古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

滋賀県長浜市・小松古墳

2020-08-29 05:32:09 | Weblog
滋賀県長浜市高月町西野、古保利丘陵稜線上の一つの頂部にあります。
「古保利古墳群B-6号墳」とか「古保利103号墳」と呼ばれることもあります。

全長約60m、 一辺長37×29m・高さ4.2m、 前方部先端幅22m・高さ3m  の前方後方墳です。



岩盤を含む自然地形を削り出して造られています。
前方部はやや短く先端部に行くほど低くなっていて、その先端部はバチ形にひらいています。





二段構築の後方部は長方形をしています。















墳丘に葺石は施されていなかったようです。
また埴輪の出土もありません。
1984年に測量調査が行われています。
1998年~99年にかけて確認調査が行われています。
後方部墳頂でそれぞれ二つの盗掘坑と土坑が見つかっています。







地下レーダー探査の結果、盗掘坑周辺には三つの埋葬施設があったようです。
盗掘を受けている埋葬施設がどのようなものだったのかはっきりしていませんが、木棺直葬と推定されています。
中国製内行花文鏡、中国製方格規矩鏡、銅鏃、鉄鏃、刀子・削り刀子・水銀朱、壺や高坏・器台・甕などの土器類 が多数出土しています。
土器の中には北陸系の小型壺や美濃地域の壺や高坏、吉備か丹後の影響を受けたとみられる底部に孔のある高坏なども含まれています。
一つの土坑からは40個体以上の土器が、破砕された状態で見つかっています。
葬送儀礼が行われたのち破砕され埋納されたようです。

古墳時代発生期・3世紀中葉頃(箸墓古墳と同じころ)と推定されています。

古保利古墳群を構成する1基で、古墳群中最大であり滋賀県内でもトップクラスの前方後方墳です。


◉ここで足を痛めてしまい残りの古墳群観察はやむなく断念、又の機会に訪ねたいと思います。

滋賀県長浜市・深谷古墳

2020-08-22 05:23:28 | Weblog
滋賀県長浜市高月町西野、琵琶湖・塩津湾に向けて張り出す標高158.5mの丘陵尾根上にあります。
「古保利古墳群A-1号墳」と呼ばれることもあります。
湖(琵琶湖)からしか見えないという特徴を持つ古墳です。

全長約35m、 後円部径22~19m・高さ2.8m、 前方部先端幅18m・高さ1.5m  の前方後円墳です。
後円部は不整形で二段構築です。














西(湖)方向を向いている前方部はバチ形にひらいています。










1994年に測量調査が、1998年に確認調査が行われています。
前方部先端部に造り出し(平坦面ーテラス)があります。
墳丘には葺石が施されています。
ただ一般的な葺石ではなく石材を張り付けただけのようです。
後円部墳頂にあった埋葬施設は中世に盗掘され破壊されていましたが、木棺直葬の可能性が高いそうです。
受口状口縁甕の口縁部破片が出土しています。



古保利古墳群を構成する1基で、古墳群の最北部に1基だけ単独で築造されています。

古墳時代前期・4世紀前葉頃の築造と推定されています。
滋賀県内最古級の前方後円墳です。


(古保利古墳群)
琵琶湖の最北端・塩津湾を見下ろす約3Kmに及ぶ南北に続く細長い丘陵尾根上に造られています。
前方後円墳8基・前方後方墳8基・方墳37基・円墳79基、 計132基が細長い尾根上に一列に並んで造られています。
琵琶湖からしか見えない古墳もあります。
古墳時代初期(3世紀中頃「邪馬台国の時代」から古墳時代終末期(7世紀・飛鳥時代)にかけてのものです。
ただ大半は3世紀中頃から4世紀に造られたものです。
平成15年8月27日、国指定史跡になりました。


滋賀県長浜市・湧出(ゆるぎ)山古墳

2020-08-15 05:26:32 | Weblog
滋賀県長浜市高月町唐川湧出山1055、標高約200mの丘陵上にあります。
「湧出山1号墳」とも呼ばれています。
赤後寺横の急な坂道を30分ほどかけてゆっくりと登りました。
すぐ東側を北陸自動車道が通っています。

全長35m、 後円部径23m・高さ5m、 前方部先端幅12m・高さ5m  の前方後円墳です。
後円部墳頂は戦時中高射砲が据えられていたそうで、削平されています。
西方向を向いている前方部は、、外に向かってバチ形に広がる構造になっています。
















                 (前方部)

測量調査が1986年に、発掘調査が1989年に行われています。
墳丘に葺石は施されていなかったようです。
埴輪の出土もありません。

古墳時代中期・5世紀末頃の築造と推定されています。

湧出山古墳群(前方後円墳1基・方墳6基・円墳5基)を構成する1基です。

すぐ隣の円墳上で見つけた土師器の器(写真撮影後元に戻しておきました)





滋賀県長浜市・兵主神社古墳

2020-08-08 05:28:59 | Weblog
滋賀県長浜市高月町横山、横山神社古墳の東・七郷小学校の東隣りです。

全長?m、 後円部径?m・高さ?m、 前方部先端幅?m・高さ?m  の前方後円墳です。
資料がなく詳細は不明です。

後円部墳丘上には石造りの小さな社・兵主神社がたっています。
そのためもあってか墳丘は大きく削平されていて、古墳の面影はありません。

湧出山古墳群を構成する1基です。




























滋賀県長浜市・横山神社古墳

2020-08-01 05:28:12 | Weblog
滋賀県長浜市高月町横山の横山神社境内にあります。
「コロコロ山古墳」と呼ばれることもあります。

全長約36m、 後円部径21m・高さ2.5m、 前方部先端幅15m・高さ1.75m  の前方後円墳です。
やや外に広がる前方部は西を向いています。

               (右が前方部)

墳丘上には式内社・横山神社が鎮座していて、そのためかなり削平されています。























周濠が廻っていたのかは不明です。
葺石や埴輪の配列はなされていなかったようです。
主体部は、後円部南側に石塊が露出していることから横穴式石室とみられます。





高月町の平野部に広がる前方後円墳や前方後方墳・円墳からなる物部古墳群を構成する1基です。

古墳時代後期・6世紀中葉頃の築造と推定されています。

昭和57年3月31日、滋賀県の史跡に指定されています。