一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

映画『天然コケッコー』 ……抱きしめたくなるほど愛おしい作品……

2009年11月18日 | 映画
ローカルな話題で恐縮なのだが、現在、佐賀市内にある109シネマズ佐賀で、『天然コケッコー』が上映されている。
『天然コケッコー』といえば2007年に公開された作品。
なぜいまリバイバル上映されているのか?

「っていうか、『天然コケッコー』って、どんな映画?」
と訊かれそうなので、ちょっとだけ解説すると、

カリスマ漫画家のくらもちふさこの名作コミックを映画化したもので、
田舎(ロケ地・島根県浜田市)で暮らす少女の何気ない日常をリアルに描いた作品。
監督は、山下敦弘(『リンダリンダリンダ』『リアリズムの宿』)。
脚本は、渡辺あや(『ジョゼと虎と魚たち』『メゾン・ド・ヒミコ』)。
主演(右田そよ)に、夏帆。
相手役(大沢広海)に、岡田将生。

山間の分校。
小学校と中学校は同じ校舎の中にあり、全校生徒はたったの6人。


右田そよは唯一の中学二年生。
初夏のある日、東京から転校生・大沢広海がやってくる。
この右田そよの大沢広海への初恋を中心に、田舎の四季折々の表情をからめながら、ふたりの2年間の成長を見つめた、甘酸っぱくも爽やかな物語。


私の大好きな映画で、私にとっては2007年ベストワンの作品。
田舎の風景がとにかく美しい。


誰もが経験したことがあるような、切ない思い。


そして、忘れてしまった煌めく時間。


ゆったりとした時間の流れ……いつまでもこの作品の中に浸っていたいと思わせる、抱きしめたいほど愛おしい映画だ。


ミニシアター系の映画館で上映される機会が多かったようで、見た人はそれほど多くないのではないかと思っている。

で、なぜいまリバイバル上映されているか……というと、
たぶん、夏帆・岡田将生の人気にあやかって……のことだと思う。
御存知(ナノカ?)のように、夏帆・岡田将生コンビは、フジテレビの人気ドラマ『オトメン(乙男)』で共演している。
この人気コンビの原点ともいえる作品が『天然コケッコー』なのだ。


夏帆・岡田将生の人気に便乗して、2年前の作品を上映しようという気になったに違いない。
理由はどうであれ、この『天然コケッコー』を、スクリーンで再び見ることができるのが嬉しい。
この機会に、この作品を見たことがない人にもぜひ見てもらいたいと思う。
ぜひぜひ……
佐賀県以外の方は、DVDで、ぜひぜひ……


109シネマズ佐賀
上映期間:11月14日(土)~11月27日(金)。
料金1000円。

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