読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

ジプシーを訪ねて

2019年11月19日 20時29分27秒 | ■読む
関口義人著、岩波新書刊
昔からジプシーという名に関心を抱いていましたが、その実態を知りませんでした。「流浪の民」という印象くらいでした。テレビのコマーシャル音楽で知った「ジプシー・キングス」が何とも強烈で、印象に残りました。また、新宿のエル・フラメンコとスペイン旅行で見たフラメンコがジプシー文化の一つと理解していました。
そうした漠然とした理解と好奇心から本書を手に取りました。著者は仕事の傍らジプシーに触れ、次第にのめり込んだそうです。ジプシーに関する研究は、人類学、言語学などの分野で多面的に行われているものの、統合されておらず、俯瞰的な理解は形成されていないそうで、ジプシーを取材しようにも、所在を知る手がかりが限られ、僻地に住む人々に会う為の交通手段や通訳の確保など、多くの苦労があったそうです。その取材方面はイスタンブール、バルカン半島を初め、ヨーロッパ一円と多方面に亘り、大変だったことと思います。
本書で知り得たことは、ジプシーの言語は地域によって変化しているものの、インド起源の言語であろうということ、国籍を持たず彷徨っている人々の住む地域は思いの外多方面に亘っていること、記録を持たないことなどです。
本書は、著者が「ジプシーを訪ねて」歩いた記録の他、若干の学術世界の現状が紹介されていますが、学問的に確立してないせいか、理路整然とした内容ではありません。それでも、ジプシーと呼ばれる人々の現状を理解する一助になると思います。
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URL => https://ja.wikipedia.org/wiki/関口義人
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評価は4です。

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