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ヨハネス・ブラームスの交響曲第1番ハ短調作品68を聴き二俣川から鶴ヶ峰まで、そしてさよならけいこ食堂

2009-01-25 11:42:46 | ヨハネス・ブラームスの作品
昨日は1月で閉店となる和田町のけいこ食堂に、
大学院時代よく飲んでいた三人で飲みに行った。
横浜から和田町まで歩いた時にちょうど寄り道のできる
いい雰囲気のお店であったのに、なくなるのは残念である。
昨日は、二俣川から鶴ヶ峰駅まで歩きました。
途中聴いたのは1833年生まれのブラームスの作品。
前回まではドイツ・オーストリアのユダヤ人作曲家を
中心にとりあげてきたのだが、今回からは元に戻って、
それ以外の作曲家について触れていく。

ピアニストとしての才能もあったハンブルク生まれのブラームスは、
生涯を通じて4つの交響曲しか残していない。
第5番、第6番を作曲する構想もあったようだが、
体力の衰えもあって実現しなかったようであるし、
また完璧主義者ゆえに破棄された作品もあり、
交響曲第1番以前にも交響曲を作曲していた可能性も否定できない。
とはいえ、残されている交響曲は4つしかないことに変わりはない。
古典的なスタイルで書かれた4つの交響曲が、
他国の(特にイギリス)作曲家に及ぼした影響は大きい。
交響曲第1番ハ短調作品68は、1876年に作曲された。
初演は同じ年にカールスルーエ大公の宮廷劇場で、
デッソフという指揮者によって行われたようである。
指揮者ビューロにベートーヴェンの第10交響曲と称され、
あまりにも有名なこの交響曲を、高校時代によく聴いた。
当時はケンペ指揮のレコードでよく聴いたものである。
今回はスクロヴァチェフスキ指揮ハレ管弦楽団のCDで聴いた。

第一楽章ウン・ポコ・ソステヌート-アレグロは、
重々しくゆるやかに始まる序奏がしばらく続く。
緊張感のある悲劇的な感じの序奏は印象的である。
この序奏の部分をスクロヴァチェフスキ盤は、
重々しさを抑えながら、ティンパニ、ホルン、
管楽器など各楽器の良さを活かした演奏を展開している。
主部の力強い第一主題は情熱的で闘争的であり、
第二主題は対照的に温和で平安な感じである。
スクロヴァチェフスキ盤は、リズムのアクセントが利き、
金管楽器の音が冴え、爽快感のある演奏を聴かせてくれる。
展開部・再現部を経たコーダは安らぎのある明るい感じで終わる。
第ニ楽章アンダンテ・ソステヌートは、弦楽器中心に始まる。
穏やかな中に、少し悲しげな部分のみられる音楽である。
その中で、オーボエが吹く愛らしい旋律は心和むものである。
複合三部形式で書かれたこの楽章はブラームスらしく、
抑制のある、そして渋い感じを利かせた音楽である。
ホルンと独奏ヴァイオリンなどで繰り広げられる最後の部分は、
弦のピッチカートに乗って静かに消え入るように終わる。

第三楽章ウン・ポコ・アレグレット・エ・グラツィオーソは、
複合三部形式で書かれ、スケルツォでもなくメヌエットでもない。
交響曲のスタイルでは従来この楽章あたりに三拍子系の音楽を入れるが、
そうでなく二拍子系の音楽を入れるところがブラームスらしく、
だから単純に伝統的な交響曲のスタイルを守っているわけでない。
その点がブラームスを単純に作風が保守的とはいえないところである。
第四楽章はアダージョの暗くて堂々とした序奏で始まる。
弦がピッチカートで奏し、幻想的な感じでもある。
木管楽器が加わり動きが出てきて、ティンパニの一打で静まると、
曲はハ短調からハ長調に変わり、ピウ・アンダンティーノの部分に入る。
ホルンの吹奏は高い山の頂から地上を見渡すような音楽である。
ティンパニが不気味に弱く連打し、ホルンだけが残り静まると
アレグロ・ノン・トロッポ・マ・コン・ブリオの主部に入る。
ヴァイオリンにより奏される第一主題は明るく希望に満ちている。
第二主題のヴァイオリンによって奏される。
そして音楽は展開部のないまま再現部に入り、
しかしその中で主題は展開されていく。
コーダは徐々にテンポを速め、高揚感のある音楽になる。
この部分はいつ聴いても感動的で、金管楽器が鳴り響く中、
堂々と華々しく全曲を閉じるのである。
それにしてもこのCDのハレ管弦楽団のホルンはうまい。
ブラームスの交響曲でとても重要な楽器は、
ホルンなのかなと思わせるくらいのいい音を響かせている。

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