私は何ともないが、夫と娘は花粉症である。
「ただいま~」
「おかえり。うっ、わっくし!」
夫は私の顔を見るなり、大きなくしゃみを轟かせた。しかも、なかなかおさまらない。
「わっくし、わっくし!!」
はくしょん、などという可愛い音ではない。1階から2階に届く大音量だ。夫は、「中途半端にくしゃみを止めると耳が痛くなる」と主張し、鼻と口から思い切り外へ出すようにしているらしい。本人はよくても、一緒の部屋にいる者の鼓膜が破れそうな衝撃である。
「お母さん、おかえり。ズズズ、ズビー」
娘は、鼻水をすすりながらのお出迎えだ。
「お母さん、花粉落としてないだろ。急にくしゃみが……。わっくし!」
「ズビー」
どうやら、私の髪や服についた花粉で、二人とも苦しんでいるらしい。もっと気をつかわないといけないものか。
夫と娘はよく似ている。顔にアレルギー体質、血液型も同じだ。よく衝突しているのも、似たもの同士のなせる業であろう。
「お父さんが、黄砂とかPM2.5が飛んでくるって言ってたから、お母さんは外に出ないようにして」
「なんで?」
「部屋に持ち込むでしょ」
「……」
「喘息がぶり返したら大変だよ、ズビー」
ひと言も言い返せなかった。
そんなわけでここ何日かは、仕事のある日は出かけるが、仕事のない日はチャチャッと買い物をすませ、家の中で息をひそめている。退屈だが、花粉症でない私は、目を赤くし鼻水を垂らす家族の恨みを買わぬよう、控えめに過ごさねばならないのだ。
それにしても、今日の天気はすさまじかった。
昼食をすませ、家族3人でくつろいでいたら、空が急に暗くなってきた。
「お母さん、外がセピア色になってる!」
窓に近づくと、尋常ではない風景が広がっているではないか。
「黄砂~!?」
風が強まり、ピューピューと吹き荒れている。こんな色の嵐は初めてだ。
私が窓に接近しただけで、娘が慌てていた。
「ズビー、絶対に開けないでよ!!」
「…………」
何で、私が窓を開けると決めつけるのか? 花粉症の症状に、被害妄想はなかったはずだが。
あとから、「黄砂ではなく煙霧」と報道されていたものの、花粉も相当混ざっていたと察する。
「わっくし、わっくし!」
「ズズズ、ズビー」
今日も、二人は花粉と戦っている。
そして、症状の出ない私を、横目でにらんでいる。
早く平和にならないかな。
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
「ただいま~」
「おかえり。うっ、わっくし!」
夫は私の顔を見るなり、大きなくしゃみを轟かせた。しかも、なかなかおさまらない。
「わっくし、わっくし!!」
はくしょん、などという可愛い音ではない。1階から2階に届く大音量だ。夫は、「中途半端にくしゃみを止めると耳が痛くなる」と主張し、鼻と口から思い切り外へ出すようにしているらしい。本人はよくても、一緒の部屋にいる者の鼓膜が破れそうな衝撃である。
「お母さん、おかえり。ズズズ、ズビー」
娘は、鼻水をすすりながらのお出迎えだ。
「お母さん、花粉落としてないだろ。急にくしゃみが……。わっくし!」
「ズビー」
どうやら、私の髪や服についた花粉で、二人とも苦しんでいるらしい。もっと気をつかわないといけないものか。
夫と娘はよく似ている。顔にアレルギー体質、血液型も同じだ。よく衝突しているのも、似たもの同士のなせる業であろう。
「お父さんが、黄砂とかPM2.5が飛んでくるって言ってたから、お母さんは外に出ないようにして」
「なんで?」
「部屋に持ち込むでしょ」
「……」
「喘息がぶり返したら大変だよ、ズビー」
ひと言も言い返せなかった。
そんなわけでここ何日かは、仕事のある日は出かけるが、仕事のない日はチャチャッと買い物をすませ、家の中で息をひそめている。退屈だが、花粉症でない私は、目を赤くし鼻水を垂らす家族の恨みを買わぬよう、控えめに過ごさねばならないのだ。
それにしても、今日の天気はすさまじかった。
昼食をすませ、家族3人でくつろいでいたら、空が急に暗くなってきた。
「お母さん、外がセピア色になってる!」
窓に近づくと、尋常ではない風景が広がっているではないか。
「黄砂~!?」
風が強まり、ピューピューと吹き荒れている。こんな色の嵐は初めてだ。
私が窓に接近しただけで、娘が慌てていた。
「ズビー、絶対に開けないでよ!!」
「…………」
何で、私が窓を開けると決めつけるのか? 花粉症の症状に、被害妄想はなかったはずだが。
あとから、「黄砂ではなく煙霧」と報道されていたものの、花粉も相当混ざっていたと察する。
「わっくし、わっくし!」
「ズズズ、ズビー」
今日も、二人は花粉と戦っている。
そして、症状の出ない私を、横目でにらんでいる。
早く平和にならないかな。
↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
外にいたのですが、みんなが黄砂だ、PM2.5だと騒いでいました。
私は花粉症ではありませんでした。
でも、これは持病のために飲んでいる薬で抑えられていただけのようで、その薬が減ってきたら、少し症状が出てきました。
家族はひどい花粉症ですが、家の中は空気清浄機をいれたことでずいぶん楽になったようです。
砂希さんだけ花粉症じゃないって、肩身狭くない?
空気清浄器はよさそうです。
加湿器だけじゃ効きません。
花粉症でない私は少数派ですから、多数派には負けますね。
「こんなに辛いのに何だっ」みたいな感じ(笑)
でも、血液検査をすると、花粉には偽陽性と出ます。
いつ発症してもおかしくないんですって。
もっとも、それから20年経っても変化なしですが…。
このまま逃げ切りたい(笑)
どうやら栃木や群馬からの畑の土ぼこりだったそうです。
北風が強かったんですね。
一時期突風も吹いたりして変な状態だったし…。
花粉症は、風邪と同じく元から治す特効薬がないから、未来も暫くの間は課題となりそうだね。
くしゃみをする時、旦那さんは「はっくしょん! ちくしょー! うぅー! ああ!」等と、長々と言わなかったのかな…。
^^
さっきまで晴れていたのに、突然外が黄色くなって、
冷たい風が吹いてきたと思ったら、
黄色いブリザードに襲われたのです。
こわかったぁ。
あんなの、人生初です。
黄色いモクモクの中には、悪い魔女がいるに違いないと思いました。
重度の花粉症患者でしたが、この3年症状が出ません。
今年も無事です。
体質改善で治るもののようですよ。
ご家族に一日も早く平和が訪れますように
山陽自動車道で何度もハンドルを取られました
そういう時に限って、西へ東へ
移動する用事が発生、帰宅が遅くなってしまいました
花粉症のかたは、見ていてお気の毒です
今度から、「ただいま~っ!」と抱きついてみたらんw( ̄o ̄)w オオー!
花粉症は年齢には関係ないようですね。
若い時、渓流釣りをしていたとき吹雪のようなスギ花粉をもろに被ったことがあります。
今のところ何の症状も出てないでじゅっ~じゅるじゅる~(*^^*)ポッ
ブログタイトルをみて「ああ!」と合点がいきました。
後姿を拝見しております(笑)
今日は正面からお邪魔しました。
私の友人は、「黄砂も煙霧の一種なのではないか。なぜ区別をするのか」とツイートしておりましたが…。
とても外に出られない感じでしたね。
北風なんか、大嫌いだ!
私の茨城に対するイメージは、竜巻とか突風なんだよね。
茶色の砂嵐がビュービュー吹き荒れた様子を想像しちゃった(笑)
口を開けたら大変だッ!
夫は、連続でくしゃみする性質を持っているみたいだよ。
わっくし、わっくし、わっくし、ですでに酸欠気味…。
余計なことを言う力が残っていましぇん。
たぶん、このコメントを読んだ花粉症の人は、「どうやったら治るんだ」と知りたがるでしょう。
体質改善の方法を、ぜひ記事に~♪
10回シリーズくらいでどうでしょう。
私はタマネギくらいです(笑)
甘いものも我慢しているので、お肌がツルツルしてきました。
煙霧に巻き込まれる体験は、一生に一度くらいかも…。
私は室内から遠巻きに見ておりました。
写真は娘の友達が、高層マンションから撮影したもののようです。
2階からじゃ、他の家の屋根しか撮れません(笑)