前回の時にも書かせて頂いた「ばら寿司」だが、飢饉のときに備えて庶民は
一汁一菜の奨励を徳川幕府から受けていた。それを何とか掻い潜ってご馳走を食べようと、ご飯に色んなおかずを混ぜ込んで、ばら寿司が誕生したようだ。こんなに派手派手ではないにしても、記述にあるものを入れると自然と華やかになる。
ワシは錦糸卵が大好きで、普通の弁当の時でもご飯とご飯の間には「醤油で味付けした鰹節」を挟んで、上部には錦糸卵を散らして、自家製紅生姜を最上段に並べてあった。この
紅生姜の下の錦糸卵は紅色に染まり、奇麗な色合いをしていて、これを食べるのが楽しみだった。
ともすればおかず全残しでご飯の方を食べ尽くしたこともあって、それが学級会の議題にもあがって、
ご飯とオカズは均等に食べるようにとクラスの決めごとに決定した。今から考えると、どちらから食べようと勝手だろ?とか、なんと平和な議題だろう。
同級生たちは、チョイ離れたところから見るので、この
鰹削り節・
錦糸卵・
紅生姜の三点セットだけで「ばら寿司や! いいなぁ~」みたいなことを口々に言ってたようだ。錦糸卵と鰹節さえあれば、おかずは無くとも平気で最後まで食べ切れるので、ご飯とおかずの配分に気を遣わなくても良いし安心感があった。
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