独断偏見妄言録 China's Threat

中国は人類の命運を左右する21世紀最大の不安定要因

御用学者・伊藤元重の哀れな末路(その2)

2017年07月18日 05時53分04秒 | 日本
財務省御用達の御用学者・伊藤元重はグローバリストである。1月の産経新聞に「グローバル化が諸悪の根源か」と題するコラムを書いてグローバリズムを擁護した。その論理があまりにもお粗末なので、拙ブログでそれを批判した。
http://blog.goo.ne.jp/stopchina/e/cac5d43fb36a9a6801d4dd4a4289e964
昨日再び産経新聞に「EUとの経済連携協定の恩恵 韓国自動車メーカーへの不利も解消」と題する、どこかで聞いたような陳腐な論理を寄せ集めただけのお粗末なグローバリズム擁護論を書いた。伊藤元重が凡庸な学者に過ぎないことをそこから読み取ることができる。この程度の人物がマクロ経済政策に影響を与え、国家の経済運営の方向を狂わせ、多数の国民を苦しめているのである。国力を削ぎ落とし、日本国が中国に飲み込まれるのを早め、ひいては大和民族を消滅に導こうとしているのである。許しがたい。


>日本車が欧州市場で競争している相手は欧州メーカーだけではない。むしろ韓国メーカーとの競争の方が激しい面があるとも言える。韓国はすでにEUとの自由貿易協定で関税撤廃の権利を確保しているので、競争上有利な位置にあった。(中略)日本企業の不利な条件が解消されるのは喜ぶべきことだ。

輸出競争力は価格だけで決まるわけではない。特に自動車はブランド、安全性、燃費、デザイン、耐久性、運動性能などが重視され、多少の価格差はどちらかといえば無視される。関税が撤廃されたからといって日本車が急に有利になるわけではない。
2016年度のドイツにおけるブランド別新車販売台数を見ると、
https://www.marklines.com/ja/statistics/flash_sales/salesfig_germany_2016
日本車が苦戦しているのがわかるが、別に韓国車との競争が激しいわけではない。現代のシェアは3.2%に過ぎず、トヨタはわずか2.1%である。ドイツでは VW、Mercedes、Audi、BMWなどのドイツ車が圧倒的に強いのである。だから、韓国車ではなく、ドイツ車との競争が問題の核心なのだ。

更に問題なのは、ドイツでは2030年までに内燃エンジンを搭載したクルマの販売禁止が検討されていることである。電気自動車EVへの全面移行が目前に迫っているのである。それは自動車業界の勢力図を大きく塗り替えるはずだ。
電気自動車の性能はバッテリーにより大きく左右される。現在主流のリチュウム・イオン電池は安全性や急速充電性能に問題を抱えているだけでなく、普及が進めば、希少元素であるリチュウムの価格高騰を招くのは必至である。各種の新型電池の開発に各国がしのぎを削っているのであり、2030年に日本がEVで主導権を握れるという保証はどこにもない。
伊藤元重の説明がいかにデタラメであるかがよくわかる。

>欧州からの豚肉やチーズの関税が引き下げられることで、国内の生産者への影響に注目が集まるが、実は米国や豪州などの生産者も日本とEUの経済連携協定の動向に敏感になっているのだ。(中略)欧州のワインやチーズの日本への輸出が増えれば、豪州やニュージーランドの生産者は影響を受けるだろう。
日本の消費者にとっては、海外勢同士の競争が激しくなれば、それだけその恩恵を受けることになる。


日本の農業への影響について論じるのかと思えば、そうではなく、米国や豪州などの生産者への影響に話をすり替えている。論点をずらして、わけがわからない議論に持ち込んで、反対論を押さえ込もうという意図が鮮明である。御用学者の面目躍如といったところだ。

政府の思惑としては、自動車で稼いで、利益の一部を農家の補助に回せばいいということだろう。しかし、思惑通りに自動車で稼げるのかどうか、上述のように先行きははなはだ不透明である。補助金漬けの農業に将来性はなく、後継者が育たず、農業が壊滅するかもしれない。

そのような危機感を持ちつつ、データに基づいて、真摯な議論を展開するのが学者としての務めであろう。しかし、財務省に魂を売ってしまった伊藤元重という御用学者にそのような真面目な議論をする気力も能力もないのは明らかだ。

以下に産経新聞に掲載された伊藤元重の駄文を全文転載する。ひまを持て余している方以外は読まないほうがいい。

EUとの経済連携協定の恩恵 韓国自動車メーカーへの不利も解消 学習院大教授・伊藤元重
2017.7.17
http://www.sankei.com/column/news/170717/clm1707170006-n2.html
 EU(欧州連合)との経済連携協定が大枠合意に到達した。日本にとって大きな成果であると思う。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)が米国の離脱で漂流する中で、米国に匹敵する経済規模であるEUとの経済連携協定が実現すれば日本にとって大きな利益が期待できる。EUの自動車などへの関税は米国よりも高くなっているので、関税引き下げだけで見れば米国との経済連携よりもメリットが大きいという見方もできる。

 貿易自由化というと、どうしても輸入国側の企業との競争を中心に考えがちだが、日本車が欧州市場で競争している相手は欧州メーカーだけではない。むしろ韓国メーカーとの競争の方が激しい面があるとも言える。韓国はすでにEUとの自由貿易協定で関税撤廃の権利を確保しているので、競争上有利な位置にあった。日本からの自動車の関税がゼロになるのには少し時間がかかるが、日本企業の不利な条件が解消されるのは喜ぶべきことだ。自動車は、世界規模で競争している。日本メーカーは欧州市場では劣勢だ。米国市場への過度な依存の一本足打法のような状況だ。グローバルな競争力を確保するためにも、欧州市場での売り上げを拡大していくことが必要なのだ。
 さて、貿易自由化は内と外の供給者の間の競争が激しくなるということと同時に、外と外の供給者の間の競争を刺激するという面があるのは日本の農産物輸入にも当てはまる。欧州からの豚肉やチーズの関税が引き下げられることで、国内の生産者への影響に注目が集まるが、実は米国や豪州などの生産者も日本とEUの経済連携協定の動向に敏感になっているのだ。米国の豚肉製品は日本の輸入市場で大きなシェアを持っているが、品質の優れた欧州の商品の輸入が増えれば、売り上げを落とすかもしれない。欧州のワインやチーズの日本への輸出が増えれば、豪州やニュージーランドの生産者は影響を受けるだろう。

 日本の消費者にとっては、海外勢同士の競争が激しくなれば、それだけその恩恵を受けることになる。外と外の競争の影響はそれだけにとどまらない。欧州の生産者に比べて不利になる米国やニュージーランドの生産者は、日本との経済連携協定を進めるような圧力を自国政府にかけることだろう。
 当面は、米国を除いたTPP11の締結を急ぐということになるだろうが、その先には米国のTPPへの復帰、あるいは日米2国間の経済連携協定への動きとなるかもしれない。農業者の圧力だけでTPPなどが動くというものではないが、日本とEUの経済連携協定の動きが、その先の経済交渉の方向性に影響を及ぼす存在となっている。通商交渉を自転車に例えることがある。自転車は漕(こ)ぎ続けなければ倒れてしまう。自由貿易の体制にも似たようなところがあり、通商交渉が停滞すると、その隙をついて保護主義的な動きが広がることになりかねない。EUの経済連携に続いてTPPの締結についても日本が主導的な役割を演じていくことを期待したい。(いとう もとしげ)

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