■再開・度支彙凾（14）

　13回で一休みした「度支彙凾」を再開することにした。少々「明和繁雑帳・會所舊記から」に疲れてしまい小休止､こちらも後では再開することにする。
「度支彙凾」今回からは「文化より文政まで・節險號令 十三」である。
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六一
　〇文化七年十一月十日、齊茲公御隠居、齊樹耕御家督、翌八年未ニ月九日、於御殿御右筆岩越小十郎讀立候御書付
一我等儀今度願之通隠居被仰付、兵部大輔え家督被仰出難有難事候、何れも無懈怠相勤令満足候、猶此以後不相替致
　出精幾久可相勤候
一少将様今度御願之通御隠居被仰出、我等え家督被仰付難有事候、何れも猶以加謹慎、公儀御法度・自分法度堅相
　守、諸事先規之通可相心得者也

六ニ
　今度入國ニ付家中之者共へ申聞候趣、別紙書附相渡候様組支配えも可申聞者也
　　　文化九年十月廿五日　　　　　　　　　　御書判
　國政之儀は代々之舊規有之、就中霊感院様御以来少将様御代迄、追々被仰出置候通、堅可相守候、尤時宜ニ寄家
　老共へ申付及沙汰候儀も有之節は、厚心を以可致遵行事
一志之筋は支配／＼迄封印を以書附可指出旨代々言路を開被置候、輕輩たり共彌以其旨可相心得事
一何も存候通年來物入相續勝手向甚以及難澁候間、彌以節儉を用、出方筋省減之儀役々へ申付候、将又家中之儀連
　年少手取申付置、一統可致困窮と苦悩之至候得とも、前文之次第ニ付急ニ心をも付かたく候、然處是迄之所勤向
　も怠らす文武之稽古相勤候段満足候、彌以儉約を守り勤方致出精文武之藝心懸可申事
一役儀申付置候者は其當務ニ身を委ねさしはまり相勤候様、尤右躰勤方之者ハ却て人之誹謗を受候事も有之候ニ
　付、間ニは程よく致置候儀も有之哉ニ相聞、第一國政之為ニ相ならす候、他之唱ニかヽわらす實事を糺候上及沙　
　汰候條、夫等之儀泥ます彌以差はまり可相勤候、左候ヘハ忠勤のミならす其祖先之家名をも顕シ孝道ニも叶か申
　事
　右之通組支配えも可申聞者也
　　　文化九年十月廿五日
一九月　當年御手當二タ御備調練御覧之事
一十月十五日　御番頭被召連植木迄御遠乗り之事
一十一月三日、七日、十三日、御祝御能有之候事
一十一月四日、六日、御番方二組宛御鷹野ニ被召連候事

　六三
　　〇文化八年未ニ月御達
　御勝手向之儀、近十年種々御物入内續御難澁付ては、少将様追々御世話被遊近年稠敷御儉約も被仰出置、未タ其
　年限中之儀付て格別申立ニ不及事候得とも、萬端猶御省略之思召ニ付何レも其旨を相守、猶以追々被仰出置候通
　相心得候様可申聞旨被仰付越候様、奉得其意組支配えも可被申聞置候、以上
　　　二月九日
　少将様御用不依何事聊麁略無之様相心得、御奉養筋厳入念可相勤旨、濱町詰之面々え従太守様御直ニ被仰渡、此
　段一統えも可申聞旨被仰出候、何レも其心得勿論之儀二は候得共彌以麁略之儀無之様、組支配奉えも可被申聞旨
　候、以上
　　　二月九日

　六四
　旅詰衣服其外拵物等質素ニ致候様今度被仰出之趣、於江戸及達候寫別紙之通候、右之趣於御國も一統承知仕候ハ
　ヽ、旅詰之者は兼て覺悟ニも可相成、地居之輩は旅詰へ右之通候得は、諸事いか程質素ニいたし候ても勝手向
　立行候儀肝要之事ニ候、文化二年も委細及達置候處、此節猶又改被仰出候御旨趣は、後途之難澁を被御思召被為
　附御心候御儀候條、銘々暮方地居旅詰共ニ心得不申候ては今般被仰出候御旨趣立兼候ニ相當り、難相濟事ニ付重
　疊心を用候様、組支配方へも可被相達置候、以上
　　　六月廿五日
　旅詰衣服之儀、格別御外聞ニ係り候儀は遠慮可有之候得共、品柄下品を用又は古候之儀は御時節柄相當之儀ニ
　付、成丈ヶ仕継等無之、武器之類も身分相當之用差支候は各別、新規之物數寄等不致、其餘之道具等は猶更心を
　用候様との儀は、文化二年及達置候通ニて、武器相當之嗜ハ左も可有之、其外之儀は彌以及達置候通相守、初旅
　之面々は別て拵物等心を用候様、時々頭々よりも心を付候様、且又右之通付ては内役之者は猶更之儀、外向勤之
　面々迚も於御内輪之儀は諸事いか程質素ニ致候ても不被遊御構候間、此等之趣改及達置可申旨被仰出候、畢竟後
　道之御難澁を被思召上右之通被為附御心候御儀、誠以難有候儀共ニ候、銘々暮方之儀は御渡方之分限兼て覺悟可有
　之儀は勿論之事候へ共、萬一不勘辨之筋有之御難題ヶ間敷儀有之候ては不相濟事候條、精々御旨趣相立候様組支
　配方えも可被相達候、以上
　　　五月日