湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

☆ベルリオーズ:幻想交響曲

2018年02月23日 | フランス
○ラフリン指揮ソヴィエト国立放送交響楽団(melodiya)

豪放磊落とはまさにこの人の芸風を言うのであり、オケのボリューム、異常なテンションとちょっと引いたテンポのかもす独特のロシア臭、ぞんざいな音処理の雑然とした印象が却ってこの演奏、このオケ、乱れまくっても筋は常に通っているアンサンブルや独特のロシア奏法に、指揮者の「これでいいのだ!」解釈といったものの特長を強く印象付ける。まったくもってこの安定したテンポでここまで強気で押し進められるとまさに「重量級戦車の轟進」といった趣で、緩徐楽章においても常に押しの強いソロ楽器が少しも曲自体の弛緩した部分を印象付けない。まったくロシアだよ、といったラフリンらしさ全開の演奏。幻想で感銘を受けることはそうそうない私だがこれは面白かった。ただ、これが正規録音と考えると、断頭台の行進から警句的な怒りの日の主題をまじえたまさに阿鼻叫喚のくだりにおいて弦楽器のテンション余って揃わないアンサンブルぶりといったらなく、勢いは凄いけど◎にはできまへん。また、有名な舞踏会のワルツはいささかワルツらしい遊びのない「夢の無い」ものとなっている。ラフリンらしいけど。ゴロワノフのジークフリート牧歌とのカップリング。

※2007-01-10 11:09:38の記事です
Comments (2)
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