一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

第25回古湯映画祭 ……やはり周防正行監督と清水美沙さんは素敵だった……

2008年09月14日 | 映画
9月14日、古湯映画祭に行ってきた。
映画祭は、13日から15日まで行われているが、13日と15日は別の用事があったし、14日に周防正行監督と清水美沙さんが参加するシンポジウムやパーティーがあるので、この日だけの参加となった。
私が買ったチケットは、

①映画券(前売券)1600円
 期間中2本の作品を見ることができ、さらにシンポジウム1回に参加できる。
②パーティー券(限定100枚・郵送販売、事務局販売のみ)2000円

の2種類。
この2枚があれば、14日の昼から夜まで楽しめる。
会場は、今年完成した佐賀市立富士生涯学習センター「フォレスタふじ」。


会場の中は、こんな感じ。


この日、ANAのシステム障害ということで、ゲストの乗る便にかなり遅れが出ていたそうだ。
担当スタッフはかなり心配していた模様。
15:00からの『それでもボクはやってない』の上映が始まる直前、
「上映前に周防正行監督から御挨拶があります」
とのアナウンスがあり、周防監督が姿を現した。
「この映画は、見終わったあと、かなり気分が重くなります。そういう風に映画を作りました。だから皆さんは重い気分のまま帰ることになります。覚悟しておいて下さい」
とユーモアを交え、笑わせながら作品を紹介された。


17:22に『それでもボクはやってない』の上映が終わり、夕食タイム。
会場には特設の喫茶店やレストランがあり、メニューにはイノシシ肉を使った汁物やカレーがあった。
シンポジウムは18:20からだったので、少し前から並んでいたら、すぐ目の前を周防監督と清水美沙さんが歩いて会場控室に入って行かれた。
清水美沙さんを見た人たちの間から「綺麗か~」と溜息混じりの声が聞こえた。
会場に入ると、私はなるべく周防監督と清水美沙さんがよく見える場所に座った。
清水美沙さんは驚くほど細かった。
鼻筋が通っていて、とくに横顔が美しかった。
周防監督がお話されているとき、さりげなく監督のコップに水を注いでやっていたのが印象的だった。


シンポジウムが終わり、19:40から同じ会場でパーティーが始まった。
黄色いハッピを着た向かって右端の人が周防正行監督。
その隣が清水美沙さん。


会場には、食べ物、飲み物が豊富に用意されていた。
鯉のあらい、鯉こく、イノシシ肉の焼肉、川魚の煮付けなど、富士町ならではの料理もあった。


特に今年は、人気のある監督特集だったので、パーティーの参加者も多かった。
東京あたりでは芸能人を見ても知らん振りをする人が多いが、ここ佐賀の田舎では、皆、積極的に監督や女優さんに話しかけていて、微笑ましかった。
パーティーが始まってしばらく経った頃、古川佐賀県知事も姿を見せた。


伊万里で行われる黒澤映画祭など、近くで実施される映画祭にはなるべく参加するようにしているが、とりわけ古湯映画祭は独特の雰囲気があるように思う。
映画を見る会場の前半分にはゴザが敷いてあり、寛いで(寝ころんでいる人もいる)見ることができるのがイイ。
シンポジウムでの質問でも、他の会場では演技論など難しいことを問う人がいるが、ここ古湯では、信じられないような「質問」(質問と言えないような質問)をする人ばかり。
「私が書いたストーリーをぜひ周防監督に映画化してもらいたい」と言ったおじいさん。
冗談で言ったのではない。本気なのだ。
清水美沙さんに対して、「あなたには教頭先生の役をやってもらいたい」とキャスティングまで指示する図々しさ。
或るおばさんは、いきなり「江藤新平は無罪です!」と叫び、司法の基礎を築いた江藤新平に、『それでもボクはやってない』を撮った周防監督はきっと共感できるはずと弁じ、これまた「江藤新平を主人公にした映画を作ってもらいたい」と嘆願。
周防監督も清水美沙さんもきっと仰天したことだろう。
でも、案外、印象に残り、古湯にまた来たいと思ったかも?
そんなこともあってか、監督、俳優さんの間では、古湯映画祭は案外評判が良いのだ。
手作り感いっぱいの古湯映画祭。
あなたも来年はきっと――

古湯温泉の近くには「城山」(417m)という山もある。
短時間で登れる山なので、登山と温泉と映画を組み合わせれば、大いに楽しめる。
「一日の王」になれますよ~。

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4 コメント

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来年また (テル)
2008-09-16 08:53:24
パーティーでお会いしたテルです。映画祭楽しまれたようですね。私は丸々三日間存分に楽しませていただきました。とくに今年は盛り上がったように感じました。来年も期待したいと思います。タクさんとも来年ぜひお会いしたいです。では、来年まで――。
Unknown (リー)
2008-09-16 11:38:20
久しぶりにお会いできて、懐かしく、そして嬉しく思いました。映画祭ってもっと堅苦しいものだと思って敬遠しておりましたが、参加してみてあんなにも楽しいものだとは思ってもみませんでした。素晴らしい一日(半日?)を過ごさせていただきました。感謝です。
来年はフリーパス券で… (タク)
2008-09-16 18:10:51
テルさんへ

>パーティーでお会いしたテルです。
>映画祭楽しまれたようですね。

コメントありがとうございます。
一日だけでしたが、映画、シンポジウム、パーティーと、楽しませてもらいますた。

>私は丸々三日間存分に楽しませていただきました。

いや~羨ましい~。
私も来年はスケジュール調整ができれば、フリーパス券を購入し、三日間丸ごと楽しみたいと思います。
あの首から掛けたフリーパス券はイイですね。
その裏にサインをしてもらってましたね。
それを見て、「俺も…」と思いましたよ。

>とくに今年は盛り上がったように感じました。

やはり「周防正行監督特集」が良かったのだと思います。
ほとんど映画祭など出ない監督なので、貴重な機会でしたね。

>来年も期待したいと思います。
>タクさんとも来年ぜひお会いしたいです。
では、来年まで――。

来年はどの監督の特集か、今からワクワクしますね。
また来年お会いできれば嬉しいです。
映画のお祭り (タク)
2008-09-16 18:23:37
リーさんへ

>久しぶりにお会いできて、懐かしく、そして嬉しく思いました。

来ておられるとは思わなかったので、ビックリしました。
最初見たとき、木村多江さんかと思いましたよ。
久しぶりで、私も嬉しかったです。

>映画祭ってもっと堅苦しいものだと思って敬遠しておりましたが、参加してみてあんなにも楽しいものだとは思ってもみませんでした。

映画のお祭りですからね~楽しいんですよ。
会場にゴザが敷いてあるのもリラックスできますね。
監督さんや俳優さんとお話できるなんて、夢のようですよね。
やはり、最後のパーティーまで参加すると、楽しさが倍加しますね。

>素晴らしい一日(半日?)を過ごさせていただきました。感謝です。

こちらこそ楽しかったです。
やはり映画はイイですね~