パンプキンズ・ギャラリー

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【小説】異質奇譚

2018-01-24 17:58:48 | 今日の小話
 大林ノン、16歳。Y市内の私立高に通う女子高生。
 今、私には気になる人がいる。

 もちろん男子。
 背が高く肩幅も広い。胸板もそれなりに厚いけど、腰は締まっていて、足はすらっと長い。
 背筋を伸ばして歩いている様は凄く絵になっていて、まるで王子様か宮廷騎士のような感じ。
 髪は黒で、前髪は眉にかからないくらいの長さ。
 少し浅黒い顔は鼻が高くて彫りが深い、いわゆるアッチ系の顔だけど、キュッと締まった口元と細い顎が、より精悍な感じを与えていて、かっこいい。
 そして少しつり上がった眼には、色素の薄い茶褐色の瞳が宿り、時折、言いようのない何かが覗かれる。

 その男子の名前は、大垣ライ。

 私と同じクラスだけど、そんな外見だから、他の子にも人気があるし、私以外にも狙っている子はいる。

 だけど……誰も声をかけない。

 ……違う……かけられないんだ。

 それは全て、ライ君が常にその身にまとう、雰囲気以外の何ものでもなかった。

「俺に触るな……」

 たまたま私が用事のためにライ君の肩に触れたその日、ライ君が私に向けて発した言葉。
 まるで……まるで異質な何かを感じさせる視線。
 人を人とも思わず、異物として見つめるその視線の先にいた私には、その時ライ君がどういった気持ちで世界を見ていたのかはわからなかった。

 ただ一つ言えること……

 それはライ君にとって、人も、この世界も、何もかもが、異物であり異質であるという感覚。
 その排他的なまでの冷たさと、そして寂しさだけは、心の中に流れこんできた。

 でもだからといって、ライ君が人を拒んでいたかといえばそうでもなかった。
 人に何か言われれば口ごたえすることもなくやるし、授業にも毎日出ている。
 宿題も、それ以外の行事だって真面目にこなしている。
 別の言い方をすれば、あえて悪目立ちしないように気を使っているとさえ思われるほど、その振る舞いには隙がなかった。
 だからクラスのみんなも先生も、ライ君はただ不愛想で無口なだけなんだと思いこんでいた。

 いわゆるコミュ症ってヤツ?

 でも最低限のコミュニケーションはとれるので、そこまで重度ではないし、なんだかんだで普通に生活できてるんだから、無理に干渉するのはやめよう。

 それが周りの認識であり、だから他の子たちもあえて声をかけたり接触をはかろうとは思っていなかった。
 ただ日々、ライ君の姿を見ていられればいい。
 そんな、まるでアイドルでも眺めてニヤけるような毎日が私たち女子の日課だった。

『ライ君がサッカーでハットトリック決めたんだってさぁ!』

『吉岡のやつ、ライ君がすらすらと雨月物語の原文を読み上げたら、複雑な顔してたよねぇ』

『今日もライ君がチャッチャとやってくれたおかげで、片づけ早く終わったよねぇ』

 そんな感じで、ライ君を遠巻きに眺めながら、私たちはライ君の噂に花を咲かせていた。

 でもそんな日々は、あの日の夕暮に、終わった……

「なんでこんな所に出やがるんだ!」

 ライ君の腹の底から絞り出すような怒声。
 そこに含まれていたのは、怒りだけではなく、言いようのない憎しみと、そして虚無。

 私の高校は小高い丘の上にある。そこに行くには林を切り開いて作った幾重にも折れ曲がる坂道の林道を通るしかなく、当然夕暮れともなれば、照明もまばらな周囲は暗く、そして危険な色彩を漂わせる。

 たまたまその日は、私は生徒会の行事で帰るのが遅くなり、日もすでに暮れようとしていた頃だった。
 行事で残った他の生徒たちも各々帰り支度をはじめ、そして帰路についていった。
 私も学校をあとにしたが、ふと、暗い林道以外の近道を思い出したために、一刻も早く帰りたい一心で、その道を選んだ。
 そこは少し切りたった崖で、普通にしていたら降りられないだろうが、幸い私には降りることができたので、その道を通る。
 そしてそこからすぐ傍にある広い公園を突っ切れば、坂道の林道に入る前の広い道路に出られるんだ。

 だけど……そこにはライ君が……

 ライ君以外には人一人いない公園の中で仁王立ちしていたライ君は、自動点灯したさやかな光を放つ照明に照らし出されながら、そう呻いた。
 それは私の姿を見たからなのか、それとも……
 もう一つの影に対しての言葉なのか?

 私はライ君と対峙する影を見る。

 ひび割れた唇から覗く黄色い無数の鋭い牙、その口から放たれる鼻を突くような何かが腐ったような悪臭。
 目は血の色のようなぬめりと、艶めかしい光を放ち、ライ君を凝視している。
 4mに届こうかという巨体には服のようなものはまとってはいないけど、そもそもその肌自体が灰色で、まるで岩のような質感と、そして所々ひびが入り、まるでゲームの中に登場する石像ともゾンビともとれるモンスターのような雰囲気さえ感じられる。
 それは人を醜悪な感覚で捻じ曲げたように描かれたカリカチュアにも見えた。

 そう……それは文字通り魔物だ。

 ここに、こんな存在がいるなんて……

「グルネキス……こんな奴までさしむけるとはな……」

 ライ君が苦々しげに声を絞り出す。そして、

「おい、お前! ここにいるとお前まで被害に遭う。さっさとさがれ!」

「で、でも!」

「お前みたいなのがいたんじゃ戦えないんだ!」

「戦う? ライ君正気なの? 人間にこんなの倒せっこないよ! ライ君だけじゃ無理だよ!」

 ライ君の冷静な声に私は声を荒げる!

 人間には、倒せるわけない!

 でも……

「……心配するな……」

 そう呟いて私を見つめるライ君の瞳。そこにはそこはかとない悲しみと、そして人に対する憐み……いや、優しさかもしれない……
 そんな複雑な思いが宿っていた。
 その意味を察した私は、小さく首肯し、そして物陰に隠れた。

「ふん、これで思う存分できるな……」

 ライ君が満足げに囁き、一歩、前に出る。

「グルネキスをさしむけるとは、そろそろあちらさんにも余裕がなくなってきたのか、な?」

 ライ君の声。初めて聞く笑い声が混じりあった声に私は興奮する。

「しかもこの時刻にさしむけるなんてな……召喚に手間がかかりすぎだろ」

 ライ君の声に反応し、グルネキスと呼ばれた魔物も一歩前に足を踏み出す。
 微かな地響きと鈍い轟音。
 グルネキスの一歩で、公園に敷きつめられているタイルの一部が弾け、粉砕される。
 でも、そんな光景の中、ライ君は悠然と構えていた。その口元に微かな笑みを浮かべ。

「お前の最大の敗因は二つ。一つは俺を相手にしたこと。そしてもう一つは、この時に遭ったことだ」

 ライ君の一言に、魔物は怒声と轟音と破壊をまき散らしながら突進してくる!

「単細胞なところは、所詮は屍鬼系か……」

 魔物を前にして悠然と一言漏らしたライ君に、魔物が砂塵をまとい、物凄い勢いで激突した!
 周囲に木々が折れ、大地が穿たれるような凄まじい轟音が響き渡る!

 ……でも、その音もすぐに消えた。

 ……変だ……

 私は周りを見回す。

 そこで見た光景。それは周囲の色を奪い灰色と化した公園の風景と、私と、グルネキスと呼ばれた魔物と、そしてライ君が立っていたはずの場所に悠然と立つ、一頭の巨大な獣だけが色を帯びているという奇怪な光景だった。

 獣は蒼く光を発する豊かな毛を震わせながら、身についた砂塵を振り払う。
 その顔貌は狼のような感じでもあるが、よりシャープで、そして禍々しさすら感じさせた。
 相貌からは赤い瞳が覗き、それは今怒りを帯び輝きを放っている。
 全高2mを超え、体長は多分5mは超えているだろう体は、青く光る長い体毛と白い輝きを放つ体毛で覆われ、巨大な魔獣ともいえる威容を誇っていた。
 その魔獣が、私を一瞥する。

 私はその存在を知っていた。

 ライゴール。電撃を武器とする魔獣系魔物。

 話には聞いたことがある。でも、実物を目にするのは初めてだった。

「おい、大丈夫か?」

 ライゴールは、ライ君の声でぶっきらぼうにしゃべる。
 私も軽く手を振り、無事を伝える。

「そうか……そこから動くなよ。すぐに終わる」

 そう言うと、稲光を発しながら凄まじい速さでグルネキスに襲いかかった!
 突進した姿でうずくまっていたグルネキスは、突如背後から襲いかかるライゴールに対処できず、その肩口に噛みついたライゴールを振り落すべく、激しく動き回る!
 だがライゴールは噛みついた姿勢でその体から電撃を発し、グルネキスの体表を傷つけ、そして焼いていく!
 ついにライゴールの右腕を掴んだグルネキスは、力いっぱいその腕を引っ張り地面に叩きつけるが、ライゴールは空中で身軽に一回転すると、無事着地し、また挑みかかる!
 そのようなやりとりが三度続いたが、ライゴールの優勢は揺るがず、次第にグルネキスは追いこまれていく。
 優に4mを超える体長を持つもの同士の戦いは、周囲に破壊をまき散らし、そして

「これで最期だ!」

 ついにライゴールはグルネキスの喉元に噛みついた!
 グルネキスは最後の力を振り絞り激しく抵抗するが、ライゴールは噛みつきながらも、今までで一番強烈な光と熱を放つ電撃を放つと、グルネキスはついに力尽き、ゆっくりと轟音を上げて倒れ、そして光を放ちながら消えていった。

 その光景を私は物陰に隠れて見ていたけど、

「もう大丈夫だ。出てきていいぞ」

 ライゴールの声に促され、私は物陰からライゴールの傍へと恐る恐る近づいた。
 するとライゴールは光を放ち、元のライ君に……いや、一糸まとわぬライ君の姿へと戻っていった。

「キャッ!」

 私は突然のことで戸惑う。
 変身を解くと裸になるなんて聞いてないぞ!

「あ、わりぃ……」

 ライ君もバツが悪そうにそそくさと近くにあったライ君のバックを取りにいき、そこから上着とボトムを取り出して着はじめた。

「あ……あの、これって……」

 私は着替え途中のライ君にあえて背を向けて尋ねる。

「ああ、あの魔物か。あれはグルネキス。いわゆるゾンビとかグールみたいな魔物だよ。ただ巨大なだけで、単細胞だけどな」

「あ、いえ、そうじゃなくって……」

「?」

 私の戸惑いの声にライ君の言葉が止まる。私は少し勇気を出して、

「さっきの……ライ君、だよね……?」

 私の声にライ君がつまらなそうに、

「ああ、そうだよ。俺も魔物。ただ、奴らとはちょっと違う」

「奴らって?」

「あのグルネキスとか、その他のものだよ。あと、あいつらを召喚してる奴らとか」

「それって……」

 そこまで言うと、ライ君は少し溜息をつき、

「俺も召喚された魔物の一体だった。ただ完全支配される前に召喚者が倒れてね。幸い俺は奴らのような操り人形になる前に逃げ出せた」

「じゃあ、他の魔物たちも?」

「ああ、召喚された連中だ。ただ組織としてはかなり悪い部類で、召喚者を使い捨てにする感じで、だから俺を召喚した奴もすでに体力の限界まで酷使されていたらしくてね。お蔭で俺は助かった。だけどな……」

「だけど?」

「奴ら、俺が逃げ出す時に呪いをかけやがった! 昼間はそのせいで人間の姿にさせられたままで非力なばかりか魔力も、技も使えねぇ!」

 ライ君は心底腹立たしそうに呻く。
 そんな感情顕わなライ君の姿に私は少し嬉しくなり、

「じゃあ、昼間の間は私が傍にいるから」

「あ?」

 私の申し出に憮然としたライ君の声。
 でも私はあえて笑みを浮かべ、

「だって、ライ君を襲うかもしれないものたちって、昼間もくるかもしれないんでしょう?」

「ああ、以前一度だけだが、それで酷い目に遭ったことがある。なんとか切り抜けたが、あんなの二度とごめんだ」

「だったら私にいい考えがあるの」

「……なんだよ、その考えって?」

 ライ君の怪訝な表情。そのどうにも信用ならない顔に向け、私は満面の笑顔で、

「一人より二人、目が多ければ警戒もしやすいし、それにその人たちも私がいれば下手に手出しできないでしょ」

 私の答えにライ君は腕を組み、少し考えこんだあと、

「まぁ、そういう考え方もあるな」

「それに私、ライ君の秘密、知っちゃんたんだよ。ライ君にとっては、この世界で唯一の理解者でもあるんだよ」

「……………………」

 ライ君は言葉を返せずに私の顔をマジマジと睨む。
 その瞳に映るのは、打算、計算、愛情、恐怖……
 色々な感情がクルクルと色を変えては浮かんで消え、そして、

「……しょうがねぇな……」

 深いため息とともに、ライ君は私の申し出を受け入れてくれる。

「ありがとう。でも……」

「なんだ?」

「この公園、どうしよう?」

 私は周囲を見回し公園の惨状に目を走らせる。
 いまだ灰色に染まった公園は、木々は折れ、電燈は傾き、ベンチは粉砕され、タイルは跡形もなく地面がむき出している。

 そんな惨状を目の当たりにしながらもライ君は、

「こんなの簡単さ。元に戻せばいい」

「どうやって?」

「こうやってさ」

 ライ君がそう言うと、いきなり世界に色が戻りはじめる。
 そしてそれと同時にすべての破壊の痕跡が逆戻りしていき、そして元の公園の姿を取り戻した。

「……これも、魔法?」

「まぁ、そんなもんだ。人間も応用しているらしいが」

 そしてすべてが元通りに戻った公園で、私たちはベンチに座り、

「でも、どうやって高校生になれたの?」

 私は素朴な疑問を口にする。ライ君は少し考え、

「あまり詳しいことは言えないが、俺たちのようなものを保護してくれる人たちもいるんだ。そういう人たちが色々便宜を図ってくれた」

「でも、それならさっさと魔界に帰してもらえばいいじゃない?」

「は? それができるんなら苦労しないよ!」

 私の問いかけにライ君が声を上げた。

「考えてもみろよ。昼間は人間なんだぞ! 人間が魔物の故郷である魔界にいったらどうなるか、わかるだろ」

「あ……」

「そういうことだ。この呪いが解けないと、帰りたくても帰れない。今それの解呪法を探してもらっているけど、特殊なものらしくて難航しているそうだ」

「じゃあ……」

「まぁ、当分このままだなぁ……」

「そう……」

 話していてわかった。

 今までライ君が私たちに見せた表情や態度が。

 ライ君にとっては、この世界は異世界であること。そしてそこに存在するものたち全ても。
 そして呪いのために、故郷にすら帰れなくなったということを。
 その寂しさや叶えることができない郷愁が、ライ君に言いようのない異質な雰囲気を作り出していたことを。
 そして人間の身勝手によって、その悲劇が生み出されたという怒りを。

「でもね……」

 公園の心もとない照明の下、私は少し俯き気味に口を開く。

「でも、ライ君はもう、一人じゃないから……」

 私の言葉にライ君は少し言葉を飲み、そして短く、

「……うん……」

 いつものライ君には似つかわしくないほどの素直さで、そう応える。私も小さな声囁いた。

「……そして……私も……」

 たぶんこの声は、ライ君には聞こえていない……

「ただいま~」

 あれからライ君と別れ、私たちはそれぞれの家へと帰った。
 もっとも、ライ君に家があるのであれば、だけど。

「遅かったじゃない! 心配してたんだよ」

 玄関のドアを開けると、奥の方からパタパタとスリッパの音を立てながら、三十代半ばの美女が現れる。
 アップにした前髪はヘアバンドで止められ、背中まで伸びた黒髪はストレート。
 背格好は中肉中背だが、締まる所は締まり出るところは出ているという均等のとれたスタイルで、着ているローブ風の服と相まって、上品な雰囲気を漂わせる。
 やや彫りが深い容貌は、白い肌とたれ気味の大きな眼と相まって、愛らしいとも美しいとも形容される感じだ。
 その落ち着いた声が、むしろ外見とは似つかわしくない経験を物語っているようでもあり、私は、

「ゴメン、マキナ。ちょっと面白い人と逢ってたから」

 そう言って舌を出す。
 この女性の名前は伊万里マキナ。
 34歳女性。職業は准教授。

「もう! てっきりあいつらに捕まったのかと心配だったんだから! で、その面白い人って、誰なの?」

 マキナは少しきつい口調で尋ねる。
 まぁ、ご時世がご時世だから仕方ないよね。私は苦笑いをしつつ、

「着替えてくるからあとで。それより晩ご飯は?」

「あなたの好きなハンバーグよ。準備して待ってるから」

「は~い!」

 そして私は自室の扉を開け、部屋着に着替え、夕食に臨んだ。

「でねぇ、ライ君がさぁ、ライゴールでね」

 切りわけたハンバーグを口に運びながら、その日のことをマキナに話す。マキナは興味深げに、

「そう……そんなことがあったの……」

 そう一言漏らすと考えこむように口をつぐむ。

「でもライ君が話していた組織ってなんだろう?」

 そのことを口にするとマキナは、

「以前、政府の一部で召喚士集めをしている、という噂が広がったことがあってね」

「政府が? なんで?」

「いえ、ただの噂で、しかもすぐに途切れたので、真偽はわからないんだけど、ただ、召喚士を多数擁する組織、というもの自体があまりないから」

「そんなに少ないの?」

「ないわけではないわ。ただ、魔物の召喚自体合法ではあるけど危険を伴い、当然世間から見れば危険な行為でもあるので、召喚士を多数集めるとなると、嫌でも目につくようになるの」

「それが使い捨てができるくらいに大勢いたということは……」

「公的な組織か、公的ではなくてもよほど大きい、それこそ色々と手を回せる組織としか……」

「でも何の目的で魔物を召喚させたりしてるんだろう……」

「それはわからない。ただライ君の話を考えると、支配して何かをさせる気でしょうね」

 そう言うとマキナはまた黙りこむ。そんな姿を見て、私は椅子の背もたれにのけぞりながら伸びをし、

「私みたいなのもいるんだけどねぇ」

 そう呟いた。その言葉にマキナはふいに顔を上げ、

「なんでグルネキスをあなたが倒さなかったの? あなたなら簡単に倒せたでしょ」

「だってぇ~! 魔物とはいえ憧れのライ君の前で変身解くなんてヤダよ~。それにライ君、せっかくかっこつけてやる気になってんだよ! それを私が簡単に一撃でボコったらドン引きされちゃうよ!」

 その言葉にマキナが頭に手をやる。私は続けた。

「それにライ君、人間になったら裸だったんだよ! 変身もまともに出来ないなんて信じらんない!」

「あ~……いい……わかった。とりあえず、そのライ君、今度連れてきて。教授にも会わせて話を詳しく聞きたいし。あと、もう変身解いていいから」

「うん!」

 マキナの言葉に私はふと力を抜き変身を解く。
 燃えるようなオレンジの髪に緑の肌、そして頭にある一対の角。人は私たちを小鬼というけど、力じゃ大鬼をも凌ぐ存在。それが鬼系魔物たる私たちゴヴァ―ノン!

 私たち魔物はもう、すでにあなたたちの傍にいるの☆

                                    【異質奇譚・END】

:オマケ☆
 劇中に出てくるマキナとノンはこんな感じです(ノンのみ魔物状態)☆

伊万里マキナ
 

大林ノン(ゴヴァーノン)
 

ちなみにマキナの部屋はこんな感じ☆
 

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