ゴールデンウイークの最後の日、末っ子の挑戦があった。
小中学生対象の“子ども将棋大会” 優勝すれば東京で行われる全国大会に出場することができる。
親は天にも昇る思いでいろいろ夢見ていたが、身の丈をわきまえている末っ子には末っ子なりの夢があったようだ。
年に一度か二度、こういう大会に挑戦している。これまでだと、大体予選リーグは突破することができる。
30人ほどに絞られて決勝リーグが組まれ、メンバーにもよるが2回戦、3回戦で敗れることが多かった。
道内のこの年頃の将棋指しの中では、10人か20人の中に入るくらいなのだろうと、親も感じていた。
それが今回は初戦で敗れてしまった。あまり悔しいと表現することのない子なのだが、どうやら悔しい思いを耐えて来たようだ。
決勝リーグに敗れると、自由対局をして結果が出るまでの間を過ごす。
その間を利用してプロ棋士の指導対局などが行われることが多い。
彼は何度も申し込んで、なんとか中座真七段の指導を受けることが出来たようだ。
「まあまあだね。終盤が少し弱いね」と言われたようだ。
夕方、家に帰ってきてぼそぼそと経過を話し、
「シャワー浴びる」と一言、見たら布団をかぶって寝ていた。
私は単に疲れたのかと思ったら、旦那が 「相当悔しかったんだな」 と言った。
気が付けば、末っ子も大人の階段をまた一つ上り、私を追いぬかしているのかもしれない。