湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

☆ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲

2017年03月27日 | ラヴェル
○ペルルミュテール(P)ミュンシュ指揮ボストン交響楽団(DA:CD-R/M&A)1958live・CD

ペルルミュテールはアーティキュレーションが繊細で非常に品がある。タッチが少し弱いしミスも散見されるのが惜しいが、この曲に最もふさわしいピアニストではないかと感じるほど「ラヴェルのイメージに近い演奏様式」を持っているように聞こえる。ホーレンシュタインのぎごちない指揮ではとうていその魅力に達し得ないところを、恣意的で大げさではあるものの強い推進力をもって曲をドライヴしていくラヴェル指揮者ミュンシュのしなやかさが、ソリストと不協和を起こすのではなく寧ろ巧くバランスがとれて秀逸だ。厚ぼったく迫ってくる方にも客観的に冷たくこなす方にも寄るのでなくまとまっている。ああこれでもっとペルルミュテールの指が回れば、スタジオでそれをやってくれていれば、と惜しい思いがする。ミュンシュなりの感興はしっかり織り込まれていて面白さも格別。このふたりのラヴェルに対する感覚の相性は余りよくないとは思うが、しかしお互いの弱い部分を補うというか、ああほんとに正規がホーレンシュタインじゃなくてミュンシュだったらなあ。録音は悪くはないがよくはない。○。
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☆ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲

2017年03月27日 | ドビュッシー
○モートン・グールド指揮デトロイト交響楽団(DA:CD-R)1978live

自在に伸縮する恍惚とした音楽。非常に感傷的な音をしている。デトロイトにこんな音が出せたのかと驚嘆する。グールドの指揮の腕前は他の録音でも聴かれるようにけっこうなもので、ただまとまった曲を録音しなかったのが知名度につながらなかったゆえんだろう。作曲家としてもアメリカを代表する一人だ。それにしてもねっとりした前時代的な音楽、であるがゆえに現代の貴重な解釈者であった。
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