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グスターヴ・ホルストの交響曲ヘ長調「コッツウォルズ」作品8を聴きながら横浜から星川まで

2008-11-23 05:43:54 | グスタフ・ホルストの交響曲・管弦楽曲
昨日は横浜から星川駅まで歩きました。
途中聴いたのは1874年生まれのグスターヴ・ホルストの作品。
交響曲ヘ長調「コッツウォルズ」作品8は、
1899年から1900年の間に作曲された作品である。
1900年7月24日に完成し、1902年4月24日に初演された。
ボーンマスで行われ、この時の指揮はダン・ゴットフリー。
解説書にはそんな詳しい説明が書かれている。
ホルストがこの交響曲を作曲したきっかけには、
ボア戦争(南ア戦争)との関連があるらしい。
コッツウォルズからも出征した人々がおり、
ズールー戦争でも多くの人が亡くなり、
コッツウォルズも深い悲しみに包まれたようだ。
実際にコッツウォルズのバーフォードの教会でも、
その墓石には若くして両親を失った子どもの悲しみが書かれ、
大切な人を失った様々な人々の悲しみの声を見た。
戦争はこんなのどかな村も無関係ではなかった。
ホルストも戦争による人々の悲しみの中で、
その人々が悲しみを乗り越えてほしいと思ったのか、
美しいコッツウォルズの村々を題材にした交響曲を
作曲しようと思い立ったのかもしれない。

第一楽章アレグロ・コン・ブリオは、
ワグナー風のファンファーレの冒頭に続き、
民謡調の音楽が展開されるが、その音楽はドイツ的で、
ブラームス的な部分もあり、のどかな田園風の曲である。
第二楽章モルト・アダージョはエレジーで、
「ウィリアム・モリスの思い出に」という副題が付いている。
ホルストは学生時代ウィリアムス・モリスの講演を、
ハマースミスのケルムスコット・ハウスで聞いたようだ。
ケルムスコット・ハウスとはウィリアムス・モリスが、
1878年に入居した家のことであるが、
その講演を聞いた数ヵ月後にモリスは亡くなり、
その個人的な悲しみがそこに投影されている。
途中第一楽章の民謡調の主題が、ホルンなどに現れたりはするが、
とにかく深い悲しみが、全体を覆っているのである。
曲自体はやはりブラームス風ではある。
第三楽章プレスト-アレグレットはスケルツォ楽章で、
金管楽器を中心とした舞踏的な粗野な旋律と、
弦楽器による流れるような旋律が対照的だ。
中間部のトリオは、田園的でグリーグ的なところもある。
冒頭の舞踏的な主題が再び現れ、
トリオの部分の主題も再現されるが、
最後は金管楽器により華やかに終わる。
第四楽章アレグロ・モデラートのフィナーレは、
のどかな田園風の優しい感じの音楽で始まる。
この楽章の曲もブラームス風の音楽であり、
彼の師スタンフォードからの影響があるのかもしれない。
その一方で中世的な颯爽とした音楽はワグナー的でもある。
交響曲の最後は、堂々とした感じで華やかに終わる。

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