パンプキンズ・ギャラリー

パンプキンヘッドの日々の創作活動やあれこれを記したブログです。イラストなども多く、見て楽しめるかもしれません。

【イラスト】暑中お見舞い申し上げます・2021☆

2021-07-20 11:56:51 | 今日のイラスト
 今日の話題は、この季節の毎年恒例の暑中お見舞い☆

 なんと今年は暑中お見舞いの時期に間に合いましたよ、奥さん!

 今年はフリーゲーム”センターク・”せい”と”し”の選択”より、パートナーロボの”アゼル参型”キャストオフ仕様☆

 

 うむ……キャストオフだ。

 某カブトのそれとは違う意味のそっちの方だ。基本は同じだが一味違う。

 ちなみに市販プラモ最初のキャストオフは”ラーナ少尉”ではないかと考えているが、識者のご意見を拝聴したいところ。

 なお背景が一昨年の”シーレイン”の反転改修版なのは、敢えて対となる感じでやりました(中間に去年のもはさんで横並びにする感じ)☆

 恒例の文字なしはこちら☆

 

 なお、この”アゼル参型”が活躍するフリーゲーム”センターク”をプレイしたい方は下の”センターク・”せい”と”し”の選択”をクリック☆

 ・センターク・”せい”と”し”の選択

 ではでは今回はこの辺りで。では~☆
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異世界転職NPC体験記・勇者誕生【序章編】

2021-06-20 16:40:31 | 異世界転職NPC体験記本文
 大聖堂すらも凌駕する巨大な円形状のホール。
壁も床も磨かれた眩惑的な黒檀の輝きを放ち、樫の木と思しき重々しい両開きの扉の対面の壁には、黒檀で作られた装飾のない背もたれの高い玉座。
 そこに座した巨漢の鎧騎士と隣に立つ法衣を纏う美女。

 筋骨逞しい巨躯を、重く、全身に禍々しい造形を施した漆黒の鎧で覆う騎士の表情は面貌に隠れて読めない。
 美女は紅の法衣をまとい首や腕、指には宝珠がはめこまれた幾つもの装飾品で彩る。
 その顔貌は彫りが深く艶のある肌と紅で彩られた目元と唇が妖艶さを漂わせ、風もないのに踊る銀髪がただ者ではない雰囲気を醸し出す。

 今しも二人の視線が注がれる扉の向こうでは、剣戟の音と爆発音、怒号、獣たちの絶叫が響き渡り……やんだ。

「くるか……」

 低く重くくぐもった声を黒騎士が漏らすと、

「そのようで……」

 美女が凛とした声で応える。
 幾つもの足音が扉の前で止まり、軋む物音と共に重い樫の扉が開かれた!

「待っていたぞ、勇者たちよ!」

 黒騎士が立ち上がり、来訪者たちを迎える。
 勇者たちと呼ばれたものの一人、金色の鎧をまとう青年らしき騎士が声を上げる!

「暗黒将軍、今日こそお前を倒し世界を救う!」

 緑の衣に身を包んだ剣士も負けじと、

「僕たちの世界は君たちのものじゃない!」

 その隣の羽飾りのついた兜と薄手の鎧姿の少女が、

「あなたを倒して世界の平和を取り戻す!」

 勇者たちが次々と声を上げる中、法衣の美女が黒騎士に近づき、

「三人対一人では分が悪いのではありませんか? ここは私の術であのものたちに仲違いと同士討ちを」
「いらぬ!」

 美女の助言に断固とした拒絶の言葉を上げる黒騎士。

「ですが、もしあなた様の身に万が一があると……」

 拒絶されたにもかかわらず、美女は気丈にも言葉をつなぐが、その言葉は震え、動揺と、なにより言いようのない不安を隠しきれない。
 その視線は愁いを帯び、一心に黒騎士に注がれていた。

「これ以上我にものを言わせるな! 退け! お前の存在によって我が戦をこれ以上汚すようなら、まずはお前から斬る!」

 鬼気迫る黒騎士の言葉。
 その後姿からは不快感ばかりでなく、嫌悪、憎悪の感情さえ漂ってくる。
 溢れるような気迫に飲まれ、不安な面立ちのまま美女は言葉を飲みこみ、様々な感情が混ざりあった視線で黒騎士を一瞥した刹那、その場から忽然と姿を消した。

 そのやりとりを見ていた金色の騎士は、

「俺たちを仲違いさせて戦わせようなんて、姑息な真似をしようとは!」

 呆れたような声を上げる。

「でもあなたはそれを拒んだ。なぜ?」

 羽兜の少女が尋ねる。

「僕たち三人ががりでも倒せないと思っているのか?」

 緑の服の剣士が怒気も露わに唸る!
 黒騎士は勇者たちから浴びせられる言葉に泰然と佇み、彼らが言い終わると、低い笑い声を漏らし、

「その通り。我に小細工は不要。正面から……こい!」

 そう言い放つと黒騎士の手に突如巨大で黒い破城槌が現れ、両手で大きく振り回す!

「我、暗黒将軍ガーグルド! ここで勇者たちを討つ!」

 ガーグルドの名乗りに勇者たちは武器を構え、

「金色の騎士ガルファ! 神官の命でお前を倒す!」
「天界の使者、戦乙女のウェル! お覚悟を!」
「竜殺しのダリグ! 君の悪行もここまでだ!」

 勇者たちも名乗りを上げる!
 さぁ、戦闘だ!

『敵は三人……全員勇者候補クラスか。ふ、その程度なら造作もない! 奴に比べればな!』

 ガ―グルドは戦場を冷静に一瞥する。

『正面のガルファ。こいつは剣と盾を装備か。アタッカー&タンクか。左翼のウェルは剣士風に見えるが、どうもあの剣は魔法の剣のようだな。遠隔での魔法攻撃でもするのか? そして右翼のダリグ。こいつは軽装だがその分動きは早い。そして腰につけてるのは巻き物入れか? こいつは魔法剣士というところか』

 勇者たちとの距離を測りつつガ―グルドは考え、

『ならば!』

 一気に右翼のダリグへと狙いを定め駆けだした!
 重厚な鎧を身につけてるとは思えないほどの俊敏さで距離を詰めると、両手に握った巨大槌を大きく振りかぶり、ダリグへと叩きつける!
 一瞬の出来事に対応が遅れたダリグだが、咄嗟に横にかわし直撃を免れる!
 受け身をとりつつ床に転がるダリグ。

「くっ……」

 小さな呻き声を上げ、左脇腹を抑えて起き上がる。
 巨大槌による衝撃が、たとえ当たらなくとも傷を負わせたのだろう。
 その光景に勇者たちの表情に緊張が走る!

「ふっ……」

 巨大槌を片手で肩に担ぎ上げ、戦慄の表情を浮かべる勇者たちを一瞥し、笑い声を漏らすガーグルド。

「勇者、と聞いていたからどれ程のものかといえば、しょせんは新兵に毛が生えた程度の輩か。もう少し楽しめるかと思ったのだがな」

 つまらなそうに呟くとダリグに向け一歩を踏みだす。 

「させない!」

 叫び声と共にウェルが手にした剣を突きだし、軽く念じるとその剣先に火球が生まれ、ガーグルドに向け撃ち放たれる!
 火球は豪音を上げガーグルドに直進するが、

「ふん!」

 巨大槌の一閃が火球をかき消す!
 ガーグルドはウェルに目をやるがその姿がない?
 突如カーグルドの背中に衝撃が走る!?

『なっ!?』

 即座に飛びのき後に目を走らせると、空に浮かぶウェルの姿が?

『なるほと。火球を飛ばした直後に飛行の術で空に跳んだか。だがな……』

 空に浮かぶウェルに向け、ガードグルが左手を突きだす! その掌から黒く禍々しき光線が放たれる!

「!?」

 予想外の攻撃をうけ光線の直撃によって床に落ちるウェル! とっさに受け身をとったために大事には至っていない様子だが……

「よくもぉぉぉぉぉ!」

 ガルファがガ―グルドに正面から突撃し、右手に握る剣を振り下ろす!
 ガ―グルドはその斬撃を軽々と巨大槌で受けると跳ね返し、さらにガルファへと蹴りを見舞う!
 胸にしこたま強烈な一撃を受けたガルファは吹き飛ばされ床に二転三転と転がり、すかさず起き上がるものの胸を抑え、堪らず血ヘドを吐く!

「くっ……」

 ガルファは悔しさと怒りが混ざりあった眼差しでガーグルドを睨むが、ガ―グルドはその視線を受け、

「だから言ったのだ。新兵に毛が生えた程度だと。勇者ならばこの程度、一撃も受けることなくかわしてみせるのが道理! それすらできぬお前たちでは我を倒すことなどは不可能!」

 厳然と言い放つガーグルド。

 あまりにも強大な力を前に勇者たちの表情に絶望という言葉が浮かんだ刹那、突如巨大なホールの天井を突き破り、一筋の光が降りそそぐ!

「なん……だ……」

 不可思議な現象を前に、胸を抑えながらガルファは見上げ、ダグリとウェルは互いを支えながら呆然とした表情を浮かべ立ち上がる。

 降りそそぐ光と共に三本の剣が勇者たちの前で巨大ホールへと舞い降りる。
 一つは金色の剣。
 一つは白銀の剣。
 そして最後は鋼の剣。

 その光景を目にしたガーグルドは剣に一気に駆けよると巨大槌を一閃する!
 が、激しい衝撃と光が発し、逆にガーグルドが床に弾き飛ばされる。

『なんだ?』

 突如現れた剣。そしてガ―グルドの力ですら破壊できない武器。

『まさか……』

 その思いに応えるように、割れた天井から低く、しかしはっきりとした美しい青年の声が響く。

「君たちはまだ負けることは許されない。だがら私の鍛えしあげし剣を使い、暗黒将軍を倒すんだ」

 声に導かれるように勇者たちは剣に手を伸ばすと、金色の剣はガルファに、白銀の剣はウェルに、鋼の剣はダリグの掌に吸いこまれるように収まった。

「これは……」

 剣を握る勇者たちの体を金色の光が包む。
 すると今まで血を吐いていたガルファの痛みは薄れ、ウェルも、ダリグも、支えなく立ち上がる。
 むしろ前よりも力が溢れるような高揚感と万能感!

『余計なマネを……』

 ダーグルドは内心毒つきながらも立ち上がり、

「暗黒を振り払う聖剣、というわけか……ならばよかろう! その剣ごとお前たちを砕くとしよう!」

 巨大槌を構え直し、勇者たちの動きを待つ。
 だがいきなり目の前に現れたガルファが左肩に激しい一撃を見舞う!

『な!?』

 ガーグルドの衝撃! なぜあの距離を一瞬で?
 疑問に答えるように第二撃が背中に浴びせられる!

『ウェルか?』

 とっさに上空を見るがそこに影一つない。

『どこだ?』

 勇者たちの姿を探し巨大ホールの中を舐めるように視線を飛ばす。

『影?』

 ホールの各所には影らしきものが凄まじい速さで動いている。まさかあれが勇者?
 ガ―グルドの疑問は突如急接近し斬りかかってきた影の攻撃を受けた時、答えを告げた。

『高速化にステルス付与か。あやつ、またつまらないものを作りおって!』

 攻撃を受ける巨大槌の柄越しに金色の剣で斬りつけるガルファの姿を認め、ガーグルドは毒づく。

「ちっ!」

 攻撃を見切られたガルファはすかさず後方に跳ねると距離をとる。
 だがさらなる攻撃がガ―グルドを見舞う!
 それは前方後方上下左右かまわず、様々な方向から浴びせられる。

『まずいな……さすがに少しは真面目にやらんとな』

 衝撃から立ち直ったガ―グルドは戦況を見極め、

「よかろう。ならば我の力の一端を知るがいい!」

 重々しい声と共に、漆黒の鎧に包まれし巨躯を暗黒の闘気がまとう。
 その瞬間を狙ったかのように勇者たちが一斉に斬りかかる!

 だが……

「我が暗黒闘気を貫ける剣はなし」

 ガ―グルドがまとう闘気に剣が阻まれ、触れることすらできない!?

「お前たちでは我は倒せんと言っただろう!」

 言い放つと突如勇者たちの眼前より消えるガ―グルド!
 目で探すダリグの視界に、ウェルが弾き飛ばされるのが見える。

「あっちも高速化?」

 ガルファの驚く声。

「でも大丈夫! まだいける!」

 吹き飛ばされながらもすぐさま体勢を立て直し、ガ―グルドに斬りかかるウェル!

「俺たちも続くぞ!」

 ガルファが声を上げる!

「アイテム任せの強化か。面白い、相手になってやる!」

 ガ―グルドの声は先ほどとは違い、幾分楽しそうだ。

 巨大ホール各所で激しい衝突の音と衝撃波による破壊が起こる。
 目で追えば影らしきものが高速で動き、時折激しい光のぶつかり合いを演じてはまた離れる。
 それは破壊と戦闘の芸術にも見えるが、やがて互いの動きは止まり、

「ほう……アイテムの力に頼ったとはいえ初めてのものをここまで使いこなすとは、さすが勇者」

 息を乱すこともなくガ―グルドは賛辞を贈る。

「暗黒将軍に褒められても嬉しかねぇよ」

 ガルファが咆哮する。

「聖剣の力はこんなものじゃない!」

 ウェルが叫ぶ。

「僕たちの力がそれを解放する!」

 ダリグが思いを放つ!
 すると聖剣はさらなる輝きを放ち、その光は暗黒闘気を打ち破った!

「なんだと!?」

 驚愕の声がガ―グルドから漏れる。

「いくぞ!」

 ガルファが盾を前に掲げて突っこんでくる!

『盾で剣が見えない。横に避ければ剣か盾の攻撃を受ける。ならば!』

 ガ―グルドはとっさにガルファをジャンプして避けるが、そこにウェルが飛行の術と共に待ちかまえており斬りかかる!
 その一閃を巨大槌を打ちつけることによって凌ぐ!
 だがその一瞬の隙を突き、さらに後に控えていたダリグが飛び上がり一撃が見舞う!
 胸装甲が斬り裂かれ、破片をまき散らしながら轟音と共に床に落ちるガーグルド!

 周囲に音も立てずに静かに降りる勇者たち。

「暗黒将軍、これで最期だ」

 ガルファが険しい表情と共に言い放つ。

「………………」

 無言のまま、よろけつつも立ち上がるガ―グルド。

 しばし沈黙が支配した次の瞬間!

 勇者とガ―グルドの間に無数の火球が降りそそぐ!

 驚いたガ―グルドも勇者たち空を見上げる。
 そこには紅の法衣を纏う美女が、掌に魔法の輝きを灯しながら、次の法撃に備える姿があった。

「なぜ戻ってきた!?」

 ガ―グルドが驚きと不快の混ざった声を上げる。

「だって、あなた様が……」
「今だ! 暗黒将軍を討て!」

 両者にとって思わぬ援軍を前に、ガルファが決着を速めるために号令をかける!

「ちぃ! いらぬことを」

 激しく舌打ちするとガ―グルドは力を溜めはじめ、そして……
 鎧共々力を弾けさせる! 激しい爆炎と轟音!

 一瞬視界を失った勇者たちだが煙が晴れると、そこには巨大な一頭の黒竜の姿が……

「まさか……これが暗黒将軍の正体……」

 ウェルが震えた声で呟くが、

「でも、俺たちならやれる!」

 ガルファがウェルの震える手を握る。

「僕たちなら絶対に!」

 ダリグの落ち着いた声。

「うん……私たちなら!」

 ガルファのダグルを見つめうなづくウェル。

「いくぞ!」

 勇者たちは黒竜と化したガ―グルドへ突撃する!

 ガ―グルドは口より漆黒の炎を吐き、背からは無数の黒い触手で攻撃する!
 勇者たちはそれをことごとく避け、あるいは斬り払い、ガ―グルドへの攻撃を続けていく。
 次第に体のあちこちから暗紫の炎を血のように流しはじめる黒竜となったガ―グルド。
 しかし黒竜の脅威は健在で、勇者たちも、爪に、焔に、そして無数に襲いかかってくる触手に傷ついていく。

 ガ―グルドは視界のすみでダリグが転倒した姿を捕える。こけたのか? 情けない。
 冷ややかな視線の中、ダリグへの攻撃のために近づく紅の美女。その美女に狙いを定めるウェルの姿が。

『あいつ、気づいてないのか!?』

 とっさの判断でウェルと美女の間に入るガーグルド。
 振り下ろされたウェルの一撃はガーグルドの眉間にあたり、視界を奪われ、、そして急所を斬れ裂かれたガーグルドは悶絶の絶叫を上げる!
 すかさずガルファの聖剣が喉を斬り裂き、ダリグの聖剣が胸に深々と突き刺された!
 致命傷を受けたガ―グルドは激しく暴れるが、やがてその力は尽き、そして黒い焔と共にその姿を消した。

 あとには壁や天井が崩壊した巨大ホールと、傷つき疲労の色は隠せないものの、強敵を打ち破り世界を取り戻すためにあと一歩に迫った勇者たちの、晴れ晴れとした笑顔があった。

「僕たちの戦いももうすぐで終わるんだね」

 暗雲起ちこめる遠くの城に目をやるダリグ。

「ええ、あそこにいる魔王を倒しさえすればね」

 ウェルは険しい視線を白に向けながら呟く。

「ならやるしかないな。俺たち、勇者だから」

 希望と強気がこもったガルファ。

 そして勇者たちは最後の旅路へと一歩を踏みだした。

 それはいいけど、なにか忘れてないだろうか?

 暗黒将軍、つまりガ―グルドが住まいしていた場所より少し離れた場所にある坑道の影に、紅の美女の姿があった。

 とっさの判断で瞬間転移で逃げたはいいが、その膝枕で呻き声を上げている人間状態のガ―グルドに申し訳なさそうな視線を送りながら、ただ彼が痛みで苦しむ姿を見つめるしかなかった。

「すみません……すみません……ガルドベルグ様……」

 美女がガ―グルドに謝罪の言葉をいい続ける。ガ―グルドは多分偽名で、正式名はガルドベルグなのだろう。

「メルレーン、なぜ……あそこにきたっ! お前さえこなければ、こんなことには!」

 メルレーンと呼ばれた美女はガルドベルグの言葉にさらに申し訳なさそうに、

「だってガルド様の身にもしものことがあったら……私……」
「だからって戦闘が苦手なお前がきては我がかばうことになるだろうし、なっただろう! これで何回目だ!」

「かれこれ五回目くらいですかねぇ……」
「十回だ! 最近ではわざとではないかと考えている」

 苦痛にあえぐガルドベルグの言葉にメルレーンは慌てて手と首を振って、

「そんなことないですよぉ」

 そう言分けしてみるが、どうにも目が泳いでいるのが信用できない。

 ふと足音が聞こえる。小さな、しかし確実にこちらに近づいてくる音。

 二人は身構え、音の方を見る。坑道の暗がりの中、小さく白い姿が浮かび上がる。白い姿はワンピース、後ろに黒く揺れるものは多分黒髪のロングヘアだろう。
 坑道に差し込む光の中、近づいてきた白い影は、

「お仕事、ご苦労様」

 愛らしい声で愛嬌たっぷりに礼を述べる。

 その姿を認めた途端、その声を聞いた途端、今までの苦痛に歪んだガルドベルグの姿とは打って変わり、起き上がり、そわそわと落ち着きのない口調で、

「いえ、そんなことないです。真姫様のお役に立てて、我も本当心の底より感謝しております!」

 自分への態度とは180度違う姿を目の当たりにし、露骨に不機嫌な表情を浮かべるメルレーン。

「真歌も言ってたけど、ガルドくんって本当真面目だよねぇ。真姫の言ったことちゃんとやってくれるし」

 真姫と呼ばれたワンピースの少女が笑顔を浮かべながら労うと、

「我は真姫様に拾われた身なれば、そのようなことは当然かと。むしろ使って頂き光栄の至り!」

 直立不動で応えるガルドベルクだが、その様子にメルレーンはさらに不愉快な表情を浮かべる。

「でも真歌も酷いよねぇ。サイトくんに敵わなかったからって、ガルドくんを首にするなんて」
「ええ、我もそう思います!」

 真姫の言葉に速攻で同意するガルドベルク。少なくともただの忖度で同調しているわけではないだろう。

「しかし先ほどの聖剣を作ったのは……」

 ガルドベルクの問いに真姫はさも当たり前のように、

「ドラグくんだよ。とりあえず作って、て言ったら作ってくれたの。あのままじゃ勇者たち負けちゃうでしょ」

 真姫の答に得心云ったかのように頷くガルドベルク。
 その様子を見ていた真姫は、ふとなにかを思いついたかのように指を鳴らすと、

「ガルドくん、今度別の世界の勇者やってみない?」

「我が、勇者……ですか?」

 真姫からの突然の依頼に戸惑うガルドベルグ。

「だってガルドくんって敵役多そうだけど勇者役まだでしょ?」

「はぁ……まぁ……でも勇者って最初は弱いのがなるんじゃ……」

「さっきの勇者たち見たでしょ。三人がかりでもあなたを倒せないんじゃ勇者失格。ガルドくんならそのあたりは大丈夫そうだし。とりあえず手駒として勇者は1人でも欲しいの。だから、お・ね・が・い☆」

 真姫の露骨な媚びとウィンク。しかしガルドベルグは照れとも嬉しさともつかない仕草で、

「真姫様のご依頼であれば断れませんなぁ」

 これ以上はない惚けた声で応える。

 和やかに笑いあう真姫とガルドベルグ。

 その横で複雑な感情が混ざりあった視線をガルドベルグに送るメルレーン。

 やがて現れるであろう勇者候補の前途は、非常に多難であり険しいものとなるだろう。

 勇者誕生【序章編】END
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【ショートコミック】METAL・RONDO~約束~

2021-04-28 11:59:49 | 今日のマンガ
 久々に帰ってきたショートコミック企画!

 題名は”METAL・RONDO”!

 うちで”METAL”がついているのはどんな企画かおわかりですな?

 そう、ロボバトルものだ!

 ”METAL・PARADE”や”METAL・FESTA”のロボたちが出てくるぞ☆

 そんなわけでどうぞ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちなみに主役ロボ”コーカサック”の突撃シーンは、”うる星やつら”に登場した徹夜で作った重モビルスーツの突撃シーンを参考にしたのだ!

 うむ、”さよならの季節”、この話は面白いぞ!

 そしてお約束の壊れたロボが片膝をつくシーン……それは漢のロマン……

 ちなみに”BDM COMPLEX”同様、今企画しているゲームでもあるので、近いうちに制作記事とかボチボチ載るかも。

 ぶっちゃけ、以前作ったカードゲーム”トランスポーター”のデジタルゲーム化でもある。

 そんなわけで今回はここまで。

 ではでは~☆
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【ゲーム制作】妖迷宮譚、制作怪調!

2021-04-01 07:54:57 | ゲーム制作
 世にバディもの探偵物語はあまたあり。

 そして今、探偵と魔物とのバディものが登場した!

 その名も"妖迷宮譚(あやかしめいきゅうたん)"!!

 

 ……え? 人間と魔物や妖怪の探偵ものなんざ、ずっと以前からありますぜ、とな?

 うむ……それはそうだろう……

 だがこの"妖迷宮譚"は少し違う!

 舞台はH県M市郊外に建つ一階建ての洋館"コーウェン館act2"だ!

 そう、コーウェン館だ。呪われてんじゃないかとお思いの御仁。それはそうかもしんない。

 なにせ別のコーウェンさんでは、関係したプロジェクトが凍結破棄されたり関係した人が色々処分されたりしたからのぅ……

 夜毎出現する異臭を放つ腐乱死体や生気なく横たわる白骨、そして棺の中に横たわる血の気の失せた死美人……

 奇怪な噂を聞いて肝試しにきたものたちが遭遇した怪異の数々!?

 だが陽が昇り再び訪れてみると、それらは霞の如く消え、あとは廃墟だけが残されていた……
 
 そんなコーウェン館act2で毎夜起きる怪現象解明のために呼ばれた探偵と魔物のコンビ。

 君は探偵に仕える魔物となり、探偵の推理と調査をサポートするのが役目だ。

 

 だが最大の問題はここからだ。

 探偵さん、ただの人間ではなく魔物召喚士だったりデーモンハンターだったり、半妖の吸血鬼だったりと、色々なものを感じ取る&発動させちゃったりする力を持っている。

 そしてどういった仕掛けかはわからないが、このコーウェン館act2にはその力をトリガーとして発動するトラップ、その名も"迷宮の扉"が随所に設置されていたりもするんだな!

 さらにもっと問題なのは、この探偵たち、スットコな推理力の持ち主だったりもするので、問題ないものでも敢えて事件化、問題化させちゃったりもするという奇特の思考力の持ち主でもあり、そろそろ君も気づいているだろうが、腐乱死体はゾンビであり、白骨はスケルトン、死美人はバンパイアだったりもすんので、そら陽が昇れば何処かに逃げて消えるわな、という、魔物、あるいはその手の知識があるものならある程度察しがつく現象でも重篤な事件と考え、"迷宮の扉"を発動させる無謀な行動にも走りかねないのだ!

 このゲームで君がやることは二つだ。

 まずこの怪異(敢えて事件とは呼ばない)の原因ともなっている魔物と接触し、ここからの速やかな退去を勧めること(逃げた居場所を見つけるのには骨が折れるが交渉自体は比較的容易だろう)、そしてもう一つは探偵の行動をつぶさに監視し、いらぬ推理を発動させた際にはツッコミを入れ軌道修正し、いらぬ行動をした際には事前に先回りして事態発生を回避するか、あるいは行動直後にフォローに回り、最悪の事態を避けるようにすることだ。
 
 だが一つの怪異を解決しても、この館での怪異は毎夜続く……

 さらに最悪なことはその噂を聴きつけた迷探偵たちが一人、二人と増えていき、やがて君は魔物との交渉よりも、探偵たちへのツッコミ&監視とフォローに忙殺されるというストレスフルな体験に嬉しい悲鳴を上げることになるだろう!

 そして30日を過ごしたその末に待つ驚異の展開とは……

 それは君の目で確かめてほしい!

 なおゲームを進めていくと色々な魔物が手に入り使える仕様となっている。

 あるものは鈍足だが頭がよく、あるものは怪力だがおバカ、またあるものは非力だが使い魔を使える、などの特徴があり、その魔物によってツッコミの内容や移動手段、阻止行動、フォローの仕方などが変化する。

 初期から使える魔物なら、頭もよく移動速度もまぁまぁの妖姫"ニャンプ”を使うことをお勧めしよう!

 さぁ、探偵と魔物の織りなす君たちの探偵物語はここからはじまる!

 一緒に迷宮の扉を潜ろうじゃないか!!

 そんな感じで開発されている探偵推理ものの皮を被った、むしろアクションゲーじゃないかというストレスマッハなツッコミ推理矯正ものAVG"妖迷宮譚"!

 2021光年冬を目指して鋭意制作中!

 リリースまで生き延びろ!

 ちなみに作者はこんな人です☆

 

 うむ……



















 
 そう、今日はエイプリルフールだ!!

 真面目に読んでくれた方、すまんこってす!
 
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【イラスト】2月22日は猫の日

2021-03-01 11:56:45 | 今日のイラスト
 諸君、今日は3月1日だ。

 なのになんで2月22日のネタを今日やるかといえば……

 そう……先週の今頃は”BDM2”の改修作業も終わり、ここ数ヶ月、正月休みも大してなくて作業し続けていたために、うちの体力はどこぞの上司ですら心配する某セブンさんのような状態でありました。

 いや、まぁ、”秘められし都”とか”BDM2”とかその間リリースしたじゃん?

 でもその分体力は削られたわけで。

 そして2月22日は改修版もリリースできたので休むことにしたのです。

 でもその間だって他の作業しつつチマチマ描いてたんですよ。

 そして一週間遅れで今になって掲載だよ。

 描いたんだからいいじゃん!

 ……という、誰も同情しない泣き言と言い訳はいいとして、今年はこの子ですよ奥さん!

 

 ”ダンジョン・ヒルズ・ストーリー”より、子猫ちゃんという愛称、というか蔑称で呼ばれるリリットです☆

 いわゆるツンデレっぽい子でもあるんですが、実際ツンデレかといわれると色々アレなんですけど(ローレンに関しては心底嫌っている可能性もある)、そもそもツンデレ描写はローレンしか大してなく、その他に関しては比較的フレンドリーのような気も……

 あれはツンデレなのか?

 嫌味いってくる馴れ馴れしい奴に好意抱くか、普通?

 とも思うが、世間がそう見ているならいいんじゃないかと最近思うようにもなり。

 そんなこんなで、オチのないまま今回はここまでであります☆
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