生命力。
とある海岸の町。
アコウの樹。(多分)
その根っこがすごい!
石垣の間に入り込み根を張る。
そしていくつもねじれたような幹。
自分自身はこれほど懸命に生きてるか?と問われても自信はない。
実際、こんな力強い生命力なんて持ってないだろう。
私など災害や戦争ものの映画に出演したとして、最初の10分以内に犠牲者になるようなエキストラ的
配役だろうと思う。だが正直、死はまだ怖い。
そして私はゆるい生き方しか出来ない、所詮その程度の存在だろうがそれでいい。
産まれて、幼少期からこの歳になり、いくつもの生誕や死別を見てきた。
自分自身もいつか儚く散るのだろうと思う。
この樹の寿命はもちろん人間よりも長く、果てしない風景と時を見ていくだろうな。
その懐に立ち、海を眺める。
これはまさに有袋類の子供になったかのよう。
包まれながらしばらく海を見ていた。