そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

それでも北朝鮮には交渉しか残された方法はない

2017-09-05 | 朝鮮半島
">お見事というべきか、解り易い佐藤氏の絵である。本ブログにもコメント欄に何度と指摘があるが、北朝鮮に制裁しか考えないのは異常である。これまでも交渉を重ねてきたように国民に思わせる巧みな意識操作があり、日本国民の多くはそれに乗っているのである。北朝鮮は金二代目から、自己主張の場を世界に求め彷徨ってきた国家である。内政で大きく南(韓国)に後れを取ってしまったからである。中露の対立を経て、ソビエトの崩壊が背景にあるとはいえ、主体(チェチェ)思想が残っただけである。経済支援を日本に求め、金丸信を通じて自民党に接近したり、社会党に急接近したがどれも空振りに終わってしまった。日本国内の総連の動きが不穏でもあった。この時期に、目的不明の拉致問題を起こしている。日本の優秀な人材を求めたにしては、余りにも稚拙な行動に走った。ラングーンの韓国閣僚爆破事件や大韓航空の爆破事件起こしたが、意味不明と言える。あえて言えば、内政の失敗から国民の目を外に向けさせたともいえる。
世界最貧国になった北朝鮮は、瀬戸際外交を繰り替えるが、一度は核開発の放棄でIREAの指示に従っている。やがて化けの皮は剥がれてしまうのであるが、北朝鮮の主たる政策はいわば、社会主義国家を目指した内政の失敗から”金体制”の保全が最大の目的に代わってしまうのである。
その目的に全く合致してくれたのが核開発である。そしてその補完のミサイル開発である。人道的に許されることではではないし、核保有国が認めることなどありえないことである。核開発は外交的に、脅しと騙しとおねだりの道具として、北朝鮮の存在を際立たせてきた。金体制を支える、ほとんど唯一の手段である。
北朝鮮に核放棄を交渉の前提にすることは、権力者金正恩の存在を否定することになる。制裁は効果がないという事を理解しなければならない。北朝鮮国民は貧弱な情報しかもらえていない。金体制は国内的には、恐怖政治もあり安泰である。崩壊はいまのところ程遠い。政策転換のために制裁するとする、安倍晋三は北朝鮮の政治体制を、拉致問題以降一貫して理解していない。
北朝鮮の核開発には、交渉しか残された道はなく、制裁は新たなる中東をまたアメリカが生むことになりかねない。核保有の現実を前にした交渉をしなければならない時期になっているといえる。
コメント (2)
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