おっとそこで横になっているのは獏さんか
ぼくも隣りへ寝かせてもらおう。
おやおーや またしてもるんぺんしてるんだね。
笑うとそのときだけシアワセなので
年中笑っている獏さん
まじめにふまじめだったがどこへいこうが獏さんは獏さん。
どんづまりの塀ぎわで笑っている。
ぼくにその笑いをわけてくれ。
バケツの底が抜けたような顔で
沖縄の陽気なうたを歌ってくれ。
獏さん 獏さんよ。
※ いうまでもなく獏さんは山之口獏(やまのくちばく)、沖縄出身の詩人。1903~1963年。
意識するようになったのは、つきの詩を読んだときからです。
夜景 (全編)
あの浮浪人の寢樣ときたら
まるで地球に抱きついてゐるかのやうだとおもつたら
僕の足首が痛み出した
みると 地球がぶらさがつてゐる