嗚呼、オーベルジュへの道

長野県佐久市にあるホテル「おいまつえん」CEO兼こづかいさん(爆)の日常

春のラッシュが終わる

2021-05-31 07:05:24 | ブログ

緊急事態宣言、それも3度目、ともなればものすごいキンチョー感とともに過ごさなければならないはずなのに、このゆるみはなに?高速道路の下りなんて、週末の午前と夕方に渋滞してるしw。

そんななかでも当ホテルはおかげさまで忙しく、不要不急な方はともかく、必要緊急のお客さまをお迎えし続けております。

それも5月もおしまい、というここへきてようやくひと段落いたしました。

去年の今頃から、必死こいて続けてまいりました改装工事もラッシュの中、無事に終了しておりまして、コロナ禍にあってもそれなりの稼働率にも恵まれて改装した甲斐があったな、という印象。

気になる工事代金のお支払いの方も(爆)、奇跡的にやっつけることができてびっくりw。度重なる増工事にもめげずよく手持ちの範囲に収まったな、と。我ながら驚いておりますw。ざっとゴルフR一台分。またしても991カレラが遠のいたことでございます(そりゃそうだ)。

そもそもが補助金をアテにして始めた改装工事でしたが、肝心の補助金の入金はま〜だ行われておりません(驚愕)。これをアテにした進行をしていたら、おそらく借金するハメになったことでしょう。

度重なる書類不備のせいですから、こちらが悪いのですが、それにしても事務局のレスポンスが悪く、1度連絡すると返信が2ヶ月後くらいになってしまう関係で、補助金の「持続化」という意味合いからはかけ離れた実態となっております。

が、それもこれもコロナ禍での特別対応からくるものでしょう。ケタ違いの応募があって大混乱しているのが電話の向こうからも伝わってまいります。

書類不備といっても、ダメダメな不備というのではなく、たとえば複数あった工事のそれぞれの名目ではなく、一括して工事一式と記入せよ、だとかそんな程度の訂正に2ヶ月も食われてしまうので全く困りものです。

また、PDFで送信では済まず、押印の上郵送、と(脱力)。これぢゃワクチンも遅れるわな、と(関係ねーし)。

間違いというよりは表記違いのようなことで大幅な遅れを余儀なくされるので、独特な世界です。んま、そんな書類仕事にも徐々に慣れてここまでまいりますた。

ここへきて、本流の国からの補助金は安泰ながら、長野県からのおまけ補助の方に申請の締切が設定されてしまい、とうとうカウントダウン状態に突入したのがつらい。1年も待って、そのうえ減額されちゃったんでわ、目もあてられやせんぜw。

2020年6月補助事業申請→7月採択→12月交付決定→補助金額確定というステップの最後の確定を待っている段階なのですが、交付決定からはすでに5ヶ月が経過。

先日、あまりにも遅いので、事務局へと電話してみたところ、現状では書類などに不備はなく、まもなく金額確定通知が送付されるでしょう、とのことだったのですがw。

7月の採択から12月の交付決定までに6ヶ月、さらに交付決定から金額確定にも5ヶ月以上かかってまだ結果が見えないまま。書類のやり取りがスムーズにいっていれば、と後悔しても後の祭り。

コロナ禍は深刻になる一方で、緊急事態宣言を始め、状況は悪化の一途。事務局は一つなのに、このかん、さらに新規の補助金事業の応募を受け付けてしまっているのも混雑に拍車をかけているのでしょう。

おまけ補助の締め切りまであと20日。どうなりますやら。オリンピック同様、可否が気になる昨今でございますw。

 

 

 


五月晴れのなか思いきり気分転換をしてみる

2021-05-23 18:37:24 | 加齢なるボクスター

画像は、ももちゃん近影w。キホン、ステイホームなももちゃんにとりましては、この程度のステイホームは常識。タイクツだ、などとゼータクいってるとバチが当たるぞ、ちゃんとしなさいよっと言い聞かされておりますw。

梅雨入りの発表がないまま、梅雨としか思えない曇天が連続しておりましたけれど、ここへきて快晴。すかさず、ガレージで眠っていたボクスター様を叩き起こしてマイクロツーリズムに連れて行っていただきます。

往復60km程度を1時間でやっつける、都会ではありえないペースの通称「ススはらい」というやつですw。信号が3つほどしかない、ってのがミソw。

この晴天ですよ。サワヤカな空気を味わえて、しかもまばらなエリア、ということで、候補はいくつもあるのですが、いつものポイントへと出向きますた。だあれもおらず、先行車も皆無w。ほんとかいな、というくらいなペースでドライブを楽しんでまいりました。

こんなときにはぶっ飛ばしても意味がない。こんなに楽しい時間を早く終わらせてしまってわ、もったいない(爆)。

Dレンジのまま、トップギアに入ってしまわない速度域にとどめてビミョーなアクセルワークを楽しむのが吉というものです。ボトムエンドから湧き出るトルクを低回転で味わう作戦。このボトムエンドトルクは電気とアブラで醸されるものだ、ということです。ううむw。

上手くハマると、本当に道路を貸切占有することができるのがイナカの美点というものでございます。

こんなシーンでは、ボディ剛性たっぷりのクーペ(911やケイマン)だともどかしく、やはりロードスター(僕さま)の独壇場というものです。直行直帰、だなんてなんだか鬼の営業さんみたいですけれど、こちらは極楽の極み。

ガソリン代を払って乗るアトラクションである、というのが一番近いか(爆)。

いやあ、楽しい。奇しくも、ボクスターと先日足回り一新のB子さんのライドが酷似しているのに気がつきました。まったくフシギなことですけれど、4本のタイアで路面をいなして、右足の加減でトルクをビミョーに出し入れしながら速度を乗せてゆくさまがそっくり。

新型の燃料改質剤のおかげで、レスポンスがさらによく、この操作が楽しいものになっているのにびっくり。燃料のカイゼンは非常にわかりやすいところで効いています!

ご存知ない方には、奇妙な表現と思われるでしょうけれど、ここへきて、特に味わい深いクルマができあがっているな、とそんな印象ですw。

いかがです。ロードスターの場合はこうして60km程度を往復するだけで気分転換が可能となるのです。遊園地のアトラクションでキャーキャーいうのもまたよし、なのですがきょうび、そんなのは「飛沫感染が」とか言われてしまいます(ヨケーなお世話だってのよ)。

人間はこうして、新たなるリフレッシュの手法を見出して生きてゆくのですw。

明日も行ってこよっと(相変わらずのヒマかっ)。

 


トクイチオートを考える 新ホームページが立ちあがっているらしい

2021-05-15 08:38:52 | スペシャリテ

みなさま、ご無事でしょうか?

緊急事態宣言下とはいうものの、こうして何度も発令されたのでは説得力は低下するばかり。呼び名を変えたマイルド規制バージョンがつぎつぎに出てきて、なにがなんだか、とかいってるうちに、ぢわぢわ感染拡大。

彼の国ではアポなし無料のワクチン接種のニュースが流れてくる一方で、此方、接種の手続きがどうの、デンワがつながらないだの自治体の長が抜け駆け摂取してけしからんだの、騒いでる始末。

オリンピックだ聖火だといって絵空事にウツツを抜かしている間に、ワクチン接種の遅れが効いて、もろに感染第5波に見舞われているこの現実。

こんなニュースに接していたのではサワヤカな季節が台無しです。

読者のみなさまにはサワヤカな風景をお届けいたしましょう。

先日、B子さんの足回りの慣らしに出向いた先の風景。画像は、犀川の流れです。長野市から松本市に抜ける国道19号沿線、信州新町さきの風景ですが、本当にカレンダーのよう。

台風19号の災害の影響がいまだに残る関係で、現地はドイツ並みの移動速度を保てるのがミソ(運転はマナーを守って安全に)。迂回路が公開されていないことから、慣らしにはうってつけであるとの判断から出向いてみましたら、ミゴトにビンゴでございましたとさw。

さて、サワヤカな季節をじっくり味わう間もなく、空前の早さでもって梅雨入りが予告されるなか、トクイチオートのホームページが公開されました。

クルマの整備を構成する要素のほぼすべてに独自のノウハウとオリジナリティを落とし込んだトクイチの整備がわかりやすく解説されています。クルマを買って運転する限り、誰でも長く愛用したい、と願うのは当然ですが、こと輸入車、特にドイツ車に関しては生産本国との使用環境の違いが

大きく、使用する環境に応じた調整を行わない限り、不具合が出てくるのはここ半世紀ほどでようやく周知されてきた事実です。

日本の交通環境もその間、よく研究されて、ドイツ車も実情に合わせた仕様になって輸入されているのか、と思いたいところですが、そうはいっていないのが現実。

寿命が短いパーツがあったり、思い通りに運転できない、などのトラブルまでゆかない事象も散見されます。買ったはいいが、こんなもんですから、で乗り続けている例も数多ございます。

クルマのパフォーマンスを100にして乗る、そういうことをしたい方にはオススメでしょう。本当の意味でのファインチューンといいたいところです。

 


987ボクスタードライビングマニュアル ミニカーで検証する911カブリオレとボクスターの性格づけ

2021-05-05 12:33:35 | 987ボクスター・ドライビングマニュアル

さて、ボクスターの第2世代、987と997と呼ばれる何世代目かの911シリーズのスタイリング比較を思いついたので、書いてみましょう。と申しますのも、先日長野市で開かれた、ノスタルジックカーショーにAさんと出向いた折に997カブリオレのミニカーを買ってスタイリング考察に凝っているからw。

どうです、こちらはボクスターの手持ちのミニカー。10年前の納車の直後、お祝いにと静岡のお友達から手渡されて以降、家宝として扱っているものです(爆)。この個体は実車との比較でも、細部まで非常によく再現されていて感心するばかり。

厳密には2009からの後期型で、細部も別物ですが、デスク上に常駐させていた関係で、度重なるももちゃんのしっぽ攻撃で、落下すること数回。シートやミラーなどが破損してしまいますた(家宝ぢゃねえのかよw)。が、ボディシェイプは変わっていません。

プレクサスで、ケース、本体ともに定期的にミガキを入れておりますので、現物と大差ないツヤを誇りますw。

長野で買ったのは

一見、非常によく似ていますけれど、こちらは997カブリオレ。後期型のカレラ4Sです。997にはとかく問題が多く、特に前期型ではエンジンの換装に至る重大トラブルが複数あった関係でチョイスが非常に難しいと言われております。

唯一、この後期型ではそれらが払拭されて、なんとか手を出せるか、という印象ですけれど、値落ちが鈍いままの状態が続き、ここへきて在庫が枯渇してまいりますたw。カブリオレに至っては、マトモなのわマーケットに数台しかない有り様で、入手はほぼ絶望的です。

ミニカーのほうは、クルマ関連イヴェントにはつきもののマーケットでw、定価44000円のところ2000円で売られていました(うっそ〜!)。迷いを吹っ切るためにw、買ってみました(迷ってんのかよ)。

2台の比較で、もっとも違いが大きいのが開口部。ボクスターの2シーターミドシップに対して911は4シーターリアエンジン。その違いがリアエンド周りの造形に反映されています。

この開口面積の差は単純にボディ剛性の差となっているはず。この世代のボクスターと911でも、フロントフェンダーは共通パーツでして、運転席からチラ見できるフェンダーの峰は全く同じ眺めです。つまり、600万円のボクスターでも、2600万円のGT2RSでも同じw。

ボクスターのバリューぶりを感じるひとときです(爆)。他にも共通パーツが至るところにあり、ローン中の911オーナーはボクスターに乗ると落胆すること必至ですから要注意w。

これ、実際に997のオーナーから聞いた話なんですけれど、ディーラーに整備に出すと代車がボクスターの場合が多く、それに乗ってみるとこっちの方が楽しいぢゃないか、といって営業さんと盛り上がるのだそうですが、営業さん曰く、みなさんそうおっしゃるんですよ、とのこと。ううむw。

先代の986、996 には見られなかった、コークボトルシェイプが上の画像から窺い知れますが、これ、フェンダーを膨らませたのでは

なく、ドア周りを絞って得たものだそうです。抑揚があってカッコいいですね。このあとの981、991世代ではまた違う造形処理となってしまうので、この曲線美はレアです。萌えポイント?w

ロンドンのセルフリッジズという、デパートの前に路駐していた997カブリオレ。と言いたいところですが、これはレア中のレア!なんと全世界で356台のみ生産の997のサヨナラバージョン。

スピードスター殿下なのでした(のけぞる)。

殿下のノーマルとの違いは、幌の低さとサイズ。上から押しつぶしたかのようなシェイプで独特の存在感ですが、このシェイプをAピラーを短くして、寝かせることで得ています。この角度からだと、幌の後端がノーマルのカブリオレとの比較でかなり前に移動されています。

つまり、ずいぶん小型化されたホロが装備されているのです。2シーター化したこともあり、凝った造形のカウルも特別製。2シーターリアエンジンロードスターをムリヤリ作り上げているのです。

そう、特別モデルということで、ノーマルの911のルーフラインをなぞる必要がなくなった。途方もない凝りようなんですが、奇しくもボクスターに似ちゃってるわけねw。

ボクスターぢゃダメなんですかっ、とレンホーにつっこまれることでしょう(再爆)。

発売時に2500万円だったものが、現在では5000万円ほどに値上がりしておりますが、なにあくまでも窓が小さいだけの997カブですw。それにしてもさすがロンドン。こんなのが路上にはゴロゴロいます。ボクスターなんか、いてもスパイダーより、だもんw。

これ、私が93年から8年間乗った964カレラ2カブリオレ。走行2万キロほどの中古車を買いました。ミッションは5MT。ナローな感じがたまりまっしぇん。まだデジカメ以前のお話でして、少ない写真ご容赦。これに9万キロほど乗って、91年のカレラ4クーペに乗り換えたのです。964とのおつきあいは12年、

15万キロにも及びました(汗)。

特徴的なリアウインドウの形状をご覧ください。ジッパーで開閉するようになっていて、寒い時にそのまま折り畳むとプラスティック製のウインドウにミゴトに亀裂が入る仕組み(爆)。ユーノスロードスター(当時)のリアウインドウも同じ様式でした。

人生最初のポルシェにカブリオレ、それも5MTのそれを選んだ私ですが、申すまでもなく、オープンエアーとスポーツドライビングの両立を求めた結果です。

911の完成形はもちろんクーペですが、元来がヒネクレものの私は、カブリオレの異形なところに惹かれたのです。新車ですと乗り出し1400程度だった964カブリオレですが、中古市場ではクーペと同等かむしろお安く手に入る、というのも効きました。

バリュー感もあったし、いろいろ楽しめそうだし、というわけで理想的に映ったわけです。

流麗な911クーペのデザイン上のハイライトと言ってよい美しいルーフを切り飛ばして、ミョーな布地を張り合わせて作った幌を張ったカブリオレは開けても閉めても、どこかまとまりを欠いています。

でも、そこはかとない「道具感」が見えていて、当時の私には非常に好ましかったのです。機能性というか、そういうものが見た瞬間に理解できるな、と感じたわけ。この幌は、993、996、997とそれぞれ進化を遂げてスマートなものへと進化してゆきました。

いずれも911クーペのルーフラインの再現を金属、樹脂の骨組みと布地の貼り合わせで実現しています。

ボクスターの幌も同様ですが、こちらは911カブリオレのノウハウが生かされて、最初からある程度の完成度があり、年次改良でおこなわれた細部のブラッシュアップがすごかったです。最新型では、手元スイッチのみでロックですら自動化するところまで進化しています。

987ボクスターからは50kmhまでで走行中に幌の開閉が可能となり、夢のように思えるのですが、実は幌がより大型の911でこれを繰り返しますと、各部分に風圧からくる無理がかかり、制御メカニズムに余計な負担がかかる、というのは自明ですw。

この開閉作業はボクスターでも走行中に可能ですが、911ではより大型の幌を動かすことになり、走行中に開け閉めするのはハデで印象的な一方、リスクもでかい。フクザツなリンクや途方もない数のモーターを動員する幌の開閉は、緊急時以外にはあまりやりたくないアクションです。

Aピラーが語るクルマのキャラクターはこの997でも如実に顕れています。対ボクスター比で、Aピラーの角度が立ち気味で、若干ですが長いのに気がつきます。もちろんクーペボディの屋根切り飛ばしの痕跡です。

実車でもわかるのでしょうけれど、ボクスターと並べてみて比較、というのはミニカーでないと、なかなか難しいはず。

このあたりのピラーの立ち加減にクラシックな意匠を感じるわけで、これに比べるとAピラーが短めで明らかに寝かされているボクスターの印象は、モダンでスポーティーだ、ということになります。良し悪しではなく、そういう印象だということです。

このAピラーの立ち方と長さはクルマの性格づけに密接に関係があって、スタイリング上、非常に多くを語っていると思います。私の場合、クルマの性格判断にはこの角度が効いている場合が多いです。大抵間違っていますがw。

実際には、開口部後端までの寸法で、ピラーの角度は自ずと風洞実験で決まるのでしょう、形状は機能にしたがう、のですw。

この2台では屋根閉めが原則のカブリオレと屋根開きが前提のロードスターの違いなのだ、といえばスッキリします。考えれば当たり前のことなんですがね(汗)。

なんですが、911で屋根を開けて走りますと、これがまたたまらん。空冷エンジンの雄叫びが頭上から吹き込む風にのってミリ単位のレスポンスでもって聴こえてくるのは、この世の悦楽か、と思うくらいです(まじ)。911カブの場合では排気音よりもエンジン音が勝ります。ただし、これ964での記憶。

ボクスターではエンジンの開口部が事実上、存在しない関係で、聴こえ方がだいぶ違い、水冷ということもありますけれど、また異質なものです。どちらかといえば排気音がまさっています。それもイイ音っ!!

これには2004年のポルシェ社の社長の交代が関係していて、新社長のもとでは排気音を強調せよ、とのお達しのもと、スポーツエキゾーストのオプション設定もこの頃から。エンジン音は水冷化もあって抑え気味となっているのです。

ですから、これ想像ですけれど、997カブでも走行時には排気音がまさっているのかもしれません。ちなみに、初代ボクスターと996の時代まではエンジン音が勝っていたと記憶しています。

ちなみにこの社長は非常に大柄だったことから、ボクスターではシートの取り付け位置が2cm低められているというのも、有名な話です。まさに鶴の一声でカイゼンされたのでしょうw。

ボクスターでは、乗ったら「かならず」屋根を開けますが、911カブでは「気が向いたら」開けるという大きな違いがあるので、特別感マシマシ。そこへあの音がくるんですから、タマランチ会長(ひさびさ)。

たまたま出会った個体が911の30周年記念の特別色、ダイアモンドブルーに塗られていたのは偶然ですが、この色といい、エンジン音といい、言うことなしの理想形。

もうね、一生のったる、といって張り切っていたのですが、ご存知のとおり、964シリーズというのは歴代各モデルが未完成なので有名な911シリーズの中でもピカイチの未完成さを誇ります(ほんとう)。

ご愛用のみなさまにはまことに申し訳ないのですが、私個人の印象にすぎませんので、あまり気にしないでおいてください。が、12年15万キロ、それもトクイチオートでの入念な整備を続けた上での印象ですから、念のため。

カレラ4から始まったシリーズの派生でカレラ2の初年度、つまり90年式は、ババ(ジョーカー)もよいところで、ヘッドからのオイル漏れに始まり、さまざまな箇所からパンドラの箱のようにトラブルが出まくり、まるで当時のイタリア車のようでした(イタリア車オーナーの皆様ごめんなさい)。

ダメなところには、こっそり後から「対策品」という名のちょっと「ましな」パーツが追加されており、欠陥品だったので直しました、とはけして公言していない。こっそり改良されるわけです。

数ヶ月のあいだ知らんぷりを決め込んでおいて、次の年次改良でガラリとカイゼンされたものが「新型」バージョンアップ版として評価されて、やはり911はいいぜ、なんてのがシロートジャーナリスト様達の記事になってるだけ。

オーナーの使い方ではなく、クルマ自体が未完成だった、と言わざるを得ないトラブルばかりで、まことにザンネンなシリーズが964の実体です。これ、日本で使う場合には、という但し書きがある程度必要ですが、使ってみて事実そうだったのですから仕方ない。

詳細はまた別の機会に譲るとして、とにかくタイヘンなおクルマです。

冷静になって考えてみますと、大排気量のエンジンをリアエンドに置いた時点でそもそもがムリ。そこを貫くためにいろんなことを我慢しながら乗るのが空冷911の世界だったと私は考えています。

エンジン周りの異常な高温からくる補機類の寿命の短さも特徴的でした。リアサスペンションにエンジンの熱の影響が入って、ダンパー抜けちゃう、って、こんなクルマこれしかないっす(爆)。

この辺りはキリがありませんから、みんカラで苦労している人の話でも読んでください(爆)。

ですがさすがにそこは911。雰囲気とスタイルだけはサイコー。フィールも音もフラット6ならではのスムーズネスでもって、どのような速度でも楽しい!今でもよいと思いますが、クルマの総合的な内容はお粗末そのものです。

至るところに弱点を抱えた、ガラスのようなモデルが3.6リットルになってからの空冷911です。どうです、イヤでしょうw?993だって、本質はおんなじ。若干モダナイスされたボディとリアサスなどに騙されてはなりません。どうりで短命だったわけです。

油圧ラッシュアジャスターの採用で、2万キロに一度必要であると言われていた「タペット調整」の儀式が不要となり、メンテナンスフリーに近づいた、といって当時は大いばりでしたけれど、タペット調整不要ということは、リフトアップしてアンダーカバーを外しての点検が基本、行われなくなる、という意味。

熱的にキビシー点は変わっていませんから、使用環境によっては993の状態は、964よりもさらにタイヘンだと思われます。端的に申しますと、問題が起きるまで放っておかれる、という意味です。

ポルシェはこの「難あり」なフラット6を一刻も早く水冷化したくて仕方がなかったはず。初代ボクスターや996のリリースはさぞかし急がれたことでしょう。残業とかしたんぢゃねw。

89年リリースの964カレラ4に始まり、93年の最終型まで。5年間の生産の中で完成されていったのだ、と考えれば腹も立ちませんが、カネがもちません、とそんなところ(涙)。

911が未完成である、と申しましたのは、日本の路上で使うのには、という但し書きつき。個人的な意見ですが、911に関しては、水冷、空冷、ともにシリーズが終わって数年経ってみないと評価ができないと思います。993、996、997しかり、991しかり。

ボクスターもまた同様ですが、初代からここまで、不思議と大ハズレというのは聞こえてきません。

現行でもまだ4世代目ですから、当たり前かもしれませんけれど、じつは911との間にレキゼンとあった「超えてはならない壁」にはばまれた結果、比較的控えめな排気量とパワーの水冷エンジンでのスタートとなったことが一番効いているのではないでしょうか?

このあたりにはきっちりモデルごとに階級を守らせるヨーロッパのメーカーの伝統が垣間見えます。エスのリリースにしても、動力性能的に歯がゆいほどの足枷をされていて、気の毒なくらいw。でも、それがモデルの歴史の中では明らかにプラスに作用していたのです。

で、ボクスターが空前のヒットとなるなか、986では時間をたっぷりかけたイヤーモデルごとの慎重なスープアップを図って、モデルを進化、熟成させていったわけで、この986→987への軌跡はまさにポルシェらしい進化である、と思いたいですw。

というわけで、ボクスターの名車ぶりにほだされて、いつまで経っても911に戻れないこの私(笑ってやってください)。でも、別に戻る理由もないわ、と考えております。

そりゃ911はポルシェ乗りの王道にして正統ですが、実際にはもろにセレブの持ち物。空冷時代には適度に値落ちもあって入手しやすかったのを勘違いして庶民が手にできたのですが(私のことです)、5000kmで終わるリアタイアの寿命をみればわかる通り、誰にでも所有できるようなシロモノでもございません。

それもこれも、ボクスターの完成度の高さに接して思うことです。もれなく屋根開きがついてくるうえに、あのボディ剛性。一番デカいのは値オチの激しさでしょうか(やっぱし)。さらにここへきてスパイダーの展開や、981以降、ポルシェ入門編とはいいがたい内容の向上が見られて眩しいくらいです。

GTSの追加や、スパイダー4.0の展開などを見ていると、どうやら911とは違う方向へと歩み出しているのがつよく感じられて、電動化を前に最後の徒花を咲かせているのでわないか、と想像されるわけです。

この辺りはシリーズ終了後に評価が出ることでしょう。

ガレージにこのような2台を並べるのは、マニヤの夢というものですが、この組み合わせでも実は困る(爆)。それでもどちらにも決めかねる魅力的なラインナップですのう、と日夜この2台を並べて鑑賞しております(好きなんですねぇ〜)。

ちなみに私の987。ボトムエンドのトルクの増強がいちぢるしく、一般路上での使い勝手が非常に気持ちの良い仕上がりとなっております。電気とアブラのハーモニーであるというウワサ。

いまや底値を打ってビミョーに値上がり中の987ですけれど、そんなにいいのなら、今のうちに買ってみようか、とお悩みのそこのあなた、個体は日ごとに減ってきており、市場に出てくるのは明らかに減少傾向。

動くなら今ですぜw。

 


B子さんのその後

2021-05-05 08:16:57 | 今日の逸品

B子さんのサスペンション周りに手を入れてから、3週間経過いたしました。走行距離はどこへ行ったというわけでもなく、1200kmほど。つい遠回りをしたりするせいでしょうか(爆)。

500kmと1000km近辺に壁というか大きな変化があって、このあたりを境にフィーリングが激変いたしました。全体になじみが少しづつですが進んで、仕上がりのバランスがそりゃあミゴトです。

長野県中部の県道や国道は特に路面の荒れが激しく、シビアな乗り心地となる場合が多いのですが、それらを徐々にいなしつつあります。

現状では、うちのボクスター通称ボクちゃんの方がウソみたいですけれど、乗り心地がマイルドで、いなしも優しいのですが、近い将来、逆転してしまう予測です。

この987と呼ばれた第2世代のボクスターでは、2005年から2008年までが前期型とされているのですが、うちのはその最終年式。最後に5馬力だけあげられたバリオカムプラス搭載のエンジンです。この角度からだと、小さなサイドウインドウが萌えポイント(ばか)。

最近、997のカブリオレのミニカーを買った(なぜ)のですが、それと比較していてボクスターのバランスのよさにシビれているところですw。これ、次の記事でシツコク語る予定なので、どうぞお楽しみに(爆)。

実際に第二世代初期型の2005年モデルと乗り比べてみますと、格段にマイルドな乗り心地となっているのにはたまげます。この辺りはグレードや装備にもよるのでしょうが、ポルシェの場合にはスポーツシャーシと呼ばれるオプションがカタログに載っていますから、お好みの方は、高額ですけどそちらへどうぞ、

といって一般モデルはこのようにマイルドな仕立てとする方向なのでしょう。

B子さんのいなしがこうなってみると、ボクスターの美点がかえって引き立ちます。ポルシェだ、スポーツカーだ、と言ってイコール、ハードなサスペンション、というのは今や昔というわけです。

B子さんの場合、曲線ではなく、直線で立ち上がるトルクなのですが、これと目まぐるしくアップやダウンを行う乾式7速DSGとのマッチングがまた見事。

発進直後からタンタンターン、と40kmくらいまでの間に5速に放り込む制御の中でトルクが直線的に立ち上がってゆくさまは、まさにクルマの楽しさ、気持ちよさに効いています。

ターボエンジンとツインクラッチのコンビネーションだとわかるのはおそらくスペックを知っている人だけ。耳を澄まさないと気が付かないほどの影武者に徹する直線的なターボトルクがそれこそアイドリング近辺からドバドバきています。

端的にいってひと昔前の2.5リットルクラスのトルコンAT並みか、とw。

進化幅が著しいトクイチオートオリジナルのエアソリューション済みのタイアグリップはマキシマム。鳴きゃあしない!!それとの相乗効果で運転が横柄になってしまっていけないのですが(爆)、ついアクセルを開け気味にしてしまって燃費は変わらないか、むしろ悪化しておりますw。

4速とか5速でもじんわりアクセルワークを行うと、シフトダウンしないままクルマがついてくるので、そうか、このトルクか、というわけで「キレイな」走りが楽しめる仕組み。おもにアクセルの戻し加減に注意をはらうことで味わうことができます。

毎日の買い出しも、時間がないっちゅーのにのに(汗)往復15kmの道程に連れ出して、きっちり油温、水温をあげて、タイアの暖気も終わらせて、の繰り返しをおこなって、車にヤサシー使い方を心がけております。

このぶんですと、10万キロはあっという間でしょうなあw。

ちなみに、入荷待ちだった、リアのコントロールアームが入庫したのだそうで、近日中にトクイチオートヘと再入庫の予定です。ここからさらに上があるなんて、とシビれているところです。

画像は、散らかってますけど、タイプ1へのオマージュたっぷりのインテリア。不思議と飽きのこない伝統的にシンプルな造りです。上級モデルにはゴテゴテとあれやこれやが付け加えられていますけれど、10年20万キロ、となった場合にはこのように壊れる要素のない機能性も性能のうちっす。

ちなみにビートルの上級グレードではステアリングに装備されるシフトパドルですが、市販車中最初のツインクラッチ搭載モデルだった初代アウディTT 3.2のDSGバージョンも含めて、ここまで通算17万キロにわたってツインクラッチミッションをドライブしてきたこの私にしてパドルはおろか、マニュアルモード

ですら、ここ数年使わなくなってしまいました。

Sモードへの切り替えはしょっちゅうですが、それだけクルマ任せにしておける制御がついてきているという意味です。それもこれもトクイチオートの整備からくるトルクあってこそ。このトルクの恩恵は大きいです。

また、ツインクラッチには現実問題、路上では色々とトラブルがあるようで、各モデル、いま現在でもリコールを繰り返しながら延命されているようですが、ディーラーはその原因を理解しておられません。闇雲に交換作業のみ行なってその場しのぎを繰り返しているだけ。

ユーザーにはお気の毒なことですが、原因は他にあるのです(きつぱり)。ちなみに私、17万キロにわたるツインクラッチ人生で、交換ですとか故障ですとか、フィールの悪化とか、トラブルにあったことはございません。というか、なんで〜?とそんなレベルw。

あっ、プチ自慢ご容赦。というかひとえにトクイチオートのおかげですね。当然ですけど、トクイチの入庫車でもツインクラッチ車が多数ありますが、トラブルとは一切、無縁だそうです。

B子さんライフでは、距離と共にお次はタイアの楽しみでしょうけれど、いまからワクワクです(ばか)。いかがです?距離が伸びるにしたがってクルマが成長してゆくカーライフ。

まったく夢のようですが、現実に起きているのです。

 


GW2021 

2021-05-04 09:16:44 | ブログ

こちら長野県中部は、一年でもっともサワヤカなシーズン。朝夕の気温は5度を下回るものの、日中は20度を越える、という内陸部に特有の気温差がでて、この季節ならでは。この気温差は農産物の旨味となって現れます。

コロナ禍だというのに人流はそのままという印象が強く、モンダイの緊急事態宣言は完全形骸化。おそらく4週間後あたりに恐ろしいことが起きそうな予感がしております。

このままの空気ですと、オリンピックの中止もその頃に明言されるのでわないでしょうか?

さて、そんな気候だけわサワヤカなシーズンの中、Aさんがお見えになり、新インテリアにマッチするから、という理由でこんな物を置いてゆかれました。

ドーン!フランクロイドライト作タリヤセン。全高2mにもなろうとする大作ですが、機能的にも抜群の間接照明器具です。

新幹線駅周辺で開業していたカフェ内で使っていた照明器具ですが、倉庫に眠らせておくよりは、ということでウチにお鉢が回ってきたのです。

恐縮しながらも、長年のアコガレのプロダクツですから、ありがたーくお借りすることとなりました。たしか10数年前のドラマ「結婚できない男」の主人公のリビングに置かれておりました。名品です。

いやあ、すげーわ。夜になりますと、間接照明とはいえ、かなりの照度があり、主張も強いのですが、光のコントロールが完璧になされる設計のため、非常に美しい空間がデザインされます。一言でいうと「印象的」。

うちのような安ホテルにはどうか、と危惧されたのですがw、格上げにつながるように、今後、努力いたします(爆)。

昼間眺めても非常に美しいので、なるべく点灯するようにしておりますけれど、電球がオリジナルではガラス面が素通しのクリアータイプだったので、それに倣ってLEDタイプのクリアーに換装いたしました。

全部で10個の電球を灯しても、30w程度なので、エコか?

それにしても美しい照明です。が、それも当然、お値段聞いて驚けの〇〇万円となっ(脱力)。どうりで、迫力すら感じさせるわけです、ハイ〜(汗)。

この季節の山の幸をメインに、全国津々浦々から運ばれた美味を味わっていただきます。ご予約は0267−62−0251 oldpine0964@gmail.com、おいまつえんまでどうぞ。当ホテルは密を避けるのにはもってこい。

このたび、修理なったテラスでの大気解放ご会食プランなどもご用意してお待ちしております。