湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

オネゲル:ピアノ小協奏曲

2017年10月25日 | Weblog
チッコリーニ(P)クリュイタンス指揮NYP(forgottenrecords)1957/11/17live放送

六人組!というミニアチュールで、単一楽章で十分に満たない。ミヨーを思わせる世俗性から低音ブラスを使った重層的な晦渋さを混ぜていき、だが前進性を失わず、まさにオネゲルの映画音楽的なモダンさが支配的になる。ピアノがトリッキーではあるが面白みを維持し曲をきっちり進行させていく。後半の凝り方が前半とのギャップをみせ、オネゲルの立ち位置をはっきりさせる。退えい的な終わり方も個性的だ。この頃のチッコリーニはパキパキに指が回りテンポが滞ることもなく牽引していく。録音さえ良ければ!
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ドビュッシー:ポエム・リリーク「選ばれし乙女」

2017年10月25日 | Weblog
サヤーオ(SP)フォレスター(CA)クリュイタンス指揮NYP、ウェストミンスター合唱団(forgottenrecords)1957/11/17live放送

クリュイタンスは隈取りはっきり、でも透明感のある響きで聴きやすいフランス流儀というものを聴かせる。ローカルな色が相対的に薄いためこのオケとの相性もよい。フォレスターが歌っているのは驚きだが尚更フランスフランスしないニュートラルさが曲の初期的な薄っぺらさを構造的にしっかり補うのに一役買っており、技術的な不足も全体に言えることだがまったくない。惜しむらくは録音で、放送音源の発掘だからやむを得ないが、途中で右しか聴こえないのはモノラルなのだから復刻の問題だろう。これがなければ実に聞きやすい演奏、指揮者唯一の演奏として推せた。
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