湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

※旧ブログの一部コラム・記事、全画像は移植していません。こちらのコンテンツとして残します。

フランセ:弦楽三重奏曲

2010年12月08日 | フランス
○シベリウス三重奏団(INTEGRAL)CD

こういう軽い曲の演奏は如何に遊ぶかで(もちろん「名技性において」)決まってくるものだが、実にまっすぐに、譜面に忠実に、若干控えめに演じている。しかし、聴きなれた同曲が実はこういう構造をしていたんだ、とか、技巧派フランセの仕組んだからくり時計のような仕掛けにはっとさせられることしきりで、とくに終楽章展開部やコーダでは現代的な硬質な響きが精妙に組み合わされているところがはっきりとききとれ、古いヴィルツオーソらのただ弾きまくるような演奏にくらべ内容的に勝っていると感じられるところがある。私など譜面も持っていて弾いたりしていたのに、終楽章にカットがあることがあることに(この演奏ではカットはない)初めて気が付いた次第でもある。フランセが軽音楽作曲家兼ピアニストだと思っていたら大間違い、ナディア・ブーランジェの秘蔵子、アンファン・テリブルだったことを実感できる。○。
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