○ペルルミュテール(P)ミュンシュ指揮ボストン交響楽団(DA:CD-R/M&A)1958live・CD
ペルルミュテールはアーティキュレーションが繊細で非常に品がある。タッチが少し弱いしミスも散見されるのが惜しいが、この曲に最もふさわしいピアニストではないかと感じるほど「ラヴェルのイメージに近い演奏様式」を持っているように聞こえる。ホーレンシュタインのぎごちない指揮ではとうていその魅力に達し得ないところを、恣意的で大げさではあるものの強い推進力をもって曲をドライヴしていくラヴェル指揮者ミュンシュのしなやかさが、ソリストと不協和を起こすのではなく寧ろ巧くバランスがとれて秀逸だ。厚ぼったく迫ってくる方にも客観的に冷たくこなす方にも寄るのでなくまとまっている。ああこれでもっとペルルミュテールの指が回れば、スタジオでそれをやってくれていれば、と惜しい思いがする。ミュンシュなりの感興はしっかり織り込まれていて面白さも格別。このふたりのラヴェルに対する感覚の相性は余りよくないとは思うが、しかしお互いの弱い部分を補うというか、ああほんとに正規がホーレンシュタインじゃなくてミュンシュだったらなあ。録音は悪くはないがよくはない。○。
ペルルミュテールはアーティキュレーションが繊細で非常に品がある。タッチが少し弱いしミスも散見されるのが惜しいが、この曲に最もふさわしいピアニストではないかと感じるほど「ラヴェルのイメージに近い演奏様式」を持っているように聞こえる。ホーレンシュタインのぎごちない指揮ではとうていその魅力に達し得ないところを、恣意的で大げさではあるものの強い推進力をもって曲をドライヴしていくラヴェル指揮者ミュンシュのしなやかさが、ソリストと不協和を起こすのではなく寧ろ巧くバランスがとれて秀逸だ。厚ぼったく迫ってくる方にも客観的に冷たくこなす方にも寄るのでなくまとまっている。ああこれでもっとペルルミュテールの指が回れば、スタジオでそれをやってくれていれば、と惜しい思いがする。ミュンシュなりの感興はしっかり織り込まれていて面白さも格別。このふたりのラヴェルに対する感覚の相性は余りよくないとは思うが、しかしお互いの弱い部分を補うというか、ああほんとに正規がホーレンシュタインじゃなくてミュンシュだったらなあ。録音は悪くはないがよくはない。○。