湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

☆サティ:ソクラート~Ⅲ.ソクラートの死

2016年10月16日 | サティ

◎デレーヌ(T)ソーゲ(P)(ORPHEE)LP

テノールによる珍しい演奏。この曲はやはりストラヴィンスキーの言うとおりピアノ伴奏版にかぎる。しかも女声による不安定さが払拭されなかなかいい感じに沈んで聞こえる。感情が顕わにならない歌い方、演奏はいたって安定しており、どうして難しいこの大曲を飽きも違和感も感じさせずにかなできっている。最後のサティならではの断ち切られかたは成功している例に出会ったことがなくこの演奏もその範疇に漏れないが、それでもそこに至るまでの生臭さのないフランス的としか言いようのない繊細でも面白みのある音楽の流れは十分に魅力的である(この「魅力」は「艶」ではない)。いわゆるアルクイユ派出身の「直系」作曲家ソゲの演奏もいい。プーランク的なスピードというかテンポ感はあるにはあるのだが、プーランクのように恣意的な解釈を入れず注意深く演奏している。これが絶妙である。サティのおそらく最も評価されているこの曲、フランス語の歌詞がわからなくても聴きとおせるというのは相当な演奏レベル。◎にしておきます。
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☆プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番

2016年10月16日 | プロコフィエフ

○D.オイストラフ(Vn)クーベリック指揮プラハ放送管弦楽団(ANDROMEDIA)1947/5/15live・CD

録音が不安定。冒頭より欠損もしくはオケの音が極端に小さくなる場面が多々あり、ソリストとの録音バランスの悪さがきわ立った状態だ。が、個人的にはこれが父ストラフのプロ1のベスト演奏。どこにも隙の無い、隅々まで音の一つ一つまで表現解釈が施され全てが違和感なく融合しきって流れを作る。独壇場とも言っていいだろう。何と言っても流麗なボウイング、豪快なのに繊細なニュアンス、自然に高度な技術を駆使することのできる、この時点での才能はハイフェッツをも凌いでいたと確信する。太く艶のある音色はけして単調にもならず飽きない。貧乏たらしくなく、下卑ず高潔である。テンポが性急で、切羽詰った感じが強すぎると思うかたもいるかもしれないが、クーベリックがバックということもあり、曲がそれを要求している気もするし、そのスタイルに私はプロコの1番はベストマッチだと思う。オイストラフ全盛期のプロコとして記憶に留めたい一枚。録音状態をマイナスして○。オケ聴こえない・・・
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