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三木 健「戦場のベビー」:ニライ社

2005年10月15日 | 「Weekly 読書感想」
 琉球新報社副社長の著者が職場の同僚である比嘉辰博新報社長と89歳になる御母堂の沖縄戦「聞き語り」記。例の如く銀座の「夕雨子」ママから頂き、酩酊気分終電近い帰路車中で何気なしページをめくったが読了思わず嘆息。
童話風体裁50ページ絵本ながら戦場の臨場感が伝わり、語り部、聞き手、共に人を得、これまでのどの沖縄戦記よりも成功した出版企画と言いたいほど。イラストがまた良い。
「ベビー!」とは米兵に捕まったご母堂がガマ(壕)に残した五才の辰博社長を救うべき思わず叫んだ声。

 私の戦争体験は大連市街で旋回する敵機に母と生垣に身を寄せた微かな記憶しかないが地上戦沖縄を経験した比嘉社長の記憶は同じ年ながら比較にならぬほどに生々しく、凄まじい。因みに私はお二人と同じ辰年、ごく短期ながら新報社で同じ釜の飯を喰った仲。

 かって、出版すべく拙稿校正頂きながらと途中断念、島袋社長にご迷惑をお掛けしたので出版の「ニライ社」を見る度に疼痛を覚えます。
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