アリータを見ました。すごく面白かった。なんで日本人はこう云う娯楽に満ちたものを作れないのかなあ、と思いつつ、おや、原作は日本じゃないですか、と笑ってしまうが、海外の評価を見て笑ってしまった。
北米最大の映画レビューサイト、ロッテントマトでの評価
評論家スコア 60
一般観客スコア 93
全く…評論家というのは…。
いや、気持ちはわかる。アクション中心の映画と、心に訴えかける哀しみの大きい映画なら後者を「素晴らしい映画」と位置付けたい。
潜在的に抱えている心の、誰もが気づいているが気にかけないようにしている繊細な部分を詳らかにし、それを嘆いたり笑い飛ばしてみたりして心に寄り添う…そんな映画を「素晴らしい」としたい気持ちはよく分かる。
先日、「テレビドラマや映画にタバコのシーンを入れるのはやめろ!と言うのは現実と作り物の区別がつかない思想だ」と言うツイートがバンバン飛んでいた。
飛んでいたっつっても2〜3件だけど。
過去に作ってしまった映画で、タバコのシーンをわざわざ消す必要はないと、僕も思う。まあ、本気で頑張れば消すこともできるだろうとも思う。
ただ、「タバコのシーンをこれから撮る作品に入れたい」となるとちょっとうーんと思ってしまう。
作り手の「タバコは雰囲気があってイイでしょ」と視聴者の「タバコ見たくないなあ」と言う感覚の違いは、僕なんかは見たくないなあ、と見なくなってしまう気がするんだ。
アリータは、エンタメに舵を振り切った映画で、少なくとも学生さんたちに「これ、素晴らしいですよ!」とは薦められない(すげ〜面白いよ、と言う薦め方はできる)。
でも、観客を喜ばせるならこっち、とか、技術的なことで見るべきはこっち!とか思う訳です。
アクションばかりじゃないか! CGじゃないか!
なんですけど、アクションはその一流の方々が、CGにしてもその表情を作った役者が裏には居て、同じ技術でエンタメ映画を作り上げているのだと思います。
エンタメという形にするか、芸術という形にするか。どちらが有用でどちらが人々を喜ばすことができるか。
どちらのチケットを多く買い、どちらのグッズを買い求め世の中を回してゆくのか。
最終的に、どちらが人に喜ばれたのか。その辺、もうちょっと日本の作り手さんたちにも考えてほしいな。