ひとり紫苑・プチプラ快適な日々を工夫

書籍「年金五万円が教えてくれたお金の向き合い方」「あるもので工夫する楽しい節約生活」は9万部。工夫の毎日は続く。

吉永小百合と大原麗子のきもの対決

2013-09-16 10:35:06 | ドラマのなかの着物

 

映画や芝居などの

着物やヘアがステキなのは、

そこにストーリーを

感じるからだと思います。 

そんなことを実感させてくれたのは、

「コスメときもの」ののんさまのブログ

髪型は立場の表れ。「夫婦善哉」蝶子の髪型変遷」。

蝶子の微妙に変わっていく立場を

髪型で説明してくださいました。

 

で、こちらは立場や性格をきもので

表している例として、

先の「おはん」で紹介。

 おはん(吉永小百合)とおかよ(大原麗子)、

二人のきものがとても対照的です。

 

 

 

さて、この物語は、

おはんと所帯を持っていた男(石坂浩二)が、

おかよという芸者といい仲になり、

一緒に住んでいるのですが、

そこに元女房のおはんと逢い、

密かに会い続けるというお話。

 つまり元女房が、

愛人みたいな立場になると

いう込み入ったお話。

 二人のあいだを行き来する男の

心のアヤなるものが骨子

ではあるのですが、ここではパス

二人の女のきものが対照的で面白いのです。

 アンティーク派VS紬派、

といったところでしょうか。

 芸子おかよは、最初派手な襦袢で登場、

ほとんど、紫、青といった

明るい色のきものを着ています。

 

P1060498

DVDはなく、ビデオなので映像が悪い

P1060507

 

それに対し、

おはんのほうは一見地味な紬。

P1060504

でもよく見てみると、

半襟の黄色、帯締めの赤、帯の赤、

紺、白、そしてちらりと見える襦袢に、

とても鮮やかな色を使っています。

 幸吉とよりを戻すシーンでの

襦袢姿は見事に鮮やか。

 つまり一見大人しく見える女の

秘めた情熱、をきもので表現

 おかよと一緒にいながら、

幸吉は元妻のおはんとも家を

借りたりするのですが(コイツ)、

そのシーンでは明るいオレンジに緑の帯


P1060514

歓びをきもので表しています

初見のときには、

おかよの派手なアンティークに

心魅かれましたが、

今回見直してみると、

心情をうまく表したおはんのきもの、

すごいなと見直しました。

 おはんの秘めた色っぽさが

ビンビン伝わってきます。

 うーん、上級テクだな(笑)

 

 子供を亡くしたおはんが

幸吉のもとを去るラストシーン、

電車を待っているおはんがなぜかひっそりと、

笑いともいえない笑みを見せます。

P1060529

このシーンの吉永さんの美しさ、

不可思議な女心。

 「細雪」とは別の、妖艶な美しさです。

監督は「細雪」と同じ市川昆。

この方は大原麗子さんの

「ちょっと愛して長~く愛して」の

CMフィルムも撮っています。

この名コピーは

樋口可南子さんの夫君である

糸井重里氏です。

名だたる人たちの力が結集した名フィルムです。

P1060488ninnghi

 

吉永さま、

この映画で日本アカデミー賞を受賞、

作品も日本アカデミー賞など数々の賞を

授かっていますが、

残念ながらDVDにはなっていなんですね。

 DVDにして、

ぜひ後世まで残して欲しい作品です。

きものは繊細な女心の表れでございます。

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
紫苑さんの解説、おもしろいですね。 (うまっち)
2013-09-16 13:11:02
紫苑さんの解説、おもしろいですね。

思わず、みて見たくなりました。

夫婦善哉、昨夜、最終回の再放送をやっていて、途中からですが風の音を聞きながら見てしまいました。

今日の吉永小百合さんと大原麗子さんもそうですが

ヘアスタイルや、着るものでこんなに変わるんですね。


昨日、84歳のお客様の依頼で「お吉」のイメージでと着付けを頼まれて
四苦八苦、芸者の苦連れた感じを出して欲しいという希望でした。

難しかったけど、初めての経験で楽しかったです。


ショートカットのお客様で
最初着物を着せて、
それに合わせてヘアピースを付けただけなんですが・・・

ぐっと「お吉」に近づきましたわ。(^_-)



面白いです! (のん)
2013-09-16 23:00:44
面白いです!

着物による人物像と気質の表し方、って絶対ありますよね。
対照的な2人が出ているからよりおもしろく見せられた映画なのかなと思いました。

暗い着物だけじゃなく、「幸吉がおはんと家を借りるとき」は
明るい着物を着せることで、おはんの人物像に深味が出たのかなと。

余韻の残る、素敵なラストシーンも素敵。
「こんな羽目になって、わたしって馬鹿ね」の自嘲なのか、
「これからどうしましょうかしら」の解き放たれた自由の笑みなのか…。
ミステリアス。
この映画(?)知らなかったけど (chuchu)
2013-09-17 19:18:57
この映画(?)知らなかったけど
紫苑さんのブログを読んで
見たくなりました!
メラメラした嫉妬より、
何倍も効果的な嫉妬の表現[E:delicious]
私も学びたいです…(・・;)
うまっちさま (紫苑)
2013-09-17 22:32:35
うまっちさま
「お吉」の着付け、面白いですね。そういう依頼もあるんですね。なんでも知っていないとダメなんですね。奥深いお仕事ですね。
のんさま (紫苑)
2013-09-17 22:34:40
のんさま
ラスト、かすかな笑み。私は、男と別れたけど、ずっと一緒にいるよりずっと濃い時間を持てたという歓びだと思ったんですけど(笑)。
この解釈の仕方で性格判断できるかも?それもまた楽しい[E:note]
chuchuさん (紫苑)
2013-09-17 22:36:50
chuchuさん
「効果的な嫉妬の仕方」なんて、すごい。こういう発想なかったなあ。嫉妬の仕方にも女の怖さ、奥深さ、現れますね。怖い、怖い(笑)

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