Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

シューベルトの歌曲集「冬の旅」を聴きながら横浜から和田町まで歩く

2008-01-07 06:59:31 | フランツ・シューベルトの作品
昨日は横浜から和田町まで歩いた。
途中聴いた音楽は、シューベルトの歌曲集「冬の旅」。
あまりにも有名な曲ではあるが、しみじみ聴く機会はあまりない。
もちろん、「菩提樹」など有名な曲はあるのだが、
とにかくよく聴くとはやり傑作なのだなと思う。
1827年に世に出たこの作品は、
まさに、歌とピアノ伴奏が一体となって、
はじめて一つの芸術なのだなあと思う。

歌の持つ魅力はもちろんなのだが、
ある時にはピアノがそれ以上に雄弁に語りだす。
詩の内容だけでなく歌とピアノの伴奏によって、
はじめてその人物の心情と彼を取り巻く世界を描き出す。
ピアノの伴奏がなぞっている音符はなんでもないように見えても、
それが伴奏者のピアノがどう表現するのかが重要なのだ。
だから、この曲の伴奏を編曲し、管弦楽化すること自体が、
意味のないことなのかもしれないくらいに、
音楽として、完成しているのだ。
指揮者ハンス・ツェンダーはそれを承知してか、
伴奏部分を管弦楽化し、あえて「創造的編曲」としているが、
これは彼の新たに創造した作品の世界である。
私だったら、最初の「おやすみ(Gute Nacht)は、
マーラーの交響曲(6番くらいかな)の作風で、
管弦楽に編曲したいものだ(といってそんな能力はないが)。

テクストとして使用しているミューラーの詩は素晴らしい。
この詩があってその世界を忠実に音楽で描こうとした
歌曲集「冬の旅」は名曲なのであろう。
なお、最後の「辻音楽師」という曲、
これ一曲をとっても、なかなかすごい曲だなあと、
つくづく歌曲の奥の深さを感じてしまうのである。
コメント
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