:43
仁田峠を出発。
ヤマボウシがまだ咲いていて、美しい。


ここから左へ。
薊谷へ入って行く。


この道は、いつ歩いても美しい。


大好きな道。


10:17
紅葉茶屋に到着。
ベンチで休憩。
今日は本調子でないのが判る。
やはり睡眠時間2時間での登山はキビシイ。


10:25
紅葉茶屋を出発。
ゆっくりゆっくり登って行く。

10:48
雲仙普賢岳山頂(1359.3m)に到着。
海抜0メートルから5時間38分で着いた。


「海抜0メートルから登る雲仙普賢岳」達成。




今日は、展望が素晴らしかった。
島原方面を眺める。


あの辺りから歩いてきた。
満足感が体と心を満たす。


ヤマボウシの白い点々が見える。


遠くの多良山系が浮島のように見えた。
こんな風景を楽しみながら、ランチ。


11:15
雲仙普賢岳山頂を出発。

11:35
紅葉茶屋を通過。


美しい薊谷の道を楽しみながら下って行く。


12:02
仁田峠を通過。


12:10
ここから池ノ原園地へ下って行く。


やや味気ない道だが、


咲いていたヤマホトトギスが目を楽しませてくれる。


12:31
池ノ原園地駐車場を通過。


車道を下って行く。


本日の要注意人物。(笑)


チングルマのようなノイバラの花。
北アルプスの花々に早く逢いたい。
果たして今年は行けるのか……


雲仙の市街地へ入ってきた。


12:58
別所口のバス停に到着。
今日は、ここがゴール。
約8時間の歩き旅だった。




今回は睡眠不足もあって、体調がイマイチで、それが反省点。
歩きが長時間になる場合は、
しっかり睡眠をとって、
万全の備えで挑まなくては……
まあ、いろいろあったけれど、
今日も「一日の王」になれました~

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