パンプキンズ・ギャラリー

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メイズチェイサー冒険記

2016-11-16 20:51:05 | メイズチェイサー冒険...
 この物語は簡易TRPG”メイズチェイサー”のゲームプレイを元に、脚色を加えて書かれたものです。
 内容はけっこうライトなものとなっています。ぜひ読んでください☆


 豊かな緑と肥沃な大地が広がるファレンディア王国。
 その王都の城下町でランチサービスを展開する居酒屋”すっぱい葡萄酒亭”の奥テーブルで、四人のものたちが昼間っから酒を飲み、つまみを食らう。
 仔細にそのものたちを観察すると、どうにも町人とは違うようだ。

 一人は長身にして胸板厚く、そして肩幅もあり、腕も太い。短く刈りこんだ黒髪に褐色の肌、顔はやや厳ついがイケメンで、太い眉とどんぐり眼が、いかにも脳筋な雰囲気を漂わせている。座るイスには60cm位の剣が鞘に入ってぶら下げられており、おや、その剣は、兵士がよく使っている剣じゃないですこと?

 その横に座るのは、先程の偉丈夫ほどではないけれど、長身でやや繊細な感じがする男。髪はロングの金髪で、ブラッシングを熱心にしているのか、まっすぐな髪に光が照り返り綺麗に光る。よく見れば白い肌にやや垂れたスカイブルーの瞳を持つ綺麗めな顔をしており、服と化粧さえ選べば、女としても通りそう。しかし、その胸元には戦神アルスのお守りが下げられ、この男もただものではなさそうな雰囲気。

 その対面に座るのは、これは小柄でいかにもすばしっこそうな小男。顔は並みだが、茶色の縮れた髪に口角が上がった大きく厚い唇と陽気な雰囲気が人を惹きつける。年は二人と同じくらいの二十歳前後。この男も首からお守りをぶら下げているが、奉る神は風神レフス。盗賊や職工などが信奉する神だ。

 そして最後に控えているのは非常に美しい少女! 黒髪のショートヘアに白磁のように白い肌、華奢にして美しい体躯、そして見目麗しいやや釣り目気味の切れ長の目には若草色の瞳が輝き、小さくも整った鼻は美しい曲線を描く。その茜色の唇からはかすかな吐息が漏れ聞こえ、それは今少し呼吸を荒くしている。そして注目すべきは胸だ! そう彼女には胸が全くない! アレ……?

「だからぁ、これからどうすんのかって言ってんだろうがよぉ!」

 この言葉を発したのは偉丈夫ではない。例の美少女だ。しかし残念にも……声は……低かった……

「いや、だからね、ボクとしましてはぁ……」
「ああ?」
「ヒッ!」

 繊細な長身の男が低姿勢で話す言葉に、美少女と思われたなにかが座りきった目つきで不躾な言葉を不機嫌タラタラに言い返す。その一言で怖気づく長身男。

「おいおいセイン、いい加減にしろ。ワイバーが怖がってるじゃないか」

 低く男性的な声を発しセインと呼ばれた美少女もどきをたしなめたのは、脳筋と思われた偉丈夫。意外にも理性的で落ち着いている。

「でもよぉダグルスター。このままじゃオレ達、食いっぱぐれちまうからよぉ!」

 セインが外見に似合わない口調で悪態をつく。ついでに行儀も悪いらしく、両足をテーブルの上に乗せている。

「じゃあじゃあ、これ見てよ! さっき街頭で配っていたのをもらったんだけど!」

 三人の中に割って入ったのは風神を信奉する小男だ。場を和ませようと笑顔を浮かべ、小脇に置いた鞄をゴソゴソと漁り一枚の紙を出す。

「ん? なんだジェード?」

 ダグルスターと呼ばれた偉丈夫が、ジェードという小男の取り出した紙に目をやる。そこにはこんな一文が掲載されていた。

『君たちの青春は輝いているか? みみっちい幸せに妥協していないか?
 今君たちを必要としているものがいる。そう、この王都はいつも君たちを必要としているのだ!

 さて本題に入ろう。

 ここ最近この王都周辺には様々な迷宮が発見されつつあり、政府としても速やかなる調査を必要としている。
 そこで君たちの出番だ!
 
 君たちにはその迷宮に入り、中を探索してもらいたい。
 もちろん! 危険手当も弾むし、中で手に入れたものの一部を自由にしてもよい。
 一日中暇ぶっこいて酒場で酒をあおったり遊技場でゲームに興じている君たちにはうってつけの臨時仕事&お金も入ってウハウハのハッピーライフが待っているぞ!
 探索隊員登録はいたって簡単!
 敵対勢力でもなければ、学歴職歴、恋愛遍歴から離婚歴までまったくノータッチで審査はOK!
 ただ必要なのは君たちのやる気だ!

 さぁ、君たちも今日から迷宮探検隊”メイズチェイサー”の一員となろう!』

 この文句が、可愛い女の子のイラスト付きで書かれている紙を見て、四人は顔を見合わせる。

「どうかなぁ? まるでオレっちらを名指しで誘ってるようなんだけど?」
「なめてんのか?」
「で、でももうボクたちお金ないですし……」
「決まりだな」

 その日の午後、彼ら四人は王宮に出向き、その門外にしつらえられた”メイズチェイサー待機所”へと足を運んだ。

 そして軽い審査ののち、彼らは正式にメイズチェイサーとしての認可を受けた。

 これは、彼ら四人がいかにして冒険を繰り広げていくかという、おバカな冒険の記録である。

●アールデリコの大洞窟・act1
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