6月12日(日)、久々に源流部でのイワナ釣り。
標高1000mを超える山々の残雪もほとんど消え去り、新緑の美しい季節となっていた。
雪代も治まり、羽虫が飛び交う、正にイワナ釣りのベストシーズンといったところだろう。
山の中は、ハルゼミの鳴き声もすさまじいものがあった。 いったい何千匹? いや何万匹?いたのだろうか?
川の流れの音と同様に、人の会話をかき消すほどの勢いがあり、少し声を張り上げないと、コミュニケーションが取り難い・・・
そんな自然豊かな中で釣りが出来る事に、ひと時の喜びを感じた。
さて、今回の釣行は、山形のMJさんからのお誘いで実現した。
当ブログの方へは、幾度か書込みを頂いてはいたが、今回が初対面。
■待ち合わせ
待ち合わせの駐車場付近には、約束(?)の30分前のAM3時ごろには到着。
辺りは真っ暗。 しかも初めての場所。 駐車場がどこなのかがわからず、道路上で立ち往生。
間もなく、1台の車が後から近付いてきた。
その車は、私の車を追い越さずに、すぐ右側の空き地らしところへ入って行った。
車の特徴からすると、どうやらMJさんのご様子。
私も右側の空き地へ入って行き、車のナンバーを確認してMJさんであると確信。
車のヘッドライトの灯りを頼りに、初顔合わせとなるMJさんにご挨拶。
既にお孫さんも数名おられるとのことで、人生の大先輩であることは言うまでも無い。
この後、MJさんのご友人が来られる様なので、着替えを済ませてから、しばらく待つことに。
・・・・・
・・・
3時半ごろには、東の空が次第に明るくなりはじめていた。
▲なんちゃってブルーモメント? ・・・ 安物デジカメの夜景モードで撮影
実際は、もっと薄暗かったが、どんな風に写るのか試したみただけ~・・・
それにしても、ご友人の方が来ないな~ どうしたんだろう???
そのうち、MJさんが車から降りてきた。
どうやら、ご友人の方は、お寝坊したみた
AM4時をまわってからどのぐらい経ったかは定かではないが、1台のランクルが登場。
ようやく、MJさんのご友人のOさんが到着。
軽く挨拶を済ませ、サクサクっとOさんのランクルに荷物を乗せかえて、目的の源流部を目指した。
やや荒れた林道だが、ランクルには全く問題にならない。
ぐんぐん高度を増していく。
西の方角には、まだまだ残雪が多く残る某山系を望む事が出来た。
朝日に照らされた眺めは一際美しい物があった。(残念ながら画像は無し)
林道を30分以上走行し、車止め(標高1120m地点)に到着したのがAM5時ごろ?
ジダケ(根曲がり竹)採り目的の車が、既に数台あった。 ジダケの人気スポットの様で帰る頃にはお祭り騒ぎ?状態に!
天候は、少し曇りがちだが、風も無くまずまずの天気。
気温が若干低めのため、長袖シャツ姿の私には、突っ立ったままだと震えが止まらない
■入渓
車止めから山道を歩いて1kmぐらい移動し、AM5時半に入渓地点(車止めと同じ標高1120mぐらいの地点)に到着。
水温は、MJさんの計測で8℃らしい。
足元は、沢登り仕様のため、水に浸かると冷たい・・・よね(でも、動けば問題なしね)
■釣り開始
MJさんとOさんは、ルアーで、私はテンカラでイワナと勝負(?)
私は、しばらく竿を出さずに、2人の釣りを眺めながら自然観察をすることにした。
▲さっそく、Oさんが釣り開始・・・入渓地点は場荒れしているためか反応無し
▲先行する2人の年配ルアーマン・・・左がOさんで、右がMJさん(撮影:AM6時9分)
単に場荒れしているというよりも、水温が低すぎるのか? なかなか釣れない
▲空も曇りがち・・・
▲ちょっと気が重たい???・・・(撮影:AM6時14分)
まれに、ちっちゃいのが追いかけてきたり、ルアーにアタックはするがフッキングしないとか、そんなパターンが多い模様。
遅ればせながら、私も、この辺りから竿を出し始めたが、イワナの気配を全く感じない
遡行開始から1時間半、ちょっとした雪渓も確認出来る様になってきた。
ということは・・・チャンス??? (山菜の事~)
▲ウド採り命!?・・・気が狂ったかのように斜面をよじ登るOさん(撮影:AM7時7分)
▲ウドには全く興味を示さないMJさんは、釣りに専念!(撮影:AM7時7分)
▲間もなく、待望のHit~~~・・・辺りが暗く距離があったためかピンボケ~(撮影:AM7時15分)
チビイワナ(?)の様だけど、とりあえず、おめでとう ということで・・・
じ・実は、この先は左にカーブしているのだが、その先には、難所が待ち構えていたのである
■最大の難所・・・おら~帰りて~だよ~~~
▲落差なんぼ??? ・・・ 10m以上はありそうな感じ・・・(撮影:AM7時42分)
写真の撮り方が下手糞なので、大したこと無い様に見えるが、ちょっと、いや結構ヤ・バ・イ
左岸は、絶対に巻けない! ということで、右岸を巻くらしい・・・
高所恐怖症の私にとっては、最大のピンチ!!
お、俺は・・・ここで待ってる・・・とも言いきれず、腹をくくって登る事にした
▲最初に高巻いたのがOさん・・・Oさんの位置まで15m以上は有りそうな・・・
足元は不安定で、幅は有っても10cm未満? 草木を頼りに横方向に移動している様子。
続いて、MJさんもなんなく登りきった
最後は、私の番。 とにかく下を見ない様に、足場をしっかり確保して、不安定な草木や岩をつかまない様にして、なんとか上の写真の滝のすぐ脇まで、登った。
しかし、その奥になかなか進めない。
2人ともどうやって行ったのか?
MJさんとOさんからは、大声でアドバイスをもらうが、滝の音で声がよく聞えない。
身振り手振りも交えながらの説明で、やっと理解。
どうやら岩の間からチョコンと弓なりに飛び出している直径1cm程度の根っこをつかむ&片足を岩に乗せる・・・
とまあ、そんな感じで、なんとか難関を突破
もう、怖くて写真撮影どころではなかったので、この間の画像は無し
えっ? 帰りはどうなったのかって? ・・・ そんなの知らん
■滝の上は楽園(?)
滝下では、イワナが走るシーンが皆無だったが、滝上に出てからはイワナが走るシーンが頻繁に見られるようになった。
ルアーに反応して追いかけてくるイワナも多くなった模様。
日が高くなって気温も上がり、水温も幾分したのも影響したのだろうが、それ以上に入渓者が少ない事の方が影響している様に思えた。
この辺まで来ると、まだこんなの(↓)が有った。
▲コシアブラ・・・あえて説明するまでも無いが(撮影:AM8時7分)
■気を取り直して釣り再開
▲MJさん・・・イワナが掛かった模様
▲MJさんは、この日2匹目(?)・・・小さく見えるけどちゃんとしたキープサイズ(撮影:AM8時20分)
ということで、この時点でOさんと私は、『ボ』
し、しか~し! ほ、本気を出せば~~~~~
▲ハイ、この通り・・・MJさんが釣ってからわずか2分後
お腹が柿色のメスのイワナ・・・体長7寸ってところだろうか もちろんリリースね
とりあえず、最低ノルマを達成したところで、このあとの釣りは、いい加減に。
▲このあたりだったかな? Oさんも『ボ』を脱出
▲この先の右奥が、ちょっとした滝となっており、そこからは遡行不可。(魚止めでもあるらしい)
▲上の画像のナメ岩のしたの部分の様子・・・流木が多くてポイントが~
全般的に流木が多くて、絶好のポイントがことごとく潰されていた。
(まあ、イワナにとっては絶好の隠れ家なのだがね)
■行く手を阻む最後のポイント
▲最後ポイント・・・イワナ止め(このあたりで標高1400mを超えたぐらい?)
▲最後のポイントで、深みに溜まっているイワナと勝負するMJさん
巧みなロッドアクションでイワナを深みから誘い出す!
そして、良型のイワナがを引っ張り出した!!
▲良型(8寸ぐらい)のイワナを片手に、ご満悦の様子・・・(撮影:AM8時59分)
私は、釣りを止めてプチ山菜採りに専念した。
▲ちょっと伸びすぎ加減のコシアブラ
その他、画像は無いが、極太のウルイを4本とウドの新芽の部分もお土産様にと少しだけ採取した。
■再び最大の難所を・・・
▲滝の上からの眺め・・・スリルが伝わり難い画像かもしれないが・・・
▲アクロバットショー(?)を展開するOさん
ま・マジで~~~? う・嘘でしょ~~~?
お・俺はこんなアクロバット的なことは出来ね~ぞ
俺は、無事に帰れるのだろうか?
地震が来たらどうなるの?
救難ヘリ要請ににでもなったら大事だな~~~
いろんな事が、脳裏をよぎった。
しかし、家には女房も子供も待っているから、このままとどまる(または死ぬ)わけには行かない。(家族から見放されている可能性も否定できないが)
腹をくくって下降を開始。
岩に足を引っ掛け、1本の根っこを手でつかんで、よじ登って・・・まずは、上の写真の部分を無事通過
▲怖いと思いつつも、下降途中で滝下方向を撮影・・・こうやって写真で見ると眺めは良いのだが
次に横方向へ5mぐらい移動してから、最後の足場が安定しないガレ場を下降。
先に降りてたMJさんらに、下からアドバイスを頂きながら、なんとか無事に滝を降りきることができた。
俺は助かった
そんな私とは裏腹、余裕のお2人は、何事も無かったかのように腰に沢山の山菜をぶら下げていたのである
▲手前がOさん(左の袋がウド、右の袋がウルイ)、奥がMJさん(極太のウルイがネットの中に)
■ちょっとだけ自然観察
▲全て名前がわからね~~~
▲ブナの森・・・いいっすね~~~
■おしまい・・・
最後は、再び山道を通って車止めへ
▲仲良しの2人組・・・(撮影:AM11時11分)
MJさん、Oさん、本当にありがとうございました!!
滝は怖かったですが、最上流部に行けて感謝・感激です!!!