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グラウコ・ヴェラスケスの「ロマンティックなワルツ」を聴きながら二俣川から西谷駅まで歩く

2008-06-24 08:07:44 | 古典~現代音楽ブラジル・メキシコ以外の中南米編
昨日は二俣川から西谷駅まで歩きました。
今回からは器楽曲・室内楽曲の紹介は、中南米編に入る。
昨日途中聴いたのは、1884年生まれのブラジルの作曲家
グラウコ・ヴェラスケス(Glauco Velasquez)のピアノ曲。
ヴェラスケスは、ナポリに1884年3月23日に生まれ、
1884年リオ・デ・ジャネイロで亡くなった夭折の作曲家だ。
彼の幼少の生い立ちについては、分からない部分がある。
スペイン人の父とブラジル人の母の間で生まれ、
幼い頃にその両親は亡くなり、プロテスタントの牧師に育てられ、
その後、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロの上流社会の
アラムバリー家に引き取られ育てられたという話が一つ。
もう一つはリオ・デ・ジャネイロの音楽界でよく知られた人物で、
ポルトガル出身のバリトン歌手エドゥアルド・メディナ・リバスが父で、
独身女性のアデリーナ・アラムバリー・ルスが母であるという話だ。
CDの英文の解説によれば、最近の調査ではこちらの方が
説としては有力となっているように思える。
彼女が彼を身ごもった時に独身であったこともあり、
緊急避難的にイタリアへ行き、そこで彼は幼少期学校に通った。
彼が11歳の時の1896年にブラジルに渡り母に引き取られたようだ。
1898年から国立音楽学校で学び、フランシスコ・ブラガなどに師事し、
1911年には作曲家として頭角を現すようになったようだ。

ヴェラスケスは1903年から1913年の間に、
100以上の作品を作曲したようだ。
歌曲や室内楽曲、合唱曲などを残しているようで、
オルガン曲や弦楽四重奏曲もあるようだが、
そのほとんどは現在聴くことはできない。
CDにおさめられているピアノ曲は1905年から、
1911年の間に作曲されたものばかりである。

1910年に作曲された「ロマンティックなワルツ」は、
印象主義を思わせるようなところがある
ゆったりとした、しかし時に情熱的な曲。
同年作曲された「悪夢(Brutto Sogno)」は、
冒頭の暗い部分や終わりの迫りくるような音楽が悪夢の感じである。
1906年に作曲された「夢」は、おだやかな曲。
1905年に作曲された「遅いワルツ(Valsa lento)は、
ショパンのピアノ曲を思わせるような作品である。
「前奏曲とスケルツォ」は、1910年に作曲されている。
少し哀愁を漂わせる短い前奏曲と
軽やかで即興的な感じのスケルツォである。
1905年に作曲された「前奏曲第1番」と
「ディヴェルティメント第2番」は、古典的な様式で、
バッハなどを思わせる印象的な短い曲。
「小組曲」は、1905年に作曲された作品で、
ガヴォット、メヌエット、ミニョーネのワルツの3曲からなる。
最初のガヴォットがかわいらしい感じで印象的である。

「前奏曲第2番」は1908年に作曲された情熱的な曲。
「アルバムのページ第1番」、「アルバムのページ第2番」は、
1905年に作曲された共にロマンティックな曲だ。
「メヌエットと近代的なガヴォット」は、
1910年に作曲された古典スタイルとロマン的な音楽が、
融合したような曲で、印象主義的な部分も感じさせる。
「妖精の踊り」は、作曲年代は不祥だが、
古風な感じの軽快な短い曲で、ラヴェル風でもある。
「変なカンツォーネ」は、1907年に作曲された曲。
よりどころないような感じで、サティ風でもある。
「即興曲」は、1906年の作品で、リストの曲のような
情熱のこもった、ダイナミックな部分をもった曲。
「メランコリー」は、1910年に作曲された感傷的な曲である。
「夢(Davaneio)」は1911年の作品で、
このピアノ作品集の中では晩年に近い。
やはり印象主義的な音楽でドビュッシー風な曲だ。
いろいろ聴いてみるとヴェラスケスの曲には、
いろいろな作曲家の影響がみられるものの、
確立した自分のスタイルというものは見当たらない。
しかし、彼がもう10年、20年生きていたら、
きっと、自分なりのスタイルを生み出したのかもしれない。

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2 コメント

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Glauco Velasquez (boticario)
2010-10-12 19:47:58
ブラジルにおける十二音技法の影響を受けたクラシック作曲家のピアノ作品をメインに集めています。ただ、西洋のクラシック音楽はまったく知らないので、なんとか風という比較ができません。
GlaucoのCDは、Svernerが録音した2枚のアルバムから編集したものみたいです。このCDは持ってませんが、第2集のLP(タイトルはDevaneio)をよく聞いています。
伝記本も出てましたが、入手困難なのか、もう店頭にはないですね。
コメントありがとうございます (おおくぼっち)
2010-10-13 04:23:28
boticarioさま。コメントありがとうございます。ブラジルのピアノ作品を集めているとのことで、なかなか本格的ですね。私がこのCDを手に入れたのはかなり前のことで、マルコポーロから出ていたSverner盤がある店の処分品の中にあり、どんな作曲家もよく知らず買って、そのままにしてあったものをこの時、たまたま聴いてみたということでした。LP盤があったんですね。このピアニストは結構ブラジルの作曲家以外にベルクやモーツァルト、ショパンの作品なども録音に残しているようで、レパートリーが広いんですね。

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