10年近く前に組んだ、「オートD」のシステムを復活させます。
オートDとは、シマノ社が10年前に開発したオートマチック4段変速のシステムです。
当時、興味津々の中島が組んだMTB改造のオートDは、未来を感じる画期的な走りで、「信号の多い街乗りのゴー&ストップには最高」と高い評価が与えられていました。
10年前に改造車を販売した後は(ノーマル変速に戻して販売した)、MTB用のオートDホイールとシステムは休眠してました。
当時、市場でのオートDの採用車種は「高級一般車」か「ラグジュアリーコンフォート系」であり、必ずしも評価が高くなかったのと、後発の廉価版「インター3オートマチック」の失敗もあって、引きずられるようにオートDも市場から消えていきました。
システム構成は、
◇一般車用4段変速ハブのインター4と変速用小型モーター
◇スピードセンサー
◇スピードメーター付コントロールパネル
◇CPUバッテリーBOX
から成り、当時ウン万円と結構なお値段でした。
動作メカニズムは、速度が上がるに連れ自動的にシフトアップしていき、減速でシフトダウン、停止時にはローギヤに戻るというシンプルなものです。
コントロールパネルの切り替えで、「シフトタイミングの早いDs(スポーツ)」、「D(ノーマル )」、「マニュアルシフト(パネルの変速ボタンで変速)」が選べます。
変速のショックは少なく、なかなか良いタイミングで変速してくれ、街中での小気味良い加速とイージーライドが楽しめます。
車のオートマチックに4段変速が多いように、変速段数が多ければ良いというものでもなく、4段くらいが自転車のスピードに相性がいいように思います。
シマノ社からは今年、内装5段変速の「インター5」が発表されました。
まだまだメーカーから未発表ですが、このインター5とDi2を組み合わせた新型のオートマチックが出る確率、かなり高いと見ております。
さて皆様、自転車業界にとどまらず、昨今の世相は時代が急加速するように移ろいが激しく、混沌としてる気がしますが、いかがでしょうか。
やたら入れ替わる新製品、価格の崩れる何ら遜色ない性能の旧製品。
「本当に良い物を、楽しんで、永く愛でる」という物事の道理からいくと、製品の完成度が上がってきた事と、消費拡大を望むメーカー都合に飽和状態が発生してるのではないでしょうか。
そもそも、自転車の価値は一年やそこらで急激に変わるものではないはず。
(ほぼ全メーカーが1年ごとにモデルチェンジ、代理店契約も1年ごと、売り余りイヤーモデルの安売りが顕著になりつつある)
必要十分な高性能バイクの隣に、ちょっとだけ変わった同機種の新型バイクが登場…。
乱立するコンビニみたいなものですね。
短いサイクルの新型投入が、製品自体の価値を下げています。
オリンピックは4年ごと、モーターショーも2年ごと。自転車業界もこの現実(デフレ)にあって見直しが必要とも思います。
自転車ファンであれば誰しもが、愛車を永く使って楽しみたいもの。自転車だって、乗る人々に永く愛されたいに決まってます。
大量消費社会の混沌を機に、時代は変わろうとしてます。
時代が求めるのは「価格に見合った本物」と、それを生かす正直な商売だと思います。
そして、最も気をつけないといけないのは、『物事の道理を見極めるのは一人一人の心次第である』という事なのです。
『10年も前』に、既に完成の域に達していたオートマチック自転車を見て、思う事でありました。
いろいろお詳しいですね。
来年のシーズンがまた楽しみですね。