LOHASな日々@湘南

日々の暮らしの中にあるLOHASのヒントやちょっと素敵なことを徒然なるままに綴っていきます

春の音、海のふた

2011-04-08 20:47:42 | Nature
 

それでもありがたいことに春はやってくる。
今年の春は、特に心にしみるなあ。

我が家を囲む緑の山の中にぽつりぽつりと浮かんでいる素朴な山桜たち。人の都合で植えられてないところがぐっとくる。目立たないけど、地味だけどいいなあ。自分が地味だから、地味なものを応援したくなるのかな

春の予感・・・そんな話しを幼稚園のクラスメートのママとしてたのはちょうど海辺で子供たちを遊ばせてるときでした。そのときあの地震が起こったんだったなあ。

あれは3月のはじめだったかしら。湘南といえども内陸部に住んでた私は鎌倉に来てはじめて海辺の暮らしをすこーしずつ実感してきてワクワクしていた頃。時々面白い輸入ものなんかが85%OFFなんて掘り出し物も出る長谷の三留商店のすぐそばで、メカブの路上売りを発見!レトロなうさちゃんの貯金箱に100円入れるという無人販売で、潮の香りの中になんともゆるやか~な時間と空気の流れが海辺の暮らしを実感させてくれて、心ウキウキ。もっちろん、うさちゃんにチャリーン

ところが、ですよ。
ああ、私ってばなんて無知だったんでしょ~。袋の中みて、
「ん?茶色???これ、キクラゲじゃん???」
はてなマークが頭の中を飛び交う。メカブって緑じゃなかったっけ~?ヒジキみたいに細くなかったっけ~?

あ~、お恥ずかしい。メカブさまがどんなお姿をしているが存じ上げておりませんでした。ゴメンナサイ
これじゃあ、シャケの切り身が海の中泳いでると思ってる現代ッ子と変わらない
きくらげのような茶色が茹でると鮮やかな緑に変わるんざんすね。そして、スーパーで売ってるメカブ、そうよね、あれあのままの形が原型じゃないよね、どう見ても切り口よね。あ~ん、私ってばバカバカ~

食育、ってやっぱり必要!食べ物の全体像を見ること痛感!メカブをキクラゲだと思わないためにも!?レベル低っ。いや~、スーパーでのパック詰め、袋詰めされた食べ物しか知らなかったら不自然にもなるわな。全体像ってそのものだけじゃなくて、どうやって育っていくか、どういう環境にいるのか、つながり全て。そしたら、何を選択していくか自然と決まっていく気がするのであります。

さあて、それからが格闘です。メカブさまの大反乱!?
包丁で細く刻もうにも、ヌルっ、スルっ。逃げる、逃げる、き、切れな~いっ
そんな話しをクラスメートのママさんに海岸でしていたのです。鎌倉の漁師の家に嫁いだ彼女、
「ああ、メカブはね、刻むんじゃなくて、叩くのよ」
って。そして、しみじみとこう言ったんです。
「前のおじいちゃんのうちからね、この季節になるとメカブを叩く音がしてくるの。
その音聞くと、ああ今年も春が来たんだなあ、って。メカブって春の音なのよ」

嫁ぐ・・・いまどきあまり聞かないそんな表現がぴったりな苦労の多い同居。演歌の世界が現実の彼女の口から出たその言葉にぐっときてしまったのです。
嫁という孤独な立場と、一人の世界にひたれる台所という場でのつかの間の安堵のひととき。そこへ聞こえてくる隣家の包丁の音・・・ああ、今年も春が来たという希望に満ちた感情がわきおこる。
なんか、・・・感動!!!

ああ、春の音なんだ、春の訪れを告げる音なんだ!その感動の最中に地面が揺れ、その日を境にいままで能天気に見ていた海を複雑な思いで眺めるようになるとは。人も景色も一期一会なんだなあ。

その二日後に急きょ愛知に向かうことになるのだけれど、愛知の図書館で内容を全然知らず、手に取ったよしもとばななの小説が『海のふた』でした。この時期に必然とも思えたこの本との出会い。登場人物たちの会話が作りこまれ過ぎてるなあと感じる部分もあったけれど、淡々と書かれたこの物語の中にこれからの色々なヒントを見させてもらったような気がしました。何がどうとはうまく説明できないのだけれど・・・。地元、小さな幸せ、日常を大事にすること、自然、海に畏敬の念を抱くこと・・・。

海、海、海!生も死も全てを包みこんでしまう海。海に、ありがとう


うん、いろんなつながりが見えなくなってきてしまった今こそ食育だね、と思ってくださった方、ポチっとお願いしま~す↓↓↓

にほんブログ村 ライフスタイルブログ ロハスへにほんブログ村