一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

映画『マレフィセント』 ……エル・ファニングのオーロラ姫に魅了される……

2014年08月02日 | 映画
映画『マレフィセント』のレビューを書く前に、
数か月前の映画館での恐怖体験を……(笑)

映画を見に行って、
極まれに、観客が私ひとりのことがある。
長年、映画を見続けているが、
思い出せる程度なので、それほど数は多くない。
今年(2014年)の早春、
某シネコンで、
その「極まれな」体験をした。
上映時間になっても、観客は私ひとり。
上映前に、そのシネコンの支配人らしき人物が確かめにも来た。(笑)
私を見て、
「ああ、やはりひとり座っている。いなかったら上映せずに済むのに」
と思ったかどうか……(笑)
私ひとりが観客の場合、
私はすごく贅沢な気分を味わうことができるが、
恐縮する気持ちも少しはある。(笑)
それでも、その映画を独り占めできる歓びの方が勝ることが多い。
その日も、そんな気分で、座っていた。
やがて、場内が暗くなり、
いきなり『アナと雪の女王』の映像が始まった。
主人公のひとりであるエルサが歌う『Let It Go』。
これは『アナと雪の女王』の予告編だったのだが、
そのときは「もしかして本編が始まったの?」と思って焦った。
通例の映画予告編は、
「多くの見所」をいくつも切り取って、
物語の内容を要約するようなキャッチコピーを散りばめているから、
すぐに予告編と判る。
しかし、この予告編は、最初に少し曲紹介らしい文字が出るだけで、
4分ちかくも映像だったのだ。
シネコンでは、常時10本くらいの映画を上映している。
入るべきスクリーンを間違えたのか……と思った。
しかも観客は私ひとり。(爆)

やがて(とても長く感じた)映像が終わり、
予告編であったことが判ってホッとしたのだが、
ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオズ製作による映画の予告編は、
私に強い印象を残した。
この映画『アナと雪の女王』が、
今年(2014年)3月14日に日本公開されると、大ヒット。
日本での興行収入は、253億円を突破し
また累計の観客動員数は1973万人を超え、
『ハリー・ポッターと賢者の石』を上回り、
公開128日間で日本歴代3位、
世界歴代5位となっている。(2014年7月23日時点)
アニメーション映画としては全世界歴代1位で、
アカデミー賞をも受賞した。
日本では「アナ雪」の略称でも呼ばれているこの大ヒット作を、
私はまだ見ていない。(オイオイ)
もともとアニメにはそれほど関心がないということもあるが、
あのギョロ目のディズニーアニメには美を感じないのだ。
昔のディズニーアニメはそれほどでもなかったが、
今のディズニーアニメはグロテスクさが感じられ、私には合わない。
だから、多くの人が見た『アナと雪の女王』を私は見ていない。
『アナと雪の女王』だけでなく、
今のディズニー映画はほとんど見ていない。
そんな私であるが、
現在上映中のディズニー映画『マレフィセント』だけは見に行った。
なぜか?
(やっとここから本題)
アニメではなく実写版ということもあるが、
最も大きな理由は、
エル・ファニングが出演していたからだ。(コラコラ)


【エル・ファニング】
1998年4月9日生まれ。
16歳。(2014年7月現在)
ジョージア州コンヤーズ出身。
ハリウッドの名子役として鳴らしたダコタ・ファニングの4歳年下の妹。
2歳11ヶ月の時に『アイ・アム・サム』(2001年公開)でデビュー。
TVドラマ『TAKEN テイクン』で、姉の幼少期役で出演。
2004年公開の『ドア・イン・ザ・フロア』で、
主演のキム・ベイシンガーに絶賛され、
それがきっかけで母国アメリカでは名を知られるようになった。
最近では姉をも凌ぐ活躍で、ドラマの出演本数は姉よりも多くなった。
ここ数年の映画出演は、
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(2008年)
『モンスターVSエイリアン』(2009年)
『SOMEWHERE』(2010年)
『SUPER8/スーパーエイト』(2011年)
『幸せへのキセキ』(2012年)
などがある。(タイトルをクリックするとレビューが読めます)


エル・ファニングは、
私が好きなハリウッド女優であるし、
幼少の頃から彼女を見ているので、
これからどう成長していくのか、
特に注目している女優でもあるのだ。
そのエル・ファニングが、この映画ではオーロラ姫を演じている。


ヘンリー王が支配する人間の王国と、
隣接する平和な妖精の国とは対立が続き、
これを統一できるのは英雄か邪悪なものであると言い伝えられる世界で、
翼を持つ妖精の少女マレフィセントは、ある日、
妖精の国に入り込んだ人間の少年・ステファンと出会う。
やがて成長した二人は恋に落ちる。
だが……

月日が流れ……
王に即位したステファンが支配する人間の国。
プリンセス、オーロラ姫(エル・ファニング)の誕生祝賀パーティー。
幸せな雰囲気があふれるその会場に、
招かれざる客のマレフィセント(アンジェリーナ・ジョリー)が出現する。




「16歳の誕生日、お前は永遠の眠りに落ちるだろう……」
マレフィセントはオーロラ姫にそう呪いをかけるのだった。


主人公は、オーロラ姫ではなく、
ディズニーアニメ『眠れる森の美女』で、
オーロラ姫に呪いをかける邪悪な妖精・マレフィセント。
このマレフィセントを主人公とするダークファンタジーなのだ。


マレフィセントを演じるアンジェリーナ・ジョリーが怖い。(笑)


ポスターや予告編で見た印象が強烈で、
アンジェリーナ・ジョリーがそれほど好きではない私は、
なんだか暗い話のようだな~と思っていた。


映画の前半部分は、
彼女の封印された過去と、
オーロラ姫を永遠の眠りにつかせる呪いをかけた理由が明かされる。
そして後半、やっと成長したオーロラ姫として、エル・ファニングが登場する。
(ちなみに、オーロラ姫の幼少期を、アンジーの娘ヴィヴィアン・ジョリー=ピットが演じている)
エル・ファニングが登場して以降の後半部が特に素晴らしかった。
詳しくは書けないが、
あの怖いマレフィセントも、怖くなくなる。(笑)


主題は、「真実の愛」。
はたして、真実の愛はあるのか……


いや~、面白かったです。
監督は、『アバター』(←クリック)などのプロダクションデザインを手掛けたロバート・ストロンバーグ。
だから、『アバター』を彷彿とさせるシーンが随所にあり、
懐かしさと共に、幻想的で、かつダークな映像世界を大いに楽しませてもらった。




エル・ファニングはもちろんのこと、
マレフィセントを演じたアンジェリーナ・ジョリーも素敵だった。
従来の『眠れる森の美女』とは異なるので賛否両論あるようだが、
これはこれとして大いに楽しむのが、
この映画の正しい見方のような気がする。
それにしても、エル・ファニングは順調に成長しているようだ。
まだ16歳なので、これからが本当に楽しみ。
次作も期待しているよ~

この記事についてブログを書く
« 多良岳~経ヶ岳縦走 ……登山道... | トップ | 海抜0メートルから登る北アル... »