湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

☆ラヴェル:ボレロ

2017年07月03日 | ラヴェル
○モートン・グールド指揮ロンドン交響楽団(varese sarabande,JVC)1978/9/18-20,CD

これちょっと変なので持ってる方はスコアと比べて聴いてみてください。いじってるみたいです。
不良爺さんのボレロといったかんじで軽いんだけどリズムがやたら明瞭でカッコイイ。足踏みの音が聞こえてきそうだ。音は横に流れない完ぺきにリズム重視、でもラテンのあのリズム感とも違う、でもノリはすこぶるいい。アメリカ的派手さには事欠かない。低音のリズム系楽器が物凄く強調されるのでクライマックスなんてスペクタクルですがオーマンディのゴージャスなブヨブヨとは違う凝縮力を感じる。物凄い個性的とは言えないけど確かに個性の有る演奏、うーん、コトバでは言い表わしづらいな。モートン・グールド自身オーケストラを知り尽くした作曲家だけあってどうやれば最低限の力で最大限の効果を生み出せるか知っている。それが逆にここではただラヴェルの手の上でゴージャスな広がりを展開させるのではなく、割合と小編成のアンサンブルのように整理して組み上げる事でまるでコープランドのバレエ曲のような「軽い響き」を持たせ、そのうえでドガジャカタテノリ解釈を持ち込んで独自の舞踏音楽(これは踊れます!)を作り上げる事に成功している。佳演。ラヴェル指揮者ではないけれど、近代名曲選の中の思わぬ拾い物、といったところ。

※2005/3/5の記事です
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